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▽レス始

「陰界第七話 後半(GS+??)」

ルナ (2005-02-26 11:43)
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 横島は走り続けていた、必死にこの学校から出る為に……
 だが、幾ら走っても一階は見えてこない。
 机妖怪の腹の中は学校で作られた迷路、そこに一度入り込んだ者はけして表には出られない。
 妖怪自身が表に出そうと思わない限り……
「だー!!!」
 そこまで考え、階段途中で横島は叫んだ。
「それじゃあ逃げ回っても意味ねぇ!!」
 もしもここにちゃぶ台があれば、間違いなくひっくり返しているだろう。
「けど教室に戻れば……愛子一人の号令でなんか大変な事になりそうな気がするしなぁ……」
 階段に座り込み、横島は考える。
 どうすればここから抜け出せるかを。

 考えに夢中で……横島は気が付いていなかった。

 赤髪状態になったのは今が始めてなのに、愛子を知っている事に。

「……どうすっかなぁ?…………あ?」
 考える横島の耳に、何かが聞こえてくる。
 何気なく階段上を見上げると、そこにはマリアを担ぎ……『わっしょいわっしょい』とやって来る生徒達が。

「何ー!!!?」


「見つけたわ!!」
「横島君!教室に戻りなさい!」
「横島さん・教室に・戻って・下さい」

 まず何処に驚けば良いのか?

 マリアの体重を一体どうやって支えているのだろう?
 マリアまでこの世界に侵されている?
 何故この場所が一発で分かったのか?
 何で担いでるんだ?

 一斉に疑問が流れて来る。

「横島さん・戻って」
 そう言い、マリアは腕を伸ばした。
 文字通り……腕をロケットパンチの如く発射して。
「まずっ!」
 慌ててその場から離れ、横島は再び走り出す。
「追いましょう!!」
「「「「おう!」」」」

 愛子の声に答える生徒達、それを見……横島はある事に気が付く。
「……そういや。何かをする時、必ずあいつが一言言ってからだな」
 逃げつつ、横島はそんな事を呟いていた。
 だが、上に気を取られたのがいけなかった。


 ぐきっ


「あ”」
 足から変な音が聞こえ、そのまま横島の身体は重力と言う物に引っ張られて下へ。
「ぎゃー!!」
 本来ならばかなりの衝撃が来る筈の壁。
 だが、横島の身体が当たった所は柔らかくなり……ポヨンッと弾んだ。
「っ!?」
 どうやら怪我をしないように一時的に柔らかくなってくれた様子。
 先程までスポンジのような感触だった壁も……今は硬い。
「庇ってくれたのか……?」
 壁を摩りつつ、横島は小さく笑った。
 その笑みは……何処か大人びている。


『ギィ!』
 微笑む横島の肩には……一体何処から来たのか、鷹が乗っていた。
「わっ!?一体お前何処から!!?ってでかっ!!」
 自分の肩にこんな大きな物がいつの間に!?と横島は慌てふためく。
 だが鷹は特に気にせず翼の毛繕いをしている。

「横島君!!教室へ戻りましょう!」
 そこへゆっくりではあるが、確実に接近している生徒達の足音が聞こえてくる。
「げっ!まずい……」
『ギィ!!』
 慌てて立ち上がろうとする横島の耳元で、鷹が一鳴きする。
 そしてユラリと翼を広げて宙へ舞う。
「?」
 まるで『待っていろ』と言いたげに鷹は生徒達の元へと。
 鷹は真っ直ぐ迷う事無く……愛子の肩へ。
「きゃ?!」
 突然鷹が接近して来たのだ。皆慌てて頭を押さえて、その場にしゃがみ込んだ。
 愛子の髪をくちばしで挟むと、それに連動しているかの様に学校内が揺れた。

「……!」

 愛子の一言でまとまる生徒達。
 愛子が驚いて学校も揺れた。
 横島が目を覚まし、最初に見た生徒……それは愛子だった。
 カオス達が来た時に最初に反応したのも……?


 横島の中で、一つの答えが出た。
「この学校を作ったのは……お前か?」
 その言葉に愛子は目を大きく見開いた。
「…………分かった所で、貴方に何が出来るの?」
 悔しそうに顔を歪ませつつ、愛子は呟いた。
「ここの運営をしているのは私よ?問題を起こす生徒を罰する事だって……私には出来るのよ」
 壁に手を当てると、愛子の身体はドンドンと吸い込まれていく。
 鷹が肩から離れると同時に辺りからはグロテスクな触手が伸びてくる。
「私は楽しい学校を作ろうとしてるだけなのに……それを壊そうとするなんて許さないわ!!」
 触手が横島の身体に巻き着くと同時に……マリアを支えていた者達は潰れた。
「ぎゃー!!?重いぃ……」
「ど……どいて……」
「?マリア・何・して・ましたか?理解不能」
 どうやら愛子が学校へ同化した瞬間、他に回されていた力が無力化した様子。
「にゃ〜!!!気持ち悪いよぉ!」
 触手に巻き着かれつつ、横島の髪も黒へ戻ってしまう。
 必死にもがくが、触手は横島を離そうとしない。


『ここは私の学校よ!!!』


 学校内に愛子の声が響き渡る。
 それに合わせて横島に巻きつく触手の量も多くなっていく。
「横島さん」
『ギィ!!』
 嫌がる横島を見、マリアは腕に内臓されている銃を。
 鷹は触手へ赤い光を放しつつ体当たりする。


 リィン……

 ポケットの鈴が鳴り響き、触手はドンドンと腐り落ちていく。
 突然目標が無くなってしまい……マリアの放った銃は床を、鷹は壁の一部を壊す。
『きゃあ!』
 学校の一部を破損させられ、愛子は悲鳴を上げる。
 愛子とこの学校は繋がっているのだ。
 どちらかに何かがあれば痛みが伝わってしまうのだろう。
「……くっ……折角、先生が来てくれて、私も学生が出来ると思ったのに」
 悔しそうに愛子は涙を流した、痛むのか……腕を押さえつつ。
「妖怪には……学園生活を楽しむ自由すら無いって言うの?そんなの……酷いわよ」

 触手から解放された横島はゆっくりと泣きじゃくる愛子へ近づいて行った。

「なぁ……なんか悲しい事があったのか?」
 そう言って顔を覗きこむ、愛子が顔を上げると……赤い髪が視界に飛び込んでくる。
 先程壁へ向けた笑みを浮かべつつ。
「俺に出来る事なら手伝ってやるからさ、言ってみろよ」
 少し照れ気味な笑顔。
「……私……備品じゃなく、学生がやりたいの……」
 小さく呟き、階段で気絶している者達へと視線を向ける。
 先程まで愛子に操られていた者達は急に支配が消えた為、皆意識を失っていた。
「長い事……私は学校に居たわ、学生達に使われる内に私には意思が宿った。
 だから沢山の学級を見てきた。
 全員、楽しそうに笑い……怒り……青春を謳歌していたわ」

 楽しそうな子供達。
 私も学園生活をしたい。

 けれど、自分は妖怪。人間ではない。
 出来る筈が無い。
 ならばどうすれば良い?

 簡単だ。

『私の中に引きづり込んでしまえば良い!!』


「……」
 泣きじゃくる愛子を見、横島は少し視線を逸らしつつ。
「じゃあ……頼むか?」
「へ?」
 一瞬、涙が止まった。
「仕方ないだろ?妖怪でもお前、見た目が女だし……」
 前後の会話が繋がっていない。
 不思議そうに横島を見ていると、拳をギュッと握り締め。

「俺は、女が泣いてるの嫌なんだよ!妖怪だろうが人間だろうが関係ねぇ!!
 お前が学生やりてぇって言うなら、一緒に頼んでやるよ。校長とかにさ」

 力説されてしまった。

 黒髪とは違う次元で赤髪は素直。
 だから……女へセクハラをしてしまう。
 女の子が大好きで、どう触れれば良いか……分からないから。
 ついふざけてしまう。(半分は本気だが)

 それでも、黒髪時には黒髪時の。

 赤髪時には赤髪時の良い所があるのだ……


「ふぁ……妙に疲れたぜ」
「ふん、わしが居なければ小僧は今も腹の中じゃったろうな」
 その後元の世界へ戻り……どうにか教師や生徒達を説得し、愛子を生徒として扱ってもらえる様にした横島。
 まだ一つも授業をしていないのに……かなり疲れてしまっていた。
「はぁ?爺は勝手に来て勝手に気絶してただけだろーが!」
「何じゃと?そんな事を言う奴には弁当は渡さんぞ!?」
「何?!俺を殺す気か!?」
 口喧嘩する学生と青年。
 無事生徒になれた愛子は嬉しげに本体の机の上で微笑んでいた。
「ミス愛子・嬉しそう」
「えへへ、分かる?」
 マリアの言葉に赤くなった頬を押さえ、愛子は笑った。

「えっへへ……『女の子』か」
 あの時の言葉は深く、愛子の胸に刻まれていた。


「ふん!貴様の様な低次元の者と話をしていると疲れるわい!」
「何が低次元だ!脳老人が!!サッサと痴呆で近所を放浪しに行け!!」
 そう言い捨て、横島は愛子と同じ位古い椅子へと腰をおろし。


 そのまま姿を消してしまった。

「うぬっ?!小僧!!?」
「あっ……」


「うっ……?ここは……何処だ?」
「ようこそ……ここはあの椅子の腹の中、一度入ったらもう抜け出せない」


「またかー!!!!!!!!」

 備品妖怪は……愛子だけでは無かった。


 第七話 終


机がいるのならば、椅子も!!という勢いで……
この後……椅子妖怪から横島は一体どうやって出るのか、個人的に気になりますね。
そんでもって……その妖怪も学校のメインキャラになるのか……多いに気になる。

親分「考えろ!!」
しばらく学校出ないから、保留!!


MAGIふぁ様>とりあえず、帰って来れました。
一応赤髪は突っ込みなので、彼が出れば漫才(?)は成立するかと。
後は面白い会話をルナが書ければ平気ですね。
……そこが致命的?

AC04アタッカー様>アニメは第一話と映画しか見てなったので……

黒髪君は精神攻撃が得意ですね。(本人自覚無し)
これにはあの美神も適いません、銭が絡んで無ければ!
擬人化について、有難う御座います。
世の中には多いですし……上手くやらねば駄目ですね!!
少しでも気に入って頂ける作品になると嬉しいです。

紫苑様>女性体は赤髪と違ってちょくちょく出る訳では無いので……
そういえば鬼門は一応人間の姿してましたね。
……十二神将かぁ……(悶々)
黒髪君が「わんv」とやれば、その辺のキャラは一撃で倒れますね。

Dan様>カオス……来た意味が無い!?と思ってくだされば、こちらの勝ちです!!
とりあえず、GSは短編を数回しか書いた事が無いので……キャラクターがかなり手探りです。
愛子は黒では無く、赤へちょっと心惹かれ出したみたいです。

柳野雫様>あの世界のあの学校はかなり凄いので、この横島でも受け入れられるかと。
ただ、男子達の暴走が美味く書ければ良いのですが。
カオスは過去へ飛んだ時の青年時を想像してくだされば幸いです。
同居人は今の所は『幸・カオス・マリア』の三名、これからもドンドン増やしたいですv
部屋の大きさは後にそれで書きたいと思います。


基本的に皆様、擬人化・獣化は面白ければ良いって所ですね。
有難う御座います、頑張って面白い話を!!!!

……難しいにゃあ……

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