第1話 「二人は…」
ねえ…どうして助けてくれなかったの?
違う…俺は知らなかった…
本当は知っていたんだよね?
そんなことはない…
私を見殺しにした…
違う…
でも忘れようとしている
違う…違う…忘れてない、一日たりとも忘れたことは無い…
許さない…
どこか遠くで警笛がなった気がした。
「横島君…横島君ってば!」
体を揺さぶられて目覚める少年の顔をはにかんだ笑顔で覗きこむ愛子。
彼女が唯と同居してから何度かあった光景だ。
基本的に横島は鍵をかけない。
取られるものがないと言うこともあるし、意外と自分のプライバシーに淡白なところもあるのである。
従って唯の鍵開けスキルはまったくの無駄であるが、それを言うのは何となく気の毒なんで黙っている。
「にょ?」と寝ぼけた声で返事する少年にやれやれといった風情で愛子が時計を示した。
「にょ?じゃないでしょ。遅刻しちゃうわよ。」
「あ、そうか…今日は散歩ないんだったよな。つい寝坊した。」
「早く顔洗ってね。私は唯ちゃんを起こしてくるから。」
「ああ…」
少年の声がいつもと違うことに気づかないほど愛子は鈍くない。
「どうしたの?」と声をかけてみると少年は一瞬「へ?」といった表情をしたあとで激しく頭を振った。
「な、なんでもないぞ!」
「そう?」と返事しつつも疑惑の目を向けてくる愛子に心配の感情を読み取った横島は頬を赤く染めて頭を軽く掻いた。
「ちょっと変な夢を見ただけだよ…。」
「なんか横島君って子供みたいね。」
クスっと笑みを漏らす愛子に横島の頬も赤みが増す。
「そう思うなら添い寝してくれ。」
「あ、それってセクハラ発言ぽいわよ?」
顔を見合わせて笑いあう少年少女をドアの外から見ていた元貧乏神の口から砂がこぼれた。
ちょっとした休みを挟んでのいつもの登校風景。
朝の爽やかな風の中、肩を並べて歩く横島アパートの住人達。
横島の右側ではニコニコと笑っている小鳩と反対側でいつものとおり机を背負っている愛子。
彼らのまわりを子犬のようにクルクルと回りながらニパニパ笑っている唯。
ちなみにカッパの姫様は横島たちに回収された後で、カワ太郎にゴミ袋のまま連行されてカッパ城地下牢に軟禁中である。
ちょこっと様子を覗いてみれば…
地下牢の真ん中に備え付けられた事務机。その周りにうず高く積み上げられた書類たち。
そして牢屋の隅っこでなにやらガジガジと作業しているアリエスの姿。
食事を運んできた監視役のカワ太郎がいかにも疲れ果てたと言った声で話しかける。
「姫様…」
返事は無い。無言で壁の一角を食事についてきたスプーンでつついている様子はちょっとサイコさんぽくて怖いかも。
「姫様!」
「ひっ!カ、カワ太郎いつからそこにっ?!」
強めにかけた声に飛び跳ねたアリエスの手からスプーンが落ちてチャリーンと空しい音を立てた。
「今ですけど…何をなさってましたか?」
「な、何って…お仕事ですわ!」
「スプーンで?」
「うっ…こ、これは…」
ダラダラと汗を流して目をそむけるアリエスにカワ太郎はニヤリと笑った。
「また脱走しようとなさってましたね…そのような不埒な考えの方には朝食は無理ですね。」
カワ太郎の手にある銀色のトレーの上に乗った新聞紙の下から食欲をくすぐる芳香が漂ってきて、一瞬ゴクリと喉を鳴らすアリエスだったがすぐに顔を背けた。
「朝食って言ったってどうせまたひじきでしょ!」
フンと頬を膨らませるアリエスにカワ太郎は「かかった!」と密かに会心の笑みを浮かべる。
「今日はハンバーグですけどね〜。まあ朝からハンバーグってのもなんですし、いらないって言うなら…「ごめんなさい」…」
土下座して下から潤んだ視線を向けてくるアリエスにしてやったりと心の中で手を上げながらも口調はあくまでも事務的なカワ太郎。
「お仕事なさいますか?」
「勿論ですわ!ハンバーグのためなら書類の千や二千、ペペペのぺですわよ!」
なんでこんな威厳の無い女王に仕えているんだろうと、ちょっとだけ哀しくなりながらそれを顔に出さないカワ太郎も中々の人物である。
「では先に千枚片付けてください。」
「カワ太郎の鬼!悪魔!!変態!!」
「私のどこが変態ですかっ!まあ、腹が減ったら戦も出来ぬと言いますから食事は先にとってもよろしいですよ。」
「わーい。カワ太郎って優しい〜。忠夫様の次に大好き〜♪」
打って変わったアリエスの態度に苦笑いを浮かべながらも食事の乗ったトレーを牢の中に入れると、餌を貰った野良ワンコのごとく飛びつくアリエス。
よほど腹が減っていたらしいのはいきなりメインのハンバーグを咥えたことからもわかる。
「?」
「どうしました姫様?」
「カワ太郎…これって豆腐ハンバーグひじき入り…」
「豆腐もひじきも体にはいいのです。」
「ぐす…忠夫様のところのご飯…」
それでもハンバーグをもしゃもしゃと食べるアリエスにカワ太郎は溜め息混じりに聞いてみた。その声音はまるで誰かに聞かれることを恐れるかのように低い。
「姫様…いい加減意地を張らずに…」
「意地って何のことですの?」
「せめて着衣令だけでも取り消せば元老院もこんな嫌がらせはしないと思いますが?」
「ですけど、いかに私たちカッパ族が今まで服を着る習慣を持たなかったとしても、人と交わるのに素っ裸は困るでしょ?」
モソモソと豆腐ハンバーグを咥えながらアリエスは当然とばかりに言い切る。
(その人と交わるということが元老院の反感を買うんですけどね…)
カワ太郎の言葉は空気を震わせることなく口の中で消えていった。
そんなこととは露知らず横島たちが学校に着いてみれば、校門の前で女子高生に囲まれているロン毛の青年の姿。
ミーハーっぽい少女たちに爽やかな笑顔で応対しているその姿には場慣れというかある種の貫禄さえ感じられた。
それを見た横島は大きく息を吸い込むと天も割れよと叫ぶ。
「皆さん〜!ここに淫行条例を無視しようとしている公務員がいますよ〜!!」
「誰がだっ!」
「けっ!朝の爽やかな学び舎に卑猥な空気を持ち込もうとする貴様じゃ!!」
「僕のどこが卑猥かね煩悩少年の横島君。きちっと説明してもらおうか…」
「30間近のおっさんが女子高生ナンパしてりゃ充分淫猥じゃわい!このロリコン!!」
グルルルルと喉を鳴らして睨みあう二人の様子を遠巻きに見守る一般生徒たち。
愛子たちにしてみれば西条に悪気は無いのは百も承知だが、それでも朝の登校を邪魔されたという思いがわくのは仕方ない。
特に遅刻常習魔の唯にしてみりゃここでの時間のロスは死活問題である。
Gメンからみで西条のことも知っている彼女にしてみればこの場が簡単におさまるとは思えないのだ。実はもうちょっと考えれば簡単に納まるのだが、この娘にそれを言うのはスベスベマンジュウガニに三点倒立しろというぐらいの難題だろう。
とにかく面妖な思考回路を経て唯は一つの名案をひねり出した。
相変わらず背中を丸めてガルルルルルだのキシャーだのと睨みあっている二人にテチテチと近づいていくと西条の方に声をかける。
「西条さん。美神先輩はお元気ですかぁ?」
突然、場違いな質問を浴びせられ「へ?」とマヌケな声を出しつつもフェミニストの彼のこと、女性に対してはきちんと丸めていた背中を伸ばして応対するのが彼の性である。
「あ、ああ、先生は今日もお忙しいようだがお元気だよ。」
「へう。小さいお子さんがいるのに大変ですねぇ…」
ふむふむと腕組みをしながら頷く少女に西条も「そうだね」と笑顔を向ける。
その様子に先ほどまでの殺伐とした空気は微塵も無い。
だがそれこそが悪辣な罠だった。
「ところでマル高って何のことでしたっけ?」
だから小首を傾げながら聞いてきたこの少女が実は自分の足元に地雷を埋設しているのだということに気づくことはなかった。
西条の危機対処能力の不足というよりは女性に優しい彼の性質によるものであろう。
警戒せずにアッサリと「高齢出産のことじゃないかな?」と教えてやる。
「へう…でしたら美神先輩って?」
「ああ…超高齢出産…とまではいかないにしても大変だったろうねぇ…」
あっさり地雷踏んじゃいました。
♪マックスハート…プリキュ○プリキュ○
突然西条の胸から流れた着うたにその場に居た全ての人間が石化する…。
周囲から痛い人を見る目で見られた西条は必死に携帯を取り出して、液晶に表示された相手の名前を見て硬直した。
無常にも流れるアニメソングに周囲の気温が下がるとともに西条の額からダクダクと音を立てて汗が流れ落ちる。
震える指で携帯を操作して電話に出た彼の顔色はすでに死人のそれに近い。
(ご心配ありがと…)
「せ、先生えぇぇぇぇぇ。」
鼻から魂放り出しながら二言三言会話して西条は崩れ落ちる。
さすがの横島もこの後の彼に待ち受ける試練に同情して生暖かい目を向けるが、是非聞いておきたいことがあるのだと心を鬼にして西条に近寄った。
「なあ…西条…お前…その年でそのアニメの着うたはきっついだろ…」
横島の台詞にうんうんと頷くギャラリーたち。
彼らから放たれるちょっと痛い人を見る視線を感じて西条は必死に抗弁を試みる。
「ち、違う!これはひのめちゃんを喜ばせようとだね!!」
確かに身近に小さい子供がいる人がアニメの着うたを登録していることはままあることだ、それは問題ない…だが次の台詞が彼の不幸を決定的にした。
「ぼ、僕があんな子供番組を見ているわけがないだろ!「「待てい!!」」…え?」
弁解を途中で遮る声にそちらを見れば、両方の校門の上に仁王立ちする二つの影。
右に立つはフリフリスカートも見目麗しい白い影。
左に立つはゴスロリっぽい黒い衣装を身に纏った黒い影。
どちらも逆光になって顔は見えないが、はっきり言って見えなくて正解だろう。
だって…すげぇマッチョだし…。
「な、な、…」と声を失う西条の前に二つの影は「「とうっ!」」とかけ声も勇ましく空中で転回を決めて飛び降りると「「ふんぬ」」とばかりにポージング。
大胸筋がピクピクと美しい躍動を告げるその様に、西条の顔色は打ち上げられた鯖なみに青ざめた。
そんな彼をビシっと指差して筋肉だるまは聞いてもいないのに自己紹介を始める。
「「我らアニメ同好会が一つ『マッスルハート』!!」」とまたまたポージング。
「私は部長の亜鈍!」
「同じく副部長の左武尊!」
「「だが今は光の戦士プリキュ〇!!」」
叫ぶなりまたまた二人揃ってポージング。スカートから覗く大腿筋が躍動し、飛び散る汗が光を反射してキラキラとオイリーに輝く様は光の戦士の名にふさわしい…かも知れない。
「あ…あ…あ…」
どんな悪霊を前にしても西条はこれほどの恐怖を見せたことはないだろう。仕立ての良いスーツが汚れることも構ってられないのかズリズリとへたり込んだまま逃げようとする彼に二つの光る筋肉はジリジリと近寄っていった。
「「我らの聖典に対してお子様番組と言う評価は解せんなぁ…」」
「ひいぃぃぃぃぃ…」
腰が抜けたか必死に立ち上がろうとして空しく土を掻く西条を挟む位置に移動する二人は見事にシンクロした笑顔を見せた。
「「これはお仕置きが必要だな…」」
西条をぐわしと掴んで無理やり立たせると「「ふん」」と気合とともに彼の体をその肉体の間に挟む。
肉と肉の間でサンドイッチの具となった西条が断末魔の悲鳴をあげるよりも早く、亜鈍と左武尊が放つは見るもおぞましき必殺の技。
「「プリキュ〇・マーッスル・サンダーァァァァァァ!!!」」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
西条を挟んだ肉の壁、その大胸筋がピクピクと激しく脈動し、前後から送られたその振動は中心に挟まった西条の体内で共振し凄まじいまでの衝撃へと変わった。
「うわぁ…もうなんていうか…うわぁ…」
筋肉と筋肉の間でシェイクされる西条を見ていた横島も言葉が無い。
助けようとは思わない…それはきっと自分の死に繋がる予感がするから。
小鳩もあまりの惨劇に目をそむけている。
愛子はこの状況を作り出した唯の耳をひっ掴んだ。
「痛いっ!痛いっ!!愛子ちゃん痛いですぅ〜。」
「あ、あんたねぇ。なんであんなの召還しちゃったのよ!!」
「わ、私は美神先輩だけをぉぉぉ」
どうやらこの展開はいかに唯でも予想外だったらしい。
改めてマヌケとこの学校の恐ろしさを実感した彼らの前でついに肉の拷問は終わりを告げた。
肉の壁から開放されてクラゲのように崩れ落ちる西条。
もしかしたら共振した振動は彼の関節とかに相当ヤバイダメージを与えたのかも知れない。
そんな西条を見ていた亜鈍と左武尊がまたまたニャリとシンクロする。
「のう。亜鈍。今のプリキュ○は三人だったよのう。」
「うむ。確かにそうだの。左武尊」
「我らに足りないのは兄貴…もとい女王様だと思わぬか?」
「ふむ…ならばこの男を兄貴…もとい女王様にしようではないか。」
「うむ!ロン毛だし申し分ないのう!!」
「「ガッハッハッ」」と豪快に笑いながら、今や頭髪から何から紙よりも白くなったまま引き摺られていく西条の姿に冥福を祈る除霊部員と野次馬たち。
だが、西条の魂の叫び…っていうか鼻から飛び出た魂が直接横島たちに向けて必死に手を合わせて助けを懇願している姿を見れば、いかにいがみ合うことが多いとはいえ見捨てるのは人として忍びないというものだ。
とにかく西条を引き摺っていく筋肉たちに声をかけてみる。
やるだけやって駄目だったらきっと彼も成仏してくれるだろう。
「あ、あの…」
恐怖のためかすれた横島の声にピタリと立ち止まる筋肉はゆっくりと振り返った。
その迫力に声も出ない横島の額にも汗が滲む。
美神の折檻や悪霊の攻撃とは恐怖のベクトルが違うため、彼の経験も役に立たないのだ。
そんな彼の怯えに気づいたのか気づいてないのか野太い声でハモる筋肉たち。
「「何かな?横島先輩」」
「俺を知ってる?!!っていうかお前ら後輩だったんかっ?!!」
「あ、あはは…私と同学年…あふう…」
「小鳩ちゃん!しっかりっ!!」
驚愕の真実に驚く横島の後ろではついに限界を超えた小鳩が倒れて愛子に支えられていた。
後ろの騒ぎと前からのプレッシャーにこのまま帰りたいと心底思いつつも、もう一度だけ助け舟を出してやろうと横島は丹田に力を込めた。
(でもこれが最後だ西条。これで駄目でもきっと神様は俺を許してくれるさ…)
「そ、そのロン毛はオカルトGメンなんだわ。コスプレとかしてる暇はないんじゃないかと…」
だんだんか細くなる横島の声に亜鈍と左武尊は「「うーむ」」と考え込んだが、あっさりと二人同時に顔を見合わせて頷いた。
「「他ならぬ我らの『心の兄貴』、横島先輩の頼みとあれば聞かぬわけにもいかんのう。」」
(『兄貴』って何ぃぃぃ?!!)
すっげー嫌な単語を聞いてしまった横島の体が瘧に罹ったかのように震えるのも構わず、二つの筋肉は気絶したままの西条を横島の前にポンと放り出すとニヤリと笑った。
「「ではこの男のことは任せます兄貴。さらば!!」」
呆然とする横島と生気を失った西条を置いて筋肉たちは「ガハハハハハ」と笑いながらスカートを翻して校舎へと消えていった。
とにかく意識を取り戻した小鳩を教室まで送り届け、いまだ涅槃から帰還できない西条を保健室に叩き込んでやっと横島たちが自分たちの教室についたと同時にチャイムがなる。
なんとか遅刻は免れたらしい。
「なんだか今日はもう帰りたいよなぁ…」と力無い横島の言葉に愛子も唯も黙って頷いた。
そんな彼らにピートが「どうしたんですか?」と不思議そうに話しかける。
返ってきた答えは彼の想像をはるかに超越したものだった。
「なあ…ピート。お前さぁ…頭からビームとか出せそうな奴らに『兄貴』って言われたらどうする?」
「へ?」
「いや…いい。俺はもう寝る…。」
一日の気力を根こそぎ奪われたのか机に突っ伏す横島に愛子が同情の目を向ける。
「横島君ってば、気持ちはわかるけどもうすぐ授業が始まるわよ。」
「一時間目はなんだっけ?」
「体育ですノー」
「マジか?」
「大マジじゃけん」と首を振るタイガーも台詞にがっくりと項垂れると少年は隣の少女の手をいきなり握った。
「ううっ…愛子ぉ〜。お前の中で寝せてくれぇぇぇ。」
「な、何言ってんのよっ!こんな人前でっ!!」
「愛子ちゃん…それは激しく勘違いしてると思いますぅ…」
「知っているわよっ!そ、そんなことより早く着替えて授業に行くわよ!!」
何か微妙な聞き間違いをしちゃった愛子ちゃんに唯が遠慮がちに突っ込む。
その言葉に顔を真っ赤に染めてパタパタと手を振りながら話を逸らそうとする愛子だったが
「あの、HRがまだなんですけど…」
ピートの言葉にますます頬を染める愛子に教室は笑いに包まれた。
幸いにも体育の授業は野球だった。
これなら少なくとも自分の攻撃の時は休んでいられる。
その特権を活用し木陰で寝そべりながらやる気の無い応援をしている横島だったが、ふと奇妙な違和感を感じた。
横で座っているタイガーにも聞いてみる。
「なあ…なんか変じゃないか?」
「何がですかいノー」
「うーん…何がって言えないんだけど…」と頭を掻く横島とグラウンドを交互に見ていたピートの表情も変わる。
「確かに何か変ですね…。」
「そう思うか?でも…」
「ワッシには感じられんけんど何かの霊障ですかいノー?」
「いや…そんな感じはしないんだけど…」
首を捻る霊能者たち。何かとはハッキリ言えないし霊感にも触れるものは無いが、確かに目の前の光景には違和感があった。
それが何か…確証を得る前に横島たちのチームのバッターが相手投手の初球を強引に引っ張る。
快音を放ってレフトに向かって真っ直ぐに飛んでいく打球をなんとなく目で追いかけた横島は思わず声を上げた。
「お、おい!ピート!!」
「ええ…」と頷く彼も同じものを見ているのだろう。そしてその横でポツリと呟くタイガーも…。
「レフトが二人いるノー…」
彼らの視線の先には頭上のボールを必死に追う生徒の横を一緒になって走るダブダブのユニホームを着た白い人影がはっきりと見えた。
後書き
ども。犬雀です。
えーと。今回はこういうお馬鹿な話ってことで…。
でも一応導入にはなったかな?と…。
犬は勢いで書くタイプなんだなぁ…とつくづく実感しましたです。
やっと新しいシフトにも慣れてきたとは言え、新人も入ってきたりでネットにつなぐ時間が減るのは仕方ないですが、このマヌケな勢いを殺さないように何とか頑張ってみますです。
では…
>AC04アタッカー様
どもです。無理しないでがんばりますです。
>ザビンガ様
あはは。もうね。唯嬢に新属性は無理だと作者も諦めてますです。
だって何やってもマヌケにしかならんもんですから。
>紫苑様
横島君は無属性ではないかと…違うかな。
>法師陰陽師様
夏子嬢ですか。出したい気もするんですけど、学校舞台でどう話に絡めるかが決まらんです。というか事務所メンバーをもっと絡めたいですね。でも…中々難しいであります。
>通りすがり様
ほいです。とりあえず書ける時は無理しない程度に書いて出しますです。
実は犬の脳内でもすでにSD化してますです。
どんどんヒロインから離れていってますな…。それも善き哉(笑
>柳野雫様
メガネ属性は犬の文才だと書ききれんのです。orz
ですからこのままマヌケっ娘属性というはた迷惑なポジションでいくことになるかと…。
>シシン様
にゃはは。実はこれは別な没短編『美神の将棋』から引っ張ってきたネタです。そろそろネタのストックがきついかも…。