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「妙神山のただおくん4(GS)」

のりまさ (2005-10-01 14:17/2005-10-01 17:11)
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<小竜姫>
 ふにゃ…。もう朝ですか。昨日忠夫くん専用手袋を編んでいたらついつい夜更かししてしまいました。とても眠いです。ですが起きて朝の日課をこなさなければなりません。朝食を作ったり朝の鍛錬をしたり忠夫くんの寝顔を堪能したり忠夫くんの頬を突いて反応を楽しんだり…。


 えっ? 後半は何かが違う? そんなこと言う人には仏罰を下しますよ♪


妙神山のただおくん〜園児のただおくんのいちにち 朝〜


 あまり音を出さないように忠夫くんの部屋の襖を開けます。ご飯が炊けるまでもう少し時間があるのでそれまで忠生くんの寝顔をじっくり眺めます。……まるで天使のような愛らしさです。いえ、それ以上ですね。以前一度だけ天使様にお会いしたことがありますが、忠夫くんの愛らしさには適いません。ええ、適いませんとも、誰が何と言おうと。


ああ、やっぱり駄目です。私は懐からかめらなるものを取り出すと、起こさないように慎重に激写します。
 ふふ、今日はいつにもまして出来がいいです。現像がとても楽しみですね。ただ一つ心配なのは、あれからまだ四年しか経ってないのに忠夫くんの寝顔アルバムの冊数がそろそろ三桁に突入しそうなことです。成長アルバムと笑顔アルバム、二人取りアルバムの数を合わせると、後数年で本棚が崩壊するかもしれません。


 …そう、この子を引き取ってからもう四年も経つのですね。半分その場のノリで引き取っちゃいましたけど、意外にも老師からは特に叱責はありませんでした。魔族に狙われている忠夫くんを引き取ることは下手すればデタントに関わるかと思いましたが、老師の話によるとその魔族がどうも指名手配のお尋ね者らしく、仮に戦い討つことになってもデタントには影響しないそうです。

 忠夫くんを引き取り育てること自体も老師は反対しませんでした。案外、私と同じように暇だったのかもしれません。そういえば後数年経てば自ら武術を教えると言っていました。ですが老師と稽古して、手加減を間違えられたら私でも跡形も無く砕け散るので絶対に止めて欲しいです。


「むにゃ…」


 あ、忠夫くんが何か寝言を言っています。何を言っているのでしょうか。耳を近づけましょう。


「しょうりゅ…ねえちゃ…」


 寝言で私の名前呼びました。


 ぐふっ! 不意打ちとは卑怯です! 危うく魂が引きずられるところでした。
 ハアハア…もう限界です。最近一人で寝ると言い出したので彼の意志を尊重して、寂しいですが添い寝は止めていたんですが、もうりみっとぶれいくです。


 私は超加速を越えるスピードで布団を剥ぐと、すぐさま忠夫くんの横に潜り込もうとし…。


「何やっているのですか、ヒャクメ?」


「忠夫くんが寂しそうだったから添い寝してあげているのね〜」


 そこには普段は親友、だが今は憎き敵である百の感覚器官を持つ女、ヒャクメがいました。…忠夫くんに思いっきり抱きついたまま。


私は今すぐ背中の逆鱗を押したい衝動を堪えながら、もう一度笑顔でヒャクメに聞きました。


「だから、あなたは私の忠夫くんに何をしているかと聞いているんですよ♪」


「だから私は添い寝して抱きついていると言っているでしょ。忠夫くんの体は暖かくて気持ちいいのね〜」


 そう言いながらすりすりと忠夫くんに頬ずりするヒャクメ。なるほど。つまりこれは私への果たし状というわけですね?


 私は何かが頭の中で切れるのがとても鮮明に聞こえた気がしました。


<忠夫>
 隣になんとなく暖かいものを感じながら寝ていたが、なんだかとても騒がしい。まだ少し眠いけど、目を開けてみる。


「仮に添い寝をするとしたらそれは私の役目でしょう! 忠夫くんが最近一人で寝たいと言ってくるので自重してきたというのに、それをあ・な・た・は〜!」


「それはずるいのね〜。私は小竜姫と違って毎日一緒に居られるわけじゃないから、偶に来た時ぐらいいいじゃないの」


小竜姉ちゃんとヒャクメ姉ちゃんが喧嘩してた。普段はとっても仲がいいのに、時々こうなる。とっても不思議。


「一昨日晩御飯食べに来て、昨日幼稚園に忠夫くんを迎えに行ったのは誰ですか…?」


「それはそれ、これはこれなのね〜」


 二人は僕が起きたことにも気付かずにふもーな争いをしている。ふもーってどういう意味かよく分からないけど、おじいちゃんが二人の喧嘩を見てよくいうから覚えたんだ。えっへん。


「だいたいあなたはですね、そもそも慎み深さというものがですね…」


 小竜姉ちゃんは僕の自慢のお姉ちゃん。少し説教好きで僕と話していると時々心がどこか遠くへ行ってしまうけど、とても優しくて綺麗なお姉ちゃん。
 僕に稽古を付けてくれるけど、その時もとても僕を気遣ってくれる。本当のお姉ちゃんじゃないって言っていたけど、僕にとっては大事なお姉ちゃん。
 そういえば神様って言っていたけど、僕には友達のお母さんや幼稚園の先生と何が違うのかよく分かんない。そう小竜姉ちゃんに言ったらとても喜んでくれた。なんでだろ?


「毎日一緒にお風呂入ってる小竜姫には言われたくないのね〜」


 ヒャクメ姉ちゃんは僕と仲良しのお姉ちゃん。いたずらする時はいつも一緒。対象は大体小竜姉ちゃんだけど。ヒャクメ姉ちゃんは名前の通り目が百個あるんだって。
 この前のお正月に「忠夫くんにお年玉をあげるのね〜」といって僕の頭上に目玉を落とした時はびっくりして泣いてしまった。本当は目玉じゃなくて心眼っていうらしいけど。その後泣いた僕を見て頭に血管を浮かべた小竜姉ちゃんが顔を青ざめたヒャクメ姉ちゃんを物陰に連れて行った。「何してたの?」って聞いてもいつも「秘密です♪」と言われる。


…ごめんなさい、ヒャクメ姉ちゃん。


「何をしよるんじゃ二人とも…。もう飯が炊けよるぞ。…おお忠夫、おはよう」


「おはよう、おじいちゃん」


 おじいちゃんは見た目はお猿さんのおじいちゃん。でもとっても強くてこの前「どれだけ強いのか見せて」と言ったら、変な棒の一撃で山を一つ吹き飛ばしてくれた。凄かったけど後で小竜姉ちゃんにとても怒られてた。ゲームが大好きで僕がいつも相手をしてあげる。ゲームもとっても強いけど、ちゃんと時々手加減して負けてくれる。嬉しいけどいつか自分の手で勝ちたいな。


 僕が入ってきたおじいちゃんに挨拶すると、二人とも僕が起きたことに気付いて


「おはうようございます、忠夫さん」


「忠夫くん、おはようなのね〜」


 と、先ほどまで喧嘩していたとは思えない笑顔で挨拶してくる。


「おはよう、小竜姉ちゃん、ヒャクメ姉ちゃん」


 この後皆でご飯を食べる。小竜姉ちゃんの作ったご飯はとても美味しい。


僕の一日はこうして始まる。

 続く

あとがき

 園児になった忠夫くんの一日を描く、その朝です。本当は一日丸ごとを書く予定だったのですが、書いている内に筆が勝手に進んでしまい、朝、昼、夜に分けることにしました。
 ほのぼのを描くつもりなんですが、やはり小竜姫が暴走してしまいます。まあ、自分のほのぼのはこんな感じで…。
 さて、皆さん忠夫くんがどう成長するか気になっているようです。この園児編ではかなりまともに見えますが、まだ五歳なのでそこまで煩悩などありません。小竜姫もそういう教育をしています。ですがある意味小竜姫の方が煩悩全開なので、そのまま真面目に成長するかは…秘密です。ただ聖人君子にはなりませんが、原作程煩悩に身を任せません。煩悩に突っ走る姿は絵がある漫画だと楽しいんですが、文章だと上手く書かなければただ情けないだけなんですよね。

 次は園児の昼編です。ちなみにこれまでの四年間は番外編の「小竜姫様の育児日記」というのでいずれ出します。

 ではこの辺で。

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