「そんな風に素直に言えるタマモさんが羨ましいです。 横島さんは否応なく魔族になってしまう、私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・さぁ、仕事の時間です、行きましょう」
Legend of Devil Vol.9 Training その2
「ここじゃ、今より1年間お主にはこの中で修行してもらう」
「1年!?」
「なに、ここはワシが作った特殊空間での、中では加速状態になるからの~外界では1ヶ月と言ったところじゃの」
「へぇ~」
「それからの、この特殊空間はお主の霊力を喰らうようにできておる常に霊力を集中しておかねば忽ちに干涸らびてしまうぞ。 本来ならば3年掛けて行う修行じゃがお主には残された時間が無くなってしまった。 少々危険じゃが1年で3年分の修行をせねばならなくての・・・・・・・・・お主に耐えられるか?」
「何でそんな事聞くんですか? 俺は手にした希望を手放せるほど出来た人間じゃないッスよ」
手にした希望・・・・・・・・・ルシオラの復活。それは横島にとって絶対に成し遂げたい、いや、成し遂げなければならないモノだった。自分の命と引き替えに横島に命を与えたルシオラにもう一度自分の時間を過ごして欲しい。もう一度精一杯生きて欲しい。これが何者にも変えられない横島の願いだった。
「よし、ならば行くぞ」
「はい!」
「って言って中に入ってからもう一週間ね」
「中では3ヶ月くらい経っていますね」
タマモの言葉に茶菓子として用意した煎餅を片手にほうじ茶を啜りながら答える小竜姫。
「ヨコシマ大丈夫かな?」
「老師も出てこないと言う事は修行は順調と言う事です。横島さんも生きていますよ」
タマモの問いに論理立てて答える小竜姫にタマモは大きく溜め息を吐いた。
「あ~ぁ、ヨコシマ大丈夫かな?」
「フフ、タマモさんは本当に横島さんが好きなんですね」
「な、何言うのよ突然!」
小竜姫の言葉に焦ったのかタマモは湯飲みに入った熱々のほうじ茶を一気に呷ってしまった。舌先は火傷し、喉の奥まで熱くなり、コップに注いであった水も一気に飲み干してしまった。
「気付いてますか? タマモさん殆ど一日中横島さんの心配ばかりしてますよ? それもここ一週間毎日」
「そ、そうだったかしら?」
「そうですよ」
「・・・・・・・・・そうね、妖狐は強い男に惹かれるんだもの。 私は強い力を持っているヨコシマが好き、誰にも屈しようとしない強い心を保ったヨコシマが好き、妖怪にも分け隔て無く優しくしてくれるヨコシマが・・・・・・・・・」
「そんな風に素直に言えるタマモさんが羨ましいです。 横島さんは否応なく魔族になってしまう、私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・さぁ、仕事の時間です、行きましょう」
小竜姫はそう言うとその場から立ち上がり玄関の方へと歩いていった。
「素直になればいいじゃない・・・・・・・・・」
タマモも呟きながら小竜姫の後を追った。今日は除霊の仕事が2つ入っていた為、雪之丞は既に向かっており、もう片方の除霊が小竜姫とタマモの割り当てだった。
「横島よ、休んでいる暇はないぞ」
「もう一度じゃ」
横島を“10人”の斉天大聖が取り囲んでいた。横島の手には文殊で造り出された“剣”が2本それぞれの“剣”に3つずつ文殊が埋め込まれそれぞれ“雷”“爆”“盾”“影”“反”“飛”と画かれていた。
(この修行場へ来て3ヶ月、文殊同時発動も8つまで出来るようになりおった。 空間の霊力吸収もごく僅か霊力を己のモノに出来てきた証拠じゃ・・・・・・・・・ちと早いがそろそろやってみるかの)
続く
レス返し♪
>sirius様
>一応手加減している事になるんでしょうね。
えぇそりゃぁもう。死ぬかも知れない修行で初めてすぐ死なれたのでは空間を造った意味すらなくなりますからねぇ
>YAIBAを思い出したのは自分だけじゃないと思うのですが・・・・。
鱧天のHPにも同じレスを下さった方が・・・・・・・・・自分としてはYAIBAも大好きです! ですが内容を確実に把握している訳ではないのでSSは無理ですねぇ。とと、話がそれました。えぇ、このネタはYAIBAから頂きました。でもYAIBA以外にもこのネタ使ってる作品があったような・・・・・・・・・気のせいですかね?