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▽レス始

「妖物のお医者さんR 第1話(GS&動物のお医者さん)」

闇色の騎士 (2005-02-20 10:09/2005-02-20 10:14)
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前書き。


ここでは初めましての闇色の騎士と申します。
以前は「華の残照」で細々とSSを書いておりましたが、長期に渡る管理人様不在の状態…そしてGS作品の減少。

こういった不安を抱えての投稿はどうにも不安定になりがちで、どうしようかかなり迷いました。

結果、取り敢えずこの場所で心機一転再出発をしようと考えました。

それにこの作品も初投稿時はドリキャスで書き込んでいました為、色々演出面とかが犠牲になっていた事もあるため…第一話からリニューアル連載を行いたいと思います。

当然ながら細かな変更や修正を加えておりますので、以前の旧作をお読みになった方々も…今一度読み返していただけると幸いです。


この作品はGSを知っていれば十分楽しめますが…出来れば名作「動物のお医者さん」も読んで見ていただければ更に楽しめるかと思います。


最後に、この作品を…今まで愛読して下さっていた読者様に捧げます。


それでは新生「妖物のお医者さんR」


どうか末永くご愛顧下さいませ。


〜第1話〜


六道大学除霊部 霊的格闘学教室


ここでは夜ごとにバイオレンスな光景が繰り広げられている(笑)

まあ昼も繰り広げられてはいるのであるが…

その中から二人の女子学生が実習を終えて現れた。

「私、最近オカルト映画見てもつまんなくなっちゃった」
「なんたって本物にはかなわないわよね」

そんな会話を普通にかましながら歩いて行く。

それを多少ひきつった顔で見送る学生服姿の男二人。

「…………」
「…………」

「…いつまでもここにつっ立っていても仕方が無ぇな、寒くなるだけだ」
沈黙に耐えかねたか、学生服にバンダナ姿の人好きのしそうな顔立ちの青年が口を開いた。

「そうですね……じゃ、行きましょうか」
金髪美形の青年も強ばった表情で頷く。

「おう!」

バンダナの青年の台詞が合図となって、二人は一斉に駆け出した!


無言で一気に教室の横を抜けて、ある程度離れるまで二人は足を止めなかった。

「良かった〜!見ませんでしたよ横島さん!」
「ああ、今回はな……」
バンダナの青年〜横島忠夫は溜息混じりに返す。

「僕 前に見ちゃいまして…何か巨大な生物の内臓か何か引き摺った学生がズルズルと〜〜

「やめろって(汗)」

金髪美形の青年〜ピエトロ・ド・ブラドー、通称ピートのやけにリアルな語り口に横島が青い顔でツッコむ。

「どうして地下鉄駅への近道の途中に良く解らない教室があるんでしょうか…?」
「それは…やっぱりここが大学の構内だからじゃね〜か?」
二人はてくてくと歩いていく。

暗い構内はかなり気味が悪い。

しかもここはオカルト専門の大学である。

従って…何が出てもおかしくはない。

もっとも、当然ながら構内の浄化と結界の生成はきっちり行われている為…そうそう怪異は起きないのだが。

そんな事を知る由も無く、二人は気味悪そうにしながら進んでいく。

「嫌な場所ですよね…なんだか解らないお墓もあるし…」
不安そうに辺りを見回すピート。

「…バンパイアハーフでも恐いのか?」
横島が意外そうに彼を見た。

「僕は人間と一緒に育ちましたからね、メンタリティも人間に近いんですよ」
「この場合まるで意味無ェな…」

取り留めもない話を続ける二人の足元の茂みで、何かががさがさと蠢いた。

「何だ?」
「うぅ…」

そして現れたものは……


「うわあああああああああっ!?魔…魔獣ッッッ!?」


いきなりピートが絶叫した!


それは、白い子犬の様な生き物だった。

何故か額の辺りに赤いメッシュが入っている。

つか何処が魔獣なのだピートよ?

「これ…なんかの生き物じゃねーか?」
「うーん…魔獣じゃなさそうですけど、普通の生き物でもなさそうですね…」
ふんふんと匂いを嗅ぎながら小犬(?)は横島の足元にじゃれつく。

どうしたものかと考え込む二人の背後の地面を…

ず〜りず〜りと某有名芋虫型怪獣の如く這い寄ってくる混沌…

じゃない、混沌よりさらにタチの悪い(笑)存在がいた。

そして…

ブンッ!!

「痛たたっ!?」
横島の足を巻き込みながら、振り下ろされた魚捕り用のアミがその生き物を素早く捕獲した!

「野犬狩りに捕まるから外に出ちゃダメって言ったでしょ?」
アミの中の生き物をのぞき込みながら、その人物が言った。

(な、何なんだ…なんでこんなに色っぽいね〜ちゃんがこんな所にいるんだよ?)
横島は思わず心の中で呟いていた、口に出る事が無くなっただけ成長したと言えるだろう。

そう、美女である。

そこにいたのは、白衣を纏い亜麻色の髪をロングにした折り紙付の美女だったのだ。


……外見だけは(笑)

以前の横島なら

「ずうっと前から愛してました〜〜〜」

とか叫びながらセクハラ行為に走った事だろう。

だが、半年前のある「事件」以来、彼は煩悩を露にする事が極めて少なくなった。

その代わりに身に付いたのが、「じいさんくさい落ち着きぶり(爆)」なのである。

「お〜い!捕獲したわよ〜〜!!」
美女が大声で叫ぶと、あちらからこちらからわらわらと白衣の学生達が出現した。

「え〜っ!もう見つけたんですか教授〜〜」

「私が捕獲したんだから報酬はナシね(はあと)」
彼女の一言にほぼ全員が頭を抱える。

「ちぃぃ〜〜、金に物を言わせてのステーキ食べ放題が〜!!」
「ああああっ!僕のガンプラがぁ〜〜(悲鳴)」
「くううっ!あのレアカードが手に入ると思ったのに〜」
「くっそ〜〜、またマフラー交換お預けかあ……」

なんだかやたら趣味が片寄っている学生どもである。

「残念でした、みんな実習中にありがと〜とっとと教室に戻ってね〜〜」
大漁の二文字を浮かばせながら、美女はひらひらと手を振る。

「がっくし」×無数


「キャンッ!」
その時、生き物がひと声鳴いた。

「おお…ああいう生き物でもキャンっていうんですね…」
ピートが変な所で感心しているが、横島の耳には入らなかった。

ぞろぞろと去っていく白衣の学生ども、更に鳴き続ける謎の生物…

「待ってくれ!教授!」
横島は思わずそう叫んでいた。

「その仔…実験か何かに使うんじゃ!?」

「…だったら、どうなの?」
美人教授はゆっくりと振り返る。

「可哀相って言うの?じゃあアンタは模型の勉強やら実戦訓練抜きでゴーストスイーパーが勤まると思うの?それともアンタが実験台にでもなる訳!?、アンタの家はアパートかしら?」
畳み掛ける様なマシンガントークに怯む事無く横島が答える。

「一戸建てです、今は…俺はただ……」

「横島さん!ここで悪印象を残したら入試の時にドギツイ嫌がらせをされるかも知れませんよ!」
ピートが慌てて(かなり)失礼なコメントを横島に耳打ちした。

「……ただ、聞いてみたかっただけです」
横島も彼女の迫力に押されたか、意味不明な答えを返す(笑)

「いい根性をしてるわね…ウチの大学を受けるのかしら」
そう言って教授はジロジロと横島を値踏みするように見た。

そして、彼女の体からぼうっと霊気のようなものが立ち昇り始める。

ふわりと長く美しい髪が舞い…

ビシッ!

いきなり横島に指を突き付けた!

「万能系!」

「は?」

「私にはアンタの未来が見える…アンタは将来〜〜」


「ゴーストスイーパーになる!!!」


「は…………?」

「この破魔札を賭けてもいいわ!」
べろんと広げられたお札には…


「50円」と書かれていた。


「安っ!?」
横島の呟きは完全無視された(泣)

「で、アンタが賭けるのはこの人狼の子よ!」
そういって教授はアミを逆さまにして、人狼の仔とやらを横島の手の中に落とす。

「……………………」
無言で人狼の子は横島を見上げた。

何か訴えかけているような気がするんだがさっぱり解らない…

「…俺のじゃないんですけど?」
「今からアンタのモノになるの!文句ある?」
「イ、イエナニモゴザイマセンヨハイ」
教授にギンッ!っと睨まれて、横島は見えない所に冷や汗を流しながら答える。

「話を続けるわよ、それで何年かたってアンタがGSになる頃には情どころか愛情まで芽生えて、絶対に別れられなくなっているはず!そうしたら代わりに1千万円くれればいいの(はあと)」
「高っ!?」
とんでもない金額に青ざめる横島。

「お、俺に押し付ける気なんですね……」
何もかも諦めた様子で横島が返す。

「あ、わかる?」
教授は悪戯っ子の様にペロリと舌を出す。

(く、このクソアマ〜〜美人なのに…勿体無い…)
横島は心の中で溜息を吐いた。

「知り合いに託されたんだけど、いいステイ先が見つからなくってね…いい加減な奴に託すわけにはいかないし」

(あんたが一番いい加減なんじゃ?)
無論、そんな事を言う勇気は横島達には無かった(笑)

「その子はね、知り合いの人狼の里で生まれたのよ、でもロクでもない欲望に取り付かれた奴に父親を殺害されて…」
「え!?」
驚く横島達をやんわり抑えるように教授は話を続ける。

そのロクでも無いヤツが、その後とんでもないメに遭う運命とは…

誰もこの時点では知る由も無かった(笑)

「それで、一族の反対を押し切ってそいつを倒す為に里を飛び出して来たのよ」

「そうだったんですか…」
ピートがしんみりと呟く。

「飛び出したこの子を心配して、長老がじきじきに私に頼みに来たのよ、犬塚の一族の最後の一人だから宜しく頼むと」
「たった一匹の生き残りかあ…」
しみじみと手の中の存在を、横島は見つめた。

「私が苦労して今まで面倒見て来たんだから、粗末にしたら…………呪うわよ(はぁと)」
「…………(汗)」
呆然と立ち尽くす二人を尻目に、教授は長い髪を翻して去って行く。

「………なんで家にはガルちゃんがいるから飼えないって言わなかったんです?」
「そういやいたな、そんなのも」
横島は「もうどーでもいいやぁ」的投げやりさで言った。

「いましたとも!あの陰険なのが…」
ちなみに、ガルちゃんとは魔鳥「ガルーダ」のプチ版として開発された人造妖物である。

「別に陰険なんじゃねぇよ、異様に闘争本能が旺盛なだけなんだ」

それをランボーと言わずしてなんと言うのであろうか?

「まあいい、なんとかなるさ…というかなんとかしないとあのねーちゃんにナニされるか解らんからな…」
横島は、彼女が去って行った方向に向けておもいっきり重い溜息を吐いた。

「く〜ん」
人狼の子は心配そうに横島を見上げる。

「ん〜…まあ心配すんな、お前が悪いんじゃない」
そういって撫でてやると気持ち良さげに目を細めた。


こうして、運命の出会いは(強引に)果たされたのであった。


〜第2話に続く〜


どうでしたか?

え?あんまり変わってない?

そ…それは言わない約束でしてはい(そんな約束はしてねぇ)

この連載方法に問題が無ければ、一週間に1〜2回くらいの割合で投稿して行こうかと考えております。


あまりにも人気が無ければ、打ち切りもありえますが(涙)


取り敢えず、次回でまたお逢いしましょう…でわでわ。

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