注!この作品ではキャラクター(特に某バンパイアハーフ)が通常の三倍(当社比)で壊れています!
高齢者・アレルギー・妊婦・心臓に病のある方は医師にご相談の上お読み下さい。
また、トラブルや事故、温泉湯けむり殺人事件などにつきましては、当方は迎撃の用意アリ・・・ぢゃ無くて一切責任を持ちません。
俺は先に言ったからな!?(汗)
それでは本編をお楽しみ下さい。
ピートは怒っていた。
彼の外見からは予想もできない、700年と言う長き人生においてもココまでの怒りを覚えたコトは無かった。
そう、かつてGS資格試験で雪之丞と対峙した時、
唐巣が瀕死で病院へ搬送されたと聞いた時よりも。
彼は考える。
魔理さんとタイガーのファーストコンタクトは、紛うコト事無くクリスマスのあの合コン。
その時ボクはどうしていた?何故こんな暴挙を阻止できなかった?ボクのスペック(美形)があれば悠々と防げたはず。
なのに何故こんな事態が起きてしまったんだ?
そう、確かあの時。
タイガーは卑怯な手段でボクにニンニクを喰わせダウンさせたのだ。
そして今、目の前にはそんなコトも忘れ、幸せに浸っているタイガーがいる。
巫山戯るな。
貴様にそんな幸せは似合わない。身の程を知るが良い、タイガー。
許さない。
たとえ主がお許しになられても、サッちゃんと「なぁなぁ」で一緒にゴルフするジーザス・ファ○キン・クライストだ。ボクがタイガーを許す理由にはならない。
言い寄ってくるのは、年甲斐も無く流行を遥か彼方に過ぎ去ったというのにガングロを続ける妙な語尾の年増か、命すら狙ってくる暴走直列四気筒猪突妄信ロリータ。あんなのは女性の枠には収まらない。
タイガー、試みに汝に問う。
たかだか17年の人生で、その孤独に終止符が打てるとでも?
このボクが、この700年間彼女を作らずに人間と違う時の流れのギャップに苦しんでいたと言うのに?
否!!
横島さんなら解るさ。
彼はヴァンパイアハーフであるボクも、机妖怪であり一度は自分をも襲った愛子さんも許容し、受け入れてくれた器の広さを誇る人物だ。ボクは彼にどれほど感謝したか。
雪之丞でも解るさ。
彼は魔族と契約してしまうほど弱い人間だったが、たゆまぬ研鑚で自己を磨き上げてきた努力の天才だ。それくらいの潤いがあったって良い。
だけど、お前だけは許さない。
お前だけは悠久の孤独を味わうべきだ。」←
『異常発生!!ボク等の後方、6時方向およそ100の距離に雪之丞さんが女性を連れて歩いています!!』
「貴様ぁぁぁぁッ!!」
弓に気付かれない様に霧と化し、右腕のみ実体化させウェスタンラリアートで首を刈り取るピート。
突如として弓の視界から消え失せた雪之丞は、遥か彼方でマウントポジションを取られタコ殴りにされていた。
「・・・さっきの信仰心をドブに捨てた様な前言は一体・・・?」
何気に声に出していたピート。隣にいた横島は全て聞いていた。
故に
「コイツにだけは気取られちゃいかん!!」
と、堅く心に決めていた。何かやましいコトでもあんのかゴルァ?
OPERATION TIGER 〜お前は虎になるのだ〜Vol.2
横島は思案する。
勢いに任せてタイガーの動きを追尾してはいるモノの、この先どうするべきか全く考えていなかった。
正直、このままタイガーの邪魔をして貴重な日曜を浪費するのも阿呆臭いと言えば阿呆臭い。
そう思って、存分に雪之丞を殴り(幾らか満足したらしい)戻ってくる同胞に目をやると、
たとえば一億円の依頼を棒に振ってしまった時の美神が弥勒菩薩に見える様なピートがいた。
(なんでこんなに気合入っとるんジャーーーーッ!?)
声に出なくて良かったと心底思う。なんせあのヘタレの根性無しかつ甲斐性無しのノリで叫んでしまっていては、二度とルシオラに会えない様な恐怖が待っていたはずだ。
いつの間にやらピートは横島の思惑を遥かに超えた位置にいたのだ。
「横島さん?どうかしたんですか?」
「いや!?どうもしないぞ!?どうやってタイガーを奈落に、煉獄に叩き込んでやろうか考えてるトコロさアッハッハ〜〜〜!!!」
「頼もしいですよ横島さん。それでこそ横島さんです。やはり貴方はボクが見込んだ通りの男、いや漢です。」
早くも後悔している横島。しかしそれはもう、彼の手の届く領域には無い。
我々は・・・いったい何を作ってしまったのだ?
いったい誰が、ヤツがあんな怪物にまで成長すると予測できたであろう?
現われた当時のヤツは、調子に乗ってミステリアスな雰囲気なんか醸し出したりなんかして親子喧嘩の不始末に外国のGSを雇うほどの根性無しだったと言うのに。
今やヤツは、神も悪魔もモノともせずに友を殺戮し得るほどのバケモノになってしまった。
ああ、これは我らが誇るべき成功なのか、世界の因果率が生み出した大いなる失敗なのか?
我々の期待を遥か(斜め)上を行くバケモノを産み出してしまった事は。
否、コレは我々の功績ですら無いのだ。
我々はただ眠れる吸血鬼に処女の血を与え、
・・・本能を呼び覚ましてしまっただけに過ぎないのだから。(←責任転嫁)
懇願して三等兵に成り下がってまで出番を得たジークは、今回まだ一度の台詞しか与えられていない自分の不遇を嘆いていた。だが心配するな、ジーク。一応タイトルがアレなのにタイガーなんて前回含めて三回しか台詞無いから。
今回なんて一言もだぞ?
とは言え、軍人にとって命令は絶対。如何にそれが矛盾した、理不尽な命令であっても。
「Yes,Sir!!」の一言で、敬礼と共に上官の期待に沿える結果で応えるのが軍人。
落ち着けジーク。今のお前に課せられた任務はなんだ?
そう、擬人化してタイガーさんのすぐ後方について状況を逐一報告することだ。
その任務は何のため?
そう、ヘタレで根性無しで甲斐性無し、あまつさえ弱虫泣き虫インキンタムシ(←誰も其処まで言って無い)のタイガーさんの根性を鍛えなおす為だ。
OK、ジーク。解ってるじゃないか。いつも通り、冷静に行動すれば何の問題も無い。
ただ問題があるとすれば、さっきからこうやって斥候しているだけで指令部は何の指示も出してこないコトだ。
どうやら横島さんは今後の方針をまだ考えあぐねているらしい。
それは命取りだ。戦場において躊躇や遅れた判断は、命を危険に晒す危険な行為以外の何物でも無い。
やはり戦場慣れしていない横島さんに、其処までの判断能力を要求するのは無理だったのでは無いか?
・・・・・・やめよう。指揮官に対して疑念や不信感を抱くコトはやはり危険を上げるだけだ。
今のボクはただのスコープサイト。標的を見定め情報を送る道具に徹していれば良いし、それ以外必要な事など何一つ無いのだから。
しかし先程から目標、コードネーム「虎」は何の動きも見せていない。手を握る事すらしていない。
話しかけているのは主にコードネーム「ヤンキー女」であり、「虎」は緊張しながら相槌を打っているだけ。
この場合、寧ろ手出しをするまでも無く「ヤンキー女」は「虎」に対する好意を失うのではないか?
いや、コトは万全を要する。「優柔不断な男」と言う認識程度では生温いにも程がある。もっと徹底的に、決定的に。
追跡開始30分にして、ジークは作戦の趣旨(建前)を完璧に忘れていた。
タイガーの後を追い電車に乗った一行。
ジークは目標の直ぐ近くに接近して、通信鬼でこちらに報告を入れてきている。ちなみに残り2人は隣の車両。
逐一報告を入れているも、その語感からは「速くなんか指示出せやゴルァ?」と言う副音声が聞こえている。
まったく、三等兵のクセに生意気な。
「さて、横島さん。実はココにこんな物があるんですが。」
突然切り出したピート。手には紙に包まれたソレがあった。
軽く包みをほどくだけでムワァっと充満する、鮮烈に嗅覚を刺激する甘酸っぱい匂い。甘酸っぱいといってもレモンの香りの初恋のソレではなく、生臭く、それでいて和風の甘さを絶妙にブレンド、さらに其処に濃厚な乳製品がとろける匂い。
「そっ、それはまさかチーズ餡シメ鯖バーガー!?そんなモノで一体何を?!」
説明しよう!!
え?いらない?(解ったよ、帰ればいーんだろ?ケッ!)
「知れた事。コレを使ってタイガーを幽体離脱させ、幽体になったタイガーに小一時間ほど人の道を説いてやるんですよ。さらにその間、空いた体に乗り移り嫌われまくる様に行動する。正に!一石二鳥じゃないですかッ!!貴方はこんなコトも解らないんですか?貴方それでも横島さんですか!?逆キューピッドタダちゃんと呼ばれた貴方は何処に行ったんですか!?さては貴方偽者ですね?!」
「あー、えーっと・・・。」
暴走妄想大爆走のピートに、もはや何処から突っ込めばいいのかわからない横島。
ざっと見ただけでもツッコミポイントは5つほどあるんだが。
てゆーか、お願いだからツッコませて下さい。
まず小一時間で済ませる気なんかサラサラ無ぇだろ。あー、スッキリしたぁ♪
「さぁ!観念して正体を現せ!」
鋭い牙を向いて横島に食って掛かる。
「いや、ちょいと待てやピート。アイデア自体は悪くないんだが・・・。」
「言い残したいことがあるんですか?」
飛び掛る体制を万全に整え、お預けを喰らった犬(シロとか零号)みたいにソワソワしている。襲い掛かりたい衝動でいっぱいらしい。
「ソレを喰って、タイガーに憑依するのって誰?」
「横島さんに決まってるじゃないですか。」
「おまっ、コレって滅!茶!苦!茶!マズイんだぞ!?」
「僕の知っている横島さんならそんな弱音は吐きません。寧ろ「俺の屍を超えて逝け!!」と涙ながらに逝ってくれるでしょう!!やはり偽者ッ・・・!!」
よっしゃあ、!とばかりに嬉々とする某バンパイアハーフ。
「あータンマタンマ。で、根本的な問題なんだが・・・。」
「まだあるんですか?チッ、往生際の悪い・・・。」
もはや横島が偽者だろうとホンモノだろうとどーでも良いみたいやな、オマエ。
「そもそも・・・どうやってソレをタイガーに食わせるんだ?」
「あ・・・・・・・。」
「あ、じゃねーよッ!!人にそんな大量破壊兵器食わせようとしやがって!」
ボロクソである。それを開発した幸薄き某巨乳少女が聞いたらどう思ったであろう?
ちなみに某正義の味方合衆国では現在コレを軍事流用する案が出されているとかいないとか。
上手くいけば幸薄き某巨乳少女は万札の左団扇で横島の頬をハタくのだろうか?見たいなー、そんな壊れ小b・・・。
『緊急事態発生!緊急事態発生!!目標の会話によれば、2人は舞網駅にて降りる模様!』
ジークの悲壮な声が通信鬼を通して届く。二人はその報告に慄いた。
「「舞網だとッ!?」」
今度こそ説明しよう!(っしゃあ!!)
千羽県浦康市にある舞網駅とは、アメリカから呼び寄せた巨大遊園地の為に作られた埋立地に存在する駅であるッ!
駅名は「某巨大遊園地」の地元であるフロリダ州が誇るマイアミビーチにちなんで付けられたモノであり、「某巨大遊園地」へのアクセスの為に存在する駅!とどのつまり駅周辺にはその遊園地しか存在しない!!
と言う事は自然と導き出されるタイガーの目的地はッ!?
そう、日本において唯一黒字を出しているとされる超巨大テーマパーク、
東京デジャブーランドであるッ!!
「マズイぞピート!俺、デジャブーランドに入れるほど金持って来て無ぇッ!!」
「ボクもですよ横島さん!って言うか舞網までの電車賃も危ういですッ!!」
『指示を!指示を求む!!とゆーか、ブッちゃけ資金供給をッ!!』
「「お前もかよッ!!」」
結局、電車賃が怪しい(無くはないが帰りが怖い)のでジークは某元国鉄会社職員に変装、ピートは霧になって改札を抜けた。まったく人外は得なワザ持ってるなー。
横島?横島はどうしたかっつーと・・・。
「スンマヘン、切符落としてしもーたンすよぉ〜〜!!」
「え〜と・・・何処から乗られました?」
「新幹線で大阪から。」
「・・・・・・・・・・・・マジですか?」
「一生にいっぺんくらいデジャブーランドに来たかったんや〜!堪忍や〜!!」
鬼ではなかった改札の駅員さん。本来なら新大阪からの新幹線代も支払わなければならない所を見逃してくれたのだ。関西弁のイントネーションも堂に入っていたのが今回の勝因だろう。うぅっ、人の情けが目に沁みるぜッ!!
ちなみに上記の作戦は本来560円で済むトコロを、下手を打てば14,260円も支払わなければならないという諸刃の剣だ。とってもデンジャーなので良い子は真似するな。
日曜日の午前11時。舞網駅から数百メートルに位置するデジャブーランドの入り口付近はまさにごった返しだった。
ココで実行部隊の面々は一度集合することとなる。
そう、先程も言っていた様に切実に入場料金が無いのだ。
赤貧のクセに何処からそんな費用を捻出しやがったか、タイガーはチケットを購入し悠々と中に入っていく。
「マズイですよ横島さん!このまま見失ってしまえば、発見はほぼ不可能!こうなったらボクがバンパイアミストで追いかけ・・・!!」
「落ち着けピート!こんな事もあろうかとジークが発信鬼をヤツの背中に取り付けてある!」
「え?別にそんなコトはひでぶッ!!」
言葉を遮る横島のリバーブロー。コインを拾う要領で下から突き上げるアッパー気味のソレは日本人の筋肉の質とあいまって強烈な一撃となる。
嘔吐感に耐えながら悶えるジークの胸倉を引っ掴み、耳打ちする横島。
「お前なぁ、今のピートを一人でアイツの追跡させてみろ?完全無欠の夢の王国が阿鼻叫喚の地獄絵図に変貌するのは確定、目標は灰燼と化すだろう!ヤツはもはや俺達の想像も及ばない次元に到達してるんだよ!!」
横島の危惧を知り、ホロリと涙するジーク。
そう、彼はこの状況下においても冷静さを欠いていない。彼の指揮官としての資質を疑った自分が心底イヤになる。
「横島さん・・・やはり貴方は漢です!裏切り者の命まで気にかけるなんて・・・。」
「いや、魔理ちゃんに飛び火したらマズイだろ?別にタイガーがどうなったって知ったこっちゃ無ぇけどさ。」
訂正。姉上、やっぱり横島さんは横島さんです。
さて、どうしたものか。
完全無欠の夢の王国は、資本主義社会の掟にのっとり金の無いモノに対しては冷酷な顔を見せる。所詮俺達は社会構造の奴隷でしかないってコトか?(←お前は美神の奴隷だろ)
そう、この状況を打破できるのは金だ。金さえあれば何も恐れる事は無いのだ。
しかし三人分のチケット(最近フリーパスチケット制になったらしい)は14,400円。
やくいちまんごせんえん!?一日遊ぶために!?うわぁ〜、帰りてぇ〜・・・
しかしまぁ、隣人ピートはそのような戯言許す訳も無く。
だって殺る気満々だし。
あ〜あ〜、どうやってこの場を収めよう?(←既に帰って寝る気満々)
などと腑抜けたコトを考えている横島。
そこに今回三度目の異常発生。
「ぬ!?ピート!アレは何だ!?」
「え、なんですか?」
横島が指差した方向・・・・・・其処には。
ロンゲ貴族道楽公務員と、このテーマパークの趣旨にぴったり似合う魔女ルックの美女。
つまり、西条と魔鈴の2人がいた。
「無理にお願いしてごめんなさい先輩。やっぱり一度は来て見たかったんです。」
「いやいや、全然構わないよ。僕だって長く来ていないからね。たまにはこう言うのも良いだろう?」
「本当ですか?子供っぽいって言われるかと思ってたんですけど・・・。」
帽子で恥ずかしそうに顔を隠し、極めつけに上目遣いで西条を覗く魔鈴。
「ぐはっ!!」
コレは強烈だ。西条、撃たれた様に胸を抑えて仰け反る。
「ちょ、ちょっとだけココで待ってて貰っても構わないかな?」
「はい♪」
西条、全力疾走で何処かへ消える。
そして何処からか聞こえる叫び声。
「萌え〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
・・・ホントにイギリス帰りなのか西条輝彦。
ホントに今時ロンゲでモテるのか西条輝彦。
ホントにアゴ長いぞ西条輝彦。
その叫びを聞いた魔鈴めぐみは
メドーサも真っ青な魔女の笑顔で勝ち誇っていた。
続く・・・と言うか続け、電波。
えーと。とりあえずまだ生き恥を晒しております、GAULOISES46です。
さっそくですが、MAGIふぁさまゴメンナサイm(_ _)m。
所詮俺では
遺伝子組み換えSSが限界っぽいです。
レス返しの時も「先輩電波作家さま」とするツモリがモロに・・・失礼千万、申し訳御座いません。
調子にのって多用してまスが、まだタグに慣れて無いんですよね(笑)。
しかもレスだと訂正効かねぇ。なるほど、だから皆さん次話でレス返しされるんですね。
面白くってタグ使いまくってまスが、ウザイと思われる方いらっしゃればご一報下さい。それで止まるかどうかは解りませんが(笑)。
今回もボケに対してツッコミの比率が異常に低い、非常にアンバランスなノリとなってしまいましたが(コレでも)電波率低し。
中々降りてきません電波の神様。
多分、全てのボケにツッコミを入れていったら倍の文量は行くんじゃないでせうか?未回収ボケ多過ぎ。
雪之丞セリフ無いし。
元ネタも解り難いしな〜。
「新幹線の切符落とした」ネタは筆者の実体験に基づくモノです。駅は違いますが、新幹線から総武線に乗り換え、目的地の駅に着いたときにマジで切符が無い。散々探し回った挙句、結局駅員さんに事情を話して勘弁していただきました。
駅員さんに感謝している時に待ち合わせていた友人が丁度到着して、
俺の親父に電話で「なんか今謝ってまスよ息子さん」と言われた秘密は墓の中まで持って逝きます。
それでは、再見!
>LINUSさま
ご指摘を受けた箇所、訂正致しました。
普段使わないんで、気付きませんで・・・。