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「あなたと共に(GS) 第二話 前編」

悠稀 (2005-05-05 01:11)
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雲ひとつない青々とした快晴
普段は鳴きもしない鶏も叫んでしまいそうな
そんな朝


ムクッ

アパート「幸福荘」の一室
すがすがしい空気の中、横島は目を覚ました

「え〜〜っと・・・」

訂正、まだ寝ぼけているようだ
半眼でボサボサの頭のままキョロキョロ辺りを見回す

「俺の部屋・・・だよな・・・・・・?」

徐々に半開きだった目が開き、寝ぼけていた頭もまわりだす。
ある程度頭がハッキリしだすと、横島は昨夜の事を思い出した。

「しっかし変な夢見たな。途中まではいつものことだからともかく・・・」

いつものこと、というあたりで横島は少々ブルーになるが、
イカン、イカンと頭をふる

「いきなり、ピカーッ!と光ったと思ったら女の子がいるんだもんな。
 しかも・・・」

と、いったんそこで声を区切ると

「その女の子の胸で泣いちゃったりしてるし?!
 夢の中でとはいえおいしすぎるぞ?!俺!!」

いきなり叫びだす。そう叫びながらも、少々顔を赤くしている辺り
恥かしかったのだろう。いつもはもっと恥かしい事をしているはずなのに、
変なところで純情な男である。

「せめてもうちょっと・・・」、「もったいない・・・」、などと
横島が意味不明なことをぶつぶつ言いながら悶えていると

「ん?なんだ、起きておったのか?おぬし。」
「へ?」

突然思いもよらぬ声をかけられ、横島が間抜けな声を出しながら声のしたほうを見ると、夢に出ていたはずの少女がそこにいた。
いきなりの状況に横島の思考がストップする。

「もうじき朝食ができる。今のうちに顔でも洗ってくるといい。」

と、少女は横島に言うが、今の状況に混乱している横島には
一言も聞こえていなかった。

(何?何故?HWY?なんであのコがここに?あれは夢じゃなかったのか?
 コレは現実?それともまだ夢をみてんのか??)

混乱している横島をよそに、少女は反応のない横島を見ると怪訝そうな表情をうかべ、横島の顔を覗き込む。が、反応がない。
試しにと、横島の顔の前で手を振ったりしてみるが、やはり反応がない。
その様子を見た少女が、フゥ、とため息をつくと、
パンッ!と突然横島の顔の前で手を叩く。
ビクゥッ!と体を強張らせ、強制的に現実に引き戻された横島に対し、
少女はもう一度言い放つ

「とりあえず顔を洗ってこい」
「いや、でも「いいからいってこい!!」はいぃ!!」

そんな少女に対し横島は何かを言おうとするが、それを遮るようなドスの聞いた声になかば反射的に従っていた。

「まったく、相変わらずよの・・・」

という少女の呟きにも気づかず・・・


駆け込んだ洗面所で顔を洗っている間、横島の頭は疑問でいっぱいだった。
つい従ってしまったが、相手はまったく見知らぬ(はずの)少女なのだ。
だが、相手のほうは自分の事を知っていたようなので、よけいに気になっていた。

(とりあえずその辺りの事をきっちりと聞いとかないとな、うん。
 ・・・・・・できれば電話番号なんかも)

こんな状況なのに、結局横島は横島だった。


横島が洗面所から戻ってくると、食欲をそそるいい匂いが漂ってきた。
机の上には、割と平凡な日本食のご飯が並べられていた。
白いご飯にワカメの味噌汁。黄色い卵焼きに、いつのまに買ってきたのかたくわんまで並んでいた。

「ようやく戻ってきたか。なら早く食べるといい。
 せっかく作った朝食が冷めてしまう。」

少女はそういうが、少女の前の朝食も手がつけられていなかった。
横島の事を待っていたのだろう。

「いや、その前に聞きたい「グキュルルル〜〜」ことが・・・」
「「・・・・・・・・・」」

横島が少女に対し疑問に思っていた事を聞こうとするが、今度は少女ではなく自分の腹の音に遮られた。
なんともいえない沈黙が部屋を包む
こうしていても埒があかないと思ったのか、少女が先に口を開いた。

「・・・まぁ、聞きたいことも色々あるだろうが、とりあえずこれを食え。
 腹が減っては戦もできぬと言うだろう?」
「・・・・・・ああ。」

横島は少女の言葉に、いったい何をする気だ!と突っ込みそうになるのをなんとかこらえ、少し考えた後、少女の提案に乗った。
少女が座っていた向かいに横島が腰を下ろすと二人は「いただきます」と手を合わせる。
横島は恐る恐る用意された朝食に手をつける。一口食べてみると

(お、これはなかなか・・・というよりかなり美味い。)

平凡ではあるが、どことなく素朴な、懐かしい味がした。
それがわかるとその後の行動は早い。
久々にキチンと用意された朝食をガツガツと食べ始める。
その様子を見た少女も自分の用意したそれに手をつけ始める。
その際に少女から発せられた「ふむ、初めて作ったがなかなかうまくできたな。」
という呟きに気づかなかったのは幸運と言えるだろう。

しばらく勢いよく食べていた横島だったが、
ふと手を止めて向かいに座る少女に目を向ける。
先ほどまでは少々混乱していて気づかなかったが、少女は十分に美少女いえる容姿をしていた。しかし、それ以上の問題もあった。
年は15、6といったところか。
髪は海を思わせるような深い蒼。
その髪を、前髪は真ん中で分け、後ろは腰まで届く髪を首の後ろから毛先に近いところまでを細い布で巻いているようだった。
少々幼い輪郭をしているものの、つり目がちの目がそれを凛々しく見せていた。
が、ここからが問題だった。
体つきは問題ない。見たところ、でるところはそれなりに可もなく不可もなくといった感じででているし、スリムな感じで横島的に十分に◎だった。
ならば何が問題だったと言うと、少女の服装である。
ぶっちゃけた話、某霊山の竜のお姫様にそっくりだったのだ。
上半身は肩の辺りで切られた着物のような服を着、下半身は江戸時代の役人なんかが履くような袴(?)をはき、それを帯でとめていた。
違いがあるとすれば、着物は紫ではなく鮮やかな緑で、袴は緑でなく白。
それらをとめている帯がオレンジ色になっていることだった。

(なんでいままで気づかなかったんだろうか・・・?)

またなにか厄介ごとなのだろうか?と、そう横島が頭を抱えうなっていると、
少女が「どうした?」と可愛らしく首をかしげて聞いてくる。
その仕草に一瞬くらっとするが、横島はなんでもない、と手を振って返す。
少女はその答えに納得していなかったようだが、目の前のものをかたずけるのが先だと思ったのか、食事を再開した。
横島も、危ない危ない、と思いつつ

(ま、なるようになるか。)

と頭をさっさと切り替え、再度食事に手をつけ始めた。


食事も終わり、二人が一息ついていると少女から口を開いた。

「さて、色々と聞きたいことがあるのだろう?」
「ああ。」

そういいながら、さっきまでの雰囲気が嘘のように
二人は真剣な顔をして向かい合う。
とりあえずこの少女が何者にしろ、正体をハッキリさせなければと思い、横島はそれを口にする。それがどのような結果をだすか知らずに。

「とりあえず、あんた何者だ?見た感じ俺のことを知っているようだけど・・・
 俺はあんたと会ったことはないはずなんだが・・・
 (それにこんな可愛い子に会って俺が忘れるはずないしな)」

そう横島が少女が尋ねると、一瞬だけ悲しそうな顔をするが、それをすぐに隠して
答える。

「さすがにこのような姿をしていてはわからぬのもしかたがないな。
 そうだな、どうしたら分かってもらえるか・・・」

一瞬の考えの後、いかにも妙案といわんばかりの表情で口を開く

「そうじゃ、これをみろ。そうすれば直ぐに分かるだろう。」

そういうと少女は目をつむる。横島は何を始める気だ?と思いながら見ていると
少女の額に突然横一文字の線が入る。
そして少女が目を開くと同時に額に新たな眼が開いた。
横島にはそれに見覚えがあった。

「ま、まさか・・・」
「そう、おぬしの察しの通り・・・」

横島は信じられないという顔をしながら

「私は心眼だ」

心眼と名乗る少女を見つめていた。


あとがき
どうも〜。悠稀です。
というわけで心眼の登場です。
いや〜もうばればれでしたね。まいったまいった。
まぁ、バレないなんてことはないと思っていましたが(ぉ
ただ心眼の名前をだすだけでこれほど長くなるとは思ってませんでした(^^;)
はてさて、次回はようやく事務所のみなさんの登場です。
キャラが増えると書ききれるか心配ですが、なんとか頑張ります!
では今回はこのへんで。


1,2>DADさま
  おっしゃる通り心眼の登場でございます。
  何か意見等があればぜひぜひお願いします。

3>casaさま
  心眼の服装はこのようにりました。やはり安直すぎたでしょうか?
  服装に疎い私にはこれが限界でした。すみません。

4>白さま
  バンダナについては、捨てられずに置いてあったのですからそこそこ大事にし  てあったのでしょう。そこにあったのはたまたまだったという設定です。
  いや、正に奇跡ですね(自分で言うな

5>D.さま
  心眼のバンダナについてですが、GS試験の際、美神が「おキヌちゃん、一応
  あのバンダナ回収しておいて。色々となにかわかるかもしれないから。」
  「は〜い」などという会話があったのデスヨ。たぶん、恐らく、きっと。
  ぼろぼろにはなっていましたが、完全に消滅はしていなかったので回収は可能  のはずです

6>桜葉 愛さま
  そういっていただけると安心します。こんな横島君ですが、応援よろしくお願  いします!

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