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「ヒーロー見参!! エピソード二十二(GS+色々)」

煌鬼 (2005-06-06 02:28/2005-06-07 16:33)
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過去を受け入れ、今を生きる時


己の身体は呪われた戒めから開放され


熱き炎の如き魂を持った


獣が咆哮を上げる。


エピソード二十二 鋼の虎


森の中、タイガーと琉朱菜は互いの事を話しながら歩いていた。


「へぇ〜、タイガーさんは精神感応が出来るんですか〜」
「そ、そうですジャー(汗)とは言っても全然役立たずなんですが・・・ところで、琉朱菜サンはこの森で何をしてたんですかノー?」
「え、私ですか?私はここの近くの村の方から依頼を受けてきたんです」
「・・・もしかして、琉朱菜サンはGSですかいノー?」
「はい♪」


それを聞いた瞬間、タイガーは激しく落ち込んでしまった。なにせGSメンツの中で唯一GS試験で落ちてしまったのだからである。


「あ、あの(汗)大丈夫ですか〜?」
「・・・だ、大丈夫です・・・ジャー」


明らかに落ち込んでいるタイガー。それを見て困った琉朱菜は話題を変えた。


「あの、タイガーさん。最強の戦術って・・・ご存知ですか?」
「さ、最強の戦術?それは何ですかノー?」
「それはですね、相手を傷つけず、戦わずに相手の戦意を無くす事なんです」


胸に手を置きながら琉朱菜は続ける。


「相手の心を覆う鎧を脱がし、裸となった心を包み込む。それが、私が目指している目標なんです。・・・もっとも、これは私のご先祖様の受け売りなんですけどね♪」
「受け売りって・・・じゃぁ琉朱菜サンの先祖はそれを果たしたのですかジャー?」
「ええ。でも不思議なんですよね〜」
「何がですかいノー?」
「実は私の名前である“琉朱菜”は、元はといえばご先祖様の名前と全く同じなんです」
「お、同じですかいノー?」
「はい。更に驚いたんですけど、実は私の顔もこの金髪も、全く瓜二つらしいんです」
「そ、そこまで来ると本当に凄い偶然ジャノー(汗)」


あまりの事に汗をかきながら驚くタイガー。しかし、これで終わりではなかった。琉朱菜の次の発言を聞いた瞬間、タイガーは愕然とする。


「もっと凄いんですけど、どうやらご先祖様も私と同じで“銃使い”だったらしいんです。・・・確か昔の文献には“閃士”って書かれてましたけど・・・」


これを聞きポカーンとなってしまうタイガー。そんな時・・・。


「「「「「「ソノカラダ・・・・ヨコセーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」


突然草むらから大量の悪霊が出現したのだ。それは猛スピードで二人に突っ込んでくる。


「危ない!!」


琉朱菜はタイガーを胸に抱えると、倒れこみながらリボルバーを引き抜き向かってくる悪霊に向かって打ち込む。


≪ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン≫


正確な軌道を通り、弾丸は悪霊たちを打ち抜いていく。そして打ち抜かれた霊たちは成仏し天に昇っていった。


「ふう・・・・大丈夫ですか?」


琉朱菜は一息つくと押し倒していたタイガーを見た。すると、そこには赤くなって固まっているタイガーの姿があった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ、大丈夫ですケン(大汗)」


かなりピンチだが、なんとか理性を保つタイガー。(とは言ってももういっぱいいっぱい)そんな中、悪霊たちが襲ってきた方向から足音が聞こえた。


≪こつーん・こつーん・こつーん・こつーん≫


音が近づくにつれ、その姿が露になる。そこには・・・白い髪に両頬に傷、180位の長身、そして首元に『白虎』という刺青を彫られた男が立っていた。それを見た瞬間、タイガーは信じられないものを見たような顔になった。


「なんで・・・なんでアンタがここにいるんジャーーーーーーー!!」


タイガーは全身の毛を逆立てながら叫ぶ。しかしその男から返事はない。


「タイガーさん、あの方は・・・」
「ワッシの・・・・・全てを奪った・・・・ワッシの身体を“改造”した男ですジャ」


そう言って獣化し始めるタイガー。すると男は懐から笛を取り出すと、それを吹き始めた。


≪ヒュルルルルルルルルル≫


笛の響きと共に、その男の傍から大量の悪霊たちが姿を現した。


「ね、死霊使い(ネクロマンサー)ですか!?」


琉朱菜は驚きながらも、再び銃を構える。しかしその時、獣化を完了したタイガーは悪霊たちに迎え撃つ。


「幻影投射ァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!最大出力ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」


その声に伴い、悪霊たちは一気に幻影により混乱しだした。敵味方の判別がつけられないため、悪霊たちは同士討ちを始める。


「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


開いた隙間から一気に飛び出したタイガーは、そのまま一目散に男の方に向かって駆け出した。そして腕を振り上げると、そのまま爪を一気に振り下ろした。


≪ガシッ≫
「な、何!?」


しかし、爪は当たるどころか男に受け止められ、零距離でパンチを受けた。


「がああ!!」


その威力により吹き飛ばされるタイガー。なんとか立ち上がるも、腹部に打ち込まれたダメージは酷いものだった。そんな時・・・。


(キ〜キキキキキ!!オマエ本当二単純ダナ!!)


男の方から声が聞こえた。しかし男の口は全く動いていたかった。


「な!?どうなってるですジャ!?」
(ココダヨ・・・・ココ)


その言葉と共に男の方から一匹のネズミが出てきた。


「・・・まさか。あのネズミがネクロマンサーって事ですか!?」


とんでもない真実に驚く琉朱菜。とその時・・・


≪・・・・・・ドス≫


突如琉朱菜の腹部になにかがぶつかった。その瞬間、琉朱菜はその場に倒れこんでしまった。


「る、琉朱菜サン!?大丈夫ですかノー!?・・・貴様、琉朱菜サンに何をした!!」


そう言いながらネズミの方を見ると、そこには全身灰色を灰色の皮膚で覆った怪物が立っていた。


(ナァニ、女ハ後デタップリ可愛ガルトシテ、オマエニハ死ンデモラウゾ。コノ男ノ身体ヲ使ッテナ!!)


ネズミの声が終わると同時に、怪物は一気に間合いを詰め、タイガーに八卦掌を叩き込んだ。


「がはぁ!!」


それにより空中に舞い上がるタイガー。しかし怪物は浮いているタイガー目掛けて霊波砲を打ち込んだ。それにより地面に叩きつけられるタイガー。


(トドメダ!!)


その声と共に怪物は悪霊を呼び寄せると、それを一つの凝縮された悪霊に変えタイガーに放つ。気絶しているタイガーはそれに気づかない。そしてそれが着弾しようとした次の瞬間。


≪ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン≫


突如一台のバイクがジャンプと同時にその悪霊を蹴散らした。


(ナ、ナニモノダ!?)


ネズミはそのバイクに乗っている人物に尋ねる。すると、その人物は被っていたヘルメットをとった。そこにいたのは・・・


「そこに寝ている少年の・・・“先輩”だ」


先ほどタイガーを診察した麻生勝だった。


(ケッ!マタ邪魔ガ増エタ!!)
「そう言ってられるのも・・・今のうちだ。タイガー君、“先輩”としての戦い方・・・見せてあげるよ」


そう言うと、勝は右腕を左の頬まで上げると、ゆっくりとそれを逆L字に振り降ろした。そして・・・。


「変・・・身」


そのキーワードを発っすると、その身体を大地の精霊たちが覆い始めた。そしてそれは優しい霊波となり、勝を戦士に変える。その戦士のは・・・・・
“ZO”。


「さあ、その邪悪・・・俺が消し飛ばしてやる!!」
(ホザクナ!!)


ZOとネズミの戦いが・・・始まった。


「あれ・・・ここは?」


目を覚ましたタイガーは辺りを見回した。そこには何もなく、ただ白い風景だけが写っていた。


「ワッシは・・・死ん「でませんよ」うわぁ!!」


突然の声に驚くタイガー。その声の方向には、ネズミによって気絶させられた琉朱菜の姿があった。


「る、琉朱菜サン!!一体どうして!?」
「え〜とですね〜。実はあの時、攻撃を受けた瞬間身体と魂が離れちゃって、一時的な幽体離脱状態になっちゃったんです。そうしたら、何でかここにいたんです」


明るく答える琉朱菜に冷や汗をかくタイガー。そんな中、琉朱菜は悲痛な面持ちでタイガーを見た。


「すいませんタイガーさん」
「なんですジャ琉朱菜サン?」
「貴方の過去を・・・見てしまいました」
「!!!!!!!!!!!!」


琉朱菜の言葉に固まるタイガー。そんなタイガーに琉朱菜は抱きついた。


「貴方は過去にとてもつらい事を経験してしまった。そしてそれは深い悲しみによって記憶の奥底に封印されたはずだった。でも、また記憶が戻ってしまった。・・・私には貴方の気持ちが分かるなんて言えません。でも、その辛さを分かち合う事は出来ます!!」


天然ボケな琉朱菜はそこにはおらず、そこにいるのは純粋にタイガーのために泣く琉朱菜だった。それを見たタイガーは心が熱くなるのを感じた。


「本当に分かち合えるんですジャろか?ワッシは人の身ではないし、その身には憎しみを兼ね備えてるんですジャー。そんな危険は男の傍にいたいと・・・・・思うですかジャーーー?」
「一緒に居たいです!!私は・・・タイガーさんと一緒に居たい!!もし人から白い目で見られたら私がその人たちから守ります!!憎しみが心を覆うなら、私が・・・包んであげます!!」


琉朱菜の本気の言葉を受けた瞬間、タイガーは心からの涙を流した。そしてそれは、決意の涙でもあった。


「ワッシはもう迷いを出さないですケン!!その身に宿る力が化け物なら・・・それを受け入れて・・・更に強いヒーローになってやるですケンノーーーーー!!」


そう言うとタイガーは目を瞑った。そして、静かに己自身に対して幻影投射を始める。


(ワッシは虎、獣の中でも獰猛かつ誇り高き獣。その者を力を・・・ワッシに宿せ!!自己幻影投射!!臨界点突破!!)


その思いに通じ、タイガーの身体にオレンジと黒のカラーリング・・・そう、虎の色をした装甲が浮かび上がる。両腕には大きな黒い篭手、手の甲には三本の爪、胸部には銀色の歯車、腹部にオレンジと黒が螺旋状に混ざり合った丸い水晶を埋め込まれたベルト、そして頭部には虎の顔が浮かび上がり、虎が大きく口を開いた部分に赤い二つの複眼を持った仮面が浮かび上がった。


(これがワッシの姿・・・動けるかノー?)


タイガーは自身の身体を動かそうとした。しかし、何故かその身体はタイガーの命令には従おうとはしない。


「やっぱり・・・ワッシは戦えないんジャろか・・・「まだです」・・え!?」


その声に思わず顔を上げるタイガー。目の前には優しい顔をした琉朱菜の姿が・・・タイガーの意識の中に入った。


「る、琉朱菜サン!!な、何を!?」
「一人がダメなら二人です。一人で支えられないなら私が貴方を支えます。だから・・・諦めないで」


琉朱菜の言葉を聞きハッとするタイガー。そして再び顔には力強さが宿る。そんな中、タイガーの身体は今度こそ動き出した。


「行くですジャーーー!!琉朱菜サン!!」
「OKです、タイガーさん!!」


そして二つの魂は・・・一つとなる!!


「はぁはぁ」
(キー!!ヤルジャナイカ!!)


ZOはネズミの放つ悪霊の攻撃をなんとか凌いでいたが、近接戦闘を得意とするZOには不利な状況が続いていた。そんな中、状況を打開しようとZOが動いた。


「こい!!Zブリンガー!!」


声に従い現れたZブリンガーに跨ると、ZOはネズミに向かって突っ込んでいく。


(ジャカシイ!!)


しかし超人的な速度でそれをかわし、その隙をついてZOをZブリンガーから叩き落した。


「がはっ!!・・・くぅ!!」
(オワリヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)


倒れているZOに向けてネズミは強力な霊波砲を放つ。


「もはや・・・ここまでか」


ZOが諦めかけたその時・・・!!


「螺旋の炎壁!!」


突如ZOの身体をオレンジ色の炎が包んだ。それは放たれた霊波砲をかき消すと、何もなかったように姿を消した。


(霊波ノ炎ダト・・・誰ダ!!)


ネズミが辺りを見回す。すると、先ほどまでタイガーがいた場所に一つの影があった。


(貴様・・・何者ダ!!)
「ワッシの名はTG(タイガー)、熱き炎を纏う鋼の虎だ!!」


TGはそう言うと、霊波の炎を爪に宿し一気に放った。それは凄まじい速度でネズミを襲った。


(ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!!何ナンダアイツハ!?)


そこにいるのは先ほどまでのタイガーではなく、全てを受け入れ“変身”したTGなのだ。負けるはずがない。


「行くですジャーーーーー!!琉朱菜サーーーーーーーーーーーーン!!」
「分かってます!!タイガーさん!!」


二人の心が一つになった瞬間、TGからは莫大な程の霊気が放たれる。そしてそれは胸部の歯車を激しく回転させる。そしてそれにより雷が発生し、それが炎と共にTGの右の拳に宿る。


「「行くぞ(行きますよ)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」


二人の声が重なる瞬間、TGは凄まじいスピードで走り出す。そしてネズミに向けて拳を放つ。


≪ベキャリ≫


その拳はネズミの腹部を貫く。


「今ですジャーーーーー!!」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」


そしてその拳から霊波の弾丸が放たれる。


≪ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ヴィィィィィィィン≫


放たれた弾丸はネズミの身体に六亡星の紋章を紡ぎだす。


(ギ、ギギ!!動ケナイ!!)


ネズミが固まっている間に、TGは空中へと大跳躍する。そして・・・。


「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」


炎と雷を纏った蹴りが、ネズミを貫いた。


「おはようですジャー!!」
「おうタイガー。体調はもういいんか?」
「おかげ様で元気回復ですジャー」


表向きは疲労による一時休養という形で学校を休んでいたタイガーは、久々に学校に来ていた。


「でも、タイガー君が身体を壊すなんて」
「不思議な事もあるんですね」


愛子とピートの言葉に苦笑するタイガー。そんな時・・・。


≪ピリリリリリリリリリ≫


突如タイガーが持っていた携帯が鳴った。タイガーが画面を見ると、ハァっとため息をついた。


「申し訳ないですジャーーー。エミサンから至急こっちに来て欲しいという連絡があったですジャー」
「ま、それじゃしょうがねえよな」


横島がそう言って肩を叩いた。そんな時・・・。


≪ガラララララララララララ≫


突如クラスのドアが開いた。そしてそこからは・・・


「タイガー君。迎えに来ました〜♪」


笑顔の琉朱菜の姿があった。


「「「「「「「「「「タイガーーーーーーーーーー♯」」」」」」」」」


この後、タイガーがクラス中にボコられたのはいうまでもない。


あとがき
タイガー編しゅうりょ〜うッス!!疲れた〜〜〜〜(汗)何せ普段目立たないキャラなんでどういう感じに書くべきかに悩みました。さて、次回はフェンリル編に突入します。次がある意味一番難しい話なんで結構時間がかかってしまうかもしれないです。

<法師陰陽師さん
そうです。あの超マイペースな天然娘です。それとですね、魔理の立場は・・・それはまぁしばらく後に分かります。先輩ライダーですが・・・出ちゃいました(汗)

<zendmanさん
確かにそうなんですよね〜。タイガー以外ってのはあるんですけど、タイガー本人はあまりないですよね。

<柳野雫さん
元ネタは、グレネーダー・・・微笑みの閃士というTVアニメです。

<ATK51さん
空白期・・・すんません分からないッス(汗)多分ATK51さんの思ってる通りだと思います。
あとピートですが・・・げふんげふん。琉朱菜ですが、これはアニメ版の方です。こんな設定にしてみました。どうでしょうか?

<桜葉愛さん
え〜〜〜、こんな設定になっちゃいました〜〜〜(汗)

<ななしさん
新キャラは、グレネーダーで調べれば分かると思います。
ライダーが多いッスか・・・でもこれには一応“意味”があるんですけど。まぁ、次回は間違いなく横島のクウガストーリーに戻ります。では・・・。

<レンヤさん
新キャラはグレネーダーで調べて下さい。ライダーはZOです。

<ジェミナスさん
どっちかっていうと昔のライダータイプですね。


では、次回まで。煌鬼でした。

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