「なんで・・・こんな事になってるんだ?」
タキシードを着た横島は周りを見渡した。そこには・・・。
「(/////)」←小鳩
「よ~こ~し~ま~♯」←美神
「ふえぇぇぇぇん(涙)横島さ~ん(号泣)」←おキヌ
「・・・・・・・・」←小竜姫
「「パパ(父上)に言いつけ(るぞ)ちゃうぞ♪」」
最凶に怖い女性陣の姿があった。(ちなみに菜ノ花姉妹を呼んだのはピート。悪意は全くありません。ピートがこの事態を止められると思い呼んだのです)ちなみにもう一方では・・・。
「君たち止めたまえーーーーー!!結婚とは神聖な儀式なんだーーー!!こんな神への冒涜を私は許さーーーーーーーーーーん!!」
「せ、先生!!落ち着いて下さい!!」
「落ち着くんですノー!!」
「うむ~、横島は本当に良くモテるな~」
本気で怒っている唐巣を必死に止めるピートとタイガー。そしてそれを見ながらうまそうにタバコを吸っているきたろう。そしてそれを楽しそうに見る西条の姿があった。
「助けてくれよ・・・心眼」
己が師匠の名を呼ぶ横島。しかし・・・返って来る言葉は無かった。
エピソード二十 横島結婚騒動!?(後編)
さて、本来いるべき心眼の姿が無いのには、訳があった。
『回想』
「任せてくれ!!俺はこれでもGSなんだ!!いっくぜーーーーーー!!」
「あ、ダメです!!貧ちゃんには・・・!!」
(止めろ横島!!そいつは・・・!!)
小鳩と心眼の止める声も間に合わず、横島は救世の手を貧にぶつけた。その瞬間、膨大な量の霊力が貧に流れた。
(ん!?私の神力が吸い取られる!!うおおおおおおおおおおおおお!!)
これにより、心眼はギリギリで己を保つ分の神力を残したが、しばらくは下界に出る事が出来なくなってしまったのである。
『回想終了』
ところでお気づきだろうか?上の女性陣の中で一人足りない人物がいるのを・・・。
「なあタマモ?何でそんなに嬉しそうなんだ?」
「ん?べ~つに~♪」
明らかに機嫌のいいタマモ。実はつい先ほど、小鳩にあげたきつねうどんの事がタマモにばれ、一時が激怒していたのだが、横島の『お願い叶えてやる』という言葉を聞き一気に機嫌が良くなったのである。
「さて、そろそろ指輪の交換といこうか」
聖書を閉じると同時に西条が横島に指輪を渡す。
「なぁ西条、本当にこれしか手段がないのか?」
「僕が知る限りじゃ、これ位しか思いつかないね。なにせ貧乏神に関する情報は文献でも少ないぐらいだし」
「・・・そっか」
「ま、結婚は人生の墓場って言うけど、君の場合は違う気がするね」
「どういうこった?」
「いずれ分かるよ」
西条の意味深な言葉に首をかしげる横島。そんな中、小鳩の後ろにいた貧が横島を急かす。
「とりあえず話は後や、いくで?」
「あ、ああ」
そう言うと横島は持っていた指輪を持つと、小鳩の手を取った。そしてそれをはめようとした・・・その時。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぇぃ♪」
突如貧に向けて炎が放たれた。そしてそれは見事に貧にぶつかった。
「あちゃちゃちゃちゃちゃ!!」
慌てて火を消す貧。しかしその時・・・。
≪ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ≫
貧の体が突然大きくなりだしたのだ。そしてそれは教会の真ん中位で止まった。
「何!?一体何が起こったの!?」
美神がそう言いながら周りを見ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・指から狐火が漏れたタマモの姿があった。
「てへ♪ヨコシマ、私のお願いは・・・結婚して♪」
この言葉に固まる一同。しかし、一人いち早く再起動した人物?がいた。
「え~~~~~~~~~~~~~~~い!!」
≪ゴス≫
「うぎゃっ!!」
おキヌは着物の裾からフライパンを取り出すと、貧の頭を思いっきりどついた。すると・・・。
≪ピロリロリロ≫
マ○オがキノコを食べて大きくなる時のような音を立てて、貧は更に1.5倍大きくなった。
「横島さん・・・私も・・・・・お願いします」
頬を赤く染め上目遣いで横島を見るおキヌ。それを見て一瞬ドキっとする横島。しかし・・・災難は更に続く。
「ねぇねぇ」
「もし」
「ん?」
≪パッチン≫
≪コン≫
「あだ!!」
自由のデコピンと十兵衛の刀の柄による打撃を受ける貧。それにより貧の大きさが更に1.2倍ほど大きくなった。
「あ、あんた達!!何やってんの・・・・よ」
美神が激怒しようとした瞬間、彼女の前を一陣の風が吹いた。
≪ゴスン!!!!!!!!!!!!!!!!≫
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
腰にある神剣を引き抜き・・・・・小竜姫が貧に剣の平らな部分で思いっきり強打した。
≪グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・ドゴーーーーーーーーーーーーン!!≫
小竜姫の強烈な一撃と共に流れ込んだ神力は貧の体に流れ込み、貧の体は某銀色の流星(全長40メートルの光の巨人)並の大きなになった。そしてその反動により・・・貧の体が・・・教会の天井を・・・貫いた。
(まったく、あの時私の忠告を聞かなかったためにこうなったのだぞ!!危うく私の存在まで消えかけた!!)
「・・・すまん」
アパートの中で覚醒した心眼に説教を受ける横島。更に・・・。
(だが、そなたたちもそなたたちだ!!この者と結ばれたければ、正々堂々と行うのが筋というものだろう!!)
「「「「「ごめんなさい(すまぬ)」」」」」
教会で騒動を巻き起こした五人も一緒に説教を受けていた。(ちなみに五人の薬指にはそれぞれ色の違う指輪がはめられていた)
(小竜姫様も!!何故あんなはしたない行動を取ったのです!!猿神が聞いたら激怒しますぞ!!)
「・・・・はい」
本来自分より下の心眼に怒られ本気で凹む小竜姫。
(申し訳ない事をしたな小鳩殿。私が油断したばかりにこんな事に巻き込んでしまって)
「いいんです。あの時横島さんが貧ちゃんを退治しようとしなかったら、私は横島さんとご縁を作る事が出来ませんでした」
そう言って微笑む小鳩。その左手にはしっかりと指輪がはめられていた。
(さて、そろそろだな。貧乏神、出てきてもらおう)
心眼の言葉に従い、貧が姿を見せた。その姿はなんとか元のサイズに戻っていた。
「なんや~?」
(ガマグチを開け、横島に試練を行わせる)
「な、なんやて!?正気かいな!?」
(無論本気だ、さあ、早く)
「わかったわい」
そう言うと貧はガマグチを開いた。
「横島。そのガマグチを覗き込め」
「こうか?」
心眼の言葉を聞き覗き込む横島。しかしその瞬間・・・。
≪バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン≫
「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
バンダナが外れ、横島のみが吸い込まれてしまった。
「「「「「「横島(さん)(ヨコシマ)」」」」」」
女性陣の悲鳴が木霊する中、心眼は押入れに向けて声をかけた。
(きたろう殿)
「ん?なんだ~~~(眠たげ)」
あくびをしながら押入れから出てくるきたろう。
(一つ言霊を作って、このガマグチの中に放り込んでほしい)
「あいよ~。で、何がいい?」
(それはな・・・・・・・・・・・・だ)
「おいよ~」
そう言ってきたろうはさっさと言霊を作成し、ガマグチの中に放り込んだ。
「な、なんなんだここ?」
暗い暗闇の中を横島は歩いていた。すると、二つの扉がある道に出た。一方には、金に埋もれて高笑いする自分の姿。もう一方は、自身の大切に思う人たちとほそぼそと暮らしている姿だった。それを見ていた横島のもとに、上からきたろうの放った言霊が落ちてきた。そしてそれは、横島の頭に当たった。そしてその直後、横島は・・・・・・・・・・。
「ぶ~、折角ヨコシマと結婚出来たのに」
「私もです~」
事務所内でぶーたれるキヌタマ。でもその顔には笑顔があった。何故かというと、ガマグチから戻った横島がいきなりおキヌとタマモを抱きしめたのだ。それに驚いた二人だったが、横島の目から流れる嬉しそうな涙を見て心が温かくなれたのだった。
「ったく、横島君も罪な男なもんね」
嬉しそうな二人を見て微笑む美神。大事な妹たちを見るような視線だった。
「そういえばきたろう。アンタ横島君に何か言霊当てたそうじゃない。何を当てたの?」
「それは言わない約束なんでね」
「ふ~ん」
同じく事務所にいたきたろうに尋ねるが、結局きたろうははぐらかしたままだった。
「・・・ふ、まさかこんな副産物を残すとは、俺も驚きだぜ」
そう言いながらきたろうはある言霊をこっそり握り締めていた。それには・・・・『最愛の人を守る』と書いてあった。
おまけ
「・・・この所の悪霊の狂態化、古代の怪物の出現・・・・まさかこのシステムを使う事になるとはね」
「君は・・・・薄々予測していたのだろう?」
謎の研究室の中、二人の人物がPCのディスプレイを覗いていた。
「まあね。こういう時のためののこれだからね。だから・・・調整を急いでくれ・・・時雨君」
「任せたまえ。早いうちにこの・・・・・“G-3システム”を完成させるよ」
「頼むよ。これ以上・・・彼に重荷を背負わせる訳にいかない」
「珍しいね。君が男性にそこまで肩入れするなんて」
「・・・確かにね。多分、彼は僕が認めた初めてのライバルなのかもしれない」
そう言って西条は部屋を出て行った。
あとがき
いや~、小鳩編はムズイですね。何せどういう展開をすれば一番的確かを決めるのに悩みましたね。とりあえずこれで小鳩編は終わりです。さて次回ですが・・・我等が主人公横島君はあまり出番がありません(爆)なにせ次回の主役は・・・タ○ガーなのですから(大爆)まぁこれ以上言うとネタバレしかねないので、コメントは控えさせていただきます。では、次回まで、煌鬼でした。
PS:グリッドマンで第四話から怪獣をしていたアクターさんと会って話が出来ました。滅茶苦茶感激でした!!