(やはりこやつは面白いのう、多少の助言で持てる力を出しよる。 おそらく本能的に分かっておるんじゃろう、己の持つ能力とその使い方がの・・・・・・・・・それにしても惜しいのもう少し時間があれば・・・・・・・・・)
Legend of Devil Vol.9 Training その3
妙神山修行場横島専用特殊空間(斉天大聖作製)での束の間の休憩である夕食時
「たいにゃいしぇいしぇい?」
ゴス!
「きちんと口の中のモノを呑み込んでから話さんか!」
「ん・・・・・・ゴクン、ふぅ~、で体内清生ってなんスか?」
先程の打撃で出た鼻血を拭き取りつつ斉天大聖に質問する横島。
「体内精製じゃ、文殊を体内の各所で精製するんじゃ。 横島、お主文殊の精製は何処でやっておる?」
「掌ッスね」
「発動はどうじゃ?」
「掌ッスね」
「使わぬ文殊の保管は?」
「霊気に戻して吸収ッスかね?」
そこまで問答すると斉天大聖は大きく溜め息を吐いた。
「文殊の精製から発動までどの位かかる?」
「まぁ、最近早くなってきたんで大体一秒位じゃないッスか? まぁ3個以上になると文字込めもあるんで2秒チョイって所ッスかね」
「2秒か・・・・・・・・・人間界のみでの話しであっても中級魔族から上級魔族、2秒あればお主はあの世行きじゃぞ? 一度に使える文殊の数も増え攻守ともに戦術の幅は広くなっておる。 しかしそれだけのことじゃ、逆に戦術に使う文殊の精製から発動にタイムラグが生じておる」
「うぅっ」
文殊の多発動の弱点を的確に指摘され、相手の気を散らせばなんとかなるだろうと考えていた事が何と楽観的だったのかを思い知らされてしまった。
「そこで文殊の体内精製を行うのじゃ。 精製から文字込め、発動までを体内の各所で行うんじゃ」
「でもそれじゃ時間のロスは変わらないんじゃないですか? 大体“爆”の文殊を体ん中で発動させたら・・・・・・・・・」
「ふむ、文殊の体内精製には3つ利点があるんじゃ。 1つは“文殊”として形をなさなくて良いという事じゃお主は文殊使いとして言霊による霊力の機能変動に長けておる。 よって“文殊”としての形をなさずとも体内であればその能力を発揮出来るという事じゃ。 もう一つは文殊精製の為に使う霊力・・・・・・・・・外側から圧縮する為の霊力を消費せんことじゃ。 最後の1つはその文殊の発動を半永久的に持続させる事が出来るという事じゃ。 体内である事と文殊としての形をなさない事から常にお主の霊力を補給する事が出来るんじゃ。 それにの攻撃系の文殊はお主のイメージ次第じゃ、発動させたからと言って体内で爆発させる事はないじゃろう、霊波砲や霊波刀にその能力を上乗せすると考えればええ。 丁度昨今お主が“剣”に別の文殊を埋め込んどるようなモンじゃ。 まぁ消費霊力は段違いになるはずじゃ」
斉天大聖の長い話しに横島は顎の手をついて考え込んでいた。
「まずは実践あるのみじゃ。 休憩も終わりじゃ行くぞ!」
「はい」
(休憩一食15分睡眠1日3時間って短いよな~、良く俺の体保ってるよな~)
「では始めるぞ!」
その言葉と同時に10人の斉天大聖が横島を中心に広がっていった。
(体の各所って言ってたよな~・・・・・・・・・試してみるか!)
横島は右手へと霊力を集中した。しかし文殊への精製はせずそのままに言霊をのせた(文字をイメージ)。“剣”
バシュ!
「ほう」
「これが・・・・・・・・・」
横島の右手に“剣”が精製され、しかも通常の文殊で精製するより大きく、かなりの霊力が収縮されていた。
(やはりこやつは面白いのう、多少の助言で持てる力を出しよる。 おそらく本能的に分かっておるんじゃろう、己の持つ能力とその使い方がの・・・・・・・・・それにしても惜しいのもう少し時間があれば・・・・・・・・・)
「行きます!!」
“飛”“翔”“雷”
今度は右手に“剣”を維持したまま“雷”を纏わせ、腹部に集中した霊力に“飛”“翔”の言霊をのせ、空へと駆け上がっていった。
続く
レス返し♪
>sirius様
>似たようなネタというなら”烈火の炎”でしょうか?
そうか!“烈火の炎”か! 自分も安西信行先生の作品は大好きなので殆ど読みましたね~。
>”寝ていてもハイパーモード”を要求。しかも死と隣り合わせ。
>ついでにドレイン付きのフィールド。
>いろんな意味で人外な修行ですよ。
そりゃぁこの修行で生き残れる確率は0.24%でしたからそれなりの苦労をして頂いております。