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「妙神山のただおくん19(GS)」

のりまさ (2005-10-20 00:02/2005-10-20 00:21)
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<小竜姫>
「実はですね〜忠夫君を家の学園に迎え入れたいと思っているんですよ〜」


 はいっ? ちょっと待ってください。確かあそこは……。


「六道女学院といえば、確か中等部も高等部も女子高ではありませんでしたか?」


「ええ〜そうですよ〜。でもこれからの時代、そんな男だ女だにこだわっていてはいけませんし〜、良い人材がいるということで試しに何人か中等部で男子を受け入れることになったんです〜」


 朗らかに笑いながら、とんだことを言い出しましたよ、この人。


「で、でも何で忠夫くんが……」


「それは小竜姫様が一番分かってらっしゃるんじゃないですか〜? 神族の弟子であり能力的にも申し分ない、その上家の冥子とも仲がいいですから〜。少なくとも私の知っている男の子の中では男子受け入れのテストケースとして最適なんですよ〜」


「で、ですが忠夫くんの意思は!? こっちで勝手に話を進めても……」


「確かに忠夫くんが嫌と言えば強制はしませんけど〜、多分忠夫くんなら嫌とは言わないでしょうね〜。なにせ霊能を学ぶなら東京で、いえ日本でもここより良いという学校はそうはないでしょうから〜。忠夫くんは強くなりたいらしいですし〜」


 た、確かに最近の忠夫くんなら強くなれるなら喜んで六道女学院に行くでしょうけど……。


「お、お金! そう、確かあそこは私立でしたよね!? 家にはそんなところへ行くお金なんて……」


 いえ、本当は蔵に小判が山ほどありますが。


「それも心配はいりません〜。こちらがお願いして入ってもらう特待生という形になるので〜お金はまったく要りません〜。下手すれば公立に行くよりも安く済むんじゃないかしら〜」


「で、でも」


「それに〜確か忠夫くんが魔族に狙われているんでしょ〜? 家の学校なら霊的防御力も高いですし〜、プロのGSも何人か居ますから〜、その辺の学校行くより遥かに安全ですよ〜」


 六道さんは、最近少し怪しいとはいえあまりに動きが少ないので私でも忘れかけていた魔族関係の話を出してきました。いつの間にかすっかり反論の余地は残っていません。


「あのぅ、小竜姫様? 私としてはこれがどちらにとっても良い話だったので六道夫人に賛成したのですが……何か気に入らないことでも?」


 気に入らないことですって? あるに決まっているじゃないですか!


 だって女子高ですよ、女子高! 小学生ですでにいくつものフラグを立てているというのに、これ以上立てさせる気ですか!? 伝説のフラグクラッシャーの夏子さんが頑張っているおかげで学校で忠夫くんにちょっかいかける猛者はいませんが、もしも女子高になどいったら……。しかもいくら強くても夏子さんは霊能力がありませんから六道女学院には入れません。それはそれで私には有利ですが、その分学校内でのフラグ潰しが出来る人がいなくなります。
 大体女子高といえば男に飢えているはず! そんな狼の群れの中に普段羊な忠夫くんを放り込んだら……あっという間に食べられてしまいます!
 どうしましょう、どうしましょう。と、取り合えず何か話を合わせないと。


「あ、あの忠夫くんの他には男の子は誰が、何人入るんですか?」


「今回あくまでテストなので〜、予定ではせいぜい十人くらいですね〜。ちなみにあなたの知っている中では〜、とても珍しい真魔(ママ)装術を使うという伊達雪乃丞くんを予定しています〜。雪乃丞くんのお家はあまり経済状況がよろしくないようなので〜、特待生の話をしたらとても喜んでいましたよ〜。ただ、これはあくまで忠夫くんがメインなので〜、もし忠夫くんが断るなら男子受け入れの話自体がなかったことになりますけど〜」


 毒々しさをまったく感じない笑顔で詰まれました。


 反論する余地がまったくない上に、断ったら雪乃丞くんの家は大打撃と。いつの間にやら外堀を完全に埋められていました。
 ですが何か、何かしなければ!


妙神山のただおくん〜修学旅行に行こう! 続き〜


<忠夫>
 タマモがついて来るという予想外のアクシデントはあったけど、後は予定通りに修学旅行は進んだ。


「ほら、タマモ見てよ。これが清水の舞台だって。高いねー」


「ふーん。そういや昔よくここから飛び降りる馬鹿がいたわね。まさか諺になっているとは思わなかったけど」


 タマモは少し下を覗き込んで、呟いた。前世の記憶が少し残っているのかな?


「ねえ、そういえば夏子は? あの子いつもあなたにべったりだった気がしたけど」


「うん? 今は女子とは別行動だからね。違うところを見学してるんじゃいの」


 なっちゃんは最近なんだか僕を避けてる気がする。別に喧嘩したわけじゃないし、話す時は普通に話すけど、前ほどいつも一緒に行動することがなくなった。少し寂しいな。


「ふーん」


 タマモは何か考えてたみたいだけど、すぐに僕の手を取って歩き始めた。


 その日は清水寺を見学してそれで終わりだった。夕方には旅館に着いて、僕たちの班がお風呂に入る時間となった。


「いい湯やな〜よこっち」


「うん、こうやってクラスのみんなで出かけるなんて初めてだから、大して歩いてないのに疲れちゃったよ」


 妙神山のお風呂も好きだけど、こうやってみんなでお風呂に入るっていうのも楽しいな。
銀ちゃんの視線が少し気になるけど。
 あれ、他のみんなが壁に耳を押し付ける。何してんだろ?


「なにしてんの、みんな?」


「しっ! さっきしおり確認したんだがな、今女子も隣でお風呂に入っているらしい。話し声が聞こえるんだ」


 ……確かに誰々の胸が大きいだの、どこにほくろがあるだの、こんなところに毛が生えてるだのと、話し声が聞こえる。


 ……あれ、ちょっとのぼせちゃったかな。


「くっ、も、もう我慢できん! 行くぞ、皆のもの! ここで行かねば男ではない!」


「おおー!」


「これは犯罪ではない! これは男の、そう漢の戦い! 聖戦だ! ジハードだ!


「そうだそうだ!」


 僕と銀ちゃんを除いたみんなが少し前屈みになりながら壁をよじ登っていく。……なんで取っ掛かりもない真っ平な壁をすいすい上れるんだ? 霊能力があるわけでもないのに。


「って、そうじゃなくて! 駄目だよ、怒られるよ!」


「なんだ、お前は見たくないのか? この薄い壁の向こう側はこの世の天国が待っているんだぞ? それでも男か!?」


 いや、確かに、その、なんというか……見たいって気持ちもその……ないことはないんだけど……。 でももし僕がそんなことしたって小竜姉ちゃんの耳に入ったら、この世の天国とやらを見た後に、本当の地獄に強制送還されるから、それはごめんだな。
 というわけで僕は参加しない。


「ふん、所詮は腰抜けか。まあいい。待っていろよ〜、美香に幸子。それに夏子に、タマモちゃん〜」


 ……おーい。最後にすごい不適当な名前を口走っていたぞ〜。こいつらも担任と同じなのか……。


 びしっ! ばしっ! どかっ!


「な、なんだー!」


「ひえええー!」


「や、山本ー! 田中―! こ、これは一体……? まさか、俺たちの行動を予測していた夏子のトラップか!?」


 ……正解は僕の栄光の手。蝿叩きの要領で一人一人容赦せずに叩き落していく。最後にしぶとく残ったリーダーは無限パンチで天井まで突き刺しておいた。


「ごふっ、バ、馬鹿な……」


 我侭な妹だけど、結構可愛いく思ってるんだからね。


<夏子>
 そろりそろり。もう消灯時間は過ぎているが、修学旅行の男子がこんなすでに寝ているとは思えない。できるだけばれないように夜這いをかけなければならない。私の部屋とよこっちのいる部屋は男子と女子の部屋にしてはかなり近い方だ。もちろん事前の部屋決めで細工しておいたおかげだが。
 今日は小竜姫の邪魔が入らない、数少ないチャンス。これを逃す手はない。この日のために私は顔で笑い心で泣きながらよこっちとあまりべったりしないようにしていたのだ。最近はあまり一緒に帰ったりしていなかったし、よこっちもそろそろ気になっているはずだ。 
いつもはべったりしていたあの子が急に離れる。するといつも一緒にいるのが当たり前だと思っていた心にぽっかりと穴が開き、どうしたのだろうかと考える。そしていつの間にかその子のことばかり考えるようになり、いずれそれは恋に変わるのだ!
 押して駄目なら引き、相手が不思議がったところで押す! これぞ我が家に伝わる華麗なる恋のテクニック〜中級編〜だ!

 くっくっく。今日という日を耐え忍び、よこっちとはあまり遊ばないようにしていた。おかげで最近は禁断症状が出て腕が震えたりしていたが、それも今日で終わり。


 ……今日こそ決める!


 私の班の女子はみんな結託して先生を誤魔化してくれるし、よこっちの班の男子はみんなよこっち以外買収しておいた。完璧だ。
 小竜姫、恋愛は先に告白したりキスしたりすれば勝ちではないんだよ。恋愛には得点も制限時間もない。ならばどうやって勝敗を決める? 
 恋愛は戦争じゃない。簡単だ。先に既成事実を作った者の勝ちなのだよ!


がちゃ。


……よし、よこっち以外誰もいない。予想通り。よこっちは寝つきがいい上皆出払って誰も話す人が居ないから、もう寝ているようだ。


 はあはあ、もうすぐ、もうすぐ望みが叶う! お母さんお父さん、夏子は今日大人になります!


「そうはいかないわよ」


「! 誰や!?」


 居ないはずの声に、私は咄嗟に声の方を向く。そこには……。


「タマモ……そうやな、あんたがおったんやった」


「今夜仕掛けてくると思っていたわ。万が一小竜姫の邪魔が入らないよう速攻でね」


 タマモ……。最近妹属性を持った、その上獣娘やツンデレといった様々なレア属性を持つ強敵だ。だが正面から戦うのは初めてだ。


「私とやるってこと?」


「できればやりたくないけど、避けられないならやるしかないわ」


「ふふ、よかろう、やってみろ! この夏子に対して!


<おキヌ>
「お茶が入りましたよ〜」


 お茶を入れた私を小竜姫さんが凝視してきました。ふえ?


「そ、そうだ! 六道さん、どうせならおキヌさんも入れてみてはどうでしょうか!? おキヌさんは幽霊で普通の学校には入りづらいですが、霊に対する理解の深い六道女学院なら受け入れられやすいでしょうし、何より本物の幽霊が在学しているなんて、いい宣伝になると思いますよ!」


 ふえ?


「う〜ん〜、そうね〜それも面白いわね〜」


「よし、これで忠夫くんを間接的にせよ守ることができます。おキヌさんならあまり積極的に忠夫くんとどうこうしようという気はありませんし、べすとではありませんがべたーな方法です」


 小竜姫さんが机の下でがっつぽーずをしています。


「あの〜、私がどうかしたんですか?」


「ええ〜、おキヌちゃんも忠夫くんと一緒に学校に通ってみない〜?」


ふえ?


 続く


あとがき
 結構難産でした。なんも考えずに修学旅行編を始めてしまったので話を作るのに苦労しました。夏子ですが、実は最近あまり話しに出ていないんですよね。ですから実はこういうことだったということにしました。かなり苦しいですけど。
 今回ちょっと眠たいのを我慢しながら書いたのでなんか矛盾したところとか変なところとかあるかもしれません。ああ、眠い……。

 あっ、そういえばEiji様の案からママ装術はもらいました。最初は霊装術とかにする予定だったんですが、ママ装術の方がいい感じなので。命名ありがとうございました。

 ということで、今日はこの辺で。

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