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▽レス始

「ヒーロー見参!! エピソード二十五(GS+色々)」

煌鬼 (2005-07-12 14:54)
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「さぁ・・・・・地獄で閻魔に裁かれる覚悟は出来たんやろな?」


アギトはそう言いながら、ベルトの中心から蒼い双風槍(そうふうそう)と紅い炎斬刀(えんざんとう)を引き抜いた。そしてそれを左右の手に持ち構える。


「じゃ・・・・・・・行くで!!」


三つのエレメントを宿した戦士は・・・・・・・疾走する!!


エピソード二十五 堕落の狼


「ギギ!?」
「グギヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


その存在に気づいた二匹のジャガーがアギトに襲い掛かる。二匹は自身の頭部の上に青い渦を発生させ、一匹は剣、もう一匹は斧を取り出し、アギトに振り下ろす。


≪カキン・ギシギシギシギシギシ≫


炎斬刀と剣がぶつかり合い火花を散らす。しかし、火花を散らしているのは互いの武器が力争いをしているからではない。


「はああああああああああ!!」
≪ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ≫


そう、力争いではなく、“一方的”なのだ。アギトの炎斬刀はジャガーの持つ剣を“溶かして”いたのだ。


「ヌ!?ギギャギャ!!」
「隙ありやで!!」


不意を突きジャガーの剣を弾き飛ばすと、そのまま蹴りで吹っ飛ばした。しかしその隙を狙っていたのかもう一匹が襲い掛かる。しかしアギトは回避する様子すら見せない。いや、回避する“必要”がないのだ。


≪ガシィ!!≫
「ギャッ!?」


突如ジャガーの足が何かに掴まれた。そこにはアギトの影があり、その中には何かが存在した。


「やれ・・・・・“鬼丸”!!」


その声と共にアギトの影の中から何かが飛び出した。出てきた反動で掴まれていたジャガーが後ろに倒れこむ。そしてジャガーは目撃した。二本の角を生やし、紫の着物に身を包んだ・・・・“元”夜叉丸を・・・。


「グ・・・ギヤァーーーーーーーーーーーーーーー!!」


鬼丸の存在を恐れたのか、ジャガーは斧を振り回し向かってくる。しかし鬼丸は恐れる事なく、着物の裾から二本のバチを取り出した。そして次の瞬間・・・。


≪ドンドンドンドン・・・・・ドドドドドドドドドドドドドドドドン≫


凄まじい勢いでバチをジャガーに叩き付けた。それを受けたジャガーは断末魔の悲鳴を上げる間も無く・・・・爆発した。


「さて・・・・後はあんさんだけのようやな」


アギトはそう言うと、額の二本の角が六本に変わった。そして双風槍と炎斬刀を構えると・・・・・。


≪ザシュン・・・・・・シュバババババババババババババババババ≫


一瞬にしてジャガーを・・・・・・・斬滅した。


「ふう・・・・」


アギトが一息ついていると、目の前にいた冥子が声を上げる。


「ま〜くん!!後ろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


その声を聞き後ろを振り向くと、残っていたジャガーが剣を振り下ろそうとしていた。腕をクロスさせ防ごうとするアギト。しかし・・・・。


≪ガガン・ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ≫


突如ジャガーに大量の弾丸が命中した。それによりジャガーは吹き飛ばされた。アギトが弾丸が放たれた方を見ると


「はあはあ・・・・・彼だけに任せるわけにはいかないからね」


皮肉を言いながら銃を構えるG3の姿があった。


「ギギ・・・・・シャッ!!」


ジャガーは危機を感じたのか、一気に跳躍してその場を後にした。


「やれやれだ・・・・・・・よ・・・・・」


その言葉と共に、G3はその場に倒れこんだ。


「はぁはぁはぁ・・・・・・・なんとかまいたようだな」


犬飼は脇腹を押さえながら走っていたが、追っ手がないのを気配で感じ取ったのか歩みをやめた。そしてそのまま近くにあった木に寄りかかる。


「あの機械人形・・・・舐めてしまったのが駄目だったか」
「犬飼!!覚悟!!」
≪ザザァ≫


犬飼が木に寄りかかっていると、なんと木の上からシロが落ちてきたのだ。


「ぬお!!・・・・・お、お前・・・シロか!?」
「犬飼!!父上の敵・・・討たせてもらうぞ!!」
≪ビュオン≫


そう言いながらシロは右手に小さな霊波刀もとい霊波ナイフを作り出した。


「ほう。そんなちんけな霊波刀で、拙者に勝てると思っておるのか?」
「勝てるとは思っておらんでござる。だが・・・相討ちなら!!」


そう言うとシロは疾風が如く駆け出す。しかしそれと同時に犬飼も八房を引き抜く。


「甘いわ!!小娘!!」
≪斬・斬・斬・斬・斬・斬・斬・斬≫


犬飼は八つの斬撃をシロに放った。シロはなんとか三つは防いだものの、それ以上には手が出せない。


「せ・・・拙者の・・・負けでござるか・・・・」


そう言ってシロは目を瞑った。そしてシロに残りの斬撃が迫る・・・時


「犬神!!」
≪ドシュ・ドシュ・ドシュ・ドシュ・ドシュ≫


突如地面から犬の形をした影が出現し、残りの斬撃を防いだ。シロは恐る恐る目を開くと・・・そこには


「へっ!!犬飼のおっさん、ガキ相手に手加減なしとは・・・恐れ入ったで」


戦いにワクワクした小太郎の姿があった(笑)


「コタ・・・・兄(にい)?」
「・・・・・・・・」
≪ごつん≫
「きゃいん!!な、何するでござるか!?」
「やかましい!!何や今の戦い方は!?それにさっきの言葉、あれは聞き捨てならんで!!」
「うっ!!」
「相討ち狙い・・・・・どアホ!!んな事したら犬塚のおやっさんが悲しむだろうが!!」
「うぐ・・・・・・申し訳ないでござる」


小太郎がシロにいきなり説教し始めたのを見て呆然とする犬飼。と次の瞬間、犬飼は凄い勢いでその場から離れた。そしてその直後・・・。


≪チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン≫


犬飼がいた場所で大爆発が起きた。犬飼は爆炎の先に視線を向けた。そこには、不敵な笑みを浮かべたタマモの姿があった。


「白面の・・・・何故ここに?」
「そこにいるバカ犬を助けにきたのよ」
「ほほぅ・・・だが、それはありえないな。何故なら、皆は拙者に倒されるからだ!!」


そう言うと犬飼はタマモに向かって駆け出した。迫り来る中、タマモは不敵な笑みを崩さなかった。そう、皆は気づいているだろうか?ここにいるべき存在である“あの男”がいないのだ。いないという事は・・・・・そう、皆はお分かりですよね?“あの”美神の助手で弟子であるあの男がここにいないという事は・・・・・・・。


≪ズボッ≫
「ぬぁ!?」


突如足元が崩れ、犬飼は落とし穴に落ちてしまった。そしてその瞬間、茂みに隠れていた横島が救世の手をスコップ状に変化させると、地面を掘ってその土を犬飼に被せ始めた。


「食らえや!!平安京エイリアンの術〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「やめんか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


犬飼の叫びもむなしく、霊波を帯びた土は犬飼をきれいに埋めてしまった。


「ナイスタマモ!!」
「うん♪」


二人は仲良く、そして余裕でハイタッチをかました。


「さて、こいつが埋まってるうちにトンズラするか?」
「それが無難かもね。じゃ、いこう」
「おう。小太郎、シロを連れて一時退却だ!!」
「よっしゃ。さあいくぞシロ」
「離してくれでござる!!拙者は・・・・・」


これ以上時間は掛けられないと判断したのか、小太郎はシロを担ぎ横島たちと共にその場を後にした。


「う・・・・・・こ、ここは?」


西条は目を覚ますと、ゆっくりと辺りを見回した。すると、そこには・・・・。


「目覚めたようだね。西条君」


時雨女医と、金髪の髪をした背の小さい少女、そして耳に変わったアンテナを付けた緑色の髪をした少女の姿があった。


「時雨君・・・・僕は一体?」
「戦闘終了後、君は意識を失い、ここに運ばれたんだ」
「そうか・・・・・という事は」
「そう・・・・・君は適能しなかったんだ。完全には」
「・・・・・・・・・やはり僕じゃダメだって事か」


西条はそう言いながら拳をベットに打ち付けた。


「・・・・ところで時雨君?」
「なんだい?」
「隣にいる二人の女性は一体誰なんだい?」
「ああ、紹介が遅れたね。この金髪の娘は、エヴァジェリン・A・K・マクダウェル」


その名を聞いた瞬間、西条は立てかけられていたジャスティスを手にとった。しかしその瞬間に、時雨のエルボーが西条の鳩尾に突き刺さった。


「落ち着きたまえ西条君。彼女は敵ではない」
「・・・・・ぐふぅ」
「真祖の吸血鬼で、闇の福音と呼ばれた魔法使いだが、今はもう悪事には手を出していないんだよ」
「な、何故なんだい?」


西条は時雨に問いかけると、時雨は顔をニヤつかせた。


「笑えるよ。今の彼女は悪事を働くより、1人の男を追っかけてるからなw」
「なんだって!?」
「しかも独占しようにも、その某学園にある神社の巫女と争奪戦を繰り広げてるしなwww」
「・・・・・な!?」


時雨は大爆笑しながら続けた。


「ははは!!しかもその追っかけている男が、かの“決闘騎士団”の剣の紋章者の三代目だからなw」
「な・・・・・・・・・・・なんだって!?」


決闘騎士団・・・闇に堕ち邪悪と化した魔法使いを打ち倒すために結成された組織に存在する騎士団のトップクラス。その力は何度も凶悪な存在を倒しており、今はそれぞれの紋章者が三代目に受け継がれている。(これに関する話はいずれ・・・)


「・・・・・・え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!いい加減にしろ上条!!私に赤っ恥をかかす気か!!」
「事実であるなら、否定できないだろ?」
「ぐ・・・ぐぐ」
「マスター、落ち着いてください」


怒りで沸点限界のエヴァを緑色の髪の少女が止めた。


「そ、その娘は?」
「彼女は某学園の大学部で開発されたロボット、絡繰茶々丸だ」
「よろしくお願いします」


ぺこりと礼儀正しく頭を下げる茶々丸に西条も思わず頭を下げた。


「でも時雨君。何故彼女達がここにいるんだい?」
「それはね「私から話そう」・・だそうだ」


時雨を遮りエヴァが前に出た。


「お前が装着したG3システムは、霊力、魔力共にバランスのいい者が完全に適能するのだ。お前は霊的にはかなり強いランクにいるが、魔力に関しては全く持ってダメダメだからな」
「それは・・・確かにね」
「だから私が、時雨に頼まれて適任な人物を探し出してやったのさ」
「・・・なんだって!?一体誰なんだい!?」
「ふふ・・・私が数十年前に、一度修行をしてやった・・・・若造だよ」


エヴァはそう言いながら弟子の事を思い出していた。


(さて、数十年経ってどうなっているか見せてもらうぞ。ブラドーの息子よ)


「く・・・・あのガキ・・・・舐めた真似を・・・・」


なんとか地面から脱出した犬飼は、血管がぶち切れそうなぐらいに怒り心頭だった。


「だが、今の拙者ではあやつには勝てぬ・・・力が、力が欲しい!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいだろう」
「っ!?」


犬飼は声が聞こえた方を向いた。そこには、全身を真っ黒な着物で染めた男が立っていた。


「力を欲しているのだな。私が力を与えてやろう」
「待て!!貴様・・・・何奴!?」
「私か?私の名は・・・・・・・・・・・・・・守信だ」


狂気の人狼と闇の使徒が出会う時、空には暗雲が広がっていた。


あとがき
・・・・・・・・・・・・・・すいません(いきなり土下座)遅くなりました。
最初の一週間はスランプで進まなかったんですが、それ以降は・・・・・・寝込んでました。体力には自信があったので、病気をこじらせた事が情けないです。
さて、皆さん疑問に思っているかもしれない心眼ですが、実は、ある事情で今まで出れずにいたのです。それは、次回で明らかになるので、楽しみに待っていて欲しいです。では、体調も完全回復したので、今度からまた更新スピードを上げていきます!!ではまた次回まで、煌鬼でしたw

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