インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「ヨコダヌキの冒険!/2(GS)」

ふおんせすか (2005-07-23 13:31)
BACK< >NEXT


 ――どうしたのか。

 登山家たる『鴉』は考える。
 狸が、眼下のケースの中に納まっていた。
 入り口は狸が何とかは入れそう、と言う程度の広さ。仕掛けで戸が閉まるようだ。
 このケースは、恐らく心無い者が享楽で作った物なのだろう。
 矢が、親と思しき狸に突き刺さっている。
 そして、子ダヌキがか細い声で鳴いていた。
 当然、彼は薪を作る為の斧を用いてケースを壊す。
 まとわり付く子ダヌキを撫で、親ダヌキを近くに掘った穴に埋め、十字を立てた。
 …暫し黙祷。今度は、どうしたものかと考える。
 彼は非常に貧乏なのだ。

「そうだ」

 姪の家には、イヌや猫などがいた。
 彼女に預ければ、問題はないだろう――。


ヨコダヌキの冒険/2


「…タ、タヌキ?」

 当然ながら。
 鴉の姪は、そんな声を上げた。
 見た目は、中学生程度か。亜麻色の髪を、短めに切っていた。

「ああ。この前の登山の時に拾ったんだ――『黎子』ちゃん、頼めるかい?」
「そりゃあ、いいけど――」

 彼女自身、そんなに動物が好きな方ではない。
 好きなのは、むしろ妹である。
 …小さい時の写真を見れば、必ずと言っていいほど家のイヌと写っていたのだが。

「でも、ウチには『ニシジロ』とか『ハーピー』とか、何匹も動物がいるのよ? 内容も豊富だし…」
「かと言って、私にも飼えそうにないんだ…そうなると、然るべき所に連れて行くしか…」

 鴉は含みを持たせる。
 どこかの誰かに似たあくどさ。
 …うわぁ、ムカつく。
 黎子はそう思った。
 そんな言い方をされたら、引き取る以外に手は無いじゃないか、と。

「分ったわよ、鴉伯父さん。この子――ええと、」

 むーん、と黎子は唸る。
 名前は何にしようか、と。
 …身体的特徴を挙げてみようと思い、じっくりと観察する。
 目はなんだか潤んでる。ま、この際関係が無い。
 身体は黒と茶色の二色。足も真っ黒とか真っ茶色とかそういうわけでもない。
 だが、尻尾ではそれが横縞になって現れている。
 横縞。

「よし、決めた!」

 何を、という鴉の視線など物ともせず、黎子は言い放った。

「あんたは『ヨコシマ』よ!あんたは、私が預かる!」

 震える子ダヌキ――『ヨコシマ』は、くぉん、と鳴いた。
 その言葉を、受け取ったかのように。


続く!


レスが付くとはここまで嬉しい物だったのでしょうか。ふおんせすかです。
今回はヨコシマ君からの視点は一切無し、と言うか一回書いたんですがどうにも上手くいかず…素人は一人称に手を出さないほうがいいのでしょうか。
何はともあれ、人生初のレス返し。


>黒覆面(赤)様
 やっちゃいました。色々と。
 自分の中ではY島さん最強です。

>CC様
 すみません、転生物です。素人の力量不足が憎い。
 本棚の奥にその小説があったので、もしかしたらその影響もあるのかも…。

>スレイブ様
 ショタコン悪魔…ついでにホモ半吸血鬼もいますが。
 どんな冒険になるか、と言われるとご近所の縄張り争い、修羅場は姉と妹による弄り回し合戦になりそうです…。


実はタヌキがどう鳴くか知りません。
微妙に漢字が違ったりするのは…そのままって訳にも行かないかな、というだけの理由です。


続きます。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

e[NECir Yahoo yV LINEf[^[z500~`I
z[y[W NWbgJ[h COiq@COsI COze