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「MEKAMI  (GS)」

犬雀 (2005-06-28 19:29/2005-06-28 19:49)
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『MEKAMI』


「ふっふっふっふっ…」

「くっくっくっくっ…」

暗い地下室に書き込まれた魔法陣の前で笑う男女が二人。
一人は露出の多い服から覗く浅黒い肌がセクシーな美女。
そしてもう一人は黒いマントを羽織った老人。

珍しい取り合わせの二人は一つの目的に向けてある共同研究を成し遂げたのだ。

「ふっふっふっ…これで令子にも一泡吹かせてやれるワケ…」

「くっくっくっ…そうじゃのう…先週飯を奢ってくれなかった恨みをやっと晴らせるわい。」

かってヨーロッパの魔王と言われた老人は意外とセコかった。
額に汗を滲ませつつ老人に向き直る美女。

「魔法科学と呪いの融合…これなら令子もひとたまりもないってワケね」

「その通りじゃ…さあ試作品は成功したのじゃ。いよいよ本命を作るぞ。」

「わかったわ。」

「くっくっくっくっ…」
「ふっふっふっふっ…」

邪悪な笑いが地下室に響いた。


今日の美神令子除霊事務所は珍しく暇だったりする。
令子も大きな事件を片付けて大金が入ったせいか上機嫌だ。
その証拠にバイトもないのに横島をおキヌの作る夕御飯に招いたりしている。
横島は一瞬、何かの罠かと警戒して令子の機嫌を損ねかけたが、夕飯がすき焼きと聞いて縁日で売られているカエルのおもちゃのような勢いで土下座した。
もうしばらくすれば事務所にやってくることだろう。

さしあたってすることも無くテレビのニュースを見ていた令子に人工幽霊が来客を告げる。

『美神オーナー。Drカオス様がいらっしゃいました。』

「あの爺さん…飯でもたかりに来たのかしら。こういう時は鼻がいいのねぇ。」

そういえば二週間ほど前に窮乏したカオスに昼飯をねだられたことがあったと思い出す。
もっともその時はあっさりと断ったが。
令子だって鬼ではない。ちゃんと頼めば飯ぐらいは奢ってやっても良かったのだが、カオスの尊大なのか卑屈なのか微妙な態度にちょっとだけムカついたのだ。

「ま、今日は横島君も居るから食材もいっぱいあるし…いいわ。通して。」

老人一人ぐらい増えてもたいした変わりは無いと寛大な令子である。
億単位の仕事をあっさりこなしたせいで機嫌はかなりよいのだろう。
カオスは年齢に似合わず健啖家であるが、彼一人ぐらいでどうなるもんでもない。
まさかカオスが二週間前の屈辱を晴らすために訪ねてきたなどと考えもしない令子だった。

やがてカオスが一人の人造人間を伴って令子の前に現れる。
だが、それはいつものカオスのパートナー、マリアではなかった。

マリアは外見では人間と区別がつかないほど精密に出来ている。
しかし今、カオスの横に立っているのは…一言で言えば手足のついた茶筒だった。

「な、なにを連れてきているのよ。まさかまた変な機械の売り込みじゃないでしょうね?」

心の中で早くも塩を用意すべきかと考える令子にカオスは不敵な笑みを向ける。

「くっくっくっ。違うぞ。今日は先日の屈辱を晴らしに来たのじゃ!」

地の底から湧くような恨みを込めたカオスの台詞にキョトンとした視線を向ける令子。

「私なにかしたっけ?」

「な?!忘れたと言うのか?!ワシに飯を奢らんかったじゃろうが!」

ヨーロッパの魔王と言われた男のあまりのセコさに脱力する令子だが無理も無い。
まさかその程度のことを何週間にもわたって引き摺っているとは思わなかったのだ。
呆気にとられた令子を不敵な視線でねめまわすとカオスは横に立っている茶筒に命令を下した。

「さあ!行くのだメカ美神、略して『メカミ』!お前の恐ろしさをこの小娘に叩き込んでやれ!」

「ハイ・ドクター・カオス…」

ギギギと異音を立てて動き出す茶筒もといメカ美神。いやメカミ。

「待ちなさいっ!!それのどこが私なのよっ!」

流石に呆然としていた令子もこれには黙っていられない。
一応、人並み以上に美人だという自覚はあるのだ。
茶筒ごときと一緒にされたら女として…いや人として終わった気がする。
ここでこれを自分の偽者と認めるわけにはいかない。
断固としていかない。いかないったらいかない!

だが令子の当然すぎる抗議もカオスは鼻で笑うだけである。

「ふん…どこからどう見てもお前さんそっくりだろうが!」

「どこがよっ!!」

スタイルも自慢なのだ。体重一キロのために億の金を使う女「美神令子」。
それがくびれも何も無い茶筒とそっくりとは何事ぞ!

「よく見てみい。このリベット。」

言われて見れば茶筒のあちこちには無骨なリベットが打ち込まれている。

「さらにこの関節のプリティな蛇腹」

ふむ…確かに蛇腹関節だ。見れば見るほど昭和を感じさせるオモチャっぽい。
…だからなんだという気もするが。

そんな令子の心を読み取ったかカオスが「まだわからんのか?」といったような嘲りの表情を浮かべた。

「この二つが揃えば偽者としての必要充分条件は満たしておるだろがっ!」

「どこがだぁぁぁぁ!!!」

「ぬお?やっぱりつま先も尖っていた方が良かったか?」

「そんなことは問題じゃないぃぃぃぃ!!」

「ふむ?ならば目がつり上がっていた方が良かったかの?…それとも…そうか!マフラーか?!!」

「違うぅぅぅぅ!!!」

絶叫突っ込み三連発で息が上がる令子。
ペース配分は苦手らしい。

「ぜーぜー」と荒い息を吐く令子に何を勘違いしたかカオスは勝ち誇った表情を浮かべた。

「くははははは。この程度で平常心を失うとは未熟者め。」

「こんなもんに似ていると言われて冷静でいる奴のほうが可笑しいわよっ!」

「ふん…この魔王カオスがただ似ているだけのものを作ると思ったか?」

「だから似てないぃぃぃぃぃ!!」

「くははははは。実はこのメカ美神には驚くべき機能があるのだ!」

「ちっとは人の話を聞けえぇぇぇぇ!!」

流石に連続絶叫突っ込みでそろそろ脳の血管がヤバいことになり始めている令子だか、カオスの台詞にとんでもない言葉があったことに気がついた。
なんとか深呼吸して息を整えるとギロリと殺気の篭った目でカオスを睨みつける。

「なによ…その機能って…」

密かに机の中の神通棍に手を伸ばす令子に気がつかないのかカオスはニヤリと笑った。

「聞いて驚くなよ…。このメカ令子はな…。」

妙な迫力を出すカオスにゴクリと唾を飲み込む令子。
爆発でもするのか?と密かに脱出方法を考え始める令子に対しカオスはあっさりきっぱりと言い切った。

「なんと本物の美神令子より20パーセントも「良い」のじゃ!!」

「なんじゃそりゃぁぁぁ!!!」

突っ込みとともに一切の手加減抜きで振るわれた神通棍はメカミの腕によってあっさりと防がれる。

「え?」

呆然とする令子にカオスは勝ち誇った。

「くはははははは。だから言ったじゃろうが!お前さんより20パーセント良いと!!当然運動性能も二割増しじゃぞ!」

「うそっ!」

信じられないが事実は事実。メカミはその蛇腹関節のついた鋼鉄の腕で神通棍の一撃を防いで見せたのだ。とても茶筒形態が実現できる運動性とは思えない。

令子は物理常識を無視したメカミの動きにハッと思い当たった。

「これって…呪いも使っているわね?」

「ほう」と感心したのかカオスは頬を緩める。

「ご名答じゃ。小笠原の小娘との共同開発じゃからのう。」

「エミィィィィィィィ!今度あったら覚えてなさいよ!!」

その時、令子の怒りの声を聞きつけたのかタマモが所長室に入ってきた。

「五月蝿いわねぇ…何の騒ぎよ…」

昼寝でもしていたのか髪に寝癖をつけたまま文句を垂れながら所長室に入ってきたタマモの動きがメカミを見たとたんに止まる。
しばらく目を丸くしてメカミを見ていたが、何事も無かったかのようにグルリと振り向くと黙ったまま部屋を出て行こうとする。
その背中には紛れも無く「かかわっちゃ駄目!」と言うオーラが纏わりついていた。
慌てて呼び止める令子。

「ああっ!待ってよタマモ!なに、見なかったことにしてんのよ!」

ギクリと首をすくませて立ち止まったタマモがギギギとメカミよりメカっぽい動きで振り返った。
その目にははっきりと「私を巻き込まないでっ!」という懇願の色が浮かんでいる。
当然、そんなものは無視する令子だ。
何だか微妙に目を潤ませ始めるタマモにビシリと指を突きつけた。

「タマモ!正直に言ってね…こっちの茶筒と私…どっちが良い?」

「はあ?」

何とも意味不明な質問をぶつけられて戸惑うタマモ。
そりゃあ、いきなり手足の生えた茶筒と人間を比べて「どっち?」と聞かれても困るだろう。
令子の質問の意味がわからないなりに「家主には気を使ってあげましょ」と思うタマモが口を開こうとしたまさにその時、メカミの頭?のあたりがウイーンという音とともにパックリと割れ、中から竹の子のように生えてきたのは令子そっくりの顔。

茶筒の上に美女の首が乗っかっているというシュールな光景にタマモの額からダクダクと嫌な感じの汗が流れ始める。

だがなんと言うか微妙にオリジナルとは違う。
茶筒の上の顔は本物より優しい笑顔を浮かべ、しかもパッチリと開いた目には星が浮かんでいたりして…。

シーンと静まり返った所長室。ついにタマモの口が開かれた。

「こっちのミカミの方が二割ばかり可愛い…」

「何でよぉぉぉぉぉぉ!!!」

茶筒の方が可愛いと言われて頭を抱えたまま絶叫する令子。
その横で頬を薔薇の色に染てはにかむメカミ。

「ソンナ・カワイイナンテ・ハズカシイデス…」

「うわ…やっぱりこっちのが可愛いわ…」

「嘘よぉぉぉぉ!!」

ついに涙腺が切れたか目から心の汗を迸らせながら叫ぶ令子にタマモは気の毒そうな目を向けるとクルリと振り返り一目散に部屋から逃げ出した。

残されたのはダクダクと滝の涙を流して泣く令子と得意げなカオス、そして頬を染めて照れているメカミ。

しばし泣いていた令子だが立ち直りも早い。この程度で沈んでしまっては除霊稼業なんざやってられないのだ。
ヨロヨロと立ち上がる令子を救うかのように現れたのはシロである。

「美神殿、そろそろ御飯でござるよ…って…美神殿が二人?」

「あんたの目は節穴かぁぁぁぁぁ!!」

どうやら救いの神とはちょっと違うような…とは思うが、ここでシロを敵に回すのは下策と令子は無理矢理笑顔を浮かべるとシロに近づいた。

引きつった笑顔で近寄ってくる令子に震えだすシロ。尻尾なんかはとっくに股の間である。
その様子がすっげームカっと来たけど笑顔のままの令子は財布から千円札を一枚取り出した。

「シロ…お小遣いあげる…ドッグフード買ってらっしゃい…」

なんだか色々と葛藤があるのか搾り出すような声で千円札を差し出してくる令子に震えながらも、ドッグフードが買えるとあればと恐る恐る伸ばしたシロの手に横から機械の手が乗せられた。

「え?」と振り返ればメカミが笑っている。

「シロサン・コレデ・ホネッコヲ・カッテクダサイ…」

機械の手から渡されたのは一枚の千円札と二枚の百円玉。
思わずシロの口から本音が漏れた。

「こっちの美神殿の方が二割ばかり優しいでござるな!」

「あうぅぅぅぅぅぅ」

たまりかねて崩れ落ちる令子の姿にシロもさすがに罪悪感が芽生えたか「せ、拙者は買い物に行くでござる!」と叫ぶと脱兎のごとく逃げ出した。
それでもちゃっかり1200円を持っていっているあたり師匠の薫陶が行き届いているらしい。

「くっくっくっ…どうじゃ。ワシの力、恐れ入ったか?」

勝ち誇るカオスに対しても、相当追い詰められたのか令子はただ泣くだけである。
確かに茶筒に二連敗したとなれば、彼女の尊厳はかなり危険なレベルまで落ちているだろう。

そんな令子にトドメをさすつもりか、はたまた救いに来たのか所長室を覗きに来たのは横島とおキヌだった。

「なにやってんすか美神さん?」

「そろそろ御飯ですよ?」

晩御飯に令子を呼びに来たものの肝心の令子は跪いて床を涙で濡らしている。
頭上に疑問符を浮かべる二人に人工幽霊はこれまでの経緯を簡単に説明した。

「えーと…つまりこの茶筒が美神さんの偽者なんですか?」

事態が飲み込めていないのか暢気なおキヌとは対照的に横島の顔は厳しかった。
無言のまま腕組みをして令子とメカミを交互に見つめている。

「あ゛う゛ぅ゛…お゛ギヌ゛ぢゃぁぁぁん」

泣きじゃくりながらズリズリと近寄ってくる令子をヨシヨシと宥めようとしたおキヌを止める横島。

「待つんだおキヌちゃん!」

「へ?」と振り向けばいつになく真剣な表情の横島が自分の肩に手を置いて首を振っていた。

「こういう時は焦っちゃ駄目だ。ゲームなんかでもあるだろ?あからさまな偽者が実は本物で、偽者を倒したつもりが本物だったと後から知らされた主人公が後悔するって奴」

「そうなんですか?」

ゲームをやらないおキヌには今ひとつピンと来ない。
ここにゲーム好きの猿の神様が居れば「うむ!確かに!」と頷いたかも知れないが生憎今はいない。

「でも…だったらどうやって本物と偽者を見分けるんですか?」

「ふふふ…簡単だよ。」

ニヤリと笑う横島。その笑顔になんだか凄まじく邪悪なものがよぎった様な気がするおキヌだが少年の気迫に口を出せない。

「例え…姿かたちは変わっても…俺のこの手が覚えているっ!!」

「な、なにをですか?」

「美神さんの乳の柔らかさだっ!!」

ドゲンとひっくり返るおキヌだか、ちょっとだけ考えて何かに思い当たったのかユラリと立ち上がってきた。

「ふふふふ…横島さん…私が知らないところでそんなに揉んでいるんですか…」

返答次第では斬るとでも言いたげなおキヌに横島は必死で手を振った。

「ち、違う!たまたま何度か除霊中の事故と称して揉んだだけで!」

「ふーーーーーーーん。事故じゃなかったんだ…」

反対側からは令子の声。それは白熊でさえ一瞬で凍死させかねないほど冷たい。
いつもの横島ならここでビビっただろうが今日の彼は一味違った。

「美神さん(仮)は黙っててください!」

「(仮)って何よぉぉぉぉ!!!」

「まだあなたが本物と決まったわけじゃありません!けれど、いかに偽者が20パーセント良くても機械の分際で美神さんの乳のさわり心地を再現できるはずは無いじゃありませんか!アレはまさしく一級品なんですよっ!」

「そ、そうなの…」

なんとも微妙な誉め言葉に怒ってよいやら照れればよいやらと複雑な表情を浮かべる令子に横島はたたみかけた。

「そうですっ!故に揉めばたちどころに本物がわかるのです。しかも二割増しの恐怖に怯えなくてもすむんですよ!」

「に、二割増しの恐怖…」

トラウマになったか二割増しと言う言葉にガクガクと震えだす令子。
横島の目に勝利を確信した光が浮かぶ。

「それとも機械にすら劣る乳だとか?」

「そ、そんなわけ無いでしょうが!…いいわ…揉みなさい…」

「み、美神さーーーーん!!」


慌てるおキヌに令子は悲しく首を振った。

「いいのおキヌちゃん。これは女の…いいえ人の尊厳を賭けた闘いなのよ…乳一つを惜しんではいられないわ…」

なんだか間違った方向に決心が向いた気もするが、背に乳は…もとい背に腹は変えられないのだ。
ここでメカミに三連敗すればもう完全に終わりである。
言われて見れば無骨なリベット打ちのボディに密かに自慢の自分の乳が負けるはずはないのだ。

「さ、さあ…も、揉みなさい!」

顔を真っ赤に染めて目を閉じ、グッと胸を突き出す令子。
その仕草は先ほどのメカミを上回る可愛さだったが、生憎と本人は気づいていない。
しかし横島の煩悩にはクリーンヒットしたようだ。
たちまち高まる横島の霊圧。

「うおぉぉぉぉ!俺のこの手が光って唸る!真実掴めと届き叫ぶうぅぅぅぅ!!!」

溢れる煩悩を右手に集め、今や光輝く指をワキワキと助平に動かす横島。
目を閉じながらかすかに震える令子の胸目掛けてその手を伸ばそうと叫ぶ。

「くらえ!愛と勇気と煩悩のシャァァイニング!」

「マッテクダサイ・ヨコシマサン」

「フィン…へ?」

突然横からかけられた声にそちらを見ればメカミが横島に向けて近寄ってきていた。

「邪魔するなっ!今こそ長年の浪漫がかなうときなのだっ!偽者の出る幕ではないわ!!」、「え?」

しかし機械のメカミにはそのあたりの浪漫は理解できなかったのか、横島の剣幕に怯むことなく近寄ってくるとその目の前で動きを止めた。

「マズ・ワタシヲ・モンデクダサイ」

「なに?」

こんな茶筒のどこを揉めというのか?と首を傾げているとメカミの胸の辺りがパッカンと観音開きに開き、中から出てきたのはバレーボール大の餅みたいなもの。

「サア・モンデクダサイ」

「あ、ああ…」

毒気を抜かれて横島は餅状の物体に手を伸ばすとワキワキと揉み始めた。
途端にその口からあがるのは感嘆の声。

「こ、これは…美神さんの胸より20パーセントぐらい揉み心地が良いっ!」

思わず漏れた横島の声におキヌが頭を抱える。

「ああああ…横島さん、そんなこと言っちゃったら美神さんが再起不能に…ひいっ!」

おキヌの声は途中で悲鳴へと変わった。
なぜならそこには鬼女がいたから…。

「横島君…ちょっと聞きたいんだけど…」

絶叫し続けて解けたのか、今の令子はトレードマークのオールバックではない。
顔一面を覆う前髪の中から爛々と光を放つ獣の目。
その口から出るのは地獄の獄卒も腰を抜かしかねない闇色の声。

「な、な、な、なんすか…み、み、み、美神さん…」

「たいしたことじゃないわ…でもね…あなたさっき「偽者」って言ったわよね…」

「き、記憶にございません…」

「ううん…私ははっきり聞いたわ…つまりあなた…」

ジャキンと令子の手にした神通棍が伸びる。

「最初っから私が本物だって知っていたんだろうがぁぁぁ!!!」

「カンニンやぁぁぁ!!」

横島の許しを請う声もなんのその激怒した令子の神通棍は、横島だけではなくメカミもそしてカオスも巻き添えにして叩きのめした。

ドガッ!バキッ!メキャ!という擬音とともに、たちまちガラクタを作り出す鬼に震え上がりながらおキヌはポツリと呟いた。

「き、今日の美神さんの折檻はいつもより五割増しで激しい…かも…」

そんなおキヌの呟きを聞きながら人工幽霊は明日が燃えないゴミの日で良かったと心から思うのであった。


おまけ

「エミさん…元気を出してくれんかのう…」

「五月蝿い!タイガーっ!!あんたに自分より30パーセントも「良い」ロボットを作られた女の気持ちがわかるっていうワケ?!!」

「けんど昼間っからお酒は…」

「余計なこと言わないで注ぐワケ!!」

自棄酒を煽るエミの横では試作品の黒い茶筒が優雅な動作でグラスを傾けていた。


                                  おしまい


後書き
ども。犬雀です。
突発的に思いついたネタ…。もうなんというか…犬って馬鹿だなぁと自分で思います。
次は例の奴の続きを書きますので〜。

では…


1>HAL様
雨、マジで降りましたがな…(笑)
いえ…犬は職場でもみんな休みが重なるのを嫌がるくらいのアメフラシなんですけどね。タマモものは書いて見たいですが犬のことですからめっさ壊れますよ〜。

2>DLL様
そうですね。そういうシリアスも書いてみたいです。
貞子さんVS事務所メンバー…面白そうですね。

3>黒川様
実は呪いはちゃんと発動したというオチで(笑)
続編ですか…ふーむ…考えてないことは無いですが纏まるかどうかは微妙です。

4>吼牙紫苑様
はいです。実はリングの題名見て考え付いたネタであります。
題名が先に決まったSSってのは犬は二作目であります。
お楽しみいただけましたか?

5>朧霞様
むう…犬も昔、おキヌと同じ悪戯をやられました…あれのダメージはでかいですな。
最近では地震のせいで隠しておいた…げふんげふん


6>初風様
まったりまったり…そんなりんぐぅも良いですな。
ルシオラと絡めたいとは思ってますが…うーん。生き返らせる方法が思いつかない。

7>偽バルタン様
りんぐぅはちゃんと役目に忠実なのであります。もっとも本体が消えたので横島君が最後の犠牲者であります(笑)

8>柳野雫様
レディスコミックは見たことないのですが、職場に時々落ちてます。
表紙だけでお腹一杯ですな。(苦笑)
さて…どんな本だったのでしょう?

9>リーマン様
やはり皆さんタイヤキ娘を思い出すのですなぁ。実は犬はやったことないのです。
最後にやったゲームはスパロボかなぁ…(遠い目)

10>TAKA様
あはは。そっちもありましたね。犬のイメージではペンギンのままでしたが。
(ペンギンが語尾に「お」をつけるかどうかはともかく…)

11>とろもろ様
その漫画は知らないです。最近はサンデーしか読んでないなぁ。ネタがだんだん枯渇してきましたです。

12>梶木まぐ郎様
にはははは。正解です。犬と雀が考えた呪いであります。ダメッポイ…狙い通りで嬉しいです。

13>義王様
続編はまだ構想段階でして…今はなんとも。とりあえず次はアレの続きでw

14>キリュウ様
ははは。ちょっと高校生でスク水は強引かなとは思いましたがペンギンは水着だろってことでこういうオチにしました。

15>ヴァイゼ様
料理は得意らしいです。魚限定ですがw
特に生サバが好きらしいです。

16>なまけもの様
どっちも書きますので(順番は未定)、期待せずにお待ちいただければ幸いです。

17>Effandross様
実はそれが元ネタでした。というかそれで思いつきました。
いや〜映画って本当に楽しいですよね。

18>ARAGASAO様
初めましてです。よろしく。
「りんくす」は知らないです。ゲームか何かかな?
機会があれば教えてくださいませ。(ネタ帳を開きつつ)

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