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▽レス始

「妖物のお医者さんR 第2話(GS&動物のお医者さん)」

闇色の騎士 (2005-02-23 08:24/2005-02-24 06:44)
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〜第2話〜


こうして…人狼の子供は横島忠夫の家の住人となった。

大正時代から存在していたという横島の現自宅は広い。

そして…

家の扉に手をかけた横島の耳に、通りがかりの人々の声が聞こえてくる。

「え〜あの家人が住んでたの〜?」
「ちょ〜信じられない〜ってカンジ〜?」

「……………」
思わずサイキック猫だましを喰らわせたくなった横島だが、そこはなんとか耐えきる。


とにかく外見が「古い!」のであった。

溜息を吐きつつ気を取り直して、横島は家に入る。

「ただいま〜〜」

その声に答えるようにして、奥から一匹の三毛猫が現われた。

「にゃ〜ん(お帰りなさい、横島さん)」
一見、ただの猫だが…僅かに漂う妖気がそれを全否定していた。

「お帰りなさいませ、ご主人様」
その声と共に襖が開けられ、中から和服にボブカットの美少女が姿を見せる。

「…その呼び方やめてくれって(汗)」
「じゃ、忠夫様って呼んでいいですかぁ?」
下からすがる様な目つきで見上げる少女に押される様に…

「……勝手にしてくれ(ため息)」

「わぁい」
少女は目をきらきらさせて大喜びした。

彼女は人間ではない、大正時代にある男によって製造された「人工霊魂」とも呼べる存在なのである。

今からほんの半年前、夏休みぶち抜いて休学含め丁度三ヶ月の長い(謎の)外出から帰還した横島だったが…

両親の仕送りがすっかり途切れがちになり(休学の話が親に漏れたらしい)

遂に…

「やばい…来月家賃払えないと追い出されちまう!」
四畳半の狭い部屋で頭を抱えている横島。

このままでは両親の待つナルニア(辺境)に行く事になってしまう。

「あんな良く解らん所は嫌だぁぁ!俺は日本の文明が好きなんだよぉぉぉぉ!!」

ごろんごろんと転げ回りながら嘆く。

全く、あの「事件」の感傷に浸ってる暇すら無い横島だった。

そこへ…

こんこん。

控えめなノック音が聞こえてきた。

「うげげ!?まさか家賃の取立てか!?」
横島はバックに「ガーン!」の文字を浮かべる。

(どうする?居留守を使うか?…でもそれも問題を先送りする結果にしかならねぇ…となると)

心は決まった。

こんこん。

もう一度ノックが聞こえてくる。

やっぱり控えめだ。

横島は無理矢理愛想笑いを作ると…

「はいはい今開けるッス!」

どたどたと玄関に駆け寄った。

そしてドアを開けながら、相手も確かめず笑顔で先制攻撃を仕掛ける!

「すんまへん!あと少し!あと少しだけ支払い待って…ってあれ?」
卑屈なセリフを吐き出していた横島の口が止まった。

何故なら、そこに立って居たのは…

コートに身を包み、目深に帽子を被った怪しさ大爆発の人物だったからだ。

しかも…顔は深い闇に包まれていて確認すら出来ない。

「…そゆことで間に合ってるっス」
顔を引き攣らせつつも速攻でドアを閉めようとしたが…

ガシッと向こうからドアを押さえられた。

「待って待って!待って下さぁい!!」

「へ?」
帽子の向こうから聞こえてきた声は、何故か若い…というか微妙に幼い女性の声だった。

「な、何なんだ…つか奇妙な霊波を感じるけど?」
「はい…取り敢えず、お話だけでも聞いて頂けませんかぁ?」


こうして横島は、彼女(?)に出会ったのだ。


彼女は素性を明かし、自分が所有している屋敷を彼に提供すると申し出た。

「マジ!?」
「はい、マジですよぅ」
「何でだ??」
「それはですねぇ」

彼女は人工の存在なので霊力をある程度コンスタントに補給出来ないと、消滅の危機を迎えてしまう為(以前の持ち主が老衰で亡くなった事による)

霊的相性が合いそうな人を探していたらしい。


「…俺が霊能力持ちだって解るのか?」
「はい、凄い力を感じますから」
「ふむ…隠蔽してるはずなんだけどな…」
謎の人物…「渋鯖人工幽霊壱号」はそう答えた。

「取り敢えず、案内しますー」
「…見てみるのはタダだしな」
横島は手短に身支度を終えると、人工幽霊についてアパートを出る。

階段を降り切った所で…

「あれ?横島さん、何処行くんです?もしかして家賃払えなくて夜逃げですか!?」
「五月蝿ぇ」

げしっ!

「ふぎゃっ!?」
奇声を上げて吹っ飛ぶお馴染みの半吸血鬼。

「相変わらず天然失言装置だなお前も…」
横島は呆れ顔で、くたばっているピートを見下ろす。

「……」
茫然としているらしい人工幽霊。

「痛ててて…じゃ何処へ行くんです?」

何事も無かった様に立ち上がり…尚も食いついてくるピートに、軽い説明をする横島。

「うーん…何だか良く解らないですけど、家が手に入るかどうかの瀬戸際なんですね」
「そういうこった」

横島とこの不死身(?)の半分吸血鬼ことバンパイアハーフのピートとは、高校一年生からの付き合いである。

留学生として来てたのだが、何となくウマが合って今に至っていた。

しかしオカルトが社会にかなり浸透してるとはいえ、半吸血鬼を受け入れる学校も凄い(汗)

ちなみにこの時点での横島達は高校三年生だが、一話の時点でも辛うじて三年生だったりする。


人工幽霊にピートの紹介をしつつ、歩くこと十分。

二人はかなり大きな洋館に案内された。

「ほー…ボロいけど、場所も閑静な住宅地の中で悪くないな」
「これを…タダで横島さんに?」
「はい、”試練”を乗り越えて頂ければ…の話ですけど」
「「試練?」」
二人は顔を見合わせる。

「二階の奥の部屋にこの物件の権利書が用意してあります、自分で取って来れましたら…この家は貴方のものですよ…

ばふっ。

そう言い残して、彼女の姿が消えた。

残されたのは…コートと帽子だけ。

「消えた!?」
「…実体が無いから、外を歩いて怪しまれない様に…だろうな」
「なるほど」

洋館を見上げる二人。

「ま、俺には後がない…行くっきゃねぇ」
「確かに…」

ぎぃぃぃぃ…

ドアが静かに開いた。

「行くぞ、怖いなら帰って構わねーけど」
「い…行きますよ」
顔を引き攣らせつつも、頷くピート。

横島は先陣を切って玄関に踏み込む。

「へぇ…掃除すればいい感じになりそうだな」
意外と今風の内装に感心する横島。

「試練って…僕ら今流行のGSでもなんでも無いんですけど、大丈夫ですかね?」
不安そうにピート。

「まあ何とかなるだろ、失敗しても失うモンなんてねぇし(ぼそ)」
「あう」
そこはかとなく悲しい事を言う横島だった。

廊下をそろそろと進んでいく二人。

目の前に扉が現れる。

「よっと」

がちゃっ。

扉を開けて中に入ると…

「む?」
「げ!?」
思わず声をあげてしまう。

何故なら、そこに黒光りする鎧が立っていたのだが…

それがガタガタ動いているのだ。

そして…

じゃきん!

いきなりサーベルを振り上げて襲ってきた!

「うわぁぁあ!?」
「げげ!」
二人は左右に飛んでかわす。

鎧は無言で横島を睨むと、一気に斬り掛かって来る。

「うわ!?」

ぶん!

鋭い横薙ぎの斬撃を身を沈めてやりすごすと、ナナメ横に前転して難を逃れる横島。

「大丈夫ですか!?」
「気を付けろピート!コイツかなりの使い手だ、恐らく達人クラスの…」
「そんな!?勝てる訳ありませんよ!つか弟○草じゃあるまいし!何で鎧に攻撃されなきゃならないんですか!!」
横島のセリフにピートが泣き声を上げる。

「知るか!試練なんだからしゃーねぇだろ!(弟○草?)」
怒鳴り返す横島。

(でも…師匠程じゃねぇな)

そうこうしてる間に、また鎧がサーベルを繰り出して来た!

「来るぞ!避けろピート!!」
「そんなぁ!?」

どがっ!!

壁に突き立つサーベル!

その数ミリ横にピートの顔。

「ひ!?」
そのまま白目を剥いて気絶してしまう。

「…おいおい、こいつこんなにヘタレだったか?」
その様子を見て苦笑する横島。

(ちょいと前までは、俺の役だったんだけどな)

ピートには目もくれず、鎧は一目散に横島目掛け突撃して来た!

「仕方無ぇ!後で泣いても知らねーぞ!!!」
横島は溜息を一つ吐くと、鎧に向かって走り出した。


「てめーには勿体無ぇくらいだが、これでも喰らえ!」

「!?」


ずどぅぅぅむ!!


部屋が激しく振動した!


「おい、起きろピート!」

げしっ!

「あ痛っ!?」
横島に軽く蹴られて、気絶していたピートが目を覚ます。

「うーん…もっと優しく起こして下さいよ」
顔をしかめながら起きる半吸血鬼。

「野郎を優しく起こす俺だと思うか?ピート」
「…思いません(泣)」

ピートは諦め顔で、辺りを見回す。

鎧は何処にも居ない。

そして何故か良く解らない破片があちこちに転がっていたりする。

「…鎧はどうしたんです?」
「さあ?勝手に自滅しちまった」
ピートの質問に、そ知らぬ顔で横島が答えた。

「えー…!?つかいい加減な試練ですね…」
「んだな、次行くぞ」
横島は腑に落ちない表情のピートを引っ張って、次の部屋に向かった。


何の変哲も無い部屋であったが…

部屋の奥には、円形テーブルの上に浮く光る玉。


「何だ?」
「うーん」
首を傾げる二人だが、ふいに玉の光が強くなったかと思うと…

ビシィィィィ!!

いきなり凄い霊圧が部屋に掛かったのだ!

「うあぁ!?」

べしゃっ!

たちまち壁に叩き付けられるピート。

「な…何だよこりゃ!?」
何とか踏みとどまりながら横島が呻く。

「ぐぐぐ…うごげまぜん…」
ピートは壁に磔状態になっている。

「くそったれ!」
一歩…また一歩、横島は玉に近付いて行く。

「よごじまざん…よぐあるげまずね…ざずがぶじみのよごじまざんだ…」
「て…めぇほどじゃ…ねぇよ!」
ピート渾身の天然失言(?)に怒鳴りつつ、歩を進めていく横島。

(うげげ…なんちゅう圧力だよ…でも、あの修行に比べたら…)

ぶん!

徐に振り上げた横島の右拳に輝く霊気が宿る!

「屁でもねぇ!!」

ガシャァァン!

鋭く放たれた拳が見事、玉を打ち砕いた。


ぶしゅー…

霊圧がすっと消える。

「うわっ!?」

べちっ!

おかしな音を立ててピートが落ちた。


「おいおい、まだやるのかよ?試練だがなんだか知らねーけどいい加減にしないか?」
うんざりした顔で横島が言う。

『次で終わりです〜…そのまま階段を上がって部屋に入って下さぁい』


がちゃり。

「本当にこれで終わりなんですね?」
「らしいけど…」

最後の部屋は、さっきの部屋と同じくがらんとしているが…

奥に古びた机と椅子が置いてあるだけであった。

『その机に必要な書類を揃えておきました、取りに行って下さいね』
「なーんだ、簡単じゃないですか…今度こそ僕が行ってきますよ」
そのままとっとっとと走り出すピート!

『あ〜〜!待って下さいぃぃ!この部屋では歩く毎に五年歳を取るんですよ!!』

「何!?」
「えええええええええ!?」
部屋の途中まで来ていたピートが絶叫する。

だが、その姿は大して変わっていない様に思えるが?

「って、何で僕がそれに驚かなきゃならないんですか?」
「俺に言うなよ」
ピートが何事も無かったかの様に戻って来た。

『???』
何だか良く解ってないらしい人工幽霊。

「んじゃ、ピート…お互い嫌だろうけど頼むぜ」
「了解です」
ピートは横島を背中に背負うと、よっこらしょと歩き出す。

そして、何も起こらないまま机まで来た。

「降ろしますよー」
「おう」
ピートはゆっくりと横島を机の上に降ろす。

『な…何でその人歳を取らないんですか!?』
狼狽した様子の人工幽霊。

「うーんとだな、こいつがバンパイアハーフだって事は言ったよな?」
『はい…』
「ピート、お前今年で幾つになる」
「えっと…もうすぐ700歳になりますけど」


『え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?』


何だか可哀想な人工幽霊の叫びが、試練の終わりを告げたのであった。


『…仕方ありませぇん、合格です…くすん…その椅子に座って下さい、それで貴方は私のご主人様になります…』
泣き声混じりに言う人工幽霊。

自分の失態とはいえ、何だか諦めきれて無いらしい。

「こうか?」
横島はひょいっと椅子に腰を落とす。


カッ!!

その瞬間、洋館全体が目映い光に包まれた。

『そう…それは玉座なのでぇす♪』
何だか嬉しそうな声がする。

「これは!?」
周りを見渡していたピートが驚いた。

何と、洋館の内部が次々と綺麗になって行く!

新しい家具がどかどかと並び、埃塗れだった床や壁もピカピカになった。

「ほぇ〜…こりゃ凄いな」
流石の横島も心なしか茫然としている。

『貴方の様な人に所有される事をずっと望んでいました、私は以後貴方の還るべき家として…忠誠を誓います♪』

ぼんっ!

「「!?」」
横島とピートの目の前に再び人口幽霊が現れた。

だが、それはさっきの姿では無く…

着物にボブカットの、何処と無く日本人形を思わせる美少女だったのだ。

「…何で?」
「うーん…」
思わず唸る二人。

「ご主人様の霊波動を受けてこの姿になったんですよぅ」
いやんいやんと身悶えながら彼女が答える。

(気のせいか?似ている…)

「どうしました?私の姿…お気に召しませんでしたか?」
何処と無く悲しそうに聞いてくる人工幽霊。

「いや、何でもない…凄ぇ可愛いよ」
横島は慌てて笑顔を作った。

「ホントですか?わぁい♪」


こうして、彼はメイド(?)付の一戸建てを手に入れたのである。

これ以降彼女は横島を主と認め、家を守っているのだ。

名前も横島が付けた。

幾ら何でも「渋鯖人工幽霊壱号」ではあんまりだと思ったからなのだが…

「しかし名前長くないですか?」
「んだな、じゃ渋鯖人工幽霊壱号略して渋壱で」
「えー…可愛くないですよぅそれ、どうせつけていただけるなら可愛い名前がいいです〜」
「というか横島さんそれあんまりですってば」
「贅沢やな〜…うーん…」
二人から抗議を受けて再び考える横島。

「じゃ…幽璃…ユウリってのはどうだ?今パッと閃いたんだが」

「それいいです!可愛いし!即座に採用ですよぅ!」
大喜びの彼女、お気に召した様だ。

「ちゃんとした名前考えられるんなら、最初から言いましょうよ…」
「最初のはお約束のギャグだ、あの姿を見た時からとっくに考え始めてたわい」
ピートの弱弱しい抗議をしれっと流す横島。

こうして、何とか横島は路頭に迷わずに済んだのである。


彼女〜「ユウリ」は横島が抱いている存在に気づいて言った。
「あの〜、学校の裏か何かで買ったんですか?」

「…買ったのはガルちゃん一匹だけで、2ヶ月も前の事じゃねーか…」
「まだ2ヶ月しか経ってないと言いませんか普通?」
「う……」
ユウリの(微笑み付き)突っ込みに成す術無しの横島。

「というか普通買いませんよそんなの」
「あの時は可愛いと思ったんだがなあ……」

妖怪猫を抱きながらさらりと追い打ちをかけるユウリ、横島は天を仰いで嘆息した。

ちなみに、ガルーダだからガルちゃん…ユウリの時とのネーミングセンスの差は一体何だろう?


それを売る奴も買う奴もどうかと思うが(笑)

「という訳で、この子を置いてやってもいいか?」

「まあいいでしょう、ガルちゃんとは時間交替制で庭に出せば大丈夫ですから…そうと決まれば名前を決めませんと」
「あ、そういやまだ決めてなかったっけ」

「犬だから…犬ちゃん♪

「俺の命名法が気に入らないんならはっきり言ってくれ、大体お前のネーミングセンスもアレだと思うが」
横島は猫を指して抗議する。

この猫の名前は「美衣」。

最近復活した(らしい)某往年の美女二人組歌手の片割れから付けた名前らしいが…

何故だかはユウリと原作者のみぞ知る(笑)

まあユウリは大正時代生まれだから、それを考えるとまだましと言えるのかも知れない。

「わうわうっ!(拙者は犬ではござらん、狼でござる!)」
今まで黙っていた人狼の子供が抗議するように吠えた。

「ようし!解った!今度こそ「ぐはぁっ!?」と驚く奇抜でハイパーな名前を付けてやるよ!」
横島は開き直った表情で言った。

「にゃ〜……(ぐ……ぐはぁって……(汗))」
美衣がなんだか心配そうに横島を見上げる。

翌日。

近所の本屋に横島とピートは来ていた。

「おお!これはいいですね!横島さん、シロに買ってあげましょうよ!」
ピートが指したものは…

ペットの仏壇 158000円

「贅沢品はいらんっ!つーかうちの××(未定)を勝手に殺すな!命名するな!」
容赦のない突っ込みをしながら自分はこっそり「名付け事典」なる、いわばカンペのよーなものを購入してたりする横島。

遂に他力本願か横島?

二人は一度横島家に戻った。

横島の自室にて、彼は机に向かって何かをしている。

走り回る人狼の子をピートが呼ぶ。
「シロ!おいで!」

「わうん」

とてとてと駆け寄ってくる人狼の子を抱きあげながらピートが横島に聞く。
「横島さん、シロの名前考え付きましたか?」

「いんや、まだ」

「不便じゃないですか、人間だって14日以内に名前を決めないと駄目なんですよ?ねえシロ?」

「わふ?(そ…そういうものでござるか?)」

横島は今まで何かを書いていた紙をピートに見せた。

「リストアップはしてあるぞ」

ピートがそれを見てみると…
「ええと…ストライク・イージス・バスター・デュエル・ブリッツ…って何なんですこれ?」

「…「ぐはぁっ」と驚く名前を付けようと……」
横島は明後日の方向を向いてウツロな笑いを浮かべる。

「名付け事典」、良く見たら「ガ○ダム名付け事典」だった(おい)

どうやら買う本をきっちり間違えたらしい。

つかあるのかそんな本?

「にゃ〜(何やってんですもう)」
突っ込みを入れに来たのか美衣が現われる。

「あ、シロ、元気ですか?」

「ピート、猫もシロかよ…(苦笑)」
溜息を吐く横島。

それだけではない、アシカもカワウソもビーバーもラッコも彼にとってはシロなのだ!(うわあ)

「法則がいまいち良く解らんが…というかあるのか?」
考え込む横島の後ろで、人々が勝手に呼びたいよーに呼んでいる。

「小百合ちゃん、ゴハンは貰いましたか?」
「貰ったよね、シロ」

「やばいな、変な名前が定着しないウチに考えねば……(小百合???)」

つーかコイツ、男?女?

「…教授に聞いておくんだった」
横島は頭を抱えた。


翌日、はらはらと雪が舞う寒い朝。

「忠夫様〜ガルちゃんを放しているのですか?」
「へ?」
ユウリの問いに横島はハッとなって庭を見た。

なんだか「すたーん!すたーん!」という不吉な音が聞こえてくる……(汗)

「出てるな…………封印をきちんとしておかなかったかな?」
顔に油汗を滲ませる横島。

そこへ……

「横島さん!シロは?」
ピートがやってきた。

「あ、遊ばせる為に庭に出してたんだった…!?」

「「!?」」

三人の間に鋭い緊張と戦慄が走る!

ガルーダのガルちゃん(雄)は横島家で最凶の生物である。

彼が庭に放してあると誰も外に出ようとはしない…

以前ピートがうかつに庭からやってこようとしてガルちゃんと鉢合わせ!

わずか数分でK・Oされたという悲劇(喜劇?)が起こった事もある。

バンパイアハーフより強いとは…

まさに「魔鳥」である。

ピートが弱いだけ…という突っ込みは彼の名誉(あるのか?)のため御遠慮頂きたい(笑)

「わふ(そろそろ帰るでござるかな)」
とことこ歩く人狼の子の前に…

闘気をたぎらせたガルちゃんがそびえ立っていた…(実際はそれほど大きさは変わらないのだが)

「それでも飼ってるとなんとなく馴れてくるんだよ」
「馴れるって、お手でもするようにでもなったんですか?」
「いや……馴れて結構攻撃が捌けるようになった」
「……それはそれで凄いですけど」

ピートと横島が言い合っているうちにも、二匹の距離は少しずつ縮まって行く。

「シロ!頑張れ!」
「お前狼なんだろ!」
「戦闘能力では(多分)負けてませんわ!」
外野の無責任な応援の声が飛ぶ。

(いざとなったら………)
横島は自分の右手を握り締めた、そこにぼんやりと霊力が生じている。

「フゥゥオオオオッ!」
ガルちゃんが雄叫びを上げて走り出した!

その時!

「フウッ(コイツ!やばいでござる!ここは…)」

ダダッ!


「わう〜!(後ろに向かって前進でござる!決して逃げるのではござらん〜!)」


「あ、シロ!何処へ行くんだ!」
ピートが叫んだがシロ(仮名)はぶっちぎりの速さで何処かへ姿を消した。

二人はすぐに後を追った。

「横島さんはあっちを!僕はこっちを探します」
シロ〜っと叫びながら探すピート。

「……………」
その声を聞きながら横島はどうしたものかと思案に暮れていたが、仕方がないので呼んでみた。

「シロ…………」

「わうん!(何でござるか〜?ゴハンの時間でござるか?拙者肉がいいでござるよ!)」
シロ(仮名)は、シュタッとシッポを振りながら飛び出して来た。

その姿、どうみても「犬」そのものだったり。


しかも…自分の名前をきっぱり「シロ」だと思っている…様だ。


「見ろピート…定着しちまったじゃねーか………」
「え!?」

「覚えてろよ」

横島の重〜い一言にピートの顔が青くなる。

こうして、横島家の妖物は…

ガル 美衣 シロ となった。


〜第3話に続く〜


今回は今まで謎だったユウリと横島の出会い編を補完しています。

こうやってしれっとスルーされてる逸話はなるべく入れていこうと思っておりますですはい〜

リニューアル第一話の反響の多さには驚きました。

厳しい意見も御座いましたが、本当に感謝しております。

正直リニューアルと言ってもまだ完全に方向性が定まったわけではなかったので、ああいった厳しい意見を頂く事により読者様のより望む方向性への転換作業方向に動けるのですから…

それと今回初の試み「次回作で前回のレス返し」をやってみようかと思っております。

どっちがいいかの意見もお待ちしています。


それでは前回のレス返しです。


wey様>
かなり悩みに悩んだ挙句の選択でした、GSネタが減っていく中にぽつんと取り残された感じがしてどうにもさびしかったのもありますし(汗)
がんばりますので宜しくお願いします〜


烏様>
懐かしいですか…もうそんなに前になるんですね、始めたのは…(しみじみ)鳥様の満足行く出来になる様に頑張りたいと思います。


十六夜様>
突然の移籍どうもすみませんでした><
これからも頑張りますのでお見捨て無き様…(汗)


D,様>
ライダーはストーリーに食い込みすぎてるので外せませんが、出番を減らしてGSキャラの出番を増やそうとは考えてます。
小竜姫とかワルキューレとかマリアとかカオスとか…(出番少ないの多過ぎ)


TOWりすがりの戦術ミサイル様>
なるほど、確かにそうかもですね(大汗)
その辺りは出来るだけすっきりさせたいとは思っておりますので、これからもご意見を宜しくお願い致します〜


片やマン様>
ありがとうございます〜でもシロは動物形態の方が何故か人気があって迂闊に人間化させられなくて困った記憶が(汗)
でも、シロリストの人にこそ見て欲しい内容であります…私もその一員の様ですしはい(笑)


海月様>
はい〜頑張ってやってみますです〜^^
でもやっぱり良い所は良い、悪い所は悪いという貴重なレスがつかないとただの自己満足作品になってしまい途方に暮れますので…(涙)


ATK51様>
残照からの移転は本気で悩みましたが、死んだ気で心機一転頑張ろうと越してきました。
厳しい意見は既に覚悟の上…というかむしろ作品の品質向上の肥やしにするつもりでおります、取り敢えずはキャラのある程度の削減とGSキャラの出番増加…ストーリーの見直しを中心に調整していこうかと思ってます。

某霊光超人は…見れば見るほど自信がなくなりそうなくらい面白くてジェラシーしつつ楽しみに読んでたりしますが(汗)

マジ連者(誤字に非ず)は…まだ海のものとも山のものとも付きませんねぇ、ネタになるくらい面白ければいいんですが…


ak様>
いえいえ、読んでいて下さるだけでも光栄です〜感想とか御座いましたらガンガン宜しくお願い致します(ぺこり)


sirius様>
うわ〜ここにも懐かしいというお方が(汗)
本当に時間の流れというモノを実感してしまいますね…改訂作業頑張りますので宜しくです〜


武者丸様>
やっぱり懐かしいものなんですねぇ(汗)ちょくちょく読み返しておりますのであんまり実感は湧きませんが…
闇鍋状態は流石にやりすぎたかと反省しきり、一発キャラとかを除くGS以外キャラの削減はやろうと思っております。
心配してくださりありがとう御座います〜無理ない程度にじみじみと行きますので〜^^


TAME様>
ご意見どうもありがとう御座います〜ストーリーは当初の方向性をずれてはいないはずなんですが、確かに常駐クロスキャラの増加はかなりの不評を買っていたようです(涙)
少しずつではありますがシェイプアップしていく予定ではありますので、またご意見をいただけたら嬉しく思います。


柳野雫様>
改定作業をしていて、私もなんだかしみじみそう思うようになりました(笑)本当にシンプルですからねぇ…色々な意見を取り入れながらの調整作業は難航を極めるかと思いますが、気長にお付き合い下さいませ(汗)


シロタマ様>
あう…すみません><そこまで考えが及んでませんでした…←馬鹿
兎に角急いで作業いたしますので、少々のお待ちを〜(大汗)


tai様>
ライダー勢の出番はなくすことが出来そうにないですが、もっとGSキャラが目立つように調整を図りたいと思っております。
やっぱり初心を忘れてはいけませんよね…(溜息)


Yu-san様>
お久しぶりで御座います^^
ご意見耳に凄く痛く響きました(大汗)
何処までやれるかは解りませんが、動物〜の雰囲気を生かす方向性でも改訂を進めて行きたいと思っておりますので…またご意見ご感想を頂ければ幸いです〜


トンプソン様>
そう、そこがこの作品の出発点でもありました…(遠い目)
初心を忘れない様に頑張りますので宜しくお願い致します。


それでは、次回でお逢いいたしましょう〜でわでわ〜〜

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