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「あなたと共に(GS) 第二話 後編」

悠稀 (2005-05-06 01:57)
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「私は心眼だ。」

そういった少女、心眼を横島は呆然とみつめていた。
心眼自身まだ信じられない部分もあったので、横島の反応も無理もないと心眼は思っていた。
そんな事を思いながら心眼は横島の言葉を待った。
しかし、横島から発せられた言葉は心眼の予想もしないものだった。

「お・・・お前、女やったんかー?!!」
「・・・は?」

あまりに予想外の横島の言葉に、今度は心眼の思考がストップする。
それを無視して横島はしゃべりつづける。

「ちくしょーっ!なんでそれを早くいわんのじゃ!
 そうすればあの時あんな苦労をしなくてもすんだものを!!
 いや、別に覗くのが嫌だったわけでなく・・・いやいやいや、
 いくら可愛いとはいえバンダナに欲情するのは・・・俺は変態やない!!
 いや、しかし・・・」
「・・・・・・はっ・・・!」

いきなり暴走を始める横島のせいでつい思考が止まってしまったが、なんとか数瞬で戻ってくる心眼。
気をとりなおして横島にもう一度話し掛けようとするが、横島の暴走は止まっていなかったようで、

「横し「そーなる前に一晩の思い出をー!!」えーい!いい加減に戻ってこんか!!
 この馬鹿者!!」

バキッ!   プシュー・・・

一体何がどうなってそういう展開になったのか、突然ルパンダイブを決行する横島。
当然、素直に襲われる心眼ではなく、情け容赦なくそれを撃退する。
横島は頭から煙を上げてピクピクと痙攣しているが、自業自得である。
だがそれも長く続かない

「はっ!俺は一体?」

と、怪我一つなく起き上がってくる。
その様子に心眼は溜息をつかざるをえなかった。


「つまり、気づいたら生き返っていて俺の部屋にいたと?」
「うむ。」

あの後、ようやく我を取り戻した横島に対し、

「次に暴走したら手加減せぬからな。」
「はじめからしてなかったくせに・・・」
「何か言ったか?」
「いえ!何でもありませんです!はい!」

などとクギをさしてこれまでの経緯を話していた。

「しっかし、おかしなこともあるもんだな。いくら文殊とはいえ、
 完全に死んじまったもんを蘇らすなんてできないはずなんだけどな。
 (そんなことができれば今ごろあいつも・・・)」
「それに関してだが・・・」
「ん?」

横島が疑問に思った事を口にすると、心眼がなにやら口を開く。

「私はもともとおぬしのバンダナに小竜姫様が竜気を与えて生まれたものだ。
 恐らく、あのときの竜気がまだわずかに残っていて、
 その竜気におぬしの文殊が共鳴をおこしたのではないかと思う。」
「そんなことがありえるのか?」
「わからぬ。もともと推測の域をでぬことだからな。」
「そりゃそうか。」

横島の疑問に対し心眼が答えるが、詳しい事がわかるはずもなく
そこでその話は終わる。

「それよりも・・・」
「?、どうした?」
「お前って女だったんだな。」
「ふむ、そのことか」

横島は今一番疑問に思っていた(すでに口に出していたが)ことを心眼に聞いた。
どうやら心眼によると、
もともと性別のなかった心眼であるが、竜気を与えた小竜姫が女性であったのと、
その竜気と横島の文殊にこめられた願望(あるいは煩悩(笑))との共鳴により女性化してしまったらしいとのこと。
その説明を受けた横島は

「は、ははは・・・」

と、苦笑をもらすしかなかった。


                                   「ん?もうこんな時間か。」

そう言った横島がみた時計は11時をさしていた。

「どこかに出かけるのか?」
「ん?ああ。ちょっと美神さんのとこに行ってこようと思っててな。
 最近顔だしてなかったし。」

心眼に聞かれた横島がそう答える。

あの事件から横島は毎日学校に顔をだしていた。
あれほど大きな霊的事件があったためか、最近はめっきり霊障が減り
仕事が暇になっていたからだ。
出席日数が足りなくて教師に脅されたというわけもなきにしもあらずであったが・・・
そういう理由があって顔をだしてなかったのだ。

「ならば私もついて行ってもよいか?ここにいてもしかたがないのでな」
「ああ、いいぜ。」

心眼が横島に同行の許可を求めるが、特に断る理由もないので即座にうなずく。


事務所に行く道すがら、心眼は横島と色々な話をしていた。
心眼がいなくなってからのこと。
原始風水盤事件や美神の時間移動能力で過去に行ったこと。
月に行ったときのこと。
そんな話をしていると、心眼があることに気づく。

「そういえばおぬし、前とは少々霊波の波動がちがうようだが何か・・・」

そこまで言ったところで、心眼は横島の顔に浮かぶ表情を見て触れてはいけないことに触れてしまった事に気づき、顔を伏せる。

「すまぬ、いらぬことをきいたな・・・」
「いや、いいって。だからそんな顔すんなって。
 そうだな、お前になら話してもいいかな。」

一度心眼の胸で泣いてしまったせいか、それとも別の理由からかはわからないが、
不思議とそれほど抵抗なくあの事件の事を横島は話し始めていた。
美神の前世から始まった、美神とアシュタロスとの確執。
敵につかまったときの事。
そこで出逢った最愛の女性とその姉妹の事。
南極であった戦いの事。
コスモプフェッサの事。
最愛の女性との別れ。
事件の結末。
横島はそこまでを一気にしゃべった。

「だから俺の命はルシオラのおかげであるんだ。
 それに会えなくなったわけじゃない。
 俺の子供としてならまた会える可能背があるんだ。」

俺の子供、という辺りで複雑そうな顔をしていたが、心眼はなにもいわなかった。

(そうか、あの悲しみにはそのようなことがあったのだな・・・)

悲しみや悔しさなどは伝わってきていたものの、
その理由までは知らなかった心眼はその話を聞いて納得した。

「ルシオラ殿は、とてもいい女性だったのだな。」
「ああ、最高の女だったよ。あいつは。」

そういう横島の顔は誇らしげだった。
そんな横島を見て、心眼はどこかほっとしたのを感じた。
心配した心眼に気づいたのか、横島は心眼の頭にてをやり

「ありがとうな。」

といいながら頭をなでていた。
心眼は何を言うでもなく、されるがままにしていた。


そんなこんなで事務所の前である。
事務所の前に立った二人に何処からともなく声が聞こえてくる。

『いらっしゃい、横島さん』
「おっす、人工幽霊。美神さんいるか?」
『はい、大丈夫です。それで横島さん、そちらの方は?
 どうも人間ではないようですが・・・?』
「ん〜、まぁその辺は美神さん達と一緒に話すわ。
 何回も話すと面倒だし。」
『わかりました。』

そんなやり取りの後、横島たちは中に入っていく。

「ちわ〜っす。」
「あ、いらっしゃい、横島さん。」
「こんにちは、おキヌちゃん。」

横島たちを迎えてくれたのは巫女服姿の少女、おキヌちゃんだった。
その声に気づいたのか、今ではもうほとんどいないボディコン姿の女性、
美神も顔を出してきた。

「あら、横島君じゃない。今日は一体どうした・・・?」

美神は何かに気づいたかのように途中で声をとめ、
つかつかと横島に近づいてくる。そして

バキィ!!

と前触れもなく横島をたたき伏せた。

「いきなりなにすんですか?!」
「うるさい!だれよあの子は?!あんたまた変な事したんじゃないでしょうね!?」
「いや、これにはれっきとしたわけが・・・」
「問答無用!!」

起き上がった横島に対し、襟首をつかんで心眼に指を指してといつめる。
横島は理由を話そうとするが、美神がそれを聞くはずもなく、言葉通り問答無用で横島をしばく。
「そんなん理不尽や〜!」という声を聞きながら、おキヌは冷や汗をかきながら、
心眼は呆然としながらその様子をみていた。
そこにはまぎれもなく「美神除霊事務所」の日常があった。


あとがき
どもども〜、というわけで後編です。
なにやら横島クンが暴走しておりますが気にしないでください。
ようやく美神さんとおキヌちゃんの登場です。
これから心眼を交えて話が展開していくわけですがどうなることやら。
ではこのへんで。悠稀でした。


1>白さま
  心眼の名前は変える予定ですが、それはもう少し後になりそうです。


3>Dさま
  肉体経験については、小竜姫様のを引き継いでいるという設定です


4>casaさま
  食材については察しの通りです。心眼と美神の相性については・・・
  次回のお楽しみです


5>MAGIふぁさま
  ボケは今回にもってきました。どんなもんでしょうか?


6>トロウさま
  すいません。私にはそのネタわかりません(汗)

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