「はあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
「どうしたんですか横島さん?」
「なんだか酷く疲れてるようですノー」
何故か疲れている横島を心配するピートとタイガー。すると横島は何かを悟ったような表情を浮かべながら「もうじき分かる」としか言わなかった。そして・・・昼休みを知らせるチャイムが鳴った。
≪ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド≫
するとその直後、廊下から凄い足音が聞こえてきた。しかもそれはどんどん近づいてきて、最後には横島たちのクラスの前で止まった。そしてドアが開かれる。そこには・・・。
「ヨコシマーーー!!お昼持ってきたよーーーーーーーーーーーーー!!」
「横島さ~~~ん!!お弁当持ってきました~~~~~~~~~~~!!」
横島LOVEな妖狐タマモ&幽霊少女おキヌの姿があった。
エピソード十八 横島結婚騒動!?(前編)
「はーいヨコシマ、ア~ン♪」
「横島さん。・・・その・・・・・・あ~んです(///)」
右のタマモから稲荷寿司を、左のおキヌからは卵焼きを出され汗だらだらな状態の横島。それを見ていた男子共は嫉妬の炎を浮かべていた。
「おのれ横島~~~♯我々の前で砂糖を吐きまくるような行為を~~~」
「許せん!!こうなればなんとしても止めるぞーーーーーーーーー!!」
「おーーーーーーーー≪ボヒュン≫ぎゃーーーーーーーーーーーー!!」
皆が一致団結したその瞬間、男子共が一瞬にして炎に包まれ、黒こげ+アフロと化してしまった。
「・・・燃やすわよ」
笑顔だが目は笑っていないタマモに本気でびびる皆。
「さてヨコシマ。今度こそ、ア~ン♪」
そう言って稲荷寿司を向けるタマモ。その顔はニコニコだ。それを見て頬を膨らませるおキヌ。
「あの~横島さん。一体何があったんです?タマモさんもおキヌさんもなんだか積極的に見えるんですけど」
「あ~それなんだが、俺にもまったく分かんないんだ。なんか昨日になって突然弁当作ってくるってはりきってたんだ」
遠慮しながら訊ねてくるピートに不思議そうに答える横島。そんな横島に近づく人影が二つ。
「横島君♪」
「横島」
横島に救われた少女、自由と十兵衛である。
「あれ?どうしたの二人とも?」
「えへへ~~~じゃ~ん。お弁当作ってきちゃった」
そう言って手に持っていた袋を手渡す。横島はそれを開けてみた。中を見てみると色とりどりのサンドイッチが入っていた。
「へえ~。これ自由ちゃんが作ったの?」
「うん♪横島君に食べてほしくて」
「あ、ありがと」
自由の笑みに顔を赤くする横島。それを見ながら自由は横で固まっている十兵衛を肘でつんつんとつついた。
「ほら、お姉ちゃんも」
「う、うむ」
自由に促され十兵衛は小さな風呂敷を横島に渡した。開けてみると、ラップに包まれたおにぎりが入っていた。
「ま、前の時に世話になったのでな。ちょっとしたお礼だ」
「お、サンキュー」
「(///)」
横島の素直な言葉に顔を真っ赤にする十兵衛。それを見ていたおキヌがずずいと前に出て卵焼きを差し出す。
「私のは・・・ダメですか?」(涙目+上目遣い)
「ぐはっ!!」
あまりにもおキヌが可愛く思え食べようとするが、それをタマモが止める。
「ヨコシマ・・・・・・口移ししたげよっか♪」
「ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
タマモの大胆発言に何かを吹き出す横島。それを見ていた菜ノ花姉妹もずずいと前に出た。
「俺が何かやったんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
「アイツ本気で埋めたろか♯」
「同感だ」
「横島に死を」
「おーーー」
「武器を持て武器をーーー」
砂糖を吐きすぎて理性のタガが外れたのか、大量の重火器を持ち暴徒と化した男子共。
「横島さんは本当にモテますね~」
「そうですノー。でもあの状況は正直勘弁ジャー」
「同感だね」
そう言いつつもバンパイアミスト&幻影投射でクラスメイトを鎮圧する二人。なんだかんだ言ってダチらしい事をしていた。(少々荒っぽいが)
「女の子に挟まれて困っている男子生徒を嫉妬する男子たちを止める親友・・・青春よね!!」
そしてそれを見て青春フィールド(勝手に命名)を作り出す愛子。なんだかんだ言いつつ平和だった。
「はあ!!せい!!」
≪ヒュン!!ブオン!!≫
「甘いぞ小竜姫!!」
≪ガキーン≫
場所は変わり妙神山の修行場。そこでは小竜姫が猿神から剣術の稽古を受けていた。
「えい!!」
小竜姫の神剣が猿神の頭へと振り下ろされる。しかしそれを軽々と回避し棍を鳩尾に叩き込んだ。
「がふっ!!」
「隙あり!!」
ひるんだ小竜姫めがけて猿神の棍が見えない速度で打ち込まれた。それを受けた小竜姫はついに地面に膝をついてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「どうしたのじゃ小竜姫。いつものお主らしくないぞ」
「す、すみません老師」
猿神の言葉にただ謝る小竜姫。それを見た猿神は構えを解いた。
「今日の修練は終わりじゃ。集中しなければその分負担になるぞ」
「・・・はい」
「・・・・・あの人界の少年か?」
「(///)!!」
その言葉に顔を赤くする小竜姫。
(これはかなりの重症じゃのう。何か早急に手を打たねばえらい事になりそうじゃ)
小竜姫を心配する猿神。すると猿神はあるアイディアを小竜姫に提案した。
「小竜姫よ」
「はい、なんでしょうか?」
「お主は今から数日間。人界に行ってこい」
「じ、人界にですか?」
「そうじゃ。そんな迷いのままじゃ管理人も務まらん。もう一度お主の想い人のもとへ行って来るのじゃ」
「ええ!?」
猿神の言葉に顔を赤くしながらも驚く小竜姫。
「よいか。悩みは心を迷わす。このままいけばどんどん迷い、永遠に出られない迷路に迷い込んでしまうぞ。それぐらいなら、ハッキリと己の想いが本物かどうかを確かめてくるのじゃ。よいな、しっかりと答えを見つけてくるのじゃ」
そう言うと猿神は修行場から出て行った。そしてその場に残された小竜姫は顔を赤くしたまま固まっていた。
「つ、疲れた~~~」
放課後になり帰宅している横島たち。しかし横島のみはフラフラだった。
「大丈夫・・・じゃないですよね(汗)」
「確かにノー」
「おう。つうか二人があん時クラスの男子を止めてくれなかったら多分本当にボロボロだった。サンキューな」
「当然の事ですよ」
「そうジャー。横島サンはワッシ等の親友じゃけん」
本来ならいる筈の自由と十兵衛は既に帰宅していた。(理由はもちろんパパさんが寂しがるから)
「お、じゃあ俺こっちやし。またな~」
「はい、また明日」
「さよならじゃけん」
そう言って二人と別れ、横島は自宅のアパートにたどり着いた。そして、ぐったりしながらも中に入る。
「な、何であんな事になったんやろ(汗)」
横島は昼に起きた惨劇(苦笑)を思い出しゾッとしていた。その時・・・。
≪コンコン≫
突如横島の部屋のドアを叩く音がした。横島はなんとか体力を搾り出し起き上がると、ドアの方に向かった。
「は~い、どちら様っスか~?」
≪ガチャリ≫
横島はそう言いながらドアを開いた。するとそこには・・・。
「あの・・・こんにちわ」
三つ編みの少女が立っていた。この少女の出現が、後に横島に女難を巻き起こす事を、まだ・・・誰も知らない。
あとがき
時間かかっちゃいましたっス。なれないラブコメは結構こたえました(汗)
書いてはみましたが、砂糖を五キロ吐くかはまったく保障出来ないっス。スンマセン(土下座)とりあえずこの話はもう少し続くと思います。では、また次の話まで。煌鬼でした。