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「ヒーロー見参!! エピソード十七(GS+色々)」

煌鬼 (2005-04-24 13:24)
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青き龍、深緑の野獣、黄金の竜


それらが目覚めるとき


新たなる未来が


開かれる。


エピソード十七 蒼撃の龍棍


「よ、横島さん!?なんですかアレは!?」
「あ〜、そういえばピートサンはあの試験の時気絶してたんじゃったノー。アレは横島サンが試験の時に目覚めた新しい力のようジャー!!」


ピートはタイガーの言葉を聞きながら目の前の光景に驚いていた。


(また新しい姿に変わったな。現状ではこの姿の特性が分からない)
「どうすればいい?」
(んむ、まずこの姿のまま攻撃を仕掛けろ。その間に私が力を調べる)
「おう!!」


そう言って青の空牙は駆け出し、そのまま一気に上空へ跳躍した。そしてそのまま魚人に向かって落下していく。


「おりゃあ!!」


空牙はぶつかると同時に霊波の篭った手刀を放った。それは肩に綺麗に食い込み、ダメージを与えたかに思えた。しかし・・・。


「ゾンナモノ・・・キカヌ!!」


≪グニョン≫


「何!?」
(なんと!?)


なんと身体に食い込んだ手刀がゴムのようにはじかれてしまったのだ。それによりバランスを崩した空牙は即座に魚人と間合いを取った。


「グワァ!!」


魚人が右手のカッターに霊波を篭めると、それは先ほど横島が発動した霊波刀のようなモノへと変わった。


「な・・・アレは!?」
(どうやらそなたの救世の手に酷似している事から察するに、奴はそなたの先ほどの霊波刀をコピーしたのだろう。情報ではあの者は一流の剣士の身体もしくは技を奪えるとあったしな)
「厄介な奴やな〜」


空牙はそう言いながら右手に霊波刀を発動する。しかしその色は先ほどのような澄んだ青ではなく、どちらかといえば透明に近かった。そんな事に気付かず空牙はそのまま一気に加速し間合いをつめた。


「食らえーーーーーーーーーー!!」
(待て横島!!なんだか様子が・・・!!)


空牙はそのまま霊波刀を振り上げ魚人に向けて振り下ろす。しかし・・・


≪パリーン≫


「な、なにーーーーーーーーーーーー!?」


なんと空牙の霊波刀がガラスのように砕け散ってしまったのだ。完全に油断した空牙に魚人の刃が振り下ろされた。


「な、なんだいコイツ。魔装術の限界でも超えたというのかい!?」


メドーサは目の前にいる雪之丞の変貌した姿に驚いていた。顔の部分以外を緑の鎧で覆われたその姿は魔装術を起動している状態より霊波を発していた。更に驚くことに雪之丞の身体からは魔力が発せられていたのだ。


「悪魔に魂まで売ったのかい?」
「ちげーよ。なんだかわかんねえが、力がみなぎってくるんだ!!だがまだなんか足りねえ、だから・・・俺はもっと力を望むぜ!!」


そう言って雪之丞は雄たけびを上げる。するとそれに呼応するかのように雪之丞の顔には真紅の瞳、鋭い牙が出現した。そう・・・“ギルス”の誕生である。


「しゃ〜ないね。ガキの遊びに付き合ってやるよ!!」


そう言ってメドーサは槍をギルスに向けて放つ。それをギルスは右手で掴むと、左の手首に付いた金色の突起物を爪状に伸ばし、メドーサ向けて斬りつける。


「ちぃ!!」


メドーサは咄嗟に槍を放すとその攻撃を避けながら後ろに下がって間合いを取った。


「やるじゃないか、ただのマザコンだと思っていたけど」
「ママを侮辱した罪を・・・思い知らせてやる!!」


そう言うとギルスは両手の手首から爪を開放させると、それに霊力と魔力を流し込み始めた。そして爪に篭められる限界まで力を篭めると、両腕をクロスさせながら上に上げた。


「食らえ!!霊魔斬剣波!!」


≪ズシャァァァァァァァァァァン≫


「ヌ!?マズイ!!」


メドーサは間一髪で霊魔斬剣波を回避した。しかし、攻撃の余波が強かったためメドーサの頬が切れ、そこから血が流れていた。メドーサは頬から流れる血を指ですくうと唇に薄く塗った。その表情は魔性の笑みともいえるモノだった。


「いいね・・・こうでなくちゃ面白くないね!!」


メドーサは活き活きとした表情を浮かべながらギルスめがけて駆け出した。それをギルスは両手首を鞭状にして迎え撃つ。


「食らいやがれっ!!」


ギルスは両腕を交互に振って鞭を当てにいくが、メドーサは巧みにそれをかわして接近し、鞭が自分から離れた瞬間、ギルスめがけて霊波砲を放った。


「マズった!!」


ギルスは腕をクロスして衝撃に備える。それと同時に


≪ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーン≫


大爆発が起きた。


「な、なによアレ!?メドーサと互角に戦ってるじゃない!!」
「どうやら雪之丞さんは横島さんと同じく新しい力に目覚めたみたいですね。・・・と、このチャンスを逃してはいけません。今のうちに一気に元始風水盤を叩きましょう!!」


小竜姫の言葉を受け元始風水盤に向かって走り出す美神たち。しかしそこに突如巨大な穴が開いた。そしてそこから腐食した巨大な手をニョキっと出現した。そして更にもう一本の手が出ると同時に、そこから全身をコールタールで纏ったような怪物が姿を現した。


「な、なによアレ!?」
「・・・ま、まさかアレは!?」
「知ってるの小竜姫様!?」
「はい。昔私が一度人間界に降りた時、無念を残して死んだ者たちが歪んだ意志を共鳴させ誕生したのを見ました。それがあの“戒魔”です。霊団よりも収束率が高いため、並みの霊力では歯が立ちません。でも、聖なる力などの前では極端に弱体化します」
「って事はピートの力が必要ってワケね。ピ〜ト♥今迎えに行くからね〜」


エミはピートを呼びに行ってしまった。それを見て呆れる美神。


「・・・まあいいわ。こんな奴私たちで片付けるわよ!!」


そう言って美神は鞄から精霊石ロケットランチャーを取り出すと、戒魔めがけて発射した。


≪ドシューーーン・・・ブヨン≫


しかしとんでもない事に精霊石付きの砲弾は戒魔の中に吸い込まれ、ある程度吸い込んだ次の瞬間・・・


≪ドドシューーーーーーーーーーーーーーン≫


跳ね返ってきた。


「嘘ーーーーーーーーーーー!!なんで帰ってくるのよーーーーーーーーーー!!」
「こうなったら狐火で」
「ダメよタマモ!!そんな事したら更に悪化するわよ!!」


美神の言葉を受け発動を止めるタマモ。するとおキヌが何故か“フライパン”を持って前に立った。


「ちょ、ちょっとおキヌちゃん!?」
「え〜い!!」


おキヌは向かってくる砲弾に向かってフライパン思いっきり振った。


≪カキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン≫


見事なアーチを描きながら砲弾は洞窟の天井にぶつかり、爆発した。するとその爆発により天井にヒビが発生し、一気に砕けた。


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


開いた天井から漏れる光を浴びると、突如戒魔が苦しみ始めた。まるで嫌なものを押し付けられている子供のように。そして苦しみぬいた挙句、綺麗なまでに成仏していった。


「美神さん!!いまのを“ほ〜むらん”って言うんですよね」
「え、ええ(汗)」


突然のおキヌの行動に冷や汗をかく美神。


「しかし、何故あの戒魔は成仏していったんだろう?聖なる力は誰も放ってないはずなのに・・・」


悩む美神たち。すると、意外な人物?から答えが聞かされた。


「天井より漏れる・光から・聖なるエネルギーを・感知しました」


そう、マリアだった。マリアの言葉を聞き何かを考えていたカオスが閃いた。


「おお、そういう事じゃったか!!」
「な、なんなのカオス!!何が分かったの?」
「どうやらあそこから漏れる光に聖なる力が含まれとるようじゃ。しかもよく見るとあの天井の部分からマリア像が見える。おそらく教会の中じゃからだろう」


カオスの言葉を聞き納得する美神たち。そして我に返った美神たちは元始風水盤めがけて駆け出した。


「はぁ、はぁ、ま、マジでやばかった」


魚人が振り下ろした刃を空牙は間一髪真剣白羽取りで防いでいた。しかし刃から発せられる邪悪な霊波により空牙の両手からは血が流れ出していた。


「こんのぉ!!」


空牙は魚人の腹を蹴ると宙へ舞い上がり、数メートルほどの間合いをとって着地した。


(だ、大丈夫か横島!?)
「ああ、なんとかな。だけどありゃなんだ!?何で俺の救世の手は砕け散ったんだ!?」
(分からぬ。ただ私が思いつく限りではそなたのその姿は俊敏性に長けているが、打撃力は落ちておる)
「だからか。・・・しょうがねえ、こうなったら赤で勝負してやるぜ」
(気をつけろ。奴はかなり強固な身体を持っている。生半端な打撃じゃ奴には効かんぞ)
「分かった」


そう言って空牙は青の形態から赤へと変わった。そしてまた魚人へと挑んでいった。


「ああ!!このままじゃ横島さんが!!」
「このままじゃヤバイですジャーーー!!」


混乱する二人をよそに、十兵衛は空牙と魚人の戦いを見ていた。そして見ている中で十兵衛はある重要な事に気付いた。


「そうか!!横島の不利な理由が分かったぞ!!」
「へ!?分かったの!!」
「そ、それは一体なんなんですか!?」
「うむ。どうやら横島が変化しているあの姿は格闘向きではない。どちらかといえば長物を使った戦いに向いておるただ、剣などとは相性があまりよくないようだ」
「という事は、横島サンは剣以外の武器で戦えば勝機はあるという事ですかノー?」
「そういう事だ。だがあの状況ではまともに右手を集中出来ぬ。武器を作ろうにも数分ほど時間を稼がねばなるまい」


そう言うと皆は下を向き俯いた。しかし突如自由が十兵衛の傍にくると、ある事を自由に提案した。すると、十兵衛は驚きの表情を自由に向けた。


「・・・本気か?」
「うん」
「危険な賭けなのだぞ!!」
「横島君は命がけで私たちを助けてくれたの。だから・・・今度は私たちが横島君を助ける番だから!!」


自由の瞳に決意を感じた十兵衛はうすく笑みを浮かべると、きたろうのもとに行き何かを呟いた。するときたろうは目を点にして驚いた。


「ま、マジで言ってるのか!?」
「マジ」
「本気だ」


きたろうは驚きながらも二人を見た。そして二人の決意を見たきたろうは呟くようにして言霊を作ると、それを二人にぶつけた。すると、二人は強い霊波を発する光に包まれた。


「な、なんだ!?」
(余所見をするな!!来るぞ!!)


一瞬自由たちの方に意識がいった。その隙を突き魚人が迫る。


≪カシィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン≫


しかしその攻撃が空牙に当たる事は無かった。何故なら、空牙の目の前にいる人物がそれを防いでいたからだ。だが防いでくれた事よりも空牙は目の前の人物を見て驚愕していた。なんと目の前にいたのは・・・


「大丈夫、横島君?」


そう、目の前にいたのは左目にピンク色のハート型眼帯をつけた自由もとい十兵衛の姿だった。しかしその姿は先ほどとは異なり、ショートカットの黒髪は腰まで伸び、背中に背負っていた刀は二本に増えていた。


「な・・・自由ちゃんなの!?」
「うん♪」
(私もいるぞ)


空牙の心に直接十兵衛の声が聞こえた。


「・・・とそれより横島君。私たちが時間を稼ぐから、右手の力で棒みたいなのを作って」
「棒みたいなもの」
(そうだ。お主の今の力の性質は“柔”つまりしなやかさだ。それを十分に発揮できるのは槍または棒なのだ)
「なるほど・・・分かった!やってみる!!・・・あ、あと二人とも、無理はしないでくれよ」


突然言われた空牙の思いやりに二人?は薄く頬を赤く染めた。しかしすぐに意識を切り替え真剣な表情になった。


「任せて。こんな“魚もどき”けちょんけちょんにしてあげるから」
(無論だ。こんな落ちぶれ新陰流もとい“魚もどき”に遅れはとらん!!)


ボロクソ言われた魚人の目から涙が零れていた(哀れ)


「頼むよ!!」


そう言って空牙は跳躍し離れると、救世の手にイメージを送る。すると、淡い状態ながらも形が出来始めていた。


「さて、三年ぶりだね。太鼓太夫さん」


自由は目の前の魚人の元の名を言った。しかし魚人はなんの反応もせず、ジロリとその凶悪な眼をぶつけてきた。


(自由無駄だ。奴はもう・・・“壊れてしまった”のだ)
「・・・そうみたいだね。じゃあ・・・止めてあげないとね」
(そなたは優しいな。自分を苦しめた存在にそんな事をしてやろうとするとは)
「優しいんじゃないよ。ただ・・・可哀想なだけだから。だから・・・苦しみを止めるの・・・私が」


そう言って自由は強引に刀で魚人を押し飛ばした。魚人はバランスをなんとかとりつつ着地する。


「いくよ・・・十兵衛さん」
(分かっておる・・・自由)


そう言うと自由は背中に背負っていたもう一本の刀を引き抜いた。そして・・・・。


「「いくよ(参る)!!」」


駆け出した。


「フン。どうやらチェックメイトのようだね。雪之丞」


メドーサの放った霊波砲を直に受け瓦礫に埋もったギルスは動かずにいた。
メドーサは止めを誘うと近づく。


≪ドコン≫


「ちぃ!!」


突如瓦礫の中から銀色の鞭が飛び出してきた。それを紙一重でかわすメドーサ。そして鞭が戻ると、瓦礫の中からギルスが飛び出し、着地した。しかし、それは先ほどのギルスとは違っていた。


「な!?緑が“紅”になっただと!?」


メドーサの言葉通り、ギルスは先ほどまでの緑ではなく、全身を真紅で包んでいた。さらに金色だった手首は銀色に変わっていた。


「あぶね〜(汗)なんとかギリギリで魔装術と“融合”させてよかったぜ」
「なんだって!!あの状態は魔装術ではないのか!?」
「んな訳ねーだろ。アレはアレで、魔装術は魔装術だ。だが、正直俺もこんな組み合わせがうまくいくとは思ってなかったぜ」


ギルスの顔がニヤついたように見えたメドーサは冷や汗をかいた。


(ハッキリいって今の状況は私が不利。念が通じないとなると太鼓太夫はおそらくやられただろうし、まして予想外だった雪之丞の覚醒。こんな状況ではおそらく私には勝ち目はない。こうなったら・・・)


メドーサは突如懐から何かを取り出し投げる。すると、それは一気に閃光を放った。目が眩んでいる雪之丞を残しメドーサは宙に舞い上がった。


「てめえ!!汚ねえぞ!!」
「なんとでもお言い!!私はプロだ、ヤバイ状況と判断したら撤退が鉄則だよ。あと、周りに火角結界を放っておいたから、追ってくるなら・・・殺すよ」


苦虫を噛むような表情の雪之丞を残してメドーサは姿を消した。


「次は・・・次は絶対負けねえ!!」


“ギルス”改め“ギルスU”(霊魔形態)の咆哮が洞窟に響き渡った。


≪カキン・ガキンガキン・カシャァァン≫


その頃自由は己が刀を振り魚人と戦っていた。しかし魚人の皮膚は強固なため中々致命傷が与えられずにいた。


「はぁ、はぁ」
(マズイな。このままでは我々の体力がもたん)
「で、でも頑張らないと。横島君が希望なんだから、諦めちゃダメだよ」
(無論私も諦めが悪い方なのでな・・・やれるだけ戦う!!)


十兵衛の言葉を聞き自由は再び刀を構える。その時奇襲をかけようと魚人が迫ってきた。


「いくよ!!」
(応!!)


自由は攻撃を仕掛けようとしたその時!!


≪ヒュオン・・・ドス≫


突如自由の後ろから青色の棍が飛び出し、魚人の胸に激突した。


「グハァ・・・ゲハ!!」


悶絶する魚人を無視し棍は回転しながら宙を舞い、自由の後ろに飛んでいく。自由がそこを見るとそこには・・・


「お待たせ。自由ちゃん、十兵衛」


青き龍を宿した空牙が降臨していた。空牙は落ちてきた棍を手に取ると、カンフー使いのように回転させた。すると、棍の両端がシャキンと音を立てて伸び、長い棍へと変わった。そしてその棍を左手に持ち帰ると、自由たちに近寄った


「・・・横島君」
「大丈夫だった?」
「うん」
「十兵衛は?」
(こんな奴に引けは取らん)
「言うと思ったよ。さて・・・決着をつけますか」


そう言うと空牙と自由は魚人の方を向いた。すると魚人は先ほどの空牙の攻撃で怒り心頭だった。


「じゃあ自由ちゃん、ちょっと下がってて。俺もちょっとはカッコいいとこ見せたいし」


笑いながら言う横島を見ながら二人は心の中で嬉しさと呆れがあった。


(さっき私たちを解放してくれただけでもカッコよかったのに・・・)
(こやつ・・・本物の“愚鈍”だな)


そんな事には全く気付かず空牙は魚人目掛けて・・・“疾走”した。


≪ベコン≫
「グファ!!」


イキナリ姿が消えたかと思うと頭部に重い痛みが起きたため魚人は頭を抱えた。しかしその次の瞬間には背中・腕・足・胸部・腹部へと攻撃が続いた。


「ヌグワァ!!」
「遅いぜ!!」


空牙は更に棍で急所をデタラメに突きまくった。それにより魚人の動きは更に弱弱しくなる。そして最後の急所を打ち込むと棍で魚人の顎を殴り吹っ飛ばした。


≪ドサリ≫


受身も取れず落下の衝撃を直に受ける魚人。立ち上がろうにも全身の急所を打ち込まれているため膝をつくのが限界だった。


「よっしゃ!!止めだ!!」


そう言うと空牙は左手に青いサイキック・ソーサーを出現させると、軽く宙に投げた。そしてそれを更に殴った。


「いくぜ!!ビリヤード・ソーサー!!」


空牙は砕けたソーサーを一個一個突いて魚人めがけて打ち込んだ。それは凄まじい速度で魚人の肉体にめり込み、そして一気に爆発した。


「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


霊気の爆発を受け魚人は爆発した。そしてそこから霊体となった太鼓太夫が姿を現した。


「ぐぐぐ、おのれ〜!!貴様のようなボンクラに〜〜〜!!」


叫びながら突っ込んでくる太鼓太夫。身構える空牙。だがそれより先に自由が前に立った。


「横島君がボンクラな!!」
(訳がなかろう!!)


♯気味の二人は二本の刀をそれぞれ上段下段に構えた。そして


「必殺!!十兵衛斬り!!」


自由の怒りの一撃が太鼓太夫を切り裂いた。すると太鼓太夫は閃光に包まれる。そしてそのまま天へと昇ってく。


「今度こそ人生楽しくね♪」


天に昇っていく太鼓太夫に向けて自由はウインクをした。


「はぁ(溜息)、なんでこうなるのかな〜」
「同感」


事務所の中で一人溜息を吐くおキヌとタマモ。なんでこうなってるかは帰国し横島が学校に行った時に遡る。


「はぁ〜、今日もまた気長に過ごしますか」
「気が抜けてますね横島さん」
「ですノー。なんだか疲れてるようですジャー」
「しょうがねーだろ。香港であんだけきつい事したらへばるわい」
「もう、男の子でしょ」


愛子にメっとされながらふぬける横島。


「そういえば愛子、自由ちゃんまだ来てねえのかな?」
「朝来てたわ。・・・そういえばちょっとホームルームには遅くなるって言ってたけど」


愛子の言葉と同時にドアが開き担任と自由が入ってきた。


「お前等席に着け!!・・・よし菜ノ花、呼んでくれ」
「はい。ど〜ぞ♪」


自由の言葉と共にドアが開いた。すると・・・。


「な、なななななななななななななな!!」
「噛みすぎだ馬鹿者」


焦る横島に釘を刺しながらなんと十兵衛が入ってきたのだ(もちろん眼帯無し)


「じゅ、じゅじゅじゅ十兵衛さん!?ぬ、ぬぁぜここに!?」
「決まってるだろう。ここに学びにきたのだ」


クールなまま答える十兵衛。あたふたしている横島に自由が答えた。


「パパに頼んだの。十兵衛お姉ちゃんをここに入れてって」


実は帰国後、十兵衛の処遇に困った横島たちに代わり彩が十兵衛を引き取ったのだ。(戸籍上は双子という事になっている。ちなみに戸籍をいじれたのは某修行所の管理人の圧力と彩の脅しにも似た説得だったらしい(汗))


「は〜、あの人も大変だよな〜。ただでさえゴーストライターで忙しいはずなのに」
「まあパパだから大丈夫だよ」
「うむ。父上は男気に溢れた御方だ。きっと乗り越えるだろう。・・・あ、そうだ横島。ちょっとこっちに」
「ん?何だ一体?」


そう言って横島は二人のもとに駆け寄る。すると横島を真ん中に立たせ自由と十兵衛はトンデモナイ発言をのたもうた。


「え〜と、本日を持って菜ノ花自由は横島君の“自称”婚約者になる事を宣言しま〜す」
「本日より、菜ノ花十兵衛は“自称”横島忠夫の許嫁になる事を宣言する」


「「「「「何ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」


突然の事に大混乱に陥るクラス。そんな中横島は二人に詰め寄っていた。


「ちょ、どういう事!?婚約者とか許嫁とかって!?」
「実はね、昨日家でパパと話している時にたまたま横島君の話題になったんだけど」
「その時自由が横島の事を活き活きと喋ってるのを見て父上はこう言ったのだ。「なあじゅうべえ、お前横島君の事が好きなのか?」とな」
「そ、それで・・・ナンテイッタノ?」


何か片言化している横島に気付かず自由はこう言った。


「てへ♪好きって・・・言っちゃった♪」


この発言によりまた空気が固まるクラス。


「ははは〜(汗)、でも、じゃあ何故十兵衛もんな事言うんだ?」


背中に冷や汗をかきながら尋ねる横島。


「剣士はな、自分より強い者に惹かれるものなのだ」


その言葉を聞き横島は香港で十兵衛を倒した事を思い出していた。そんな事を考えている内に二人は笑顔でこうのたもうた。


「今日にでもパパに会ってね♥」
「父上にキチンと話をしてもらわねばな」
「え〜と、俺に拒否権は・・・ないのね(涙)」


その後菜ノ花家にいった横島は、彩から熱烈な歓迎を受けた。でも一つだけ救いだったのは・・・


「まあ横島君も他に好きな子が出来るかもしれないからね。無理には押し付けないよ。ただ、卒業までに好きな子が出来なかったら・・・貰ってくれよ♪」


卒業までというタイムリミットが出来たことだった。(救いなのか?)


「何でヨコシマはこんなにモテルのよ〜〜〜(涙)」
「まったくですね・・・こうなったら、私もアタックしてみます!!」
「そうみたいね。こうなったらトコトン積極的に攻めないとね」


今回の件で更に加熱する事になった横島争奪戦。その頃美神はというと・・・・・あまりの事に寝込んでしまった(笑)


おまけ1


「はあ、とお、やあ!!」


嵐の中アギトと怪物の戦いは続いていた。


「ヌオオ!!」
≪ベキン≫


怪物は持っていた槍でアギトを殴り飛ばした。それによりアギトは飛ばされ、壁に激突して止まった。


「な、なんて奴や!!ほんまもんに強い!!」


アギトはそう言いながらまた駆け出す。


「フン!!」
「よっと!!」


横に薙ぎ払ってきた槍をアギトはジャンプしてかわすと、怪物の顔めがけて蹴りを放った。それを受け一瞬怯む怪物めがけて連続でパンチを打ち込むと、身体を捻りながら裏拳を放った。


「グハァ!!」


叫びと共に地面に倒れる怪物。それを見ながらアギト数歩後ろに下がると、両手の手のひらを逆向きにクロスさせると、それを水平に広げ、そしてそれを左の腰の辺りにもっていった。すると、アギトの足元に金色の竜の紋章が浮かび上がった。


「今がチャンスや!!とお!!」


そう言ってアギトは一気に上空に跳躍すると、そのまま怪物めがけて蹴りを放つ。しかし・・・


「人間が・・・いい気になるな!!」


そう言って槍でアギトを薙ぎ払った。それにより宙でバランスを崩したアギトはそのまま海へと落ちていった。


そしてその光景を真剣に見つめる青いバンダナをつけた男がいた。


おまけ2


「はぁ」


溜息をつきながらボ〜っとしている一人の女性がいた。名は小竜姫。いわずと知れた妙神山の管理人である。香港から帰ってきて一週間、ずっとこの調子である。


「はぁ・・・横島さん」
「何を言っておる小竜姫?」


突然の言葉にピクリとしながらその声の方を向いた。そこには妙神山の武人斉天大聖老師の姿があった。


「ろ、老師!?いつからそこに!?」
「数分ほど前からかの。全く、妙神山の管理人たるもの気の緩みは禁物だぞ」
「も、申し訳ありません!!」
「ふむ。だが今回はある意味しょうがないかもしれんな。今まで長い時間を生きてきて初めての感情に戸惑ってるのだからな」
「な、なんの事です老師?」
「気付いておらんとおもったか。お主は“恋”をしてるのじゃ。顔に出ておるぞ」


その言葉を聞き顔を赤くする小竜姫。


「だが正直ワシも驚いておる。あの竜神小竜姫が人間に恋をするとはな。・・・まあ、お主が見込んだ男なら問題あるまい。人間との逢引も構わんが、修行の方をおろそかにするでないぞ」


言うだけ言って老師は部屋を出て行った。そして部屋に残されたのは、顔を赤くし唇をなぞる初々しい竜神だった。


あとがき
ぬおおおおおおおお!!更新遅れましたでござる〜〜〜!!学校始まってから忙しいためにボドボドながらなんとか書き上げました。駄文だったらスンマセン!!


さて今回ですが、とりあえずライダーとなった者たちの活躍を中心にしてみました。(鬼道はちょっと訳あって出番少なかったんです)
空牙のビリヤード・ソーサーですが、これは某格闘ゲームでビリヤードの武器を使い戦うキャラがいたのでそれを真似させていただきました。
ギルスのほうですが、やはり原作と同じパターンにしてはつまらない為、あえて早々新フォームを発動させました。

それと自由&十兵衛ですが、これ以降レギュラーとして関わっていきます。当然除霊委員となるのは宿命でしょうね(ニヤリ)あときたろうが自由たちにぶつけた言霊ですが『表裏一体』というのにしました。これが一番あってると思ったので。

<ジェミナスさん
トリプル参上っス!!これはやっぱり外せませんね。あと雪之丞版ギルスは魔装術もあったため結構安定はしています。ただやはり不完全なので、疲労感のみは残ります。

<法師陰陽師さん
燃えてくれてありがとうです。十兵衛の受肉化ですが、これは言霊というより横島の想いがなした奇跡っス(なんか横島がどんどん人の枠を超えてる気がします)
きたろうはぶっちぎりの優秀っスね。なにせ廃人化してませんので。
あと、某鬼ですが・・・次回ゴホンゴホン。まあ期待しないで待ってて下さい(汗)

<レンヤさん
タイタンはやはりフェンリル編に持ってきたかったのこうしたです。あと物干し竿とはYAIBAのではなく、Fateのとある侍が持ってた刀です。

<柳野雫さん
変身の反応ですが、実は今回知られていません。これが後でちょっとした波紋を呼ぶことになるのです。

<なまけものさん
おキヌちゃんとタマモのコンボは必至ですね(自分的には)きたろうは今回は結構前に出ましたが、しばらくは横島の修行に専念プラスサポートになると思います。
十兵衛を救えたのは救世の力を持った横島の想いです。この力ならば呪縛だろうがなんだろうが大抵はぶっ壊せます。(当然概念も)
G3なんですが、実はここにちょっとしたイベントがあるのです。それはまだ言えないのでいずれ本編で。あと白黒の神たちは・・・実は片方だけ出ています。(エピソード十三参照)他のライダーですが・・・1993年に公開されたあのライダーが・・・。更に色んなのが混ざっていくと思います。まあでも結果的にはGS世界ですけど。

<ATK51さん
おやっさんスペシャルミックスはまさに無敵ですね。・・・そうですね。間違いなく彼でも止められない自体はやってきます。
自分も黒いおキヌちゃんよりは天然おキヌちゃんが好きですね。
小竜姫VSメドーサ・・・これは避けられない宿命ですね。西条とのからみはしばらくはないと思います。
十兵衛を救えたのは魂の変質ってのはだいたいあってるっス。あとハンズ・オブ・セイバーですが・・・分かります。私もその気持ちがとてもよく分かります!!ですが私はあえて・・・メシアにしました(苦渋の決断)
ドラゴンフォームですが、こんな感じになりました。・・・どうでしょうか?


え〜と次回はちょっとした外伝になると思います。でも本編につながる大事な外伝なので出来たら見てくださいっス!!以上煌鬼でした。

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