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▽レス始

「Legend of Devil Vol.8 Turning Point(GS)」

鱧天 (2005-04-25 00:23)
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 Legend of Devil Vol.8 Turning Point


 「・・・・・・ん・・・ん?・・・」
 「「タマモちゃん!!」」

 横島の中に精神沈降(サイコダイブ)したタマモが自分の体に戻ってきたことを確認した小竜姫とヒャクメはタマモの顔を覗き込むように寄り添っていた。

 「あれ? こ、ここは・・・・・・そ、そうだヨ、ヨコシマは!!?
 「まだ目覚めてはいません・・・・・・」
 「でも大丈夫なのね〜。 精神の活性化も確認出来たからそろそろ起きるのね〜」

 突然起きあがったタマモにタマモの顔を覗き込んでいた小竜姫とヒャクメは頭突きされそうになり咄嗟に頭を引いて回避していた。 何事もなかったように会話が進んでいたが2人の後頭部には多くの汗粒が張り付いていたそうな。

 「そう・・・・・・」

 そう呟きながら隣の布団で眠る横島に視線を移すタマモ。精神世界で横島を起こしたものの、確実に目覚めるまでは不安が残っていた。

 「ねぇ、私どの位寝てたの?」
 「丁度4日間です」
 「4日も!!?」

 小竜姫の口から出た日数にタマモは驚きを隠せなかった。精神世界の中の己の感覚ではせいぜい2時間程度だったのだから。

 「精神世界は複雑だから外界との時間差が大きいのね〜」


 「・・・う・・・ん?・・・・・・」
 「ヨ、ヨコシマ!!?」

 隣の布団に寝ていた横島に動きがあった。そのことでサイコダイブしている4日間寝ずに看病してくれていた小竜姫とヒャクメを押し退けてタマモは横島の布団に駆け寄った。

 「・・・・・・よ・う・・・・・・元気そうじゃ・・・ねぇ・か」
 「バカ、ようじゃないわよ! ・・・・・・バカ」

 横島が目覚めたとき、目の前にあったのは自分のことを心配そうに見下ろす金髪のナインテールの女の子だった。横島はその女の子の頬に手を触れながら笑みを浮かべて話しかけた。女の子は両目から涙を溢れさせ自分のことを何度もバカと言った。

 「怪我、しなかったか?」
 「うん」
 「痛い所、無いか?」
 「うん」
 「悪かったな」
 「ううん、そんなこと無い」

 タマモは頬にあたる暖かい横島の手を両手で押さえ、涙を流しながらも横島の言葉に答えた。横島にはこんなに涙を流しながら自分のことを心配してくれる人がいることがとても嬉しかった。そして自分の為に泣いてくれるこの女の子をどんな事があっても守り抜かなきゃいけない、そう考えていた。

 「ありがとな、タマモ」
 「うん」

 この「ありがとう」にはいろんな意味が込められていた。サイコダイブをして自分を目覚めさせてくれたこと、自分の為に泣いてくれること、そして何より・・・・・・生きていてくれたことだった。その事が伝わったのかタマモは今まで見せなかった無邪気な笑顔で応えた。

 「・・・・・・すっかり2人の世界ですね」
 「・・・・・・ちょっと割り込めない雰囲気なのね〜」

 忘れ去られている虚しい神族の2人は立ち尽くしていた。


 美神除霊事務所

 バン!

 「どういう事よ!!?」
 「だからそのままよ」

 美神はオフィスの机を思いっきり叩きながら抗議していた。勿論その相手は実の母親である美神美智恵その人である。

 「タマモを横島くんの事務所に入れるだなんて勝手に決めないでよ!!」
 「あら、説明的な台詞をどうも。 タマモちゃんは身寄りから頼まれて雇ってる訳じゃないでしょ? 保護観察なら横島くんでも出来るし、そもそも彼女の意志でもあるし別に良いんじゃない?」

 おキヌの煎れた紅茶を啜りながら天を仰いで答える美智恵。

 「タマモはウチの従業員よ! こっちの人手が減っちゃうじゃない!」
 「大丈夫よ。 今はあんまり大きな仕事無いでしょ? それにタマモちゃんの分の給料払わないで済むじゃない? ちょっと税金が上がるけどタマモちゃんに払ってた給料に比べれば安いモンでしょ?」

 淡々と話し続ける母に鋭い指摘をされ固まる美神。確かに最近は仕事が減ってきている。大元の顧客が横島除霊事務所に乗り換えた為だ。更に、美智恵は美神が大好きなお金の話しに持っていった。もう既に美智恵のペースに嵌っている美神であった。

 「うっ!」
 「まさか、令子あなた給料も払ってなかったんじゃないでしょうね? 帳簿見る限りじゃ従業員1人に付き月々100万ずつ支払ってることになってるけど・・・・・・」

 美智恵の鋭い目つきで美神は固まっていた。当に蛇に睨まれたカエル! いや、母に睨まれた娘(そのまんまやん!!)状態だ。

 「最近横島くんも人手が足りないって言ってた処だし、ちょうど良いじゃない。 ハイ、それじゃ決定ね♪ 手続きはこっちでやっておくから心配ないわ。 それじゃね令子、おキヌちゃんお茶美味しかったわ♪」

 言いたいことを言って颯爽と美神の事務所から去っていく美智恵。残されたのはその場に立ち尽くす美神除霊事務所の面々だけだった。メドーサ達によって開けられた穴から吹き込んでくる風がヤケに冷たかった。


つづく


あとがき
 こんにちは鱧天です。LoD Vol.8は如何でしたか?今回は挿話的なお話しでタマモを横島くんの事務所に入れる為のこじつけです。ちょっと無理矢理っぽい設定ですがあまり深くは突っ込まないでくださいm(_ _)m ちなみに作者は未だに税関係はうろ覚えなのでその辺はテキトーですOrz
 えーと、次回からは前回も予告していた横島くんの修行話をぼちぼち進めていこうと思います。よろしくお願いしまーす。


と言う訳でレス返しですぅ
 >sirius様
 >中には魔族化した理由も混じっていそうで
 え〜扉の中にはもう1人の横島くん?が入ってます。って言うか押し込んでます。このネタは桂正和先生のD○A2を読んでて思いつきました。
 >セリフからすると外見も元に戻ったと見ました。
 イメージでは話しながらどんどんと大きく(通常の大きさまで)なっていく感じですがなんか文章に起こせなくてカットしたところですOrz

 >之様
 >ルシオラの台詞回しが
 >もっと、ヤワラカイいめーじが強いですけども・・・
 え〜と、作者の中ではルシオラはこんな感じです。何度か原作を読み直してるとルシオラは誰かを呼ぶとき名前じゃないときは「オマエ」って言ってるのが印象的でちょっと強めに出してみました。

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