小竜姫の「行きましょう」という言葉に合わせて横島除霊事務所から妙神山へと続く扉に向かう小竜姫、ヒャクメ、そして横島を背負ったタマモ。
Legend of Devil Vol.7 Awakening その3
キキーッ!
オカルトGメンの公用車が横島除霊事務所のガレージに停まり、オカルトGメン非常勤顧問である美神美智恵と意識のない横島を背負ったタマモがその車から降りてきた。
空中からその様子を見ていた小竜姫とヒャクメは美智恵達の前と降り立った。意識のない横島を見る顔は自分たちの予想が当たってしまったことを痛感していた。
「小竜姫様、ヒャクメ様」
「横島さんの容態は?」
ガレージで遭遇した小竜姫達に声を掛ける美智恵、小竜姫はいち早く横島の現状を把握する為情報収集が先立った。
「芳しくありません。 外的要因はないようですが未だに昏睡状態です」
「そうですか・・・・・・・・・」
「ねぇ!! ヨコシマはどうなるの!!? 助かるんでしょ!!? お願い!!! ヨコシマを助けて!!!」
未だ情緒不安定になっているタマモ。両の眼に大粒の涙を浮かべたまま小竜姫へとすがりついた。
「ますは調べてみないことにはどうにも言えないのね〜。 取り敢えず妙神山に運ぶことが先決だと思うの」
微妙に間延び口調であるがいつもと違い真剣な表情で言うヒャクメ。それに対しコクンと小さく頷く小竜姫と美智恵。タマモは両の眼に浮かんだ涙を袖で拭うと横島を背負い直した。
ガチャ
「「「「タマモ!!!!?」」」」
扉の開いた音に横島除霊事務所にいた全員の視線がそちらに注がれた。視線の先には先程様子を見てくると言って事務所を出ていった小竜姫とヒャクメ、美神令子の母親でオカルトGメンの非常勤顧問である美神美智恵、そして昏睡状態の横島を背負ったタマモがいた。
「タ、タマモちゃん、よかった・・・・・・・・・」
「まったくアンタは! 無事なら無事で連絡くらいよこしなさいよ!」
「ふ、ふん! 女狐が戻ったでござるか! 拙者は心配などしなかったござる! 先生が助けにいったんでござるから助かって当然でござるな!」
タマモが無事だったことに美神除霊事務所の面々は喜びの声を掛けた。一部ひねくれ者がいるようではあるが・・・・・・・・・。しかし、帰還組の表情は優れない。
「何よ、横島くんは寝てんの? まったく、女の子に背負われるなんて情けな・・・・・・・・・!!!!!? タマモ!!! いったい何があったのよ!!!?」
「み、美神さんどうしたんですか!?」
「?????」
いきなりの美神の怒声にたじろぐおキヌ。シロは突然のことにまったく分かっていないようだった。
「令子! 落ち着きなさい!」
「だって!」
「横島くんは何らかの精神攻撃によって昏睡状態になったみたい。」
「「!!!?」」
「これより彼を妙神山へ移送し、治療を行います。 後は小竜姫様とヒャクメ様におまかせしましょう」
美智恵は美神を押さえつけながら横島の現状について話した。途中、おキヌやシロもその重大さに顔が強張っていた。
「精神攻撃って・・・・・・・・・まさかあの馬面が!!?」
「馬面って誰でござるか?」
「いいえ、ナイトメアではなさそうよ」
シロの質問にシカトぶっこいて話を続ける美神と美智恵。おキヌに至っては「え〜と・・・・・・・・・」と言いながら人差し指を顎に当てていた。どうやら名前が思い出せなかったようだ。
「そう、わかったわ。 あとは小竜姫達に任せるわよ。 でも精神治療って事は精神沈降(サイコダイブ)するんでしょ? 誰が行くの?」
「それなら私が!!」
「せ、拙者も行くでござる!!」
「いいえ、今回の精神攻撃はかなり特殊なようです。 精神沈降は1人でなくてはダメです。 それに横島さんの状態を見る限りではタマモちゃんしかいないと思います」
「な!! 女狐が行くくらいならやはり拙者が!!」
小竜姫の説明にタマモの名が入っていたことにムキになるシロ。しかし、その勢いも美神によって撃沈された。
「戦いの場にいた。 尤も現状を把握しているタマモが最適って事ね?」
「はい」
小竜姫の「行きましょう」という言葉に合わせて横島除霊事務所から妙神山へと続く扉に向かう小竜姫、ヒャクメ、そして横島を背負ったタマモ。美神達も付いていこうとしていたが今回の精神沈降ではかなりの精神集中がヒャクメに課せられる為にギャラリーは居ない方が良いという理由でこちらに残ることになった。
つづく
なかがき
こんにちは鱧天です。今回のLoD 7 Awakeningその3は如何でしたか? 次回はタマモ横島の精神世界に沈降(ダイブ)します。
はてさて横島くんの精神世界はどんなんなんでしょうねぇ? まぁ横島くんのことだから・・・・・・・・・フフフフフフフフフ。
さて、今回は投稿にかなり時間が空いてしまったことをお詫び致します。実は自サイトの更新日を毎週日曜日の週一更新に変更しまして、それに合わせての投稿と相成りました。 今後も毎週日曜日に投稿していく予定です。よろしくお願い致しますm(_ _)m