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▽レス始

「旅の途中 赤と青の飛行艇 第6話 (GS+紅の豚)」

義王 (2005-07-21 21:14/2005-07-21 21:15)
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「怨んでるから成仏できず・・・」
「貴女が成仏しないから、あの人達が成仏しない。」

人ならば、いや神だろうと悪魔だろうと、最愛の人を失えばその失わせた原因を怨むもの。
たとえどんな善人でも、どんな人だろうとも・・・それは仕方のないことだった。

だが、「それだけじゃないのよ・・・」っとジーナは言って、また空に目をやった。

「賭けも残ってた・・・って事か?」
「ええそうよ。なのにあの人ったら『あれに借りを返すのが先だ』なんて・・・賭けを死んだ後も先送りにして、酷いと思わない?」

上空を見上げながらのカーチスに答えるジーナ。

怨みと賭け

その2つが、彼女を現世に繋ぎ止める。
そしてそ2つは、ポルコがグレムリンを仕留めれば済む事。

しかし

「悪いけどヨコシマはあの妖怪を殺させないわ。」
「・・・・みたいね、なんでなの?」
「忠夫の旅の目的は、『妖怪と人間の共存』なんですってジーナさん。」

数日間寝食を共にしたフィオが、その数日で横島から聞いた旅の理由をジーナに伝える。

飛行機乗りや飛行艇乗りから見れば、グレムリンの行為はたまったものじゃない。
が、あれは悪戯なのだ。

子供が障子を破いたり、壁に落書きをするのとかわらない事。

そんな妖怪を、横島は退治したりはしない。

「ヨコシマは絶対に退治しないわ、っとなればどうするの貴女は?」
「そうね・・・私はマルコが勝つって信じてるから・・・もし出来なかったら・・・・」

タマモの質問に、ジーナは本当にやさしく笑顔で答えた。


「私を・・・成仏させてくれる?賭けはお流れでお終い、次の世で決着をつける事にするわ。」


旅の途中赤と青の飛行艇編 「複雑で単純な・・・・」


いわば横島は最高の餌だった。

物の怪に好かれる体質が霊体の飛行艇に乗っている。
機械弄りが大好きなグレムリンをおびき寄せるには、最高の餌といっていいだろう。

だが、その餌である横島が、狙いであるグレムリンを庇うなんて思いもしなかった。
大体彼はGS。
妖怪退治が仕事だろうと思っていた。

けど、

「ポルコ、こいつは殺させない。」


ダダダダダダダダダダダダ!!

グレムリンに壊された部分を文珠『修』『理』で直し、艇を『硬』で強化。
これでグレムリンがこの艇を齧れば、自分の歯を駄目にしてしまうのだ。

そして横島は逃げる。
グレムリンが自分の艇に飽きるまで、ポルコがグレムリンを殺す事を諦めるまで。

飛行艇に乗っているため、ポルコが何故執拗にグレムリンを狙うかなんて横島は知らない。
だけど・・・

「そんなの・・・アンタに似合わねえよ。」

グレムリンが殺される事、そしてポルコがグレムリンを殺す事、その2つが嫌だから・・・・・


「だから・・・・さっさと逃げろやグレムリン!!」
「キイ?」

叫んでもその声はグレムリンには伝わらない。
だから横島は自分が狙われてる自覚の無いグレムリンを乗せ・・・

ダダダダダダダダダダダ!!

「い、今のは危なかった・・・・」
「キイキイ♪」

ポルコの銃弾から逃げ回る。
グレムリンは、絶叫マシーンのノリで喜んでいた



一方こちらはポルコ。
横島は既に自分が横島じゃなくグレムリンを狙っているとわかっているだろうに。
なのに横島はグレムリンを連れて逃げる。

「あの野郎・・・」

確かに似合わない事をしていると、自分でも自覚している。
だが、自分がしないと誰がするのだ?

ジーナは括られたままで、成仏できない。
それにジーナは幽霊で・・・感情に正直だ。
もし俺があのグレムリンに敵意を持ってると見せなかったら、とっくの昔にジーナは・・・

「・・・・・」

誰かが代わりに復讐を果たそうとしてくれるから、悪霊にならない。
まあ全ての幽霊がそういうものなのか?っと聞かれたら違うが、ジーナはそうだった。

『男が仕留めるから女は引っ込んでろ』

そう言えば、ジーナは黙って男に任せる。
そんな最高な女を・・・・させたいか?そうなった姿を見たいか?

「・・・・・・」

見たいわけがねえ。やらせたくねえ。
女にそんな事させるぐらいなら、俺が代わりにやってやる。

その怨みは俺の所為だ。
俺がドジっただけなんだ・・・・。

「くだらねえ事で怨みやがって・・・・」


やらねばならない。
彼女を括った原因をつくったのは、あの妖怪でなく自分だから。




引けないのはどっちも同じ。

かたや夢と自分のために

かたや女とダチのために


でも、いつかしか・・・その2つを忘れてくる・・・・


なんとなくだけど・・・・グレムリンを生かせば横島の勝ちで、殺せばポルコの勝ち。

そんな勝手な方程式が2人の間で出来上がり、2人は勝負に酔いしれる。


男が馬鹿である理由

勝負に熱くなりすぎて・・・・勝負自体が楽しくなってくる。



「あ〜・・・あの2人楽しんでるわ。」
「楽しそうだなちくしょう・・・俺も参加してえ・・・」
「あの世でやったらカーチス?」

そしてそんな馬鹿2人に苦労するのは女達。
馬鹿2人を眺めるジーナにフィオ、そして羨ましがるカーチス。
GS一同はそんな3人に目を丸くしていた。

「ちょ、楽しんでるって・・・それでいいの?」
「ポルコさんがグレムリンを倒さないと、成仏できないんですよね?」
「っというか・・・さっきまでの怨みがどうのこうのとかはなんなのよ?」

口々に質問攻め。
まあ気持ちはわからないでもないが・・・

「あ〜あの事か・・・あのな、この国では俺の国より恋愛が複雑なんだと・・・人間関係も・・・」
「で、とっても単純なんです。」

カーチスとフィオの答え。
その2人の顔はとても楽しそうだった。


複雑で単純。

「い、意味が・・・」
「理解できぬでござる・・・」

シロとタマモの脳内は、既にオーバーヒート状態。
沢山のミニシロとミニタマモが、疲れきってお茶を飲んでる。

「そうね・・・まだ貴女達は若いし、わからないと思うけど・・・・」

2人して?マークを大量に抱えているタマモとシロに近づき、ジーナはそっと2人の手を握った。

「いつかわかるわ・・・必ずね、貴女達が大人になって・・・「いい女になれば・・な。」・・・カーチス・・・」

後ろから台詞を取られたジーナは、少し困った顔を見せた。
それは本当に純粋な・・・何かを怨んでるとは到底考えられない笑顔。


「なら・・・手伝ってくれますか?」
「あの子は、綺麗な歌が苦手なの。」
「それに、伝えなきゃいけないんですよね?ポルコさんに・・・・」

複雑で単純の意味を理解したと思われる、3人がジーナに声をかける。
アリス、ルシオラ、おキヌ・・・そして・・・・・

「私も手伝うのね!!」

ヒャクメ

「って、アンタ理解できたの!?(わ、私でさえ理解できないのに・・・)」
「ほんとヒャクメ!?(な、なんでヒャクメなんですか!?)」

「当然なのね!伊達に100の感覚持ってないのね!!それに・・・・」


「「「「「それに?」」」」」理解できなかった女性達(小竜姫&ワルキューレ、あと上記されている3人以外の旅のメンバー)

「いい女♪だからなのね♪」

ガーーーーーン!!×理解できなかった女性達


(ひゃ、ヒャクメの癖に・・・・)

「女の感覚も鋭いって事なのね♪さ、さっさと準備するのね3人とも♪」
「「「は〜い♪」」」

こうしてなんらかの準備を始める3人。
っとここで問題発生。

「ここからで伝わるかしら?」
「う〜〜ん・・・ちょっと離れすぎてると思うんだけど。」
「う〜〜ん、私幽霊だったからわかるけど、この距離はちょっと・・・・」

数人が(それって幽霊関係あるの?)っと心の中で突っ込む。

「そうね、ちょっと無理なのね・・・・」
「そうだ♪逆天号の甲板からなら・・・」
「ナイスよアリス!!それいいわ!!」
「まるで一昔前のゲームのワンシーンみたいですね♪」

(おキヌちゃんってゲームするんだ・・・)

「あ、イメージ的には今のおキヌちゃんの思考どおりなのね♪」
「じゃあこれで・・・」
「はい♪」

っと、理解不能の人達をほっといてルシオラの発明品『何処からでも家に帰る君』(要は天狗の抜け穴場)で逆天号に移動する4人プラス・・・

「はいジーナさん♪入って入って♪」
「カーチスさんとフィオさんも来ますか?」
「俺は此処で君達とジーナの活躍を眺めるとするよ。」
「私は・・・そうね、ついていきます。」

ジーナとフィオを連れて行った。


残されたのは理解できなかった女性達&空賊達

まあ空賊の連中は仕方ない。
こいつらに複雑なんて言葉は無いのだから・・

シロとタマモは子供だから、これも仕方が無い。

だけど・・・・

「な、なんで私に理解出来ないことがあの4人には理解できるってーのよ!!!」
「役に立たない神様の代名詞の癖に!!」
「・・・・私もまだまだって事か・・・クッ!ヒャクメに遅れをとるとは・・・」

ヒャクメに抜かれたのがえらくショックな3人。
それぞれ人間 神 悪魔 であるのが面白い。(っというより小竜姫言い過ぎ)

「う〜〜ん、ルシオラさんとアリスちゃんは予想できたけど・・・まさかおキヌちゃんが出来るなんて予想外だったわ。」
「あれ?先生はわかるんですか?」
「当たり前でしょ?何年いい女やってると思ってるの西条君?」

悔しがったり、修行が足りないと叫んだりする3界それぞれの女性達の隣で、そう断言するは我らが大人の女代表 美神 見知恵
西条はそんな彼女の台詞にただ苦笑いと愛想笑いをするしかなかったそうな・・・

「(いい女?先生がいい女?それはスタイル的にはそうかもしれないけど、性格がいい女とはとても・・・第一先生は・・・)」
「西条くん?声に出てるわよ?



ダダダダダダダダダダダ!!!

「オラよっと!!って今のはまんま俺狙ったな!!」
「うるせー!!さっさとその化け物をこっちに寄越しやがれ!!」
「キイキイ!!」
「誰が渡すか!!テメー豚の癖に妖怪食べる気かコラーー!!」
「キ、キイ!?」
「誰が食うか誰が!!テメーこそ妖怪相手だと獣○になるぞ!!」
「キ・・・・キキ・・・////
「馬鹿かテメー!!今時は人間より妖怪のほうが可愛かったり色っぽかったりすんだぞ!!」
「キーイ♪」

言い合いの内容はとても幼稚。
だが、やってることはとても高度なこと。

逃げながら、回転しながら、弾を避けながら・・・・

追いかけながら、回転しながら、標準をあわせながら・・・・


2つの飛行艇はまるで空で踊っているように見える。

時に攻守交替で、攻める必要も無い横島がいつの間にかツバメ返しを真似してポルコの後ろに位置取りマシンガンを撃ったり、かと思えば、雲を引いて空に線を描いたり・・・。

今、2人は鳥より自由に空を飛んでいる。

その鳥は赤と青。

交差しあい、追いかけあい、

地上で遠くから眺めている観客達は、いつしかそれを求愛する鳥のように見えてきた。


「きれえだ・・・・」
「ああ、あの時よりも・・・ずっと・・・・」
「勝負・・じゃねえ・・・遊んでるんだ・・・」

マンマユート団ボスが、あえて言った遊び。
危険で、危なく、命がけ(ポルコは成仏かけ)そんな遊び

横島とポルコの楽しさが、自分達に伝わってくる不思議な感覚。

幽霊も、人間も、妖怪も、神も、悪魔も・・・・

今、この場にいるもの全てが・・・まるで不思議な世界に迷い込んだ感覚に囚われる。


だが・・・


「おわ!?」「キイ!?」「な、なんだあれは・・・」


祭りは終わりを迎える


雄大に雲を掻き分け


「逆天号・・・・」「キイキイ♪」「・・・・」


雲の中から逆天号が現れた


{あとがき}


あ〜〜、偉大なる作品とクロスさせちまった事にいまさら後悔してます・・・義王です。

なんか色々と・・・夏休みなのに忙しい中、暑さの所為でボケまくってる頭をフル回転させ・・・・
あ〜〜・・・もう、あれっす・・・・許して・・・

ワケわかんない120です・・・まるで播磨です


・・・・レス返し!!!


>気になったので様

あ、閉じましたです・・・はい
あんまし操縦技術とか・・・わかんないんです。
ですから後悔の極みに・・・ああ、許して・・・

>シシン様


出来るかなクール&ダンディー
ちょっと自信無し・・・ま、まあがんばるですよ

>カニ五郎様

覚えてますよ当然♪
あ、そのうち・・・守生学園文化祭なんて・・・ねえ?

>柳野雫様

複雑で単純だから・・・簡単にいくようでいかず、いかないようでいきます
魔鈴さんの事は・・・・は!?どこからともなく魔法が・・・・『作者逃走』


>キリアス様

次回もかっこよく・・それでいて横島らしさが出せたらと思います。

しびれさせれるように、がんばりますよマジで・・・

>煌鬼

まあ横島ですから、こうします。

妖怪と共存・・・で、別に悪意あって悪戯してるわけじゃないですからグレムリンは。


はい、レス返し終了

それではまた次回に!!

シーユー♪


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