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「旅の途中 700年編 第5話 (GS)」

義王 (2005-05-07 12:20/2005-05-07 12:55)
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目の前でカオスが崩れ落ち、女は俺達に気づいたのかそのまま何処かへ逃げてしまった。

「忠夫さん!!」
「文珠を早く!!」

倒れているカオス。
右胸には大きな穴が、開いているのだが、大量の血ではっきりと穴が見えない。

文字は!?
なんて入れればいいんだ!?

止血?

治療?

回復?

「迷ってる暇はねえ!!」

俺は手に6つの文珠を出し、全ての文字を叩き込んだ。

『止』『血』『治』『療』『回』『復』

徐々に傷が塞がっていく。
だが、いまだにカオスの息は荒いし、顔色も悪い。

「輸血の必要が・あります・」
「それなら・・・・」

俺はカオスの口を広げ、無理やり文珠を2つ突っ込んだ。
文字は『輸』『血』

「・・・・ぐは!?」
「うお!?やっぱり駄目!?」
「「遊んでる場合かーーー!!」」

う〜〜ん、血液型があわなかったのか?
爺さん、大量の血を吐いてるけど・・・これって文珠から出た血だよな?

「こ、小僧・・・ワシを殺す気か?」
「・・・とりあえず命の心配はなさそうだな。」

意識を取り戻したカオスからの第一声は弱々しいが、・・・まあ死にはしないだろうぐらいには元気だ。

「輸血の量・・・多すぎです・横島さん・」
「あ、成功してたんだ・・・口から出たのは余分な分って事か。」
「ワシでなかったら死んどったわい・・・」

さすが不老不死の爺さん。
俺に劣らずナイスな生命力だこって・・・。

「大丈夫ですかカオスさん!?」
「う、うむ・・・動く事は出来んがな・・・それよりあの妖怪はどうした?」

自分を刺した相手の心配をするカオス。
・・・・どうも今日のカオスは変だ。

「逃げたわ。」
「な、なに!?逃がしたのか小僧!?」

テメーを心配して追いかけるどころじゃんかったんだろうが!!と言いたいが、どうもカオスの様子が変なので黙っておこう。

「いかん・・・あやつは多分、水の多い所に行ったはずじゃ、早くおっかけろ小僧!!」
「ちょ、ちょっと待て爺!!いったい何なんだ?何をそんなに焦っている!?」
「・・・・・」

俺が尋ねると・・・だんまりかよおい?
何か理由があるのは爺さんの態度でわかるけど・・・それはねーんでないの?
そう思って俺が爺さんをジーッ!っとプレッシャーをかけると・・・

「・・・はじめワシは・・・あの妖怪こそが、マリア姫の生まれ変わりだと思ったんじゃ。」
「マリア姫の!?」

爺さんは渋々と話始めた。
700年前の事とさっきの妖怪の事を・・・



旅の途中 700年編  「過去、思い、想い、意志、我が愛する娘へ・・」


700年前の城の地下

タコの残した研究途中の人口妖怪達の入った7つのカプセルの前にはこんなプレートが付いておった。

『珊瑚  男』
『蟹   男』
『貝   女』
『鮫   男』
『鯨   男』
『海豚  女』
『海月  女』

「ふん・・・自分がタコだからといって、なにも海の生物をもとに作らんでも・・・あやつ、やっぱりアホだな・・・」

鯨の化身って・・・どんな風になるかは少し興味があるがのう。
ワシがそう思いながら一つ一つ見ていくと、どうやら命はすべての者にすでに入っておるし、2体だけはなんらかのエネルギー(この時はまだ、『霊妖魔』の結晶の事を知らんかったからのう)がすでに備わっていて、起動・・・いや、己の人生を歩む事が可能だったのじゃ。

「こやつらはすでに外に出せる状態じゃが、いかせんアイツが作ったものじゃ、少し手を・・・ん?」

ワシが『珊瑚 男』と『蟹 男』にどんな風に手を加えるかと考えていたら、ふと目に止まったカプセルが一つ。
他にも空のカプセルは幾つかあったじゃが、そのカプセルには『 女 』と書かれたプレートが付いておった。

「何も入っとらん・・・しかしこのプレート・・・なんじゃこのカプセルは?」

カプセルの中には他のもの同様、紫色の液体。
だが、元となる物もなければ、そこから変化したと思われる者の形すら無かった。

「何か入れる予定だった?いやしかし、機械はこのカプセルにも作動しておるし・・・」

生命維持装置?なのかどうかはその時はまだ調べとらんかったが、なんらかの装置が、他の妖怪の入ったカプセル同様に作動していた。

「いったい何を作る気だったんじゃタコめ・・・・」

ワシは一旦そのカプセルの中身の事を諦め、他の者達を外に出す事にしたんじゃが・・・



「・・・どうもその作業とマリア姫の事で、その謎のカプセルの事を忘れてしまってのう。」
「アホか爺さん・・・」
「仕方なかろう、当時でもワシは300歳を超えとったんじゃからのう、容量はいっぱいいっぱいじゃったんじゃい!!」

クラ

「ああ・・・血が足りぬ・・・・」
「カオスさん!?まだ顔色悪いのに叫ぶから・・・」
「アホだな・・・」
「アホね・・・」
「ソーリー・横島さん・ミスタマモ・」
「お前が謝るな!!ワシが情けなく見える!!」
「いや、情けない?」
「つーかアホ?」
「言いすぎですよ忠夫さん、タマモちゃん。」
「ソーリー・・・」
「・・・もういいわい、話を続けるぞ?」



マリア姫はそこから生まれた妖怪達を、自分の子供のように可愛がったんじゃ・・・と言っても、生まれたのは結晶を備えとった2匹だけ・・・いや、2人だけだったんじゃがのう。
マリア姫は他の子達も早く生まれて欲しいのか、タコの残した例のカプセルのある城の地下に、よく足を向かわせ、何も喋らぬ子らに語りかけておった。

まるでお腹の中にいる赤ん坊に話しかける親のようにのう。

「あなたは・・・そうね、マリオ・・・それがあなたの名前。」
「あなたはリアス・・・女の子っぽいけど、いい名前でしょ?」
「あなたはララ・・・よくわからないけど、あなたは歌が上手そうだから。」
「あなたはマール・・・」

「何をしているのですかマリア姫?」
「あ、カオス様・・・この子達に名前をつけていた所なんですよ。」

名前は永遠に残るから・・・私が死んでも永遠に・・・

マリア姫はそう言って、それぞれのプレートに名前を書き込んでいった。
そして・・・

「あれ?これは・・・」
「ああ、それは中身がわからぬでな、なんらかの命が入っている事だけは確かなのだが・・・」

例の中身が入ってないカプセルを見つけたのじゃ。
ワシがおもいっきり忘れととったカプセルをのう。

「命が入ってるって事は・・・他の子と同じですね?」
「そうなのじゃが、見たとおり機械には生命反応が出ておるのじゃが、中身がはいっとらんという不思議なものでじゃな、他の子達と一緒とは限らんのじゃよ姫。」
「そう・・・ですか・・・」

ワシの言葉は彼女にとってどう感じたのか・・・その時のワシはわからんかったが、悲しかったのじゃろうて。

「限らないって事は、限るかもしれないって事ですよねカオス様?」
「ま、まあそうじゃが・・・」
「それなら・・・やっぱりこの子にも名前を残しておきたいと思います・・・名前は・・・・」



「・・・・・・ディーネ、それがワシを刺した妖怪の名であり、ワシとマリア姫の子の名前じゃ。」
「それじゃあカオスさんは!」
「自分の子に刺された・・・ってことになるわね?」

カオスの話を聞き終えた俺達。
ディーネ・・・謎のカプセルの中身で、マリア姫とカオスの子供。
だっけどわかんねーのは・・・

「なんでカオスを襲ったんだ?」

自分の親だと気づかなかったと言っても、人を襲わないようにできてるんだろ?
俺がそう不思議に思っていると、

「・・・・小屋の中を見てみい。」

カオスはそう答えた。



キイイ・・・・

「「「!?」」」
「結晶を備えとらんのにカプセルから出る事はまず不可能。じゃが、あの時は世界中に妖怪、魔族、幽霊が出たとゆう・・・その余波を浴びれば・・・」

結晶が無くとも外に出る・・・ってことか・・・

「じゃが、結晶無くして、余波だけでは1年も持つまい・・・電池切れと同じじゃて、死んではおらぬが生きてもおらぬ。」
「止まってるって事か・・・」
「で、でも・・・さっきの人・・・ディーネさんは止まってませんでしたよ!?」
「あの人もアンタとマリア姫っていう人の子供なんでしょ?」

アリスとタマモの疑問は俺もそう思った。
それに襲われた理由とは全然関係が無いような気もするけど・・・

「あやつは違ったのじゃ・・・他の子とはまた別でのう。マリア姫が地下で話しかけた結果、ディーネはその思いを知り、自分にあわせて、他の子の親代わりをしとったんじゃ・・・多分のう。」

そういうカオスの顔は、どこか痛々しい。

「マリア姫に似ているはずじゃ、なんせあやつはマリア姫の思いを受けたもんじゃからのう。」

マリア姫の意思を継ぎ、カオスの子供達を愛し、育てたディーネ。
その子供たちが急に死んでしまえば・・・

「暴走?」
「そう・・・いや、人間の所為だとも思っておるじゃろうて、恨む相手がいないというのは、辛すぎるからのう。」

何かを恨まずにはやってられないって事か・・・。

どうするかな・・・

「で、水の多い所っていうのは?」
「・・・・それは・・・・」


カオスがそこまで言いかけた瞬間、


ズパーーーーーーーン!!

まるで噴水のような水柱が、森のほうに見えた。

「なんだ〜〜!?」
「あ、あれ見てください忠夫さん!!」

ん?水柱と一緒に空へ飛ぶ人影・・・

あの髪の色・・・でっかい胸・・・・・時代遅れのボディコン服・・・・

「美神さん!?」
「な、なんであんな所にいるのよ!?」
「って、どういう見方してんですか忠夫さん

い、いやそんな事言ってる場合じゃないでしょアリスさん?

「あ、あそこは・・・・」
「ドクターの隠れ家・マリアの生まれた場所・」

あ〜、あの滝の裏にあった・・・って、言ってる場合じゃない!?

「ま、まあ、あの高さからぐらいなら美神さんは平気だろうけど・・・」
「ディーネに攻撃されてるかもね?」
「それってヤバイんじゃないんですか?」

確かにそうだけど・・・

「爺さん・・・」
「・・・・なんじゃ?」

爺さん・・・アンタが決めるべきだろ?

「どうすんだ?」

答えはわかってる

「殺して・・・やってくれ・・・あやつに人を殺させとうないんじゃ・・・・」

・・・ま、そう言うのもな
でも、違う。

「・・・・本当にそれでいいのか?」

マリア姫ってのは、爺さんには勿体無いぐらいいい女だったよな〜

「・・・・・」

でも・・・あのマリア姫はアンタに惚れてて、アンタもマリア姫に惚れてたんだろ?

「・・・・・爺さん!!あれはアンタのマリア姫の子供だろうが!!」

・・・・作品じゃねえ、実験動物でもねえ・・・・

「アンタの・・・娘なんだろ?殺していいのか?」

マリア姫と・・・ヨーロッパの魔王 ドクター・カオスの子供だ。

娘に人殺しをしてほしくない・・・それだけじゃ無い筈だ・・・

本当は・・・


「・・・ディーネを・・・止めてくれ・・・殺さずに・・・・」


そう思ってんだろ?


「よっっっっっっ・・・・しゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


「ヨコシマ!?」
「忠夫さん!?」

なんていうかな・・・叫びたかったんだ。
体中が熱い・・・ヤバイぐらいに本気になっている。

こんなキャラじゃないんだけど・・・・まあ、たまにはな?

「爺さんはそこで寝てろよ・・・娘に起こされるてのも悪くないだろ?」
「小僧・・・」

死ぬまで見れないと思っていたカオスの本気の涙。
ま、貸し1つってことでって・・・やば、俺ってあの人に似てきてる?

「アリス、お前は結界で爺さんを守ってやってくれ、ディーネが此処に来るかも知れんし・・」
「わかりました・・・気をつけてください忠夫さん・・・」
「マリアは・・・「私も・いきます・」・・・ん、わかった。」

今思えば、マリアだってディーネとは姉妹なんだよな。
カオスに作られたんだし・・・。

「タマモは「連れて行け・・・たしか狐火が使えたろう小娘は?」・・・カオス?」
「そうだけど・・・なんで?」
「ディーネは火に弱いはずじゃ・・・だからお主は行ったほうがよかろうて・・・」

火に弱い?
そういえば、まだディーネがなんなのか聞いてないな。

「なあ、ディーネってなんなんだ?」
「・・・・これはさっきディーネと対峙した時にわかった事なんじゃが、アヤツのカプセルの中身は・・・水じゃったのじゃ。詳しくは海水じゃて。」
「海水?」


「そう・・・全ての生命の始まり・・・海の水・・・ディーネは妖怪よりもどちらかというと、精霊に近い存在じゃ・・・・」


{あとがき}


作者・・・いまだに壊れ気味・・・義王です。

それでも頑張って突貫で遊んだり、これ書いたりと・・・馬鹿だな俺・・・ふっ・・・

そんなわけでナチュラルハイ!!
テンション↑!!

この勢いに乗ってレス返しいってみよう!!

>煌鬼様

美神 「ほら!!キリキリ案内する!!」

・・・・ファイト!!ガンバ!!

>柳野雫様

そら人口幽霊だってストレスは溜まりますよ・・・。これで彼は大分スッキリしたでしょう。

人口幽霊 「・・・発射したかったです・・・」

・・・・・次!

>ICBM咲様

カオスは1000年という他のキャラには無い時間がありますからね。
味出まくりですよ♪

キラは・・・まあ、とあるマンガのパクリキャラですから、そら味がいい感じに・・・。


レス3つ!?すくなっ!?

俺が続編を出すのを早すぎなのか?それとも・・・・

ま、いいや♪

それでは次回に会いましょう!!

シーユー♪

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