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!警告!ダーク、バイオレンス、男女の絡み有り
15禁注意

「仮面ライダー K 5 (GS+仮面ライダーシリーズ)」

あんでぃ (2005-08-20 06:21/2005-08-20 06:38)
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「ギガントはほぼ九割完成です」
 部下の報告を受けるEvil。何を考えているのか建築現場の作業員の服装だ。まあ、蟻人間や蜂人間が工事をしている、造船所みたいなところにいるので、状況としてはさほどおかしくないのだが。
「しづ、いやアルラウネ。科学者どもはちゃんと働いているのか」
「ご心配なく。ビビアンが心を読む兵鬼を貸してくれました。つまらないことを考えたら家族を嬲り殺す。そういえば、みなよく働きます」
 まさに毒々しいという表現が似合う女だ。髪を赤や黄色で染め、服は緑色。原色で目に悪い。さらに安全第一と書かれた黄色のヘルメットをかぶっている。そこだけEvilとお揃いだ。
「連中もわかったろう。家族を人質にされたらどんな気がするか。傷つけられたらどんな気持ちか、な」
「ええ、骨身にしみて」
 笑いあう主従。そこに黒いスーツの知的な女性が早足で近づいてくる。
「ご主人様。『網』から緊急連絡です」
「紗鬼、ヘルメットを忘れてるぞ」
 同じヘルメットを手渡す。同時に紗鬼の持つ紙片を受け取る。
「は、はあ、ありがとうございます」
 面食らう紗鬼。だが主の厚意を受けないわけにはいかない。

 仮面ライダ− K 5 動き出すものたち

 紙片を握りつぶすEvil。
「甘く見ていたな、西条を」
「はい。神族、魔族の干渉が始まるのも時間の問題でしょう」
「ギガントを動かすには、まだ『家畜』がたりん。かといって、神魔を相手にするには『猟犬』も不足だ」
 目を閉じて考え込む。
「危険を承知で、思い切った手を打つ必要がある。幹部を全員招集しろ。ヒトハチマルマルに緊急会議を行う」
「かしこまりました」
 退出する部下たちを見送り、ギガントに目を向ける。
「あと少しだ。お前さえ動けばすべてひっくり返せる。俺たちが神になれる。犬や道具と見下されていた俺たちが」
 ギガントは何も言わず横たわる。それはかつて究極の魔体と呼ばれていた。

 美神は話した。横島とルシオラの話、横島が実験動物にされた話、魔物の濡れ衣を着せられた話、そのとき冗談半分でEvilという暗号名がつけられた話、自分がだまされて横島に毒をもった話、それを見てシロやタマモが出て行った話を。
「お姉さまは悪くありませんわ」
「そうだぜ、悪いのは如月のババアだ」
 悔恨の色が濃い美神を慰める二人。
「いいえ、わたしのせいよ」
 仕事が来た時点で何か変だと気づいていれば。横島の報告をまじめに聞いていれば。土壇場で横島を信じなかったこと。悔やむところはいくつもある。
 何より許せないのは、暗に賠償の件をちらつかされ、それに動揺してしまったこと。横島に自分を売ったといわれても反論できない。
 金欲しさのあまり、大切なものを売り渡してしまった。本当に大切なものを。
 手錠をかけられながらも母に対し、勝ち誇った如月の顔が忘れられない。お前の娘は、保身のために部下を売るような人間だと笑う顔が。
「だから今度こそ、信じなきゃいけないのよ。あいつを。何故かは知らないけどあいつは戦っているんだわ。邪悪なことをしている自分の偽者と。世界中の誰が否定しても、私だけは信じなくちゃいけないのよ。今度こそ絶対に」
 自らを奮い立てるように繰り返す美神。
「美神さん・・」
「うわあ」
 窓の外からあわてたような声が上がる。そばにいたエミとピートが窓をあける。そこには男が一人、片手で壁にしがみついていた。エミたちは知らないが、赤木と呼ばれていた男である。
「95点」
 ハートマークつきで採点するエミ。確かに鋭さと精悍さを感じさせる、目元涼しい、いい男である。
「貴様!」
 何者だと続ける前に男が動いた。
「つくつくほーし、つくつくほーし、みーんみんみーん」
「だあっ」
 こけるピート。
「減点80!」
 ブーメランを投げつけるエミ。脳天にまともに受け、地面に落下する赤木。小さなクレーターを作るが、頭を振っただけで起き上がる。
「アカギ!」
 金髪の少女が運転する、赤いオープンカーに乗り込む赤木。
「逃がすか!」
「追え!マリア!」
「イエス・ドクター・カオス」
「シンダラちゃ〜ん」
 空を飛べるメンバーが一斉に飛ぶ。しかし車を追って角を曲がったところで、激突音がした。
「な、なに。なんなの」
 走って後を追った美神たちが見たもの、それは、背景を描いた衝立に頭からつっ込んだ仲間たちの姿だった。
「こ、この行動パターンは」
「み、みたことあるぞ、おい」
「じゃ、あれ、やっぱり横島なワケ?あんないい男なのに、いい男なのに。いい男なのにいいい」
 おキヌは思った。誰かに似てるなあ。
「おわれてるんじゃシ、整形してもおかしくないノー」
「マリア。あやつらの顔、記憶したか」
「イエス・ドクター・カオス」
「よし、再現してみい」
 シャーペンを渡す。たちまちモノクロ写真に負けない鉛筆画が完成する。
「確かに、いい男だな」
 自分のほうが、かろうじて上だといいたいらしい西条。
「それよりこっちの女」
 睨み付ける美神。
「知ってるのかい」
「しらないけど、なんかむかつくのよね」
 全員勘弁してくれという顔になる。
 だがしかし。実は美神、リンダにあったことがある。夢のなかで「同じ巨乳なら若い方がね」と、年増扱いされた恨みは深層意識にくっきり刻み込まれたようである。
「ともかく」
 脱線しまくりの話を強引にまとめる唐巣。
「この事件、協会としても本腰を入れることにした。君たちは私直属の部隊として捜査に当たってほしい。最も現場の指揮は美智恵君にお願いするが」
 こんな勝手な連中を使いこなせるだろうか。神よ、われに力を。

「どうしたの、サングラスなんかかけて」
「ちょっと、いいことがあったんだ。ちょっとな」
「ふうん」
 乱暴にハンドルを切る、リンダ。
「あの、運転荒いんですけど」
「シートベルトしなさいよ」
「それはそうだけど、もっとソフトに」
「いやらしく聞こえるわね。あんたが言うと」
「おい、いくらなんでも」
 抗議しようとする赤木の鼻先に携帯を突き出す。
「ヤクシャからメールがあったわ」
 黙って携帯を受け取り、メールを読む。
「あの野郎!またおいしいところもってくつもりか!」

「うそつき!お金くれるっていったじゃない!」
「あげるとも、ゲームに勝ったらね」
 十代前半で、いかにも遊び歩いてる風情の少女たちが男に噛み付いている。髪は半白髪でひげを蓄え、貫禄のある紳士然といった男だ。着ているのが背広なら売春の交渉に見えようが、彼がきているのは狩猟用の服、しかも猟銃まで持っている。この姿でするゲームといったらひとつしかあるまい。少女たちもわかっていた。しかし認めたくない。意味するものは死だ。自分たちの周りには動物の剥製が山ほどある。ぬいぐるみみたい、と喜んでいたそれらが自分たちの運命だとは。
 ただの小遣い稼ぎのつもりで、こんな山奥の山荘についてきたことをいまさら後悔した。
「なんでもするよ。だからゆるして」
 少女の一人が男の下半身にしがみつく。
「ははは。残念だけどね、そっちはもう役に立たないんだ。だからこれがかわりなのさ」
 猟銃の先をスカートの中に差し込む。
 ドン!
 銃声。少女は失禁した。
「十五分待つ。できるだけ、お逃げ。一時間逃げ切れたら、約束どおり50万円あげよう。逃げられなかったら、わかってるね」
 それでも少女たちは逃げなかった。
「あんたのせいだろ!この親父、金持ってるってったのは!」
「人のせいにしないでよ!売りやろっていったのはそもそもあんたジャン!」
「なにおお!」
 この期に及んで醜い責任のなすりあいだ。
「いい加減にしてくれ、ハヤクハジメロ!」
 男の声が途中から変わる。声だけでなく全身が変わる。腕は銃と一体化し、顔はまさに狼のそれとなる。
「ば、ばけものおお!」
 やっと少女たちは逃げ出した。

 一連の光景を見ていた男がいる。
 中性的な美しい整った顔だ。
 しかし、その顔から目を離したら、誰もその顔を思い出すことはできまい。
美しい整った顔とは個性のない顔という意味だ。さらに、中性的とは、男性的でも、女性的でもないという意味だ。その顔は美しすぎる。美しすぎて個性がまったくないのだ。
 その顔が記憶に残らないように、その場にいた誰もその存在を認識できなかった。まるで空気か何かのように。

「先生!おあいしとうございました!これからはシロが先生をお守りするでござる!」 
「ああ、シロ、よろしく頼む。やはり俺にはお前しかいない」
「ああ、うれしいでござる。あっ、そんなところは」
 横島の手がシロの服を脱がし、その引き締まった体を愛撫する。
「ああ、だめでござるう」
「じゃ、やめるか」
「ああ、やめちゃ、だめ、ああうん、あん、あん」
「どっちなんだよ」
「やめないでくだされえ、シロは先生にすべてをささげたいでござる。やめてといっても、やめないでくだされえ」
「わかった、わかった、じゃあ、そこに這え、犬みたいに犯してやる」
「狼でござるう」
「いや、犬だ、俺だけのかわいい、いやらしいメス犬だ、そうだろ」
「ハウ、先生の、先生だけのお」
「ちがうのか」
「そうでござるう、先生、メス犬のシロを犯してくだされええ」
「うるさああい!」
 ぱかあああん!
「うわ!先生、はっ、先生!タマモ!先生をどこにやったでござるか!」
「横島なんていないわよ!毎晩毎晩、夢の中でさかって!おかげでこっちまで寝不足よ!」
「何貴様!拙者が先生の夢を見てると知って、フライパンで起こしたのか!」
「そうよ、わるい?」
「なぜ、武士の情けでそのままにしておいてくれなんだ!」
「あたし武士じゃないもん!」
「おのれ!」
 たすけてえええ
「いまさら、許しを請うてもだめでござる!」
「?いまの、わたしじゃないわよ」
「なんと?」
 たすけて、ころされるうう
「これは、いったい」
 おねがい、しにたくないいい
「なんかほっとくのも目覚め悪いわね」
「当然でござる!いくぞ!」
「はいはい」

TF様 レスありがとうございます。横島、K,Evilの関係はストーリーの背骨になっております。ご期待くださるなら幸いです。

古人様 レスありがとうございます。ご期待に沿えるようがんばります。

ナマケモノ様 レスありがとうございます。すみません。本当はあの三話で一話にしたかったんです。それと、平成ライダーシリ−ズのようになぞをひっぱってみようとしたんですが難しかったです。

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