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!警告!バイオレンス有り

「ヒーロー見参!! エピソード二十七(GS+色々)」

煌鬼 (2005-09-08 20:24)
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「はあはあ・・・・・・・く!!」
≪ベキ・バキ・ビシ≫


暗い通りで、二つの影がぶつかり合っていた。一つは小柄ながら動きが早い少女、もう片方は大柄ながら鋭い眼光の男だった。


「ほらほら・・・・・嬢ちゃんの力はそんなもんかよ・・・・ふん!!」
≪ズドン≫
「あぐ・・・・!!」


男は女の子にめがけて軽く拳を叩き込んだ。するとあまりの衝撃に少女は吹っ飛ばされ、壁にぶち当たってしまった。


「がふ・・・・」
「ったく、こいつが魔帆良で中国拳法の使い手と聞いて挑んでみたが、やはり所詮はガキか・・・・・・」


そう言うと男は腰を落とし右手を後に下げると、次の瞬間、一気に加速して少女に迫る。


「命はとらねえ・・・手足には無くなるだろうがな・・・!!」


男はそう言うと、微笑みながら拳を少女に放った。


(もう・・・・ダメアルか・・・・)


少女が心の中で諦めかけた・・・次の瞬間!!


≪・・・・・ガシ≫
「な、なんだこり≪ベキ≫がはぁっ!!!!!」


突如放った拳が止められ、更に男は顔に拳を叩き込まれた。


「て、てめえ・・・・何モンだ!!!!!!!!!!?」
「通りすがりの・・・・・・ヴァンパイアハーフさ!!」


≪ズドン・・・・ベキベキ・・・・・ゴス≫


突如現れた青年は、即座に男に近づくと、中段突きから左ストレートと右アッパーと続き、トドメと言わんばかりにローキックを叩き込んだ。


「げはああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


男は断末魔の悲鳴を上げながらごみ置き場に突っ込んで止まった。青年はそれを見るのを止め、少女に近づいた。


「大丈夫?どこか折れたりしてないかい?」
「え・・・・・あ、アイ。大丈夫アル」
「良かった・・・」
「助けてくれてありがとうアル。お主凄く強いアルな・・・」
「そんな事ないよ・・・これでもまだまだ修行中だから」
「あの力で修行とは・・・・・凄すぎアル。大きくなったら婿にしたいアル!!」
「ははは・・・君みたいな可愛い娘なら正直歓迎かな(苦笑)」


青年は半ば冗談半分でそう答えた。しかし、少女の瞳の奥はメラメラと炎に満ちていた。


「・・・あ、もう行かないと。用事があるんだった」
「そうアルか・・・・また会えるアルか?」
「どうだろうね・・・・もしかしたら・・会えるかもしれないね」
「絶対会うアル!!」
「はは・・・・じゃ、またね」


そう言うと、青年は闇の中を歩き出した。


「あ、待ってアル!!私の名は古菲(クーフェイ)アル。お主の名は・・」
「僕かい・・・・僕はピエトロ・ド・ブラドーだよ」
「分かったアル・・・・・覚えておくアル!!」
「ははは・・・・またね」


これが、ピートと古菲との出会いだった・・・。


エピソード二十七 暴れる邪剣


「そうか・・・・クーちゃんも中学3年か・・・・」
「あい♪お主を婿にするために、一生懸命強くなったアル♪」
「ははは・・・・・・・そういえばそうだったね(苦笑)」
「にゃはは♪」


ピートとクーの間でほのぼのした空気が流れようとした時・・・


≪ギロリ≫
「びく!!・・・・・師匠・・・・(汗」


ピートは背中に冷や汗をかきながらエヴァのほうを向いた。


「いちゃいちゃは後回しだ。すぐにG3システムの訓練に入ってもらうぞ」
「あ、はい!!」


ピートはそう言うと、置いてあったG3ユニットを装着し始めた。そして頭部ユニットをつけると、訓練場のような大きな広場に出た。


『いいかピート。今からお前がそのスーツに適応するための訓練を開始する。まず霊力と魔力を自身に共有させろ』
「は、はい!!・・・・はぁぁぁぁぁ!!」
≪ブオン≫


ピートが精神を集中させると、G3の周りを霊力と魔力のオーラが流れ始めた。そしてそれは次第に重なりだし、最後には完全に一つになった。


『やはり適能者はコイツか・・・・・・これは鍛えがいがありそうだ♪」


エヴァは通信越しに不敵に笑っていた。それが聞こえたのかピートは仮面の中で冷や汗をかいていた。


「し、師匠。手加減してくださいよ・・・(汗」
『却下だ。時間がないのでな。すぐに戦闘訓練に入る。古菲、茶々丸、ピートの相手をしてやれ、手加減するな」
「当たり前アル。私の婿にある男が、私に勝てないでどうするアルか♪」
「了解しました。ピートさん、マスターの命令ですので、本気でいかせていただきます」


二人はそう言って構えた。ピートもといG3はそれを見て覚悟を決めたのか、構えをとった。


「よし・・・・・・こい!!」


「どうだいエヴァ君。彼は強くなりそうかい?」


ピートが戦い始めた中、西条がエヴァに尋ねた。


「そうだな・・・・・五分五分と言えるな。アイツが優しさと強さをうまくコントロール出来るかも重要になってくる。今はアイツを信じるしかあるまい」
「そうか・・・」
「心配するな西条君。彼の実力は君も知ってるだろう。なんとかなるものさ」
「・・・・そうだな。さて、じゃあ僕は美神君たちの所に戻るよ。訓練が終わったら、僕の携帯に連絡してくれ」
「了解だ」


時雨にそう言うと、西条は部屋を出て行った。


「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・はあ!!」
≪ザン!!・・・・・・ズドン≫


場所は変わり菜ノ花家、そこでは右手に霊波を集中させたシロが、木に向かって大きく霊波刀を振り下ろした。すると、斬れ筋も見事といえるくらいに見事に切断した。


「凄いじゃないかシロ。短時間でこれだけ霊波刀の力を引き出せるなんて!!」


横島は驚きの声を上げながらシロを褒めた。するとシロは頬を赤く染め、菜ノ花姉妹とタマモからは嫉妬のオーラが流れていた。


「これも菜ノ花姉妹の方々と横島先生のおかげでござる♪」


そう言いながらシロは高々と霊波刀を上にかざした。


「でもこれじゃ不十分よ。あの犬飼ってやつ・・・・八房の力で暴走してるとしたら、厄介なんてレベルじゃないわよ」
「分かってる・・・だからここからが本番なんだ」


タマモの言葉に横島が頷くと、横島は救世の手を発動させた。


「さぁシロ、俺と霊波刀で戦ってみい!!」
「え!?何ででござるか!?」
「相手は霊刀使いだ。自由ちゃんや十兵衛みたいに霊波じゃなく、気で補った刀とはまた違う相手だと思う。だから俺なら霊波刀が使えるし、多少は戦闘経験もあるから手っ取り早いって事だ」
「な、なるほど・・・・分かったでござる!!」


そう言うと、シロは横島と間合いをとり霊波刀を発動させた。


「いくぞ!!」


そう言うと、横島はシロめがけて駆け出した。


「・・犬塚シロ!!参る!!」


そう言ってシロも駆け出した。二人の距離はすぐに零になり・・・


≪ガキィン≫


刃がぶつかった。すると火花が散りながらギシギシと音を立てる。


「す・・・すげえじゃねえかシロ。だがな・・・俺だって負けるかーーー!!」
≪ギギギ・・・・ガキャン≫


横島は半ば強引に霊波刀を弾くと、一歩踏み込むと同時に横に切り払った。


「なんの!!せい!!」


シロはそれを紙一重で回避すると、凄い速さで×字に斬った。横島はなんとかそれを連続で防ぐと、二撃目を防いだ体勢から回転力を加えて再び横に霊波刀を振るった。


「これでどうだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「ぬああ!!負けないでござる!!」


シロの頭に刃が迫り・・・・・・次の瞬間


≪ガシン≫
「な、何!?」


横島の放った霊波刀を・・・・・“口で”受け止めたのだ!!


「隙あり!!」
≪ズドン≫
「あがっ!!」


一瞬の隙を突かれ、横島の腹部にシロの霊波を込めた拳が炸裂した。


「ヨコシマ!!」
「「横島(君)!!」」


タマモと菜ノ花姉妹が声を上げる中、シロは打ち込んでいた拳を引き抜いた。すると、横島はずるずると膝を突いた。


「強くなったじゃねえか・・・シロ」
「拙者・・・・先生に勝てたのでござるか?」
「ああ・・・と言ってもあんまり強くない先生だったけどな(苦笑)
「そんな事ないでござる!!先生は・・・先生は最高の先生でござる!!」
「そっか・・・・・さんきゅーな」


横島はそう言いながらシロの頭を撫でた。するとシロの顔は真っ赤になり、タマモたちの嫉妬度が急速に上がった。


「ヨコシマ!!いつまでもいちゃいちゃしてないでよ!!(私だっていちゃいちゃしたいんだから!!)」


タマモは本音を隠しながら横島たちに向かって言った。


「おっと・・・そうだったな」
「拙者が手を貸すでござる」


そう言ってシロが横島の手を握り上げようとした。しかしシロの霊波パンチ(仮名)を受けてふらふらな横島が立てるわけもなく・・・。


「あ・・・・あれ・・・・・やば・・・」
「あ・・・・倒れるでござる!!!!!!!!!!!!」
≪・・・・・ドッシーーーーーーーーーーン≫


二人は盛大にこけてしまった。そしてそのこける際、何故か「ちゅ」っと音が聞こえた。


「「「ま、まさか・・・・・・・」」」


三人は嫌な予感を感じながらそのこけた二人を見た。そこには・・・・・・シロに押し倒され“キスされている”横島と、横島を押し倒して“キスしている”シロの姿があった。更に・・・・何故かシロの身体が・・・・・・・中学生以上高校生未満といえる身体へと成長していた。


「「「なんでこうなる(のだ)のよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」」


マジで悲痛な叫び声が三つ、辺りに響き渡ったのだった・・・・・・・。


≪ズシャン・・・・・・ズシャン≫


地面を削るように、一匹の獣が歩いていた。路地裏をずるずると歩くその者の姿は、全身を漆黒に染めた虎の鎧だった。しかしその姿は時間が経つと共に・・・・・いつのまにか犬飼の姿へと戻っていた。


「がは・・・・・こ、この力。恐ろしく・・・・強い」


犬飼は自身の手を見つめながらその力に感極まっていた。そんな中、闇の中から黒い着物を着た守信が姿を現した。


「どうだ。その力・・・・恐ろしく強いであろう」
「おお!!確かにこの力、恐ろしいほどの強さを秘めておるぞ」
「・・・どうやら気に入ったようだね。・・・それじゃあ、そろそろ人を狩る時かな?」
「人・・・そうだ霊能者だ。あやつらは拙者を一度どころか二度も倒した武士だ。あやつらの霊力を奪えば、拙者は間違いなくフェンリルへと先祖返りできるだろうぞ!!」
「・・・そうかい。なら、手っ取り早く人間を襲えばいいではないか?」
「・・・・そうだな。よし・・・・・・・!!」


そう言うと同時に、犬飼は姿を消した。


「さて、今回のはかなりの出来だ。・・・間違いなく、クウガもただではすみまい・・・ふっふっふ・・・はっはっはっはっはっ!!」


守信の狂気の叫びが響き渡るのだった。


≪ズシン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!≫
「な、何!?」


美神は突如発生した膨大な霊圧に驚きながら辺りを見回した。するとエミたちもまたその霊圧を身体で感じていた。


「どうやらこの霊圧・・・・・さっきの辻斬りみたいね。マジでヤバイワケ!!」
「そうみたいね。それにしては霊力が上昇してるけど・・・・もしかしたらなにかヤバイかもしれないわね!!行くわよ!!」


美神の言葉に続き、皆がその場を後にする中、唯一何か不安を感じるキヌの姿があった。


≪ズシン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!≫
「な、なんだぁ!?」


横島は突如降りかかった霊圧にバタンと倒れてしまった。それは皆も同じで、菜ノ花姉妹やタマモ、シロまでもが倒れていた。


「な、なんかヤバイぞこりゃ!!」
「す・・・・凄い霊圧よ・・・・この感じ・・・・どっかで?」
「・・・・間違いないでござる!!この霊圧は・・・・犬飼!!」


霊圧の出所が分かった瞬間、シロは爆発的なスピードで飛び出していった。


「あ、シロ!!追うぞタマモ!!」
「うん!!」
「自由ちゃん、十兵衛ちゃん、本当にありがとな」
「ううん、今はシロちゃん追ってあげて」
「今のままじゃシロは敗北する、急げ!!」
「ああ!!さんきゅ!!」


そう言うと、横島はGCαに跨り、タマモが後に乗ったのを確認すると、フルスロットルで加速するのだった。


「・・・・今のは・・・なるほど、フェンリルが起きようとしてるんだね」


高層ビルの頂点に、青きバンダナをつけた青年が立っていた。青年は指をパチンと鳴らすと、突如空に三つの青い渦が発生し、そこから亀の怪物が二体、カラスの化け物が一体出現し、そのまま街へと降りていった。


「まぁ・・・・僕には関係ない。僕が僕のしたい事をするさ・・・」


そう言うと、青年は闇の中に消えていった。


「・・・・・大丈夫かいな?冥子はん」
「う、うん。もう大丈夫〜〜」
「なら良かったわ」


政樹は冥子の部屋で冥子を落ち着かせていた。化け物に襲われたショックが強かったため、泣き止むまでかなりの時間がかかったのだ。そんな中・・・


≪ズキン≫
「う・・・うう」


政樹の脳裏に、亀とカラスの化け物のイメージが流れ込んだ。


「・・・ま〜くん?」
「・・・すまへん冥子はん、ワイは行かないと」
「やだ〜〜〜、ま〜くんと一緒〜〜〜」


冥子は泣きそうな顔で政樹に抱きついた。政樹はそれをやんわり離すと、冥子を見ながら話始めた。


「冥子はん、ワイは冥子はんが大事や。だけど、ワイは冥子はんみたいに人々が傷つけられるのが我慢出来んのや。だから・・・ワイがあの化け物らを倒してくる」


冥子は政樹の言葉を聞き少し動きが止まったが、やがて政樹から離れた。


「ま〜くん、ちゃんと帰ってくるよね〜?」
「もちろんや!!冥子はん残したら、後が大変やからな」
「む〜〜〜、ま〜くんひどい〜〜〜」


冥子は頬をぷ〜と膨らませながら怒っていた。それを笑みで返しながら、政樹は部屋から出て行った。


「この先に凄い霊圧を感じますジャー」
「一体なんなのでしょうか?少なくとも悪霊より厄介みたいですけど」


タイガーと琉朱菜は走りながら霊圧のする方向に向かっていた。その時、突如空から何かが飛来し・・・・地面に降り立った。


「あ、あれはなんですジャ?」
「・・・・カラスですね・・・外見は人間みたいです」


二人はその怪物を見ながらとりあえず様子を見ていたが、次の瞬間・・・!!


≪ズバババババババババババババババババババ≫


突如カラスが手のひらから渦を発生させ、そこから一本の剣を取り出した。そしてそれを一振りした瞬間、周りにいた人々は一瞬にして空中に飛ばされ、地面に叩きつけられた。


「な、なんて事するんですジャーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「・・・・ひどい・・・・」


二人の目に映るのは、地面に叩き付けられ全身を打撲した者、身体の外に骨が飛び出している者、人の姿すらなく、肉片と化した者と様々だった。


「・・・・琉朱菜サン、奴等をぶっ飛ばすですジャ」
「・・・ええ。あの人たちを止めないと、人々の笑顔が消えてしまいます!!」
「いくですジャ琉朱菜サン!!」
「はい!!」


そう言うと、タイガーは自身と琉朱菜に幻影投射をかけた。そして精神を同調させると、一気にそれを開放した。


「「共鳴変身!!」」


二人が叫んだ瞬間、煙が発生し・・・・・その中から・・・・TGが姿を現した。


「ギ・・・ギギ!?」


カラスはTGのほうを見ると、敵と確認したのか、TGに向かって疾走し、そして刃を振り下ろした。


「舐めるんじゃないですジャーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
≪ベゴン・・・・グシャ≫


TGは振り下ろされた刃を・・・・・・殴ってぶち壊した。そしてそのまま拳は・・・・カラスの顔にめり込み、吹っ飛ばされた。


「もう怒りは限界を超えてるですジャ!!ぶっ飛ばすですジャーーー!!」


そう言って更に追い討ちをかけようとした時、突如空から二つの影が落ちてきた。そしてそれはTGめがけて落下してきた。


「・・・・・・・・・な!?」


気づくのが遅れたTGは慌ててガードしようとするが間に合わず、その影はTGに・・・・・・激突しなかった。何故なら・・・・銀色のムチによって・・・絡め取られていたからだ。


「・・・・・大丈夫か?」


ぶっきらぼうな口調を聞きTGは振り返った。そこには、真紅の身体に手首や足首が銀色に輝いた、ギルス兇了僂あった。


「そ、その声は・・・雪乃丞サン!?」
「・・・・その声・・・タイガーか!?」


二人は驚きながらも、落ちてきた影を殴る&投げ飛ばすで取っ払い、並び立った。


(お知り合いですか?タイガーさん?)


精神状態の琉朱菜がタイガーに尋ねた。


「あ、彼は雪乃丞サン。GS試験の時は敵だったんですジャが・・・」
「まぁ、色々あって今はモグリのGSってとこだな。・・・もしかして今のが・・・琉朱菜って女か?」
「な、なんで知ってるんですジャ!?」
「ああ、横島あたりから聞いたんだよ。タイガーに彼女出来たぞって嬉しそうになw」
「横島サーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」


タイガーは情報漏れの原因に素直に凹んでいた。それに引き換え琉朱菜は・・・。


(タイガーさんの・・・彼女・・・・いい響きですね♪)


何気に凄く喜んでいた。


「さて・・・・凹むのは後にしとけ。今は目の前の化け物をぶっ潰すぞ!!」
「はいですジャー!!」


そう言うと二人(三人)は、三匹の怪物目掛けて駆け出していった。


「な、何よ・・・・・これ・・・・」


美神たちは目の前の光景に愕然としていた。そこには、崩壊したビル、爆発し炎上した自動車、そして・・・山のように積み上げられた人々の死体。


「・・・・なんて凶行に出たワケ!!」


エミは持っているブーメランが潰れそうなぐらい拳を握り締めていた。


「・・・これは派手にやったのぅ・・・」
「生存者の反応・・・・ゼロです・・・ドクターカオス」


長年生きてきたカオスもこの光景には苦い顔をした。


≪・・・・・・ガラ≫


突如瓦礫が崩れ、そこから・・・・八房を血で染めた犬飼の姿があった。


「・・・・ほう。やはり来たな・・・・霊能者」
「アンタ・・・舐めた真似してくれるじゃない・・・」


美神は悪魔も恐れる形相で犬飼を睨み付けた。しかしそれにも動じず、犬飼はただその場から動かなかった。


「・・・・アンタ・・・・マジで殺すワケ・・・言っておくけど・・・もうタガが外れてやばいかもしれないから」
「ほう・・・・貴方ごときで彼を殺せますかね?」


突如の声にエミは後ろを振り向いた。そこには黒い着物をきた守信が笑いならが立っていた。


「アンタ・・・守信!?なんでアンタがここにいるのよ!!」
「それは簡単です。私がその者にこういう事をさせるように仕向けたからですよ」
「・・・・・仕向けた?」
「いくら貴方でも気づいているでしょう。いくら強い剣術を持ち、強い剣を持っても・・・・ここまでの惨状を作るには時間が足りません。ゆえに・・・彼の身体に・・・・グロンギを埋め込ませていただきましたよ」


グロンギの単語を聞き疑問の表情を浮かべる中、美神だけはなんとなくその言葉の意味を察した。


「変身した横島君と戦った奴等の事ね」
「ご名答だ。私はある御方からグロンギの一族の魂を貰いうけ、適合する者関係なく、ただ強い奴にそれを埋め込んだのだ。そして適合出来た奴はうまく口車にのせて・・・・破壊を起こさせるのだ」
「アンタねぇ・・・・・このまま戦ったら横島君の命が危ないのよ!!いい加減諦めなさい!!」
「ふん・・・私の目的は・・・・・あの御方の邪魔になるクウガの死だ」


それを聞いた瞬間、美神は一振りで神通棍を精霊石化した。


「アンタ・・・・・絶対に殺す!!」
「やれるのならばどうぞご自由に。ただし、目の前の脅威をなぎ払ってからでしょうがね」


その言葉と同時に犬飼が前に出る。そんな時・・・。


「犬飼・・・・・覚悟ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


突如銀髪に赤いメッシュのかかった少女が飛び出し、犬飼に斬りかかった。犬飼はそれを八房で防ぐと、そのまま弾き飛ばした。


「・・・・・・くう!!」


少女はなんとか着地すると、怒りをむき出しにして犬飼を見ていた。


「ちょ、ちょっとアンタ何者よ?」


美神は突如現れた少女に問いかけた。すると少女は美神たちのほうを向いて・・・・


「拙者・・・・父の仇?である犬飼ポチを倒すために参った、犬塚シロでござる!!」


名乗りを上げた。


「犬塚・・・・ねえ?それってどういう「美神さ〜ん」・・・」


美神がシロに尋ねようとした時、バイクに乗った横島とタマモが駆けつけた。


「よ、横島くん!?今までどこに行ってたの!?」
「話は後で説明します!!今はあの犬飼を止めないと!!」


二人が話しを終えると、犬飼はうめき声を上げ始めた。そしてその外見は・・・・裏路地での姿へとかわった。


「そうそう、その男には虎のグロンギを埋め込ませていただきました。凶暴性に加え、肉体の強度はかなりのモノです」


虎と化した犬飼は、更に左腰につけてある八房を引き抜いた。次の瞬間、八房は日本刀とは思えぬぶ厚い物へと変わり、柄には鎖が付きそこからは鉄球が付属していた。


「みなぎる・・・力がみなぎるぞ!!」


犬飼は自身の理性を持ちつつ、力を解放していた。


「ち・・・・また霊圧が上がったわ・・・・」
「やばいっスね・・・・こりゃ・・・」


そう言いつつも神通棍と霊波刀を発動させる二人。


「・・・犬飼!!」


歯軋りしながら犬飼を見るシロ。そんな中、犬飼はその刀を横に振り払った。
≪ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ≫
「「「「「「「「うわああああああああああああああああ」」」」」」」」


その剣圧により、皆は吹っ飛ばされてしまった。


「たった一振りで・・・・・この威力なんて・・・・・」
「しゃ、シャレになんねえじゃねえか・・・」


横島とタマモは地面に這い蹲りながら様子を見ていた。そんな中、一人だけその剣圧に負けず突き進む影があった。


「犬飼ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


シロだった。シロは霊波刀を発動させ、俊足で犬飼の前に立った。そしてそのまま霊波刀を振りかざす。


≪ガキン・・・・・ギシギシ≫


刃をぶつけるが、犬飼はそれをなんなく受け止め、軽く弾いた。そしてそのままシロ目掛けて突きを放つ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」


シロは目の前に刀が迫っているのが遅く見えた。そして諦めて目を瞑った・・・・次の瞬間。


≪・・・・・・ブシュ≫
「があああ!!!!!!!」


何が起きたのか分からず、シロは目を開いた。そこには、八房が肩に突き刺さった・・・・横島の姿があった。


「せ、先生!!」
「横島君!!」
「横島さん!!」
「ヨコシマ!!」


皆が悲痛な叫びを上げる中、犬飼は八房を肩かた引き抜き、柄に付いていた鉄球を・・・・・横島の身体に叩き付けた。


「がふ!!!!!!!!!!!!」


そのまま吹っ飛ばされ、美神たちのいるところで止まった。美神はすぐに横島の上着を脱がせると、そこには酷い傷が存在した。


「・・・・あんのクソ野郎!!」


美神は神通棍を握り締めて顔を向けるが、犬飼の霊圧は更に上昇していた。


「失せろ・・・・・斬風牙!!」


犬飼はそう言って霊波を刃に込め、横に一気に切り払った。その刃は皆に直撃するはずだった・・・・しかし・・・。


「・・・・・五月雨」


次の瞬間、横島たちに向けられた斬撃は、突如放たれた斬撃によって相殺された。


「・・・・な、なんなの!?」


美神は驚きながら前を見た。そこには、10歳ぐらいの少女の姿があった。


「苦戦しておるようだな、美神殿」
「・・・・その声・・・まさか!?」


美神の問いに答えず、少女は横島のほうに向かった。そしてしゃがみ込むと・・・横島と唇を合わせた。


「「「「ええ!?」」」」


美神たちが驚く中、横島の傷は癒え始め、少女の姿に変化が起きた。その姿は少女の姿から・・・・20前後の外見の女性へと変わった。長き蒼髪に角がちょこんと生えており、スタイルはS級って言っても過言ではないだろう。そして美しい顔に・・・・左腰には一本の刀を納めた鞘があった。


「お・・・・お前・・・・心眼・・・・か?」


横島は痛みに耐えながらもなんとか尋ねた。すると女性は笑みを浮かべながら答える。


「そうだ。今お主に竜気を送った、それで回復は早まるだろう。代わりに霊力をちょっと貰ったがの」


そう言うと、心眼は鞘から刀を引き抜いた。そしてそれを犬飼に向ける。


「貴様・・・・何者だ?」


犬飼の問いに、心眼は真剣で答える。


「我が名は静流。主である横島忠夫を守るために・・・・ここに見参した」


蒼髪の竜姫が・・・・・ここに降臨する。


あとがき
あ〜〜〜〜とにかく一言。一ヵ月半ぐらい更新できなくて申し訳ないです!!前期試験だの資格取得などで滅茶苦茶遅くなりました。もうとにかく本当申し訳ありませんTT

えっと、次回は犬飼戦とアンノウン戦の2タイプバトルが展開される予定ですwとりあえず頑張ってみますので、生暖かい目で見ていただけると感謝です。では、さらばです。トォ!!

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