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!警告!壊れキャラ有り

「心眼は眠らない その51(GS)」

hanlucky (2005-02-27 19:50/2005-02-27 22:42)
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「西条さん、何で横島クンがそんな事になってるのよ!?」
『とりあえず落ち着いて、ね? 取調べも大体終わったんだが、どうやら犯人は横島クンを偽の犯人に仕立てようしていたらしい……』

あの事件から、数時間も経ち、ようやく西条と連絡が取れた美神は早速事件の内情について聞いていた。

「……そんな事があったの……ありがとう、西条さん。」
『いいや、また何かあったら連絡するよ。』

一通り聞き終えた美神は電話を切る。

「横島さんは、どうしたんですか?」

おキヌや、愛子にも説明をする美神。

「まぁ、そういう事だし、横島クンは事件解決まで、向こうに居るって。」
「美神さんは、手助けしないんですか?」

おキヌは美神が全く動こうとしないので、当然の疑問を問いかける。

「……ギャラも出ないのに?」
「「………………」」


――心眼は眠らない その51――


空港の事件の後、オカGから事情聴取を受けた横島は、現在、ザンス国王たちの護衛をしていた。
これは悠闇が、犯人を特定できる事が大きかったからだろう。

「ヨコシマさん、ツギはどんな芸をミせてくれるですか?」
「あらよっと!!」

そして何故か、宴会芸を披露中の横島であった。
ザンス王女、キャラットにお近づきするために必死な横島。現在、傘回しの最中である。
そんな横島に呆れながら、周辺に気を配っている悠闇であった。

(王女との禁断の恋!! やったるで!!)

邪な事を考えながらも、芸人顔負けな芸を披露する横島。

「父上、そろそろおジカンです。」
「そうだな……では横島どのも、護衛の方、よろしくお願いします。」

ザンス国王は、これから自国の製品の売り込み演説に行くのでそれに同行する横島。
それは近頃、他国の製品が力をつけて来たので、自国製品の売り上げが落ちてきたからであった。
そのため、ザンス国王は、戒律を破ってまで日本に演説に来たのだった。
そうなると、国内でも反発する者が現れて、空港の時のように命を狙う者も現れる。

「ヨコシマさん、父上をタノみます。」
「任せてください!! 横島忠夫、この命に代えてもあなたのお父上を守りましょう!!」

キャラットは大使館で待機するので、ザンス国王についていかないようだ。
キャラットの手を握り締めて、宣言する横島。

「ナンドも言ってるように、ワタシにサワる、タブーです!!」
「ぎゃお!?」

どうやらザンス王国では、様々なルールがあるらしい。
しかし、どれだけキャラットの精霊獣に殴られても、懲りずにキャラットに触る横島だった。


車で、会場に向かっている横島達。

「しかし大変すね。今時機械に触れる事がダメなんて。」
「キサマ、馴れなれしいぞ。」
「よい、下がっておれ。」

横島が軽々しい口調でザンス国王に話しかけるでSPが注意するが、ザンス国王は特に気にした様子はない。

「娘は、まだまだ世間を知らな過ぎる……その事を黙っていてくれて感謝するぞ。」

機械に触れるな、なんて事は現在の機械文明を生きていく中で守れるわけもなく、自分が機械に触れている事を知らないのは、キャラットぐらいである。
そのため事前にSP達は、横島に機械の事を口止めしていたのだった。

「いずれ娘にも、話さねばならぬのだが……」
「陛下、着きました。」

車から降りて、会場に向かう一行。

「心眼、どうだ? 何か居るか?」
『いや、空港の事で敵は警戒しているはずだ。そう簡単にはいかぬ。』

結局、テロリストは演説が始まっても姿を見せることはなかった。

「―――でありますから、粗悪な他国製品ではなく……」

ザンス国王の演説も終わろうとしているのに、まだテロリストは現れない。
誰もが会場の厳戒態勢に諦めたのだろう、と思っていたその時、

『―――!? 隣の部屋か!?』
「へ!?」

ゴァァァァァ

正に、虚をつくといった所か。
テロリストは、会場の隣の部屋から、精霊獣を召還して壁を突き破ってきた。
これでは、悠闇の霊視でも見つけることは難しい。

「例の怪物か!!」
「日本のSPを舐めるな!!」

前回の精霊獣はライオンであったが、今回のサイのようだ。
横島はすぐに国王のもとに行って、相手の出方を見る。

『(おかしい、敵がこちらを見ていない……!?)横島、敵の狙いは護衛だ!!』
「喰らえ!!」

サイキックソーサーを三連発で投げつける横島。
その全てが直撃して、サイを鈍らせる。

「精霊獣よ!!」

その隙を逃がさず、SP達が総がかりで、人型の精霊獣を召還して、サイをタコ殴りにする。
そして、止めの一撃という事でザンス国王の精霊獣の一撃でサイは滅びた。

『横島!! 隣の部屋へ!!』
「お、俺がか!?」

あまり気の進まない横島。正直めんどくさいなのだろう

『……テロリストを逮捕すれば、王女と親密になれるかもな。』
「グズグズするな!! 心眼、行くぞ!!」

豚もおだてりゃ木に登る。
悠闇は最近このような方法で横島をおだてる事はしなかったのだが、余程テロリストを捕まえたいのだろう。
すぐに壊された壁の向こうに行くが、すでにテロリストはそこにいなかった。

『ちっ! 窓から逃げたか!! それとも……』

テロリストは精霊獣を使用して、空を飛ぶことが出来る。

『監視カメラでは誰が写っていたのだ!?』

空港では横島だった。ならば今回も誰か、横島が知っている人間の変化マスクを被っている可能性は大いにある。

「とりあえず、国王のとこに戻ったほうがいいよな?」
『ん? あぁ、確かにそうだな。』

会場に戻り、ザンス国王の所に戻っていると、犯人を特定したという情報が伝わる。

「それで誰なんすか?」
「……君も知っている人間だよ。」

横島は近くの警察関連の人間に聞き出すが、その男は少しばかり顔をしかめて、その犯人の名を告げる。

「西条輝彦だ。」
「へ?」

監視カメラに写っていた男は、西条だったらしい。
その事を知ってしばらくほうけていた横島だったが、

「そうか!! 謎は全て解けたぞ!! 西条の狙いは、始めから俺を貶める―――」
『そのようなわけないだろう!!』

暴走しそうなので、止める悠闇。

『すまぬが、西条どのは何処に?』
「今、こちらも探して……通信が入ったな。どうやら捕まえたらしい。」

無線で、西条確保の連絡が入る。
悠闇は呆れながら、

『犯人は西条どの―――
 「ああああああああああああ!!!」五月蝿いぞ!!』

悠闇の邪魔をする横島。その真意は明白だろう。
最後まで邪魔をする横島であったが、ようやく観念したのか、西条は犯人じゃない事を教える。
いくら外交上、急いで犯人逮捕をする必要があっても焦りすぎだろう。

しばらくして、西条が横島のもとに来る。
こうも簡単に西条が解放されるは、空港で悠闇が犯人を見極めることが出来る事が皆に伝わっているからであった。

「やぁ、横島クン。今回ばかりは恩に着るよ。……いや、今回の件であの時の事は忘れてあげるよ。」
「まだ覚えていたのかよ。しつこい野郎だな。」

あの時の事は、もちろんアレな事である。
西条はそれを流して、悠闇には心を籠めて礼をする。

「しかしこれで犯人の計画も大きく、崩れるだろうな。」

犯人は、今回で護衛を全滅させたかった。しかし、横島という存在がそれを邪魔した。
何より、横島、西条を仮の犯人に仕立て上げて犯行をスムーズにしたかったはずだ。

「しかし僕を犯人にしようなど……許されない事だ。」
「されるヤツが馬鹿なんじゃねえの?」

すでに犯人の計画は、破綻しかけている。
これ以上の計画の続行は危険と考えるのが普通だろう。

「犯人は、本来ならこれで護衛を片付けたかった。これはまず間違いないね?」
『あぁ、そして国王のみになったところを狙うつもりだった。』

横島を放っておき話を進めていく。

「だが、それも不可能となった。そして何より、犯人がまだ捕まっていないのと、変化マスクの存在。この違いは大きい。」

一般人が変化マスクの存在を知るわけもない。仮に知っていたところで、今回のように簡単に西条を犯人扱いしてしまった。
だが、西条が犯人じゃないということで変化マスクの恐ろしさを知った。
そうなるとこれからは、ザンス国王に何かを渡す時もその間に、最も変化マスクを使われる恐れがない人物、この場合実力を考えれば横島が入ることになる。

『となると、犯人は別の手口で国王を仕留める必要がある。』
「問題はそれなんだよ。空港での事で、距離が離れていても、横島クンの《護》で大抵の事を防げる事を、犯人が理解していないわけがない。」

二人が悩んでも、何か、コレといった考えが浮かんでこない。

「……は〜、王女様と親密な関係を気付けるチャンスやったのに。」
「王女?」

横島が何気なく、呟いた一言に反応する西条。

「横島クン、キャラット王女は今何処に?」
「あ? 確か大使館って誰かが言ってたぞ。」
『西条どの、それがどうか……まさか!?』

悠闇も西条の考えている事に気付いたらしい。
そして全く理解していない横島。

「横島クン、君も少しは知識をつけたまえ。力だけでは、この先、生きてはいけないよ。」
「うるせえ、俺には心眼がいるから大丈夫だ。」
『だからといって、テストの時、ワレを頼るのはよしてくれ。』

授業中、悠闇に勉強させている横島だった。

「おつむの弱い横島クン、いいかい、よく聞きたまえ。可能性の問題だが、犯人はすでに当初の計画を捨てていると考えられる。」
「いちいちうるせいな。で、それで?」

どっちもどっちの西条、横島である。

「犯人の目的は、国王の暗殺。しかし横島クンがいる以上、それも難しいと判断したはずだ。」
「な、なんだよ。いきなり褒めるなんて?」

西条は、横島の事は嫌いだが、評価はしている。間違いなく、戦闘力なら自分の師も越えているだろうと。
第一にその嫌いという事も美神が関係していなければ、大したことではない。

「何より、犯人の精霊獣は残り一つ二つだと推測できる。これは何故だかわかるかい?」
「…………ま、待てよ。今、考えてるから…………たくさん持ってるなら、始めから一気に仕留める事も……可能?」

横島が馬鹿にされまいと必死に考えて、答えを出す。
西条は満足そうに、正解だと言う。

「国王のSPは二人、そして王女。精霊獣は合計4体ということだ。僕なら精霊獣の数が上回っているなら、警戒される前に短期決戦で仕留める。」
「な、なるほどな。……いや、俺もその程度の事はわかっていたからな。」

精霊獣の強さは、使う人間の強さで大きく変わってくる。悠闇の霊視の結果、犯人の霊力は、国王に匹敵していた。
そして犯人の実力ならば、一対一ならSPやキャラットの精霊獣に勝つ事はたいした事ではない。
そうなれば幾らザンス国王の精霊獣が強くても、三対一ほどで来られた勝ち目はないだろう。
だが、犯人は策を練ってきた。この事から犯人の持ち駒が少ない事が伺われる。

「だがこちらは未だ無傷。対して犯人の持ち駒は半分、または半分以下。だが今の僕たちは戦力を分散している。」
「分散て……まさか王女様!?」
「そう、王女を人質に取れば、精霊獣を持つ犯人を捕まえる事は、普通の警察はおろか、並のGSでも不可能だ。」

キャラットを人質にする事ができれば、後は様々な要求がする事が出来る。
いや、その隙をついて王の殺害も可能になってくるのだ。
西条は、自分なら横島を動けなくさせてから、王を一人にさせて殺害すると言う。

「国王、可能性の問題です。王女は今、危機に晒されているかもしれないし、さらされていないかもしれません。しかし可能性がある以上、行かなければなりません。」
「……では余にどうしろと?」

慌てるわけにはいかない。ザンス国王は娘の危機を知っても、動揺する姿を見せない。
その態度はテロに屈するつもりはない、と言っているモノであった。

「犯人が精霊獣を使用して、空を飛んでいる報告はありません。ならば大使館まで、犯人が普通に走っても一時間以上あります。」

変化マスクの売っている店は少ない。そのため調査は簡単に終わったが、日本で悠闇が見たような人相の男が買った情報はなかった。
何より、ザンス国出身の者たちと同じ肌の色をしていた。
つまり犯人はザンス出身。機械がタブーというのなら、バスやタクシーといった交通機関を使うわけはない。

そして、西条は一つの策を会場の皆に伝える。
もちろん会場に犯人がいないのは悠闇の霊視で分かっている。

「何もなければそれでいい。しかし、何かあっては遅い。…………僕を犯人に選んだ事を後悔させてあげよう。」


大使館には見えない、普通の家のような大使館。
そんなザンス大使館には現在、キャラット王女と大使がお茶を飲んでテレビを見ていた。
すでにザンス国王襲撃から一時間以上経っているというのに、事情が伝わっていないのだろうか?

ドカッ

「「―――!?」」

壁が破壊されて、外からヘビとガイコツの精霊獣が現れる。
西条の予想通り、犯人は警備が手薄なキャラットに目をつけたようである。

「ウゴくな!! ウゴけばコロスぞ。」
「あ〜〜れ、助けて〜〜〜。」
「姫〜〜〜。」

もの凄く胡散臭い、大根芝居を演じる二人。完全に犯人を馬鹿にしている。
キャラットはその場から動かずに、犯人はキャラットの精霊石を取り上げてから破壊する。

「おマエはこれからヒトジチになる。いいな?」

犯人はキャラットの腕を取って、脅しにかかるが、


「いや違うね。これから君は逮捕される。」

ボキッ
   ボキッ

「グォッ!?」

キャラットが犯人の油断をついて、両腕の骨をへし折る。その行動に情けは全くない。
大使はその間に、二体の精霊獣に霊力を籠めたパンチを放つ。

「君のミスはただ一つ―――」

キャラットが霊圧を上げる。

バキバキバキ

そうなると、キャラットが脱皮をしたように中から西条が現れる。

「―――僕を貶めたことさ。」
「ナッ!? おマエ!?」

もちろん大使も横島が変装した者である。

西条の策は至って簡単である。
事前にキャラット王女に連絡を入れておき、西条と横島と合流する。
そして、ヘンゲリンαを使い、二人と入れ替わっておくことだった。

「さて可能性としては50%ぐらいだったんだけど……うまくいって良かったよ。」
「じゃ、これにて一件落着ってヤツだな!? あ〜〜〜王女様!! たった今、あなたの横島が犯人を捕まえましたよ!!」

横島は西条は放っておいて、キャラットやザンス国王が避難している隣の家に向かう。
これは西条の考えが外れても、ザンス国王達を守れるためである。

「やれやれ……相変わらずふざけた強さだよ。」

西条は破壊された精霊獣を思い出して、呟いた。


翌日、国会で無事演説を終えたザンス国王は、その後に、横島と西条にザンス勲章を贈呈した。

「ヨコシマさん、サイジョウさん。このタビは本当にありがとうございました。」
「いや〜〜。そんな事ないっすよ!! お礼というなら今から、デートで―――」

ガツッ

「君は一々女性に飛びかからないとダメなのかい!?」

横島がキャラットにダイブをするが、それを叩き落とす西条。

「ワタシ、ヘンケンだけでこの国や国のヒトタチ、ハンダンしてきました。でも、ヨコシマさんのゲイを見てそれがマチガいだったことを知りました。」

少し、雲行きが怪しくなって来た。

「この国のヒトタチ、ジツにユーモアアフれるヒトタチです。」
「……横島クン。責任取りたまえ。」
「やっぱ俺のせいか?」

実は横島、昨日の事件解決から、自分の持てる全ての芸をキャラットに披露し続けたのだった。
キャラットもノリがいいので途中でやめられなくなったのである。

「ヨコシマさん、またニホンに来た時はあのゲイを教えてくださいね。」
「任せてください!! あなたを一人前の芸人に育てて……って何か違うぞ!!」

一人ノリツッコミの横島。
何はともあれ、キャラットとお近づきになれたのかもしれない。

「それでは、またアいましょう。」


「雪之丞〜〜。別に失敗してもいいのよ〜〜。」

オカマの声が非常に五月蝿い。
雪之丞は今度こそ成功させねばならなかった。

(次、失敗すれば勘九朗に襲われる。しかもタマモもそれを協力するっていってやがる!!)

数回の内に成功しなければ、このように罰ゲームがつく修行。
しかもそれは冗談ではなく、一回実行された時は勘九朗にキスされる寸前までいったのだった。

「ほら、タマモ。やっちまいな。」
「それじゃ、雪之丞。今度こそ……勘九朗に食べられてね。」


ゴォォォォォォォッ


狐火が雪之丞を襲う。だが雪之丞はその場から動かず、精神を集中させる。


「この……この……」


失敗すれば、マジでヤバイ。自分はノーマルなのだから。


「この腐女子どもがーーー!!!」


雪之丞の全身の魔装術の装甲が薄くなり、その分が両手に集まり、巨大な盾が形成される。
その盾は、狐火を遮り―――


「え!?」


―――跳ね返す。


ゴォォォォォォォッ


すぐにタマモは狐火を出して相殺しようとするが、何故かカウンターの狐火に飲み込まれる。

「そ、そんな!?」
「ボヤっとするんじゃないよ。」

狐火がタマモを飲み込もうとした瞬間、メドーサがタマモを掴んでその場から離脱する。
そして、タマモが先ほどまで居た場所は、完全に焼け野原と化していた。

「一瞬で、辺りを燃やし尽くしたのか……どうだい、雪之丞……って聞いちゃいないか。」

雪之丞は満足な笑みを浮かべて倒れていた。この修行方法、恐ろしいぐらいに効果的であった。

そして、迫り来る影。

「―――!? てめえ!! 近づくんじゃねえ!!」
「あら? せっかく毛布をかけてあげ、よ!? やめなさいよ!!」

勘九朗に霊波砲をぶっ放す雪之丞。
というより勘九朗の気配は、寝ていてもわかるほどになった雪之丞だった。


所変わって鬼道と冥子。

「ふえ〜〜〜〜ん。」
「ちっ!? 修行の後にコレは流石にきついわ!!」

夕方まで教師。それからは修行しながらお守りで流石に疲労困憊の鬼道。
何故、冥子が暴走しているかというと、単純に修行後に疲れて転んだからである。

「冥子はん!! いい子やから泣いたらあかん、ってクソ!!」

その気になれば、式神を攻撃して冥子を気絶に追い込む事も可能なのだが、そんな事すれば冥子に痛みがいくのだから、鬼道としてそんなことをしたくはない。

「(かといって、このままやとそのうち)―――サンチラ、インダラ!! やめい!!」

実はこの暴走、たまに発生するだが、結構いい修行になっているので、問題はクリアの条件であった。

(後3M、2M、1M―――着いた!!)

クリアの条件。

ギュッ

「ほら、いい子やから、泣いたらアカン。」
「ヒック、ヒック」

冥子を宥める事。
赤子のように抱きしめて、頭を撫でてあげたら、泣き止むことが最近発覚したのであった。
鬼道は照れながらも、それを実行する。

「う〜〜〜、マーくんってだから大好き〜〜〜。」
「友達やもんな。」

鬼道としては、友達宣言を喰らって何か吹っ切れた感があったのかもしれない。

「??? 友達としてかどうかわかんない。」
「……どういう事や?」

六道女史の教育は進んでいるようだ。


――心眼は眠らない その51・完――


おまけ


「やれやれ……相変わらずふざけた強さだよ。」

西条が独り言を呟いていると、竜神化した悠闇が家の中に入ってきた。

「どうしたんだい?」
「いや、ちょっとな……」

悠闇は犯人の傍によって、


ゴキッ


「ふ〜〜、少しは気が紛れたな。」

何があったかは西条と犯人のみが知る。
言える事は、犯人は死んでいないということだけだろう。


あとがき

西条、何気に好きなキャラだったので、やっと活躍させる事が出来てなによりでした。
逮捕を期待された方には申し訳ないです。
どうやったら雪之丞に愛の手を差し伸べる事が出来るのだろうか、と最近考えてしまいます。
では次回、未来横島登場。

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