学生時代何が楽しみだったというと、結構趣味が似通った友達とのおばかな会話。
昼休みに繰り出す学生食堂のAランチ(一番高いランチ)
夏、プールに輝き踊る女子の水着。
青春のクラブ活動。
伝説の樹
しかし、横島忠夫の楽しみといえば当然、一日で一番リッチな食事である。
ゴット姐さンこと、我らが『花戸小鳩』ちゃんは今日も横島と屋上で砂糖がガロン単位で吐き出されそうな雰囲気を撒き散らし食事である。
取り巻きの小鳩四天は本日、所要により不参加である。
本当のところ、数日に一回はいちゃいちゃラブラブに。 そして、こちらが本命であるが、横島のすぃーと・だーりんが誰であるかアピールする為に小鳩の頼みで席をはずしているのである。
で、
心ときめく、ひょっとしたら大人の階段を一歩、いや天国まで登れるかもしれない淡い期待の入った楽しい食事のはずだが。
張子の虎こと、シェクシャル・ハラスメントマンこと、タイガー。
出番のまったくない、近頃はポスト・ホモ伝説こと、腐女子の希望の星こと、ピート。
が、
命知らずにも、昼食に参加しているのだ。
ピートは、いつものごとく教会で育てた薔薇を一本ずつ取りながら生気を吸い取り。
タイガーはアルマイトの特大弁当、中身はすき焼き味ふりかけ・のりたまご味ふりかけ・塩吹き昆布の三重構造の御飯『だけ!!』。
そんな弁当を横目で見ながら、心の中でちょっち笑う姐さン。
「横島さん、今日は凄いですよ♪ なんとお肉が入ってますよ」「!!」
お肉… なんて甘美な言葉だろう… ビバっ! 動物性蛋白質! ビバっ!! 魚介類ではない動物性蛋白質!! お豆腐はおいしいけど植物性蛋白質だから… と感動している横島。
「小鳩ちゃん… 俺、猛烈に感動している…」
横島は感動のあまり小鳩をその腕の中に引き寄せ、感謝の念を込めやさしく抱きしめたのである。
「・・・・ (だーりんてっば大胆… いくら若さのリピドーを抑えきれないからってお外で始めるなんて… でも、あてぇーは頭の先からつま先まで。 お口もアソコも後ろも全部全部始めてはだーりんに捧げるの♪
あん、おパンツが少し冷たくなってきちゃった♪ 胸のさきっちょもじんじんしてちょっと快感♪♪)」
『今日』も危険にかっ飛んでいる姐さンである。
「…あっ ごめんね小鳩ちゃん。 時間も無いから食べようか」
「はい、横島さん (だーりん、あてーはいつでもOK。 いきなりフルコースでも耐えて見せるぜ!)」
小鳩の妄想回路全開の内心はともかく、『キック・オフ』な空気の中、横島は手渡された弁当箱を期待を込めて開ける。
食パンに挟まれたカツ、スパイシーな香りとともに横島の食欲を刺激する。
しかし、カツサンドを口いっぱいにほおばりながら横島は首をひねる。 よくよく考えると揚げ物ならば朝からよき匂いが嗅げるのだが。 昨日の晩も今日の今朝も記憶にない。
だが、カツサンドである。 大阪のそうる・そーす 『お○ふくソース』がしっかりとしみ込んだ、薄いが久々に味わう動物性蛋白質の味。 ちょっとしなびたレタスも気にならない、小学校の頃に味わったプロセスチーズものすたるじっくだ。
味わいながら次のを口に入れる。
贅沢な味… サラミの味が横島の味覚を破壊していく。
味・料金ともに横島の財力では半年に一本購入できるかどうか微妙なサラミである。
横島は一心不乱に食べる、食べる、食べる。
それを見る小鳩も幸せ色に染まっている。
「ご馳走様でした」「はい、お粗末さまです♪」
食後のちょっと出がらしのお茶を熟年夫婦のように楽しむ横島と小鳩。
横島はこんなにおいしいサンドウィッチについて聞きたいと思ってしまった。 >はい、試験に出ますよ皆さん!
「小鳩ちゃん今日のお弁当おいしかったけど大丈夫かなぁ?」
「横島さん、気にしなくても大丈夫ですよ。 ウフフ♪ 実はこれものすごくお安いんですよ」
悪戯が成功した小鳩はネタ証を始める。
素材はなんと、
駄菓子である。
東海地区で有名になった『ショップ9○』が実験店舗としてこの地区にやってきたのだ。
この頃炊事・洗濯・掃除に関しては小鳩に頼り切っている横島が気がつくわけでもなく、チラシを握り締め突撃した小鳩の勝利である。
レタスもチーズも○9円(悪税含まず)
ビック・カツ
ペンシル・カルパスはなんと、3個で○9円
この世のハライソである。
この後、姐さンが横島にエスコートされて天国の扉を潜り抜けたのか未確認だが。
絶対桃色領域で精神を破壊され、口から砂糖を垂れ流し、地獄の蓋をぶち破ったかなしき男二人の生死も未確認である。
なにげに作者の食生活も混じってるのはひみつのアッコちゃん。
斬りっ!!!!
追伸
姐さンと横島は気がついてないが、ビック・カツはいろいろなお肉が混じっているのでもーもーさんやぶーぶさんとは言い切れない。 が、美味しいのでこれでいいのだ!