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▽レス始

「妖物のお医者さんR 第3話(後編)(GS&動物のお医者さん)」

闇色の騎士 (2005-03-02 08:39/2005-03-02 13:02)
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〜第3話(後編)〜


その日…横島は無性に胸騒ぎを感じ、初めてその施設への道を辿ったのだが…

「確かこっちだったかな、つか…なんなんだ?この嫌な「感じ」は…!?」
山を登る途中からじわじわと広がる「魔」の気配…

まだ霊能力に目覚めて半年足らずの横島であったが、それが尋常ではない事は「本能」で感じとっていたのだ。

「ちぃぃ!何だよこれは!!」

山道をマウンテンバイクで突っ走り、施設らしき建物に着いた時…横島は見た。

建物を覆う巨大な「闇」を。

そして建物の前に茫然と立つ彼女の姿。

「ヨコシマ!」
蛍の細身の体が彼の腕の中に飛び込んできた!

「蛍!無事だったか!」
「私は大丈夫…でも、みんなが中に取り込まれて…」

「助けを呼んでいる暇は…無ェか!」
横島は右腕に宿る「栄光の手」を発動させた。

「くぅ…お、俺が…やるしかない!」
(クソ!足が震えやがる!しっかりしろ!俺!!)

ビュィィィン!

光る霊波刀がすぐに出現する。

人に隠れてこっそり訓練し、ようやくここまで磨き上げた横島の奥の手。

栄光を掴む手…ハンズオブグローリー。

現在には及ぶべくも無いが、プロのGSが見ても目を見張っただろう。

その出力と、収束率に。

「ヨコシマ…」
「やるしか…やるしか無い!」
蛍を下がらせた横島は、ゆっくりと建物に近づく。

(馬鹿みてぇに強力なパワーを感じる…)


”ほう 力のある奴がここにもいたか”


「!…誰だ?てめーは!?」
突然脳裏に走った重苦しい「声」


”我 封印されしものにして 無を導くものなり”


「何の事だ?てめぇは一体何なんだよ!!」


”我 蘇りし後 ちからの不足を補う為命を食す也”


「何だと!?」


”「無」を呼び込み 全てを還元する「ちから」を”


「……ふざけるな!」
横島は怒りの叫びを上げながら「栄光の手」を振りかぶる!

恐怖よりも、今は怒りが勝った。


”我と戦おうというのか 面白い”


「闇」は自分の一部を収束させて人型の分身を作り上げた。

ドシュンッ!!

影の様な体に二つの目がギラギラと光る異形の姿…

「…くそっ!やったらぁ!!」
すかさず横島は「闇」に対して攻撃を仕掛けていく。

ガキィィィン!

横島が繰り出した大上段からの斬撃を、「闇」は漆黒の剣で受け止める!

「ちぃ!」
一旦飛び退いて態勢を整える横島だが…

”ふん 今度はこちらからゆくぞ 我を楽しませるがいい”

「闇」が攻勢に出た。

シャシャシャッ!!

「うわわわわっ!?はっ!とっ!!」
鋭い突きの連続に、横島は非常識なほどの身軽さでかわす。


(ヨコシマ…あんなに強かったなんて…知らなかった…)
その光景を茫然と見ている蛍。

普段の姿からは想像も付かないような身のこなしであったからだが…

”なかなかしぶといな ならこれでどうだ”

「闇」が手を天にかざした、そこへ黒い波動が集中していく…

「な、何だ?」

”我が力 まだ完全には回復せず しかし人間如きこれで充分也 死ぬがいい”

「闇」は右手に集めた漆黒の闇エネルギーを無造作に投げた!

「げ!?や、やばいっ!!!」
横島はとっさに「栄光の手」を霊波シールドに変え、前方に急展開する!

ほぼ同時に闇の破壊球が叩き付けられた!


スドォォォォォォンン!!!


「うわああああああああああっ!?」

「ヨ、ヨコシマ〜っ!?」

爆発の中に消えた彼の名を蛍が叫ぶ!

その直後、彼女の足元になにかが吹き飛ばされて来た。

どしゃっ!

「ヨコシマ!」
そう、全身ズダボロになってはいたが、それは横島だった。

シールドを展開しなければ、おそらく肉のかけらも残らず消し飛んだだろう。

「ぐ…ぁぁぁ…」
「ひ…酷い怪我…」
その有様に絶句する蛍。

彼らは知らなかったが、この「闇」は神にも魔にも属さない異次元の邪神だった。

奴は「全てを無に帰す」のが目的であり、幾つかの次元を滅ぼした後この世界に現出したのだ。

その力は恐らく最高指導者クラスであろう。


それは今から二年前。

現れた場所は、何処とも知れぬ夕日の海岸。


”ククク…滅ぼし甲斐のある世界だ”

出現した奴は、歓喜に打ち震えていた。

どうして自分がそういう事を成したいのかの疑問も不必要。

奴はただ、何もかもを消し去ると言う概念のみを持つ存在だからだ。

こんなとんでもない存在がどうして生まれたのかは謎だが、この謎はこれからも解ける事はあるまい。

”さて どうしてやろうか”

広大な世界、その一部である海を前にほくそ笑む邪神。

だが…

「済まないが、そうはいかん」

”何奴!?”

やる気満々の邪神の前に敢然と立ちはだかったモノが居た。


それは…白いローブ状の服を身に纏い、額に謎の文字が書かれた厚手の布を巻いた青年。

この世の者とは思えない超絶の美貌を持つその存在。

名を「平衡の守護者」と言う。

どんな昔から彼が存在しているのかは誰も知らない。

神族、魔族の最高指導者と呼ばれる存在すらも恐れる…人界を守護せし者。

神魔の力量バランスを重んじ、平衡を保つ為に彼は居る。

この世に光と闇、昼と夜がある様に…

神と悪魔、そして地上に生きる命…どれが欠けてもバランスが崩れ、やがては全ての世界を滅ぼす事になるからであった。

人だけでなく、全ての命を護る男。

だが今はその瞳を紅く染め、凍てつく様な視線を邪神に向けている。

「お前を…存在させる訳には行かん」
水色の髪をなびかせながら、彼は臆する事無く邪神に戦いを挑んだ。

”賢しいわ!消し去ってくれる!!”

嬉々として迎え撃つ邪神。

夕日が照らす中、世界の明日を賭けた戦いが始まる。

”死ね”

邪神が無数の闇の剣を召喚すれば…

「無駄だ」

平衡の守護者が光のシールドでそれを弾き飛ばす。

「消えろ」

お返しとばかりに、彼が蒼い火球を雨あられと放てば…

”鬱陶しいわ!”

邪神はそれをあっさりと飲み込む。


その一進一退の、激しい戦闘は丸三日間続いた。


そして…

「これで終わりだ、貴様を永劫封印刑に処す」


シュゥゥゥゥウン!


ドン!


”がっ!?”

現れた無数の魔法陣の様なモノに、全身を拘束される邪神。

”馬鹿な 動けぬだと?こやつは一体…”

「さらばだ、地底の奥深くで永劫の時を過ごすがいい」

”うぉぉぉぉぉ!や やめろぉぉぉ!!”


ダン!ダン!ダン!


邪神の姿が白いカプセルで覆われ…

シュィィン!

地球の核近くにある「封印空間」と呼ばれる永劫牢獄に送り込まれた。

「……」
秀麗な顔に何の表情も浮かべず、彼はローブを翻して去って行く。


それから…現在まで奴はそこで深い眠りについていたのであった。

まさかこんな早く開放されるとは思ってなかっただろうが…

何故封印が解けたのかは、今となっては知る由もない。

そして、何故そのカプセルがこんな所の…しかもあんな浅い土の中に埋もれていたのかも。

ただはっきりしていることは、この歩く「危険」がそこに今存在している事なのだ。

「ヨコシマ!しっかりして!ヨコシマ〜ッ!」
蛍は必死に彼の名を呼んだ、が…

「く…う」
横島は呻くのが精いっぱいだった。

「このままじゃヨコシマが死んじゃう!」
蛍は迷わず「ちから」を開放し、「治療」を始めた…

「お願い!保って!私の命!!」

二人の体が淡い燐光を思わせる輝きに包まれる。

”く…何だこの不快な輝きは…”

「闇」はその光に近付けないらしい、蛍が取り込まれずに済んだのもそれが理由だったのだ。

(生きて…生きてヨコシマ!!!)

二人を包む燐光が一際輝きを増す。


「う……蛍?」
横島は意識を取り戻した。

傷はほぼ完全に塞がっている。

「よかった…ヨコシマ…」
蛍がそう言って微笑む。

「!?」
その蛍の姿を見て横島は驚いた。


何故なら…彼女の体が霞のようにぼやけて見えたからだ。


「お、おい…蛍!?」
「……ごめんね、「ちから」を使いすぎたみたい…」
力無く言う蛍、彼女の体は今にも消えてしまいそうである。

「そ、そんな…お、俺なんかを助ける為にお前がいなくなったら意味が無いじゃないか!」
「あるわ、貴方はあいつを倒せる「ちから」がある…私にはこれしか…出来ないから…」

「で、でも!」
今にも泣きそうな顔で叫ぶ横島。

「今の私には解るの…あいつを生かしておいたらもっと酷い事が起こるから…お願いヨコシマ、あいつを…倒して…!」

彼女の体が少しづつ光の粒子のようになって消えはじめる…

「駄目だ!蛍!!アイツは俺が倒す!だから!消えちゃ駄目だ!!」
横島は必死の形相で蛍に手を伸ばした。

「!?」

だが、その手は空を切る。

「嘘だろ!?そんな…駄目だ!約束したじゃないか!一緒にまた夕焼けを見るって!!!」


「ごめんね…約束…守れなくて…貴方に逢えて…良かった…」
最後に彼女は精一杯の笑顔を見せた。


そして、横島の目の前からから蛍は…


完全に消えてなくなったのである。


「う、うわああああああああああああッ!蛍ゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」


横島は喉が張り裂けんばかりに絶叫する!

『悲しまないで…ヨコシマ…私は、何時だって貴方のそばにいるから……』

それが横島の聞いた、生きている蛍の最後の言葉だった。

”ククッ…ハッハッハッハッ……”
「闇」の嫌らしい笑いが辺りに響く。

「……何が、可笑しい…」
横島は奴に背を向けたまま言った。

”おかしいさ 生物というものは面白い そういう茶番を見せてくれるからな”

「茶番だと?てめぇは…命が消える事を茶番というのか?」
横島はゆっくりと立ち上がる。

”言うとも さあ 次は何をして我を楽しませてくれるのだ?”

ドンッ!!!

突然、横島の体から恐ろしい程の「霊気」が放たれ始める!

”な、何ぃ?”
「闇」が初めて驚いた様な声を上げた。

「うるせぇ…黙れ!!!」
壮絶な霊気を迸らせる横島!

”…!!”

生まれて初めての、いや!

”平衡の守護者”に封印された時と同じ感情が「闇」を貫いていた。

そう、「恐怖」という感情が。

「てめぇは…てめぇは…ぶっ殺す!!!!!!」
振り向いた横島の顔はまさに「鬼神」の如くであった。

”何を小癪な事を言っている 屑の様な人間風情が”

「黙りやがれ!三下!」
横島は叫ぶと、両手をゆっくりと合わせて上に上げた!

そこから霊波刀が発生し、天を衝く勢いで伸び始める!

”な なんだこの「ちから」は この小僧の何処にそんな…”

「闇」は焦りを感じて居た。

そう、かの「平衡の守護者」に対して感じた様に。

こんな何の変哲も無い子供に自分が倒される…?

しかも力を取り戻してない状態では、完全に滅ぼされるかも知れない。


”待て!小僧!取り引きをしないか?”

(この様な所で滅びる訳にはいかん 何としてでもこの世界を無に還さないと)

「ふざけてんじゃねぇ!」
耳を貸さない横島。

”さっき消滅した女、あれを復活させられるとしたらどうする?”

「なんだと!?」

”我の中心にあるこの闇の玉 この力を解放すれば容易いこと 我も滅びたくは無いのでな”

「……」

”どうする?貴様とて永遠の別れは辛かろう”

「く…」
横島の心に迷いが生じた。

そう、コイツを倒した所で蛍は帰って来ない。

永遠に逢えないのだ。

(うぅ…蛍…俺は…)

葛藤する横島。

あの笑顔をもう一度取り戻せるなら…

だが…

本当にそれでいいのか?

仮に蛍が甦ったとしても、この「闇」が世界を滅ぼす事をやめるとは思えない。

恐らくこいつの性質からして、力を取り戻せば猛然と世界を滅ぼし始めるだろう。

しかし誰が一体想像できる?

一介の高校生が、世界と恋人のどちらかを選ぶような事態に陥るなどという事を。

(どうすりゃいいんだ…何で!惚れた女と世界を天秤に掛けなきゃならないんだよ!)

嘆きの叫びが心の中で響く。

その時、横島の心に蛍の顔が浮かんだ。

彼女は泣いていた…

泣いて、悲しそうに顔を左右に振る。


『駄目よ…ヨコシマ…約束したでしょ?…アイツを倒すって…』

(蛍!)

『今しかない、私のちからが貴方の中に残ってるウチに…』

(しかし…)

『私一人の命と貴方の友達に両親、私の姉妹達…世界を天秤になんか掛けられないわ…お願い!ヨコシマ!』

(蛍…俺は…俺は…!)


心は…決まった。

「…解ったよ、蛍」
横島は一気に霊波刀に力を注ぎ込む!

”貴様!女を甦らせたくはないのか!?”

狼狽した「闇」の叫びが走った。

「…てめぇの誘いに乗っちまったら…多分、俺の心の「蛍」は永遠に笑ってくれねぇ」

”何だと?”

「それに、仮に生き返ったとしても…それこそあいつに殺されちまう」

”馬鹿な!?”

「何でみんなを救ってくれなかったのよ…って…な」

”むうう 考え直せ!生き返って喜ばない者などおらぬ”

「てめぇには、解らねぇさ」

ぎりりっと横島の奥歯が軋む。


”やめろ!やめろぉ!”

「闇」は必死で逃げようとする!


「これで…終わりだ…!」
身長の4倍程も伸び、太さも横島の体の幅以上になった、いわば超霊波刀を…


「う…わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」


怒りと哀しみの篭った絶叫と共に、横島は容赦無く振り降ろした!


ザンッ!!


”がっ……馬鹿な…”

「闇」は綺麗に一刀両断されていた。

”そんな……我が…われが…こんなこぞうにほろぼされ…”

そして、「闇」はきらめきながら砕け散ってゆく…


「蛍…やったぜ…」
横島は霊波刀を収めながら、ぽつりと呟いた。


『ありがとう…ヨコシマ…』
心の中の蛍はにっこりと笑い…そして消えて行く。


辺りから「闇」は消え去り、澄んだ山の空気が戻ってくる。


だが、今の横島にはそれさえも色褪せて見えた。


「俺は結局…惚れた女の一人も護れなかった…女の子を好きになる資格なんて…無い!うう…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

拳を大地に叩き付けて横島が慟哭する。


あの日の様に、落日の光が山を照らし…


「蛍ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!!!」


横島の血を絞るような絶叫が、山々に響き渡った…


余談だが、横島の行為は間違い無く世界の危機を救ったとは言える。

何故なら…

”平衡の守護者”はこの時、やはり三界を揺るがしかねない事件を解決する為…人間界には居なかったのだから。

そして人界最強と言われるその友も。


だが彼は結果的に…自分の心とかけがえの無い人を救えなかったのである。


その底知れぬ「痛み」が、これからの横島を変えて行く事になるのだった。


「…さん……こしまさん…」

「ん…う」

「起きて下さいよ横島さん!」

「あう!?」
耳元で大声を出されて横島は飛び起きた。

辺りを見回すとそこは待合室。

どうも精算を待つ間に、うとうととうたた寝をしてしまったらしい。

「また、あの夢か…」

「え?」

「いや、何でも無い」
ピートが聞き返して来るが、横島は曖昧な笑顔でお茶を濁した。


(横島さん…またあの時の夢を見てたのかな)
顔には出さずピートは心の中でひとりごちる。

彼はあの事件の前の横島の変化の理由も知っており、始まったばかりの恋を密かに応援していたのだが…

だが、「あの日」の後の横島は、学校にも来なかった。

心配したピートは放課後速攻で横島のアパートに駆けつける。


しかし、横島は出て来なかった。

それから直ぐに夏休みに入ったが、その間彼の姿を見る事は無く…

新学期に入っても、横島は登校しなかったのだ。


十月に横島は帰って来た。


自宅前で偶然捕まえたのだ。

「横島さん!一体今まで何処に行ってたんですか!!!」
「ピート!?」


(それにしても驚いたなあれは…見違える様に男らしくなってるんだもんなぁ)


あの後聞かされたこの三ヶ月間の話。

ピートは激しいショックを受けざるを得なかった。

背も伸びて、逞しくなった横島。

だが、その心には深く刻み付けられた悪夢の刻印が眠っている。


ピートはこの時初めて信じていた神を呪った。

(あまりにも…酷すぎる仕打ちではないですか!主よ!!)


それから、彼は今までと同じ様に横島と接してきた。

彼の為に、常に何か出来る事は無いかと模索しながら…


最も、何故か助けられる事の方が多いのであるが(汗)


(結局…何の役にも立ててない…とほほ)
ある意味ピートの悩みも深刻だった。


悪霊を始末した後、当然ながら美神教授の執拗な勧誘が来たのだが…(笑)

「凄いわ横島クン!是非私の助手やらない?どーんと時給250円出すから!!」
とんでもない事をのたまう美神。

「「安っ!?」」
思わず叫ぶ横島とピート。

「これじゃ足りない?じゃ思い切って300円!!
「見事に労働基準法違反ですって」
「ハンバーガー屋でバイトしたほうが楽っスよそれ」
まだ言う美神に二人の突っ込みが同時に入る。

「そんなぁ!これでも譲歩してるのにぃ!!」

「「してませんて」」

あまりにも非常識な条件だった為、全く相手にされてなかったのであった。

「てな訳で失礼するっス」
「さよなら〜〜〜」

「あ…ちょっと!」

勝手に憤慨してる美神を置いて、部屋から出る二人。


「…今日は見逃してあげるわ、でも除霊にお金の殆どかからなそうな貴重極まりない人材!絶対に諦めないわよ!」
セコい事をのたまいながら燃える美神だった。


こちらは脱出した横島達。


横島は勧誘前に美神が言った事を思い出してみる。

「そうそう、その子近いうちにパルボとジステンバーの予防注射をしたほうがいいわよ」

「呼ぼう駐車?」

すぱーん!

美神のハリセン(出所不明)が容赦なく横島に炸裂する!

「あうちっ!」
「訳解らんわ!潰れかけの駐車場のキャンペーンじゃあるまいし!」

きっちり突っ込みを入れる美神であった(汗)

というかどんな駐車場だよ。

「……まるっきりですね……」
その光景を見なかった事にして、ピートが溜息を吐いた。

「く〜ん(酷いでござるよピート殿…(涙)…注射とはなんでござろう?)」

シロよ、それは知らない方がいい(笑)

「お待たせしましたー横島さん、10万円になります〜」
長いお下げを二つ垂らし、赤毛がかった色の髪を持つ受付の女性が営業スマイルでのたもーた。

彼女、何となく貧乏そうな雰囲気があるのは何でだろうか?

「……高いのか安いのか…判断に苦しむな」
「ですね」
二人は苦笑しながらもお金を支払って除霊所を出る。

ユウリから貰ったお金はピッタリ10万円…恐るべし人工幽霊。


帰り道、横島は考えていた。

除霊にはそんなに感動しなかったけど、自分で除霊した方が早いし確実だし第一安上がりで済む。

更に家には化け猫と恐っろしい魔鳥もいるし(爆)

こいつらがまた厄介な事に巻き込まれる可能性も否定できない…(溜息)


GS…か。

少しでもあんな事件を減らせるかも知れないし、あの教授の予言通りってのはなんか嫌だけど…

俺は目指してみるよ、ゴーストスイーパーを…

それでいいかい?


なあ、蛍……


〜第4話に続く〜


後編はかなり加筆しました。

重要なシーンだけにかなり力を入れたつもりなんですけど…

反応が怖い今日この頃;;


では、前回のレス返しです。


十六夜様>
あの煩悩少年が変わるには、ここまでの理由があったのです。
でも、周囲は死ぬほど驚き続けるのですが(笑)


片やマン様>
シロの人化は…原作の「動物〜」に沿う限り難しそうです、裏技を使わない限りは(笑)この過去は書いてる方も辛いです…でも、これがウチの横島クンの出発点ですから、避けては通れない道なんですよね(涙)


Dan様>
それなりに情報を埋めてみましたが、今回どうでしょうか?ちょっと原作ティストを効かせてあります。


海月様>
シロの人化ですか…早くしたいのはやまやまなんですが、原作との兼ね合いと他SSとの差別化の意味もあり、なかなか出来ないのが現状です(涙)


ATK51様>
エミ嬢に今出てこられると話が混乱しますしね(汗)
今回美神さんは加筆された分もっと悪どくなっております(おい)所で…みやむーがツボに嵌りましたか?確か外伝で一回しか使ってない表現なんですが(笑)


wey様>
いかがだったでしょうか?この様な事件を経験してガラッと変わってしまった横島が、この先自分を許せるのは何時になるのか…がテーマだと言っても過言では無いんですよね…


Yu-san様>
なんだか凄く懐かしいコメントですね(笑)確か以前も同じコメントを頂いた気が…(爆)


D,様>
その時彼女は屋敷でしたが、前の主達がブチブチ文句を言ってたので知ってるんですよ。ちょっと説明不足だったようで済みません(汗)


柳野雫様>
すっかりだれてたんですね、教授(笑)今回はかなり力を入れて加筆してます。


武者丸様>
某机妖怪…いつ出せるのでしょう(泣)蛍との過去はかなり気合入れて書いてしまったのですが、まずかったでしょうか…?


それでは次回日曜日予定の第4話でお逢いしましょ〜でわでわ〜

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