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「除霊部員と幽霊列車 第10話 (GS+オリキャラ)」

犬雀 (2005-05-07 21:02/2005-05-07 22:23)
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第10話  「間違いだらけの薬の使い方」


次元の狭間で呪詛の声を上げてのたうつ蛇。

女の声が黒い炎を纏ったかのような熱さで恨みの言葉をつむぎ出す。

「見つけたぁぁぁぁぁぁ!アイツだぁぁぁ!殺すうぅぅぅぅぅ!!」

それに重なる男の声。

「出口は開かれました…いつでも出ることが出来ます…」

「殺す殺す殺す殺す!今度こそ殺すうぅぅぅぅ!!」

「あの少年を殺す。それがあなたの望みなのですか?」

男の声に答えは返ってこなかった。


突如現れた鉄の蛇が次元の狭間に逃げ込み、落ち着きを取り戻したGメンや死神たちは美智恵や死魔の指揮の元で混乱していた霊たちに秩序を取り戻させることに成功した。

しかし大規模の送還儀式は中断せざる得なくなり、結局は死神たちの人海戦術による冥界へのご案内ということになったのである。

再び先ほどに比べて小規模の魔法陣が描かれ、それぞれの死神たちがその中心で簡単な詠唱をすることでいくつもの門が開かれると、霊たちは旗を持った死神に従って光の万の中へと消えていった。

ふとタイガーが気がつけば、地面から掘り出されたのか勝手に抜けたのか知らないが顔を泥だらけにしたカトちゃんが横に立っていた。

「あれ?カトちゃんさんは行かんのですかいノー?」

不思議そうな顔のタイガーにカトちゃんはばつの悪そうな顔を向ける。

「私…ツアコンの資格無いし…」

(ツアーなんですかい…)

言われて見れば旗と笛をもって霊たちの集団を誘導する姿は観光地でよく見かける光景に酷似していた。
夜明けの光があたりを照らした頃、全ての霊が光の門の向こうへと旅立つことが出来た。

「終わりました〜。」

目の下に隈を作った死魔がこちらにやって来る。
さしもの死神も色々と消耗したのだろう。

「さて〜。それでですが〜。先ほどの蛇ですけど〜。多分またやってくると思うんですよね〜。」

あっさりと言い放たれた言葉に美智恵の眉が曇った。
だが…

「でももう霊たちは居ないわ。ここに来てもメリットは無いでしょう?」

「ですが〜。蛇は執念深いですから〜。アレだけ痛い目に会えば必ず復讐に来るはずです〜。」

確かに古来より蛇身の妖魔が執念深いのは伝えられている。
しかし先ほどの蛇の大妖から不可思議な違和感を感じていた美智恵は死魔の発言に納得できなかった。

「しかし狙われるのは死神も一緒じゃないですか?」

「それは無いと思いますよ〜。攻撃したのは人間さんですし〜。うちのシニヤンは攻撃前にやられてますから〜。蛇さんの記憶に残ってないですよ〜。」

なるほどと頷くしかない美智恵。
死魔に言われるまでも無くボウガンで攻撃したのはGメンだ。それに…

「蛇に痛手を与えたのはあの少年たちですし〜」

そうなのだ。驚くべきことではあるが、あの蛇とまともに戦えたのは横島とタマモの霊波攻撃、アリエスの魔法、そして常識外のロボットである。
プロと言ってもGメンの本質は装備による除霊である。
そもそも横島のように霊具を用いずに除霊が可能であるというGSの方がGメンからすれば異端なのだ。
組織である以上、リスクの大きい突出した力による大戦果より安定した力による確実な戦果が望まれる。安定した力とは情報を分析し、それに応じて必要な戦力・火力を振り分けることでもある。
それゆえに今回のような奇襲には脆いのも事実だった。

仮に横島たちが居なければ多くの霊が蛇の顎に捕らわれ失われていただろう。
思わず幸運の神に感謝する。
だが指揮官としては「ラッキー」で済ませられる事態ではなかった。

「確かにそうですね。」

苦い思いを感じながら頷く美智恵に死魔はにっこりと笑った。

「ですが〜。もしかしたら死神も恨まれているかも知れないので〜。ことが落着するまでシニヤンを置いていきますね〜。」

「ええぇぇぇぇ!課長おぉぉぉ!私ってばクビですかぁぁぁ!!」

涙をちょちょぎりながら自分に縋りつくカトちゃんに死魔はまた笑って見せた。

「クビじゃありませんよ〜。アフターフォローに置いて行くだけです〜。」

なるほどカトちゃんを保険に使うということだろう。
これで死神は蛇の恨みから完全にフリーになるということだ。
美智恵にはそれを拒否することは出来なかった。

「わかりましたわ。カトちゃんは私たちが預かります。」

「よろしくお願いします〜。ところで〜。」

「はい?」

「なんでシニヤンはカトちゃんと呼ばれているのですか〜?」

「え?本名じゃないんですか?」

「違います〜。けどそっちの方がいいですね〜。私もこれからそう呼びます〜」

「課長おぉぉぉぉ!!」

泣きつくカトちゃんにポケッと軽くケリくれて振りほどくと死魔は一礼して他の死神たちのところに戻って行った。


一方、除霊部員たちはと言えば、霊波刀の合体攻撃に失敗して吹っ飛んだまま、大口開けて気絶する横島を誰が介抱するかでもめていた。

「わたくしのカッパ液があれば!」

アリエスが乳を揺らして力説する。どうでもいいが早よしまえ。

「拙者たちがヒーリングするでござる!!」、「そうよ!」

目の前でプルプル揺れるおっぱいに激しくコンプレックスを感じつつもシロタマが抗議する。

「ヒーリングなら私も出来ます!」と叫ぶおキヌに魔鈴も同調する。

ヒーリングが出来ない愛子や小鳩や唯も介護なら出来ると譲る気配は無い。

キャピキャピと争い続ける彼女たちの後ろに呆然と立つタイガーの影では、気絶したままの横島の頭を膝に乗せ、どこかうっとりとしながら彼の髪を優しく撫でる吸血鬼がいたのだが…いいのか?少女たち…。

早起きの雀が溜め息ついた。


その朝…白井総合病院では、なかなか報告に来ない横島を待ちくたびれていつの間にか寝こけてしまった美神が、リネンに口紅だのファンデーションだのをつけまくっちゃってシーツ交換に来た看護師さんに怒られてしょんぼりしていた。

美神令子…色々と問題の多い患者である。


「う…」

気絶から目覚めてみれば見知った天井が見えた。
ぶっちゃけ自室である。
彼の顔を覗きこむ少女たちの顔に華のような笑顔が戻る。

でも…なにか赤黒い点々が顔についてるのはなぜだろう…。
なんとなく返り血っぽいが…。

「あれ?俺どうしたんだ?」

布団から半身起こして聞いてみれば、シロがしょんぼりと頭を下げたのが目に入った。

「先生…すまんでごさった。拙者が無理を言わなければ…」

ああ、そういや合体攻撃に失敗して吹っ飛んだんだ〜。と思い出した横島はシロに笑顔を向けた。

「気にするな。やろうと言ったのは俺だし、今度はもっと練習してから試せばいいさ。」

「先生えぇぇぇぇ!!」

感極まって横島に抱きつきその顔をぺろぺろと舐めるシロだったが、珍しくもそれを咎める少女たちは居なかった。
これが師弟として大切なスキンシップであると理解しているのだろう。
だが少女たちの前でシロ流の親愛表現に晒される横島にしてみればテレもある。

「やめんかっ!」と引き離して気がついた…。シロの顔にも返り血のようなものがついていることに…。

なんとなく嫌な予感を感じて室内を見渡せば、玄関で巨体を震わせているタイガーの姿が目に入る。

「どうしたんだ?タイガー…」

「ワッシは何も見てないんじゃァァァァ!!」

叫ぶとタイガーは涙の糸を引いて玄関を飛び出していった。

「なんだアレ…」

「「「「さあ?」」」」

何か息ピッタリの少女たち。

「そういやピートは?」と聞いてから横島はその質問を後悔した。

((((ニヤリ…))))

「おうっ!」

邪笑といっていいだろう。何とも恐ろしげな笑顔にビビる彼に唯がポツリと話しかける。

「ピート君は砂になりましたぁ…うけけ…」

「そ、そっか…」

「うけけけ…」と笑いながら顔を見合わせる少女たち。その中にはどういうわけか割烹着を着て湯気立つ土鍋を持った魔鈴の姿もある。

これ以上ピートのことは聞かない方が無難であると彼の本能は理解する。
それでも何となく顔色を青ざめさせる横島に、魔鈴が先ほどの「うけけ」とは別な笑顔を見せて近寄ってくるとちょこんと彼の横に座った。
その際にお尻で唯を弾き飛ばしたのは…まあ仕方ないだろう…狭い部屋だし。

「横島さん、お粥が出来ましたよ」

魔女ルックの上に割烹着というミスマッチが中々に初々しい感じがあっていいなぁと思いながらも、関西人の血がこの状況を見過ごすはずはない。

「ごほっごほっ…いつもすまないねぇ…」

「何をおっしゃるんですか…私は苦労と思ったことはありませんよ…。」

「だが俺がこんな病気にさえならなければ…お前にも苦労をかけやしないのに…」

「それはおっしゃらないで下さい…私はあなたといるだけで幸せなんですから…」

「お前…」、「あなた…」

呆然と見つめる少女たち、唯がハッと何かに気がついたのか歌い出す。

♪貧しさに負けた〜

「は?」と愛子たちが思う間もなく、横島と魔鈴が手をとって歌いながら立ち上がる。

♪二人は枯れススキ〜と歌いながら外に出て行こうとする二人の前に立ちはだかったのは小鳩だった。

「そ、そういう役どころは小鳩の方が似合ってますっ!!」

思わず貧乏自慢する小鳩に横島たちも我に返った。

「俺は何を?」とキョロキョロする横島の肩にアリエスの手が置かれる。

「シチュエーションに飲まれましたわね…」

「へ?」とアリエスの示すほうを見れば、割烹着の裾を咥えて「よよよ…」と泣き伏す魔鈴の姿と「余計なことをすんな!!」とシロタマとおキヌに怒られている唯がいた。


それでもとにかく腹ごしらえと魔鈴の作ったお粥を皆ですする一同であるが、一つの土鍋のお粥を集団ですすっているというのはかなり異様な光景だったのだろう。
事実、「横島君気がついた?」と入ってきた美智恵がたっぷり三分間は硬直していたのだから…。


「こほん…ということで学校はしばらくお休みになります。またあの蛇が襲って来た時に普通の生徒がいたら大変でしょ。」

硬直から解けた美智恵の説明に頷く一同ではあるが、彼らには美智恵の知らない情報があった。

「あの…アリエスちゃんの話だと蛇は俺を襲うらしいんですけど…」

「その可能性はかなり高いわね。でも実際に蛇が最初に狙ったのは霊よ。それを無視するわけにはいかないわ。」

「え?でも霊の人たちは死神さんたちが連れて行ってくれたんじゃ…?」

おキヌの疑問に美智恵は軽く頭を振った。

「それがね…まだ残っているのよ。でも…」

「だからアレは霊じゃないから死神の管轄外なんですってば!」

美智恵の後ろからヌペッと現れたカトちゃんの言葉に驚く一同である。

「まだ居たんかっ!」

「居ちゃ悪いのっ!!」

睨みあう横島とカトちゃんを「どうどう」と宥めつつ唯が聞く。

「えう?もしかして野上さんとかまだ残っているんですかぁ?」

「そうね。その人かどうかは知らないけど…何かの念のようなものが残っているわ。」

美智恵の言葉にカトちゃんとにらみ合っていた横島が考え込んだ。
それを察して愛子が横島のところに近寄ってくる。

「ねえ…横島君…」

「ああ…やっぱりあの地図の場所に行かなきゃ駄目かもなぁ…」

「地図?なんのこと?」

聞きとがめた美智恵に横島は天本が菊姉ちゃんと呼んだ女性の霊が残した地図の話をした。

横島の話を聞き終えてしばらく考え込むそぶりを見せた美智恵が口を開く。

「そう…そうね。何かの手がかりかも…でもフィリッピンなんて簡単に…「お任せくださいまし!」…え?」

「我らカッパ族の力を持ってすれば南極だろうとどこだろうと川さえあれば一っ飛びですわ!!」

「そ…そうなの?」

「そうなんすよ。カッパ城には空間跳躍能力があるんす」

「はあ?」

カッパ城のことを知らない美智恵には今ひとつ理解できない話である。
カッパが転移魔法を使えるのかしら?と脳内の文献を漁る美智恵に横島の補足はますます意味不明であった。


「主砲も撃てますわよ!」

城と主砲ってのがますます彼女の理解力を奪っていく。
もしマヌケの精霊なんてものが見えるとしたら、それは今彼女の頭上で「はぁ〜マヌケっ!マヌケっ!」と踊っているだろう。

「えーと…」

「でも海外ですよ?密入国じゃないですかぁ?」

「バレなきゃいいんですっ!」

唯とアリエスの会話にピシッと引きつる美智恵。何か聞いちゃいけない会話を聞いた気がする。


顔色を青ざめさせた美智恵を不審に思った横島が「あの隊長?」と話しかけると、美智恵は両耳を押さえて頭を振った。

「あーあー聞こえない〜!私は何も聞いてない〜!!」

それでいいのか美神美智恵。と皆が突っ込む間も与えず彼女は誰にともなく「それじゃあ私は戻るわね。何かあったら教えてね♪」と言い捨てると耳を押さえながら玄関を飛び出した。

ドンガラガラガシャーン

凄まじい物音に横島たちが慌てて飛び出してみれば、よほど慌てていたのか階段を踏み外したのだろう、地面に転がって目を回している美智恵がいた。

「隊長おぉぉぉ!!」

叫んで抱き起こしてみればグルグル目の美智恵さん。

「きゅぅ…」

「シロっ救急車!」

「わかったでこざるっ!」

駆けつけた救急隊員は横島の顔を見て「また貴方達ですか…」と溜め息をついた。


ピーポーピーポーと立ち去る救急車を見送った一同は部屋に戻って作戦会議を始める。

「んじゃ学校も休みだし、早いほうがいいだろう。アリエスちゃんすぐに行けるか?」

「お任せください!」

「横島さん!私も行きます!」

珍しく強い調子のおキヌの台詞にシロタマも力強く同意する。

「あ…でも隊長がああなっちゃったのに事務所に誰も居なくなったら、ひのめちゃんとか困るだろ…」

「そんなぁ…」と俯くおキヌだが横島の言い分もわかるので強くは反論できない。
シロタマは病院自体に入れないので看護とかは無理だし、やはり気のつくおキヌの出番だろう。
だけど助け舟は意外なところから来た。

「あの…美神さんのお世話は小鳩がやります。」

「いいんか?」

「はい。」

小鳩にしてみれば戦闘で足手まといになるよりはという思いがある。
以前に横島に後方を守れと言われた ―彼女はそう理解している― のもあるだろう。

「ごめんね小鳩ちゃん。」

「いいんですよ。」

おキヌの謝罪に笑顔で応える小鳩である。

「う!私もロボと行きますっ!!蛇さん出たら大変ですからっ!」

「じゃあ私もね。」

愛子も直接戦力にはならないがロボの母艦?としては必要である。
アレをまた体に入れるのかと思うと内心複雑ではあるが横島の役に立てると思えば我慢できる。
そして最後に声を上げるのは現代の魔女だった。

「私もお供しますっ!」

「魔鈴さんはお店があるでしょ…」

「う………や、休みます…」

「いやまずいでしょそれは…」

客商売だし…と経営センスもある横島の言葉に魔鈴さんは俯く。
陰になった顔から漏れるは途切れがちの嗚咽。

「ぐすっ…ぐすっ…」

「あああ…泣かないで!っていうか何でまた割烹着を着るんすかっ!」

泣きながら割烹着に袖を通す魔鈴に平謝りする横島だったが突っ込みも忘れない。

「いいんです…置いてきぼりになった私は…冬の日本海を旅してきます…あざらし可愛いだろうな〜…もきゅ!とか言って〜」

「今は冬じゃないですし!日本海にあざらしいるかわからんですしっ!「もきゅ」って鳴くかは知りませんけどっ!!ああっもうお願いしますからついてきて下さい!」

「ぐすっ…ぐすっ…やっぱり迷惑?…」

「迷惑なわけないじゃないですか!」

「はいっ♪」

その変わり身の早さは間違いなく嘘泣きだったのだろう。中々に姑息な策を巡らせる魔鈴だが横島は彼女が泣きやんだことにホッとしているのでそこまでは考えることが出来なかった。

替わりに危機感を感じたのは唯だった。
先ほどの貧乏シチュを取られかけて慌てた小鳩同様に「嘘泣き」は唯の技でもある。伊達に「嘘泣き用目薬」を常備していないのだ。
こっそりと手に取った目薬をさし魔鈴に対抗しようとして…

「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

目を押さえてのた打ち回る唯である。

「どうしたっ?!」

慌てる横島の目が唯の落とした小瓶を見つける。

「目がぁ!目がぁぁぁ!!」

「あー。唯ちゃんまた目薬使ったわね!」

「えうぅぅぅぅぅ!!」

七転八倒する唯を横目で見ながらも愛子の手に握られた目薬が気になる横島。

「なあ愛子、それって…」

「ええ…二度と授業をサボらないようにと懲らしめのつもりで中身入れ替えておいたの…」

「中身は何ですの?」

「アンメル〇…」

「「「「うわっ痛そう…」」」」

「えうぅぅぅぅぅ。タダオくぅぅん目が痛いよぉぉぉ!!助けてよう!!」

そりゃハッカ系を目玉に入れれば痛いだろう。
危険ですから読者の皆様はやらないようにチュン…と窓から見ていた雀がさえずった。

「助けろと言われても…」

ここで横島君、子供の頃、母親がやってくれたことを思い出す。

「今とってやるから動くなよ!」

「えう?」と頷く唯の頭をがっしりホールドすると閉じられた彼女の目を開かせてペロペロと舐め出しちゃったからさあ大変。

「よ、よ、よ、横島さぁぁぁん!!」とおキヌちゃん大絶叫。

「そ、そ、そ、それは目のゴミの取り方じゃぁぁぁぁ!!!」と魔鈴さんもパニック中。

「「あうあうあう…」」舐めるのは得意とはいえ、舐められるのを見るのは慣れてないシロタマも混乱する。

「しまった…」と唇噛む愛子に「あうぅぅぅ」と別な意味で涙目の小鳩。
だが彼女ら共通の想いはアリエスの台詞に代弁されるであろう。

「忠夫様…なんてエロい真似を…」

親子ならほのぼのなんだけどね…。

だってあれほど痛がっていた唯ちゃんの顔色が真っ赤から段々桃色になってきているし、横島の背中に回された手がギュッと彼の服を掴んでいるし、膝なんかガクガクしてるし…。

でもAVは見慣れていてもそういうプレイは見たこと無いのか横島君には今している行為が官能的なんて自覚は無い。彼の頭の中では応急処置でしかないってのがわかるから少女たちも文句が言えない。
ジレンマに捕らわれて黙って見ているしかない少女たちの前でついに…

「あうぅぅぅぅぅ!」

と一声啼いて唯が体を突っ張らせるとクタリと力を失った。

「ええっ!すまん!!そんなに痛かったのかっ?!」

頬を染めたまま薄目を開けてぼへら〜と弛緩する唯を抱きかかえて焦る横島の姿に「気づいてない?」と安堵しつつも、「気づけやオイ!」と複雑な感情を抱く少女たちであった。

「はにゅ〜」と蕩ける唯を除いて…。


「ママ…何やっているのよ…」

「聞かないで…ぐすっ…」

白井総合病院の病室に並んで入院する母と娘。
娘のベッドには「急性虫垂炎。禁食!!破れば腹膜炎」と極太明朝体で書かれたプレートが。
母のベッドには「筋膜性腰痛症(ぎっくり腰)」とポップ体で書かれたプレートがあった。

結局、白井医師が回診に来るまで美智恵はぐずり続けたのである。


後書き
ども。犬雀です。
あう〜。話が停滞してますねぇ…もう少しテンポ良く進ませないと。
でもでも、犬個人としては凄く嬉しいことがありましたので楽しく書けましたです。
唯も喜んでますです。

さて次回は横島君たちが海外に出かけます。タイガー君に久々に日の目があたるか?
どうなることやら…

1>ATS様
ふむふむ…マジンガーの発進ですな。ロボが空を飛ぶときには何か格好のいいギミックをつけようかと…。

2>AC04アタッカー様
すんません。今回もインタバールっぽいです。
どうしても日常に絡めると余計な話がついちゃいます。反省中であります。

3>梶木まぐ郎様
はいです。マヌケは今回も活躍?しました。

4>初風様
マヌケこそが最大の武器。ある意味宇宙意志でしょうか?

5>なまけもの様
鉄の蛇…さあ何者でしょう。
ノイエ汁は製造に時間がかかるので量産化は難しいかも。
実は赤城さんの新兵器が鋭意開発中であります。

6>ザビンガ様
六本の砲身…モンスター?w
蛇の復活は偶発、ですがある意味必然。蛇を呼ぶ存在がどこかにいますです。

7>シシン様
萌えとエロ…うーむ。そうかも…。なんか今回は魔鈴さんがかき回してくれてますです。

8>紫苑様
多少は意識しましたです。>アメノウズメ
美智恵はマヌケに負けましたw

9>アイギス様
股間からですかw一応操縦者があんなんでも女ですのでw (あんなんでもっ!!)

10>法師陰陽師様
ピートは今回で一時退場です。どうなったのか…ご想像にお任せしますです。

11>nacky様
ふふふ…さてさて蛇の正体はなんでしょ?今回ヒントが出てますです。
(あ、でも真剣には考えないで下さいねw)

12>狛犬様
こちらでは初めましてです。
今回は魔鈴さんより美智恵さんイジメになりました。次回は彼女が横島たちと一緒にジャングルへ…。

13>ヴァイゼ様
えと…改名なさったとのことで…とおりすがり様ですか?間違っていたらすんません。
次回はおキヌちゃんにも活躍して欲しいのですが、最近は魔鈴さんのコントロールが効かんので悩んでます。

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