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▽レス始

「ヒーロー見参!! エピソード十四(GS+色々)」

wey (2005-03-13 00:08)
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平穏を打ち砕こうとする闇


それに対抗するため


力を持ちし者たちは


動き始めた・・・。


エピソード十四 戦いの場へ!!


「や、柳生十兵衛ですって!?」


美神たちは突如現れた女性が名乗った名前に驚愕していた。無理も無い、目の前にいるのが幾つもの伝説を持った柳生一族最強の剣士とは到底思えないからだ。


「な、何言ってんのよアンタ!!柳生十兵衛は“男”でしょうが!!」
「私は“二代目”柳生十兵衛だ。“初代”十兵衛とは違う」
「なっ!?」


問いかけた言葉をアッサリと切られ唖然とする美神。それを尻目に十兵衛は鉄針を持ったピートに刀を向ける。


「メドーサ殿の命によりその鉄針・・・貰い受ける!!」


そう言って十兵衛は一気に駆け出すと、ピートに向けて刀を振り下ろす。


「っっっくぅ!!」


反応が遅れ霧化出来ないピートに向けて容赦なく振り下ろされる刀。しかし・・・。


≪ガキィィン≫


その刀はピートを切り裂くことはなかった。ピートの目の前には、サイキック・ソーサーを展開し刀を防いでいる横島の姿があった。


「ふぅぅーーー!!あっぶなかったーーーーーーー!!」


安心し息を漏らす横島。すると、横島は十兵衛の霊波に何かを感じていた。


(この霊波・・・どこかで・・・?)


考えようとするがすぐに目の前の十兵衛の事に思考を切り替える。横島はソーサーで強引に十兵衛を押し戻す。


「す、すいません横島さん」
「気にすんな。とりあえずこの状況なんとかしねーとヤバそうだしな」
「はい」
「・・・っと、なんかヤバそうだな・・・・・起きてるか心眼?」
(ああ、お前の霊波で眼が覚めたぞ)
「とりあえずこの状況見て分かる事は?」


横島の言葉を聞き周りを見る心眼。・・・そして一言。


(・・・戦闘開始だ。いくぞ!!)
「おう!!」


そう言って話すのをやめ十兵衛の方を向く横島。すると唐巣が前に出て十兵衛に問い掛け始めた。


「十兵衛さんだったね。事情は知らないが、メドーサの手下である以上言う事は聞けないね。我々を頼ってきた以上、雪乃丞君は友人だ。お引取り願おう」
「貴方たちは私の敵になると言う事か・・・いいだろう、まとめて始末する。やれ!!」


そう言って黒い男たちに指示を送ると、男たちは美神たちに向かって襲い掛かってきた。


「アーメン!!」
「ダンピール・フラッシュ!!」


二人の攻撃が男に命中する。すると男の顔をしたからは屍特有の腐った皮膚が存在した。


「こいつらゾンビか!?」
「こりゃぁ厄介だぞ!!」


驚きつつも戦闘を再開させる唐巣とピート。その後ろで美神はジッとその様子を見ていた。


「み、美神さん!!ほっといていいんスか!?」
「先生ってその場の熱血で後の事考えないから・・・まいったなー」


美神は頬をかきながら考え始めた。するとそこに心眼の言葉がはいる。


(美神殿!!小竜姫と唐巣神父への義理があるのだろう!!)
「金になんないからね〜」
(メドーサ打倒という共通の目的があるのだろう!!)
「関わり合いは面倒くさいし」


美神と心眼の間では人情と利益の言い争いが起きてしまった。それを苦笑しながら見ていた横島は言い争いを止めるため自身をゾンビたちの中に向けて走らせた。


(な!?横島!!そなた何を・・・)
「言い争いするヒマ合ったら指示をくれ!!」
(・・・分かった。どうやらこのゾンビたちは通常とは違い中国のキョンシーに近い。そうである以上サイキック・ソーサーではあまり効果はないだろう。・・・こうなったら変身を「ダメ(よ)(です)!!」・・・え?)


横島と心眼は美神たちの方を向いた。すると、美神は顔を俯かせ、タマモは手をギュッと握り締め、おキヌは眼から溢れんばかりの涙を流していた。


「美神さん!!一体どうしたんですか!?タマモやおキヌちゃんまで!!」
「・・・理由は言えないの。でもお願い・・・お願いだから変身だけはしないで。変身するんなら代わりに私がやるわ」


そう言って美神は前に出ると、神通棍を出すと同時にゾンビたちに精霊石を投げつけ吹き飛ばした。


「こんのぉ!!」
「え〜〜い!!」


タマモは狐火でゾンビを燃やし、おキヌはどこから持ってきたのかフライパンでゾンビを殴り飛ばした。


「この場で決着をつけたいところだが、こちらも予定があるのでな」


そう言って十兵衛はポケットに手を入れると土と描かれた将棋の駒のような物を美神たちに投げつけた。すると地面に落ちると同時に強烈な光が発生し美神たちを包む。そしてその隙にゾンビの一人が鉄針を奪い取った。


「な、何だ!!」
「あ、足元が固められてるぞ!!」
(まさかこれは・・・結界の一種か!!)


心眼が叫ぶように十兵衛に問いかけると、十兵衛は刀を鞘に戻し心眼の問いに答えた。


「そうだ。メドーサ殿から貰い受けた結界兵器『土角結界』という。これを受けた以上、貴方たちはその場を動く事は出来ないだろう。・・・さらばだ」


そう言うと十兵衛は地面から出てきた装置のような物に手を乗せると、ゾンビたちを引き連れて撤退して行った。


「待ちなさいよコラーーーーーー!!」
「そんな事より美神さん!!早くなんとかしないとヤバイっスよ!!」


ドンドン固まっていく美神たち。そんな時、唐巣はなにかを閃くと、担いでいた雪乃丞を横島に渡した。


「美神君!!精霊石を私に!!」
「どうする気!?」
「結界そのものの効力を打ち砕く事は無理かもしれないが、効果を与える対象者を個人に向ける事は可能なはずだ!!」
「でもそれじゃ先生が!!」
「やるしかないんだ!!・・・いいね?」
「・・・わかったわ」


唐巣の言葉に従い精霊石を渡すと、唐巣は精霊石の力を開放し結界の流れを自分に向けた。


「せ、先生!!」
「おっさん!!」
「来るな!!!!」


駆け寄ろうとする横島とピートを般若のごとき表情で止める唐巣。しかし次の瞬間には仏のような優しい顔になった。


「後は頼むよ。横島君、ピート君、そして美神君」


そう言った瞬間、唐巣は閃光に包まれた。そして光が消えると、そこには土角結界で石像となった唐巣の姿があった。


「せ・・・先生。僕が・・・僕がもっと強ければ、守れたはずなのに」


ピートは石像となった唐巣に近づくと、膝をついて涙を流した。それを美神たちは何も言わずに見ていた。


「・・・し、心配するな。元に戻す方法は・・・・ある」


すると横島に担がれていた雪乃丞が目を覚ました。するとピートは怒りをむき出しにして雪之丞に掴みかかる。


「どうやるんだ!!早く言え!!僕たちをこんな事に巻き込みやがって!!先生が元に戻らなかったらお前も殺してやる!!」


完全に我を忘れているピート。それを止めようとしていた横島がある事に気付いた。


「ちょっと待てピート。・・・お前、怪我してるんじゃ?」


横島はそう言いながら雪之丞の着ていたコートを脱がすと、Yシャツの右肩の部分が血で赤く染まっていた。


「ここに来る途中でドジってな・・・正直もう意識が・・持たな・」


そう言い掛けて雪之丞は意識を失ってしまった。


場所は変わり香港。山の上の辺りにある屋敷の中で無線機を片手に水晶を見つめる銀髪の女性・・・メドーサがいた。


「そう。それはいい知らせね。はやいとこブツを持って戻ってきてちょうだい」


メドーサはそう言って無線機の電源を切ると、誰もいない隅を見る。すると、そこからは薄気味悪い能面が浮かび上がった。


「相変わらす唐突に出てくるわね。太鼓太夫」


メドーサの言葉を受け実体化する太鼓太夫。


「それにしてもどんな術を使ったんだい?あの柳生十兵衛を味方に引き込むなんて」
「ほっほっほ、それは聞かぬのがお約束ですぞ。しかしながら、今回奪った鉄針はどんなシロモノで?」
「ふ、アレは今ある世界のバランスを崩壊させるモノを起動させるのには必要不可欠なのさ」
「左様ですか。では、私は暫らく休ませて貰いますぞ。何せまだこの身体は馴染んでないものでして」
「ああ、好きにすればいい」


メドーサの言葉を受け消えていく太鼓太夫。


「それにしても、まさか雪之丞が邪魔に入るとはねぇ・・・。でももうすぐ、アジア全域で神魔の勢力図が書き換えれるわ。フフフ、アハハハハハハ!!」


メドーサの笑い声が屋敷内に響き渡った。


場所はまた教会。教会内の長椅子に横になっている雪之丞を囲み美神たちは事情を聞きだしていた。


「さて、雪之丞。これからどーするつもり?」
「とりあえずここで作戦を練ってから、香港に乗り込むってとこだな」


包帯の巻かれた上半身を起こしながら雪之丞が答える。


「本当に先生は元に戻るんだな」
「ああ、土角結界は作動すると解除は不可能だが、使用した奴を押さえりゃ問題ねえ」


雪之丞からある程度の説明を受けピートはようやく胸を撫で下ろす。


「で、今回の事は金になる事なの?」


美神の言葉に全員がずっこける。


「金になるかは分からねえが、多分乗ると思うぜ。・・・“元始風水盤”って知ってるか?」
「げ、元始風水盤ですって!?じゃぁアイツ等はアレを使って・・・!!」
「察しがいいな。そうだ、アレを使えば地脈を思い通りに変えられる。つまり大地の気を自由に動かせるって訳だ」
「そうか!!地上のバランスを意のままに覆すことが出来る!!そんな事になったら・・・」
「間違いなく聖書級大崩壊が起きるのは間違いないわね」


美神の最後の言葉に下を向く面々。すると横島が顔を上げ雪之丞に尋ねた。


「そういえば雪之丞?お前何でこんな事に巻き込まれたんだ?」
「ああ、香港でモグリのGSをやっていた時にある依頼主から頼まれたんだ。ソイツの名は・・・≪バタン≫・・・ん?」


雪之丞が名前を言おうとした瞬間、教会のドアが開いた。するとそこには


「お久しぶりです。皆さん」


下界用の服を着た小竜姫の姿があった。


「しょ、小竜姫様!!」


横島は驚きと同時に小竜姫に駆け寄る。それを見た美神たち(女性)はまた煩悩少年化したかと♯マークを立てていた。小竜姫も初めて下界に来た時横島にルパンダイブをされたので一瞬身構えた。しかし・・・。


「また会えて凄え嬉しいです!!変わらず綺麗っスね!!」


本音を言いながら頭を下げた。そして頭を上げるとそこには120%の笑顔があった。(エピソード七参照)


≪ボボン!!≫


一瞬にして頬がリンゴのように真っ赤になる小竜姫。


(あちゃ〜(あう〜))


それを見ておキヌとタマモはなんとなく確信してしまった。


“あの笑顔にやられたなぁ”と・・・。(二人とも経験済み)


「と、ともかく!!雪之丞さんに依頼したのは私です。雪之丞さんは香港の地理に詳しいと思って」


どもりながらもしっかりと説明する。すると、雪之丞が怪訝な表情で小竜姫に尋ねた。


「まだ仕事も本格的に始めてねえのに何で来たんだ?」
「はい。実は私の方で調べてみたのですが、今回の事件に関わっているのはメドーサだけではなさそうなんです。少々厄介な相手が関わってきています」
「誰よ一体?」


もったいぶっている小竜姫に美神が尋ねる。それを聞き小竜姫はその者の名を答えた。


「現在神魔要注意レベルBランクの怨霊『太鼓太夫』」


「はっくしょい!!ん、風邪かのぉ」


屋敷の一室で太鼓太夫はクシャミををしていた(汗)


「なるほど、そういう訳ね」


全てを聞き納得した美神。


「神魔人の一流剣士の身体を奪う事が出来るとは・・・厄介ですね」


奇異な能力を持つ敵に存在にピートは頭を悩ませていた。その時、教会のドアの所に眼鏡をかけた三十台後半の男が肩で息をしながら立っていた。


「あの、ここにピエトロ・ド・ブラドーという方はいらっしゃいますか?」
「はい。僕ですが」
「あの、俺菜ノ花自由の父の彩って者なんですが、じゅうべえ・・・いや自由はこちらに来ていないでしょうか?」
「いえ・・・何かあったんですか?」
「実は・・・自由が昨日から家に帰ってこないんです!!」
「「ええ!?」」


それを聞き同じクラスだった横島も驚いた。そしてこの後知る事になる。自由の正体を・・・そして何が起きたかを。


あとがき
なんとか書き上げました。結構眠いっス。
今回は本来勘九郎がやる役を十兵衛にさせてみました。まあそれだけでは終わらないと自分は思っていますが・・・。

さて次回は遂に本格的な戦いに入りますので・・・さらばです。 BYwey

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