インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!ダーク有り

「ヒーロー見参!! エピソード二十一(GS+色々)」

煌鬼 (2005-06-01 23:11)
BACK< >NEXT


今ある記憶


もしそれが偽りだったら


その者は一体


誰なのだろう。


エピソード二十一 内なる獣


暗い倉庫内、その中では激しい戦いが行われていた。一人は長い黒髪に褐色の肌の女性、もう一人は背丈が2メートルはあろう男性だった。


「このGS小笠原エミをなめるんじゃないワケ!!」
≪ヒュンヒュンヒュン・・・・ズシャァ≫


エミの放ったブーメランが一気に数匹の悪霊を切り裂いた。戻ってきたブーメランを受け取ると、エミは笛を取り出した。


「タイガー!!出番なワケ!!」
「任せてくんさい!!」


タイガーの言葉を聞きエミは頷きながら笛を吹き出す。すると、タイガーの身体は人の身から虎へと変わった。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!幻影投射最大出力ーーーーーーーーー!!」


タイガーの叫びと共に強力な幻影が悪霊たちを襲った。その結果悪霊たちは一気に一つの場所に集合した。


「後は任せなさい!!霊体・・・・撃滅波ーーーーーーーーーーーー!!」


エミの放った撃滅波は、一直線に悪霊たちの方に向かって飛んでいった。そして、悪霊たちに命中すると同時に、爆散した。


「ふぅ、ご苦労だったわタイガー。どうせだし今日は奢ってやるワ・・・・どうしたのアンタ?」


そう言いながらエミはタイガーの方を向いた。そこには、頭を抱えたまま立ち尽くすタイガーの姿があった。


「な、なんでもないですケン!さっさと帰るですジャ・・・・・」
≪バタン≫


言い掛けると同時にタイガーは地面に倒れこんだ。それを見たエミは慌ててタイガーに駆け寄る。


「ど、どうしたのタイガー!?しっかり・・しっかりするワケ!!」


場所は変わり都内の病院。そこの一室でタイガーは点滴を打たれ眠っていた。


「大した事はないな、疲労が重なったために倒れたのだろう」


カルテを見ながら時雨は淡々と答えた。その言葉を聞きホッとするエミ。しかし、時雨の表情はどこか曇っていた。


「小笠原さん、貴方はこの患者の詳細を知っているか?」
「え?ええ。こいつが私と出会った時に経歴を見たから大体は」
「では・・・・これを見てほしい」


そう言うと、時雨はファイルから一枚のレントゲンを取り出すと、それをエミに見せた。


「こ、これは!?」


エミはそれを見て愕然とした。そのレントゲンには、本来“人には存在しない”モノが存在したからだ。


「上半身の骨格の40%が強化された形跡がある。それも強力な霊獣の骨を使ってな。更に胸骨の中心部には歯車状の金属が埋め込まれている。筋肉もわずかながら人口筋肉が使用されている」
「なんで・・・すって」
「それだけじゃない。下半身の骨や筋肉も強化されている、霊的にもな。こちらは割りと人間的な部分が多く残してるが、やはり人の域を超えている。そして・・・」
「ま、まだあるワケ?」


エミは何か嫌な予感を感じながら時雨に尋ねた。それを見た時雨は頷くと、下腹部のレントゲンを見せた。そこには・・・。


「横島と同じものが・・・・入っている?」
「厳密には違うがね。これは横島君の持っている自然な霊石ではなく、どちらかと言えば獣たちの魂を凝縮し作られた物だ。あえていうなら“獣霊石”とでも言った物かな」


それを聞き愕然とするエミ。


「・・・て事はタイガーは」
「うむ、人工的に“作られた”可能性がある」
「なんて・・・事!!」


衝撃的な事実を知り固まるエミ。その時・・・。


≪カラーン≫


何かの金属が落ちる音がした。エミと時雨がその方向を見ると、そこには呆然としたタイガーの姿があった。


「・・・タイガー」
「・・・・・・・」


悲痛な面持ちでタイガーを見る二人。そんな中タイガーは二人に近づいた。


「エミさん。時雨さん。ワッシは、ワッシは誰なんですジャー。人なんですかノー?それとも化け物なんですかノー。・・・誰でもいいですケン。誰か・・・ワッシが誰か教えてくれですジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


タイガーの咆哮が病院内に響き渡る。その目からは大量の涙が流れ落ち、握り締める拳からは血がとめどなく流れていた。そんな中、それを見ていた時雨がタイガーに近づいた。


「・・・正体を・・・・知りたいか?」
「わ、分かるんですかいノーーーーーーーー!?」
「ああ」
「お願いしますジャー!!ワッシを・・・本当のワッシを教えてくんサイ!!」
「・・・・・・・・・・・分かった」


タイガーの切なる願いを聞いた時雨は、一枚の名刺をタイガーに渡した。


「そこに私の知り合いの研究者がいる。そこに行けば、おそらく本当の君と出会えるはずだ」


再び場所は変わり、エミとタイガーは一軒の家の前にいた。そこの表札には『麻生』という字が刻まれていた。


「大丈夫?タイガー」
「だ、大丈夫ですケン。そんな事より、早く中に入るですジャー」


タイガーはふらつきながらもインターホンを押した。すると、ドアが開き一人の男性が出てきた。


「どなたでしょうか?」
「上条さんから連絡が入っていると思うのですか」
「ああ、小笠原さんですか。では、こちらへどうぞ」


男性に導かれエミとタイガーは中に入った。リビングに入ると、男性は何かメモ帳のような物を取り出すと、ソファーに腰掛けた。


「・・・ところで、貴方は誰なワケ?」
「あ、申し遅れました。私は精神診療をしている。麻生勝と申します」
「精神科のお医者さんですかいノー」
「いえ、それとはまた違う分野の診療です。私はどちらかといえば霊的なものも入っています」
「そう。じゃぁ早速こいつを見てやってくれない?」
「分かりました。では、この椅子に座ってください」


勝に導かれ、タイガーは椅子に座った。


「では・・・行きます」


そう言うと勝は目を瞑り何かを念じ始めた。すると、周りの風景が突如暗くなった。


「な、なんなのこれは!?」
「驚かせて申し訳ありません。これは私が起こしている空っぽの幻覚です」
「もしかしてアンタ・・・精神感応者なワケ?」
「はい。では続けます」


そう言って勝はもう一度目を瞑った。すると、タイガーの頭の中に自分の今までの記憶が流れてきた。


(これは・・・今までのワッシの記憶。小さい頃は色々あったが、横島サンたちと出会ってから楽しかったジャーーー)


タイガーは幸せな映像を見て安心していた。しかし、突如その映像にヒビが入り、先ほどとは全く違う映像が流れてきた。そこには、白衣を着た人物、様々な機械が置かれていた。


(これは・・・なんなんですジャー!?見た事がない映像ですジャー!!な、何をするんですジャー!?ワッシの身体をいじらないでくれですジャーーーーーーーーーーー!!ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)


タイガーはそのまま絶叫すると、意識を失った。


「それで、こいつは大丈夫なの?」
「まだ分かりません。起きたときに恐らく“失われた”記憶が戻ってしまうため、何が起こるかは意識が戻らないとなんとも言えませんね」


エミと勝はタイガーの意識が戻るのを待っていた。そんな時・・・。


≪ガバッ!!≫


突如眠っていたタイガーが身体を起こした。そして辺りを見回すと、涙を流し始めた。


「た、タイガー?」


エミは恐る恐るタイガーに話しかけた。


「ワッシ・・・・ワッシは・・・・・・小さな頃普通に生きていた。普通に小学校にも行っていた。なのに・・・あの日、あの変な奴等に捕まって・・・身体をいじられた。激痛が走る中、奴等はワッシの頭にまで何かをしようとした。その時、ワッシは暴れ狂い、奴等を・・・皆殺しにした」


タイガーは拳を握り締めながら続けた。


「そしたら・・・ワッシの頭の中が真っ白になり、気がついたら、雨の中倒れていた。そんな時、今の家族に助けられたんジャー。でも・・・ワッシは・・・・・記憶を失っていた・・・・・・・・そうジャ、ワッシはあの時・・・・“改造”されてしまったんジャー・・・・・うう・・・ウワーーーーーーーーーーーーーーー!!」


そう言った途端、タイガーは壁を壊し走っていった。


「た、タイガー!!」


そう言ってエミが止めようとした時には、タイガーの姿は消えていた。


「・・・・彼も・・・・・・僕と“同じ”だったのか。だとしたら・・・・“先輩”として黙っている訳には行かないね」


「ウガァァァァァァ!!ウオォォォォォォォォォォォォォ!!」
≪バキ・ベキャリ・ボキャ・ゴキャリ≫


暴走したタイガーは森の中の木々を力任せにぶち壊していた。そんな中、タイガーの目が少し赤くなっているのには、彼自身気がついていなかった。
そんな中、彼に近づく影があった。


「あの〜、どうかしましたか〜?」


タイガーはその声に気づきその方向を向いた。そこには、長い金髪に麦わら帽子、そして非常にスタイルの良い女の子の姿があった。


「グルルルルル」


タイガーは怒り剥き出しでその女の子を見る。しかしそれを見ても女の子は全く怖がっていなかった。


「怒っていては、何も生みませんよ。ほら、笑顔笑顔♪」


そう言って微笑む女の子。それを見たタイガーは咆哮を上げながらその女の子に向かって駆け出した。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


タイガーは獣化すると、その爪を女の子に向けて振り下ろした。しかし女の子はそれをかわすと、タイガーの頭をその大きな胸に埋めた。


「大丈夫ですよ・・・貴方の怒り・・・私が静めてあげますから」


そう言って女の子はタイガーを強く包み込んだ。すると、タイガーの獣化が次第に解け、元の姿に戻った。


「ワ、ワッシは・・・」
「大丈夫です。さ、笑顔になって」


そう言って女の子はタイガーの頬を引っ張った。キョトンとするタイガーだが、次第に笑顔になっていった。


「落ち着きました?」
「は、はい!!大丈夫ですジャー!!」


女性恐怖症のタイガーは照れながらも、ちゃんと答えた。


「申し訳ないですジャー。ワッシが暴走したばっかりに、迷惑を掛けてしまって・・・」
「気にしないでください。苦しんでる顔よりも、笑顔が好きですから」


そう言って微笑む女の子。その時・・・!!


「ギャシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


数匹の悪霊がこちらに突っ込んできた。それを見たタイガーは身構えるが、それより先に女の子が腰につけてたホルスターからリボルバーを引き抜くと


≪ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン≫


発砲した。


「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


悪霊は全て綺麗に急所に当たったが、そこからは清らかな光が発せられ、霊たちは天に昇っていった。


「き、君は一体・・・?」


タイガーは驚きながら尋ねた。すると女の子はリボルバーをホルスターに戻すと・・・。


「天道琉朱菜(てんどうるしゅな)・・・それが私の名です・・・てへ♪」


最高の笑顔を見せた。彼女こそ、後にタイガーの最高のパートナーの一人となる人物だった。


あとがき
二日連チャンの投稿でございますです。今回はタイガーメインの前編ですがどうだったでしょうか?タイガーの過去は完全にオリジナル使用にしております。そして麻生勝ですが・・・1993年に放映されたライダーを知ってる方なら・・・ご存知だと思います。そして今回出てきた女の子ですが・・・知ってる方居られますかねーーー(無責任でスンマセン!!)・・・そう言えば今回ほとんどのメンツ出番なかったーーー!!ゴメンなーーーーー!!


レス返し
<法師陰陽師さん
はい、平等化です。ある意味これが一番落ち着けやすかったので。このSSでは美神は結構頼れるお姉さん化してると思われます。

<柳野雫さん
美神は周りを見守るanego化してます。自分的には美神は頼れる女性という印象があったので・・・。

<ななしさん
ははは(汗)ガマグチの中身は・・・スンマセン企業秘密っス!!

<ATK51さん
十兵衛は本当に自由の影響を受けまくってます(笑)何せかなり横島LOVE化が進んでますんで。美神さんに対する意見・・・ありがとうございますです!!
クウガファンの脳内妄想の件ですが・・・そこらへんには一つ隠し玉がありますので・・・しばらくお待ちください。

では、続きは早いうちに上げますので、煌鬼でした。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル