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「妖物のお医者さんR 第13話(前編)(GS&動物のお医者さん他複数)」

闇色の騎士 (2005-04-24 09:03/2005-04-24 13:41)
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〜第13話〜


「背後霊が五月蝿いんですけどどうしたらいいんでしょう」
「アンノウンの生き残りが夜ごと騒ぐんですわ……」
「ウチの飼いグレムリンが元気無いんです……」
「旦那がオルフェノクだったんです…」


いつもの除霊学部構内にて。

「このごろやたら依頼が持ち込まれるんだよなぁ…」
横島が溜息を吐く。

「家にですか?」
ピートが少し驚いたふうに答える。

横島が除霊学部の学生である事を、近所の人々が知ったらしい。

除霊所や民間GS、あるいはオカGに行く程でも無いと判断された事件が…

気軽に横島家に持ち込まれるのだ。

「免許も無いのに何とか出来る訳無いでしょうに…それに単位こそ一つも落としてませんが、実習の時雑魚悪霊に大技ぶちかます様な横島さんには難しいですね」
ピートがやたらエラそうに力説した。

「…じゃお前はどうなんだ?」
ジト目でピートを見る横島。

「やれる訳ないでしょう!まだ学生ですし!」
ピートは胸を張って言い放つ。

「イバんな」

ゲシッ!

「あうあっ!!」

横島は容赦なくピートをドツキ倒してさらに踏みつける。

ふみっ!!

「痛たた!あああ踏まないで踏まないで痛い痛いイタイ!」

ピートの悲鳴は完全に無視しつつも横島は、深刻な表情で呟く。

「…そうなんだよ、1年や2年講義を受けたからって知識が完全に身に付いてる訳じゃ無いのにな…」


「あああああ背骨がボキボキいってる〜〜内臓が〜〜死ぬ死ぬマジで死んでしまいます〜〜た〜す〜け〜て〜〜(悲鳴)」

……さよならピート。


講義も受け実習もして、それで完璧と言う訳にはいかない。

実際に色々な除霊や戦闘をこなして経験を積む事で、初めて一人前のGSになれるのである。(プロのGSの元で修行を積む等して)


「そこを素人さんは解ってないんですよね、除霊学部に入ったというだけで何でも出来ると思ってるんですから…」
小鳩が口を挟む。

というよりピートが殆ど口が聞けない状態だったからなのだが。

彼女も似たようなメにあっているのだろう。


「だけど…俺が除霊学部にいる事が、どうしてこんなに広まっているんだろうか?」
考え込む横島。

足の下の物体はすでにピクピク痙攣していたりする。

「あ……あ…亡くなった母さんが、川の向こうで手を振っているよ…今逝きます〜」


逝くな。


その原因は身内にあった。


シロを連れて買い物に出かけていた横島が、帰り道で……

「まあ、ご主人様が除霊学部に?」
「そうなんですぅ、だから悪霊に困った時はお気軽に頼って…」

「ユ・ウ・リ……………(怒)」
顔面に無数のタテ線を入れながら横島が言った。


「あ………」


場所は変わって横島家居間。

何故か「勇気の力を魔法に変える」と書かれた掛け軸が掛かっているのは…ご愛敬である。

誰の趣味だろう?


「いいじゃないですかそれくらい…」
不満そうな顔のユウリ。

「だって…自慢の御主人様ですもの〜」
ユウリは頬を赤く染め、イヤンイヤンと身悶えしながら答える。

ズデデッ!

流石の横島もそれにはコケるしかなかった。


「にゃ〜…(ユウリさんってば…(汗))」
久々の出番の美衣も少々呆れている様だ。

「おいおい、俺は決して自慢されるよーな存在じゃねーぞ?」
何とか立ち直った横島が負けじと言い返す。

「え〜そんな〜…しくしく…」

「嘘泣きしても駄目だって」

「ちっ」

なんだか悪い事を覚えまくりのユウリ…

ああこれ以上お壊れにならないで…それは某暴走プリンセスの役だからして。


〜六道家〜

「酷い〜〜私壊れてなんかないもん〜〜(ぷんぷん)」
「…誰に言ってるんですか?お嬢様?」
メイドのフミが、突然怒り出した冥子に突っ込みを入れた。

「なんだか〜馬鹿にされたような〜気がして〜」
「はぁ……」
さっぱり理解できないフミさんであった。


場面は速攻で戻って横島家。


「ユウリのおかげで俺は…ウチに持ち込まれた事例…どうなったと思うんだ?」
疲れた顔の横島、なんとなく又ピートが踏みたくなってきたり。

「ええ?まさか死亡事件に!?」
大げさに驚くユウリ。

「んな訳あるか!恐ろしい所まで発想が飛躍するコだな」

「あれ?違うんですかぁ?」
ユウリはケロっとしている。


それは死亡事件にはなっていないが……


背後霊の場合。

「ええと……だいたい貴方はねぇ…(ガミガミ)」


〜〜一時間経過

「と言う訳でもう大丈夫です、しっかり脅し…いや話を付けておきましたから」
横島は取り繕う様に乾いた笑いを浮かべる。

「はぁ…(ちょっとガッカリ)」

アンノウンの場合。

「津上!頼んだぜ!!」
「任せて下さい!横島さん!」


ドカッ!!!(ライダーキック炸裂)


「うぉぉぉ…ア…ギ…トぉぉぉ…」


ズドォォォン!!


アンノウンは倒れた!

「解決しました」
横島と翔一が営業スマイルを浮かべて言う。

「は…はぁ…(何処となく唖然)」

何処に控えていた?津上翔一よ?


グレムリンの場合。

「じゃ、これでも飲ませて下さい」
そう言って横島が差し出したのは、何処にでもあるドリンク剤。

「はぁ…それだけ…?(ガッカリ)」

オルフェノクの場合。

「別にいいんじゃないスか?旦那さん貴女を仲間にしようなんて思ってないみたいですしね」

一応人間として生きている様だし。

「はぁ…そうでしょうか…?(微妙にガッカリ)」


「え〜〜〜〜もっと尊敬される様にやってくださいよぅ!」
ダダっ子のごとくユウリが叫ぶ。

「無理だって(キッパリ)こっちの身にもなって欲しいぞ」
うんざりした様子の横島。

あの依頼主の信頼しきっている目。

何か華麗な除霊をして貰えると期待している目に見つめられる辛さ………


そして最後は(微妙に)期待を裏切ってしまうのだ。

「いいか、高レベルの除霊依頼を持ち込まれたらどうなる?人命に関わる一大事になりかねないぞ!だからもうウチに連れてこない様近所の人に話しておいてくれ!」
横島は厳しい表情でビシッと言った。

「えええ!?そんな〜忠夫様〜〜(泣)」
半泣きのユウリにも今回は、甘い顔を見せず立ち去って行く横島


…まあ当然の処置と言える。

「ううう(涙)暇な私の秘かな楽しみでしたのに…こうなったら素行が悪くて退学になったって言いふらして……」

ちょんちょん…

トンでもない事を口走っているユウリを美衣がつつく。

「はい?」

「しゃ〜!(ユウリさん…今回は貴女が悪いですよ!)」
「え〜ん美衣さんまで〜〜〜〜」
「しゃぁぁ〜〜!(当然です(どきっぱり))」

少しは懲りろ。

悪い遊び(?)を覚えた人工幽霊であった。


数日後。

夜の9時を過ぎたばかりの除霊所…


「9時か…そろそろ帰ってもいい頃か」
横島は時計を見て呟いた。

ユウリには厳しく言ってあるものの、まだチラホラと依頼がやってくるので…

横島はあまり家にいない様にしているのである。

「この時間なら大丈夫じゃないですか?訪問するには非常識な時間ですし」
ピート(生きてた)が楽観論を唱えた。

「まだ免許無いから仕方ないんだが…依頼を受けてあげられないのも厳しいよな…」
横島はため息を付きながら言う。

「なんとなく自信無くしてませんか横島さん?」
「いや…そうでもないけどな…」
ピートの言葉に横島が首を振る。

「依頼はそこそこ片付けられるんだがな、こう色々決まり事が多いと大変だぞ全く…」
「まあ仕方ないでしょう…危険度ハイレベルな職業ですから…」
だべってても仕方ないので帰る支度をする二人。

「三原さん、お先に失礼します」
二人は一年先輩の、ものすご〜く頼り無さそうな青年に声をかけた。

「ああ」
三原はそれだけ答えて書類整理を続ける。


バン!

「!?」

二人が帰ろうとしたその扉が突然開き……

「た…助けてください!」
一人の女性が飛び込んで来た!

「…………おキヌちゃん?」
思わず横島は良く知っている女性の名前を口にした。

「ええ?何故ここに?」
ピートも面食らっている。

「いえ…私ユリ子ですけど…」
おキヌに似た女性ーユリ子はキョトンとした顔で答えた。

「「別人?」」
二人は顔を見合わせる。

はっきり言ってそっくりというか双子?としか思えないほど似ていた。

「…それはともかく、どうしたんだ!?」
「私にも良く解らなくて…追ってくるんです…気味の悪いモノが!ここ除霊所ですよね?お願いです!助けて!」
横島の問いに彼女は必死の形相で叫んだ。


その頃。


横島家にも訪問客があった。


「こんな時間にすみません…近くののGS事務所が予約一杯で看て貰えなくて…」
それは眼鏡をかけた若い女性だった。

「はぁ……」
対応したユウリは彼女の手にあるモノに気付く。

それは……万年筆だった。

「この万年筆…アンティークショップで一目惚れして買ったんですけど、とんでもない品物だったんです」
「はぁ…………」
成す術もなく聞くだけのユウリ。

「ヤバい展開だわねこれは」
心配そうに見つめる美衣(人間ver)だった。

「これでいざ原稿を書こうとしたら…とんでもない駄文を書きはじめるんです!」
女性が涙をぶわっと流しながら訴えてくる。

「原稿……?駄文…?」
ユウリはいよいよさっぱり解らなくなってきた。

「私の理想とする作品があんなちょ〜〜〜〜〜〜〜くだらない駄文に変わってしまうんですよっ!我慢なりません!!」
エキサイトする彼女にユウリがようやくツッコミを入れる。

「……駄文って…どんな内容なんです?」


「なんだか良く解らないんですが、なんでもアシュトラマ
「わ〜〜〜〜〜もういいです〜〜〜〜ッ!(必死)」
慌ててユウリが言葉を遮った。

何故だか嫌〜な予感がしたからである。

作者的にはこの女にだけは言われたくないよーな気もするのだが…

聞かなかった事にしておこう。

「ええと…忠夫様は生憎まだお帰りになってませんが…」
「その人から何か聞いてませんか?こういう時どうしたらいいか?」

さらに詰めよって来る女性…

ユウリ大ピンチであった。

「そんなムチャな〜〜…」
情けない声をあげるユウリ。

(私はただの人工幽霊なのに〜〜無理ですよぉ〜〜)

「GSさんの身内なら何かわかるでしょう?お願いなんとかして〜〜〆切近いのよぉ〜〜!!」
更に女性は絶叫する。

(期待されても困りますってばぁ〜(涙))

この時…初めてユウリは横島の気持ちが解ったのだった。


除霊所。


「気味の悪いモノ?」
横島の問いにユリ子は頷く。

「もしかして……トラブルか……」
なんだか嫌そうに三原が言ってくる。

「それはどんなのでどれ位の数なんだ?」
「……なんだか死んだ人みたいで…沢山……」
ユリ子(グレートマザーと同じ名前だ)の言葉に、横島とピートは息を飲む。

「この学校には結界が張ってあるけど、そんなに沢山いるなら何時破れるか解らないな…」
横島が難しい顔で腕組みをした。

「あのさ…もう教授帰っちゃったし無理だよ、それに俺家に帰らなきゃいけないんだけど」
三原が情けない事を言う。

「三原さん…そういう訳にもいかないでしょう」
ピートがムッとした顔で言い返す。

「じゃ取り敢えず教授の所へ電話して聞いてみるよ」
三原はそそくさと部屋を出ていった。


「………逃げましたね」
「そうだな」
二人は深い溜息を吐く。

「…………」
ユリ子は不安そうな表情で横島達を見る。

「大丈夫!俺達がなんとかする!」
横島が笑ってみせた。

「はい……」
彼女も泣きながら頷く。


その時!

バン!

更に扉が開いて見知った顔が飛び込んできた!

「横島!なんなんだ外にいるアイツらは!?もうすぐ結界をブチ破って侵入してくるぞ!!」
それは霊的格闘学の同級生、葦原涼だった。

「葦原!奴らの狙いは彼女なんだ!」
涼の問いに横島が叫ぶ。

「……そうか…なら戦うしかないな」
「ああ…」

「僕も戦います!」
三人の戦士は力強く頷きあうと、戦闘準備を開始する。


「…はっ!」


横島は両手に「栄光の手」を出現させた。

びゅぃぃん!

出現する霊波刀。

(これで片の付く相手だといいんだがな)

嫌な予感に油汗滲ませる横島。


涼が両腕をクロスさせ、一気に引く!そして…

「変身ッ!!!」

その叫びと同時に彼の体は、瞬時にして超人変化を遂げた!


どことなくカミキリムシのイメージがだぶる、緑色のその姿!


その昔…光の神の力の一部を不完全ながら受け継ぎし者…


その名も「仮面ライダーギルス」!


「……足手まといにならないよう頑張ります」
ピートが険しい表情で言う。

(しかし……奴ら何者だか知らないが…何故彼女を追う?)
横島にはそれだけが気にかかっていた。


横島家。


「ああなんとかしてください〜〜〜」
眼鏡の女性に迫られピンチ継続中のユウリ。

(ああっ忠夫さま〜私が悪かったです〜〜早く帰ってきて下さいぃぃぃぃ〜!)
ユウリは祈る様に心のなかで叫ぶ…が、

(あ……電話して帰って来て貰えばいいんですよ)
突然閃いたグッドアイデア(?)を実行すべく、ユウリはいそいそと電話の所に向かった。


その横島忠夫がとんでもない事件に遭遇している事を、彼女が知る由も無かった。

RRRRRRRRR……………

「つ………通じませぇん(泣)」
ユウリが絶句する。

大学の電話は5時を過ぎるとかからなくなる事を、彼女はすっかり忘れてしまっていた。

「もしも私に何かあった時どうやって知らせるんですか〜〜!」
なんだか方向違いの心配をするユウリ。

「そういう問題じゃないよーな気もするんですけど?」
「はう!?」
彼女は美衣に声を掛けられて驚く。

「私もいますから、何とかしてみましょう?」
「はぃ…」
美衣はしょげているユウリの肩を押して居間に戻った。


六道大学 構内、除霊所近く。

「そろそろ結界が破れますね…」
津上翔一が呟く。

「来ます…!でも、こんな異様な気配は初めてです!」
霊的格闘講座臨時教授、小竜姫が言った。

偶然この時間まで詰めてたらしい。

「津上さん、五代さん、決して奴らを構内に入れてはなりません!」
神剣を引き抜きながら、凛々しく叫ぶ小竜姫。

(くう…祝!出番増加!おめでとう私!良かったね私!)
だが何故か心の中では感涙していたりする。

「解りました!抜かれたら横島さん達が大変ですからね!」
ガッツポーズで翔一が応えれば…

「大丈夫!俺クウガですから!」
グッとサムズアップしてみせる五代雄介。

バシュゥゥゥン!

翔一と雄介の腰に変身ベルトが現れた!


「「変身ッ!!」」


二人は同時に光を放ちながら「戦士」へと進化していく!

翔一は漆黒に黄金を纏った、光の神の力を受け継ぐ戦士…

「仮面ライダーアギト」に変身を完了した。

雄介も、古代の英雄の力を受け継いだ赤き戦士…

「仮面ライダークウガ」へと姿を変えていた。

その直後!

きゅぃぃぃぃぃん!

何ともいえない嫌な音を立てて結界が破壊され、不気味な者達がぞろぞろと進入してくる。

それは、悪趣味な柄のスーツにダサさ爆発の仮面をした人型の存在だった。

「……この者達は人の「気」を放っていません!」
「という事は…ゾンビですか!?」
「厄介ですね…」

竜神、小竜姫は素早く「敵」の正体を見破っていた。

「ハァッ!」
アギトは腰に左手を置き、右手でベルトの中心「オルタリング」と呼ばれるタイフーン部分から剣を引き出す!

それに伴い体が真紅に変わった!

炎の力を携えし姿…フレイムフォームである!

多数との戦いに向くフォームだ。

「じゃ、こっちも!超変身!!」
今度はクウガが腰に両手を置き青い色に変化した。

そして近くにあった手摺を拝借して、青き水の力を持つ「ドラゴンロッド」へと変形させる!

「さて…行くぞ!」
竜神&ダブルライダー対謎のゾンビ軍団との、戦いの火蓋は今切って落とされた!


一方除霊所の中…

「外では小竜姫教授と津上と五代が、敵を減らしてはくれているが…なにしろあの数だ……」
葦原涼ーギルスが呟く。

「なるほど…俺たちは最後の守りって訳か」
横島は真剣な顔で返す。

「……ここを抜かれる訳には行きませんね」
緊張気味のピート。


しんと静まり返った夜の学校の廊下。

全く不気味極まりない戦場である。

部屋の中ではユリ子が、狙われる理由すら知らずにそこにいた。


「………どうして…私が………」


再び外…戦闘開始からすでに数十分が経過していた。


「ハッ!」

ザンッ!!ザンッ!

アギトのフレイムソードとストームハルバードが、ゾンビを容赦なく斬り裂く!

多すぎる敵にアギトは、すでにトリニティフォームと呼ばれる…

蒼いストームフォームと、フレイムフォームの中間の様な姿に変身していた。

アギトの両手の武器が唸りをあげて敵に襲いかかる!


「くそ…キリがない!」
クウガもまた漆黒の姿…

アメイジングマイテイに変身している。

最強の姿…アルティメットフォームには及ばぬものの、絶大な力を有する姿であった。

だが…

なにしろこのゾンビ…どこから湧いてくるのか、倒しても倒しても次々と新手が現れるのだ。

「とりゃあぁぁぁぁっっ!」
クウガのキックがゾンビを纏めて薙ぎ倒す!

「ええい!」
小竜姫も神剣を縦横無尽に振るっている。

「素早い上にこの数!並みの術者が操っているモノでは無いですね…」
その顔にも焦りの色が浮かんでいた。

本来ならこんなゾンビどもは彼女達の敵では無い。

だが、終わりが見えないこの状況では…息切れが即敗北に繋がる。

従って、最小限の力で戦い抜かねばならないのだ。

「くっ!」

敵は構わず怯まず前進を続けて来る……


「クッ!?教授すみませんっ!何匹か抜かれました!」
「こちらも抜かれた!数が多すぎるっ!」
「うぅ…頑張って下さい皆さん!!」
小竜姫とダブルライダーをも翻弄する物量作戦…

一体誰が仕掛けているのであろうか?


除霊所。

「来た!」
ギルスが鋭い叫びをあげる!

通路の向こうから4匹のゾンビがこちらに近づいて来た。

「ウォォォォォォォォォッ!!」
獣の様な雄叫びとともに、ギルスが走り出す!

「ここで守れなきゃ…何の為に鍛えた「力」だ!」
「栄光の手」を振りかざし横島も走る!

「ここを通す訳には行かない…!」
ピートがゆっくりと敵に向かい前進した。

「ウォォオッ!」

グシャッ!

ギルスのカミソリの様な蹴りを喰らい、ゾンビがバラバラになる!

「とぁぁぁあ!!」

ザシュザシュザシュッ!!

光と共に横島が、ゾンビを次々と撫で斬りにしていく!

「ダンピールフラッシュッ!!」
ピートも地味ながらゾンビを撃破した!

最初の4体の屍(?)を乗り越えて次々と新手が出現する。

「……こいつは絶望的な消耗戦だな」
「それでも戦って勝つしか道は…無い!」
「後がありませんしね」
横島達は頷きあうと、更なる敵へと踊りかかって行った!


横島家…居間。

「む〜………」
ユウリは万年筆を手に取ってみる。

「……どうですか?」
女性ー安奈みらとか名乗ったがーが恐る恐る聞く。

(う〜〜〜さっぱりっぱり〜んですよ〜ぅ)
訳の解らない混乱の仕方をしているユウリ……

イメージ崩れる発言やめい。

(そういえば昔…命を持った万年筆の話を聞いた事がありますけど、これもそうなのでしょうか?)

「そろそろ助け船を出した方がいいかしら…」
美衣がこっそり戸棚をあさり、真新しい原稿用紙の束を引っ張り出して来た。

「はい、どうぞ」
ぽんっとそれをユウリの前に置く美衣。

「え?何?これに書くんですか?」
「とにかく何でもいいから文章を書いてみて!」

仕方無くユウリは万年筆を持ち、テーブルに原稿用紙を広げる。


場面は戻って六道大学構内、依然激しい戦闘が続いていた。


「くっ……こうなったら!」
アギトは両手を前に重ねて突き出し、ゆっくりと左右に広げていく仕草の後…

一気に両腰のスイッチに手を触れる!

「変身ッ!」


シュゴォォォォォン!!


アギトの体が燃える炎に包まれ…

燃え盛る炎の化身…アギト・バーニングフォームへと姿を転じた!

ベルトから頭上に光が飛び、両刃の剣が折り畳まれた形で出現する。

それをアギトが掴むと一気に展開した!

これぞアギトの最終兵器…シャイニングカリバーである!


「好き勝手にはさせない!」
シャイニングカリバーを振り回しながら、ゾンビを蹴散らして行くアギト・バーニングフォーム。


「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」
クウガ・アメイジングマイテイも負けじと敵を次々撃破する!

「退きなさい!外道ども!!」
輝く神剣を舞うように走らせる小竜姫。

(これ以上は危険ですね、”超加速”を使うのも止む無しかも…)
奥の手を使うかどうか迷っている様だ。


除霊所。

尽きる事無く這い寄って来るゾンビに疲労を隠せない戦士達…


「ここを抜かれて……たまるかぁッ!!」
横島は霊気を両手に集中させる。


「”幻影烈拳”ファントムブレイカァァ!!!」

ぐしゃっ!!

近付いてきたゾンビが最初の生贄になった。

粉みじんになって吹き飛ぶゾンビ。

「残らず砕け散れ!!」
次々とその拳に捕らえられ、ゾンビは数を減らしてゆく。

「ウォォォォオッ!」
ギルスも腕から出した金色の、触手の様でいて鎖の様な武器「ギルスフィーラー」でゾンビを当たる幸いに薙ぎ倒す!

「くはっ……!」
ピートがゾンビに殴り飛ばされて地面に転がる!

「ああ!しっかりして〜〜!」
ユリ子の悲痛な叫びが飛ぶ。

「まだ……こんな所でヘタってたまるか……!」
ゆらりと立ち上がるピート、まだまだ戦意は衰えていない。


更に戦いは苛烈を極めて行く。


六道大学を見下ろす高台に誰かが立っていた。

どうやら紫色の長い髪を持つ女性の様だ。

「忌々しい奴らだが…フフ…いつまで持つかねぇ…」
蛇の様な目を持つその女は楽しそうに呟く。

「中国の「キョンシー」の技術を応用した…丈夫で素早く長持ち清潔…じゃないが、知能もそれなりに高い特別製さ!せいぜい頑張って遊んであげな!…まあ代わりは幾らでもいるけどね…」

この女の魔力で生み出されるゾンビは…

それこそ無尽蔵に生産され、次々と大学内に進入していく。

「さあどんどんお行き!五月蝿いハエどもをとっとと始末してあの女を連れて来るんだよ!死神の鎌から生還したその魂を、私自らえぐりだしてやる…!」


その豊満な体(ボディ)から溢れる力は魔力!

そう、彼女は魔族反デタント派の生き残りにして元竜神……

チャキッ!

その彼女の首筋に突然刀が突き付けられた!

「メドーサ……チェック・メイトだ」
背後から男の声が響く。

「な…………」
女ー「メドーサ」の笑みが凍り付いた。

「…馬鹿な……」
メドーサは背後の人物が誰かを悟り、驚きの声を漏らす。

「お前は…!今ごろデミアンやベルゼブルに始末されている筈だ!生きている訳が……」

「フ…狡猾な貴様でも誤算はするもんだな」
背後の人物は淡々と答える。

「誤算……だと!?くそ!」

「探したぞ!貴様を!かの邪神の復活…そして最近の一家惨殺…そして今回の事件、全ての黒幕はメドーサ!貴様だな!!」
メドーサに刀を突き付けながら黒ずくめの青年が言い放つ!

「ふふん…今ごろ気付いたのかい?”黒き死の戦士”騎士王ヒュウガさん?」
ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら、メドーサが言う。

「黙れ…その名は捨てた!」
青年ー「騎士王」最後の生き残り、騎士王ヒュウガが叫ぶ。

「フフ…そうさ、邪神は単なる嫌がらせ…一家の惨殺は良い魂を持ってた風水士の家系の連中だったからさね」
メドーサは意外にベラベラと喋る。

「貴様……!!」
ヒュウガの心に激しい怒りが燃え盛る!

この魔族の行為によって様々な悲劇が生まれ…

罪無き命が消えて逝ったのだ、到底許しておける存在では無い。

「何を怒っているんだい?大体虫ケラみたいな人間どもの命なんて、悼む意味なんて何処にあるのさ?」
せせら笑うメドーサに…

「……もういい、貴様は死ね!」
黒き死の戦士の怒りが爆発した!

「させるもんかい!超加速ッ!!」

シャッ!!

メドーサが”超加速に入るのと、ヒュウガが刀を一閃させるのはほぼ同時…

いや、メドーサの方がほんの僅かながら速かった。

「ちぃっ!」
ヒュウガは舌打ちすると、改めて刀を構える。

「く………」
超加速を解除したメドーサも無事という訳では無い。

首の辺りから紫の血がつうと流れ落ちて行く。


「出ろ!ゾンビども!」
メドーサの言葉に答える様に、地面からボコボコとゾンビが出現した!

「何のつもりだ?これで俺を倒せると思うのか…?」
ヒュウガが面白くもない表情で呟く。

「さてね」
余裕の表情のメドーサ。


構内。


「くぁっ!」
敵に弾き飛ばされたアギトの変身が解けて、翔一の姿に戻る。

「うぁぁぁっ!?」
同じくクウガもブッ飛ばされ五代に戻った。

「くっ!」
慌てて小竜姫がフォローに入る。


あれから1時間…さしものダブルライダーも限界が来ていた。

敵はまだ雲霞のごとく次々と涌いてくる。

「くそ……」
二人は後退しながら体勢を立て直そうとする。

「こうなったら…」
エネルギー枯渇覚悟で、小竜姫が奥の手を発動させようとした…

その時…!


〜後半に続く〜


流石に長いので分けました。

次回は書き直し前とかなり変化する予定です。


それでは前回のレス返しです。


へろ様>
なんだか異様にローカルな人気がありますね…鷹…w


無限皆無様>
貰ったというより、恐らくは掠め取ってきたものかと(魔女学辺りから)


WEED様>
上にも書いたよーに、なんらかの手段で魔女学講座から冥子が掠め取って来たものかと思われます。

本当に発動するかどうかは別ですけどw


片やマン様>
鬼門ですよねぇ…色々案は浮かぶものの、GSやらオカGとの関係がなかなか設定化できずに没の山;
怪獣無法地帯には恐らく金の力でドン!と行くのでしょうw


柳野雫様>
通りがかりの某ギャンブルデッキ使用のデュエリストでしょうw

ウチの主人公は基本的に女難を逃れる事は出来ないようです(汗)


ATK51様>
以前昼の番組で見たのが最後ですねぇ…涼の役者さん;

草加…ここまでひっぱるキャラになるとは夢にも思わず(汗)

えっと、その回は違うと思います…イデがいじけてたのは最終回も近いジェロニモンの回であって、まだウルトラマンの顔がべこべこ?だった「怪獣無法地帯」の回ではありません;

そういえばあの忍者、そんな技使ってましたね。


それでは水曜日予定の後編でお逢いしましょ〜でわでわ〜〜

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