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「心眼は眠らない その45(GS)」

hanlucky (2005-02-15 07:30/2005-02-15 20:09)
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「報告ご苦労様でした。下がってよろしいですよ。」
「はっ!!」

ジークはようやくこの緊張から解放されることに胸を撫で下ろす。
何故なら今、目の前にいる二つの存在は神と魔の最高指導者なのだから。

シュゥゥゥン

ジークは最後に敬礼してからこの亜空間から小竜姫たちが待っている星の町にテレポートした。

「……なぁ、キーやん。」
「なんですか?」

亜空間に残された二柱の内の魔の最高指導者が深刻そうに神の最高指導者に問いかける。

「何かそっちの竜神王や斉天大聖が何か画策してるって聞いたんやけど……大丈夫なんか?」
「あぁ、その事ですか。心配及びませんよ。所謂、家族愛っていうモノです。」

魔の最高指導者が不思議そうにその意味を聞き出す。

「……中々おもろいことになってるんやな。よっしゃ! わしらも負けてられへんで!!」
「そうですね。まぁ、手始めに魔界にいるアシュタロス派を掃討しましょうか。」

最後に二柱はゴルフの約束を取り付けて各々の場所に帰っていった。


――心眼は眠らない その45――


―――雪之丞、鬼道VSタマモ―――


「憑依・夜叉丸」

詠唱は終わり鬼道と夜叉丸が重なり合う。それはまさしく平安京にて悠闇が高島の体に憑依した時を真似ていた。

ゴォォォォォ

その瞬間、鬼道から霊圧が立ち昇ったと思えばすぐにそれも収まる。

(この感覚や……)

鬼道がこの術を実戦でもすでに何度か使用しているが今までこれほどの強敵はいなかった。

(あかんな……静まらんかい。)

鬼道は今、初めてこの憑依術が何処まで通用するのか胸を躍らせていた。伝説の妖怪、九尾の狐。相手にとって不足はない。

「……いくで、夜叉丸。」

戦うのは自分、だが横島の悠闇のように鬼道は相棒に語りかけるのであった。

「まずは小手調べや、喰らいや。」

鬼道の左手には弓が、右手には三本の矢が握られていた。
構えを取り、

「壱」

シュゥゥゥン

「弐」

シュゥゥゥン

「参」

シュゥゥゥン

鬼道は速射でタマモを狙う。その精度は正確で三本の矢が一直線に並んでいた。
これではタマモが一本目を弾いたところで死角になっている二本目、三本目がタマモを襲う。

「―――!? ちっ後少しだっていうのに!!」

雪之丞を接近戦で負かしていたタマモは迫ってきた矢に反応して一本目を弾く。

「そんな距離で当たるわけ―――!? しまった!?」

鬼道の予定通り二本目の矢はタマモからは見えなかった。
気付いた時は遅い。タマモは右に避けようとするが、避けきれず二本目が左肩に突き刺さり、三本目は―――

「くっ!! やってくれんじゃ!?」
「……遅いで。」

バァァァァァン

―――爆発する。
鬼道のこれは横島のサイキックソーサーを真似たモノであった。大抵の敵は今のタマモのように矢を弾いたり回避したりする。鬼道の三段式の速射は正にそれに対抗したモノであった。

「あったまキタわ!! このチビはほっといてまずはアンタ―――へっ!?」
「だから遅いって!!」

タマモが爆発で視界を遮られている内に、死角に入りさらに矢を射る。先ほどの三連射と違い、威力重視の矢のようだ。

ズァァァァァァン

「くっ、調子に乗らないでよ!! 燃えなさい!!」

だがタマモの動きもハンパではない。その矢をかわして狐火を鬼道にお見舞いする。
だが鬼道の動きは普段の夜叉丸の動きを越えていた。そして今の状態なら超加速を使用しても弊害はない。

ゴォォォォォォ

かわせる。

この距離で放たれた狐火なら十分のかわせるモノであった。

だが、かわせるモノを唯かわしていたのでは芸がない。

「君を倒すんには僕らの攻撃やと大変やな。でもな……」

そう、先ほど放った矢も大したダメージを与えていない。だが、

「自分の炎やったらどうや!!」

鬼道は右手から矢が消えて剣が現れる。

タマモは先ほど自分が放った狐火を返された時に避けた。つまり危険だから避けたと推測できる。そして今の自分なら切り返しても火傷は起きない。
何故なら先ほどと違い自分の体は強固な霊波を纏っているのだ。これは夜叉丸を一時的に式神という存在から一個の霊力の塊に変えることによって可能にした。
そしてその霊波は纏うことによって夜叉丸と同じ事、いやそれ以上の事ができるになったのだ。

(これでもかなりの熱さやな。)

何故なら夜叉丸を操作するのに必要な霊力等の事を考えるとそれ以上の動きが出来るのは当然であった。

(まだや……まだや……)

何より第三者の視点ではなく自らの視点で戦える事はこの術を体得して大きく違うことがわかった。

「今や!!」

タイミング、自ら戦えることによってこの違いは大きかった。第三者の視点ではわからない刹那のタイミングがある。鬼道は自分で戦えるようになってそれを理解した。

「そんな!? また!!」

ゴォォォォォォッ

自分が放った狐火がタマモに迫る。だが、タマモも二度も同じ事を繰り返すわけにはいかない。第一今度メドーサに当たったらこの戦闘中に殺される事間違いなかった。そのため自身で狐火を放ち相殺する。

「ふ〜って生意気な!!」

タマモが何か言っているが超加速に入っている自分にはよく聞こえない。すぐに弓矢に持ち替えて距離を取る。

「あぁ〜〜〜〜ムカツクわ!! 何で私がこんなヤツに!!」

タマモが本当に真剣戦っているのか怪しい所であった。


(くそ、くそ、くそ、くそ、くそ!!)

自分は足手纏いだ。
認めたくは無い、認めたくは無いがこの現状では雪之丞はそれを認めないわけにはいかなかった。
鬼道が術に入ってから雪之丞はタマモに得意の接近戦を挑むが見事に完敗してしまったのだ。
それはあまりにも雪之丞にショックを与えたようである。それは完全に鬼道の計算外であった。
先ほども術が完成した鬼道の援護がなければどうなっていたかわからない。
雪之丞は二人のやり取りを見ているだけしか出来ない自分に酷く苛立っていた。

シュゥゥゥン シュゥゥゥン シュゥゥゥン

鬼道が再び三連射を行う。タマモは同じ手は効かないと狐火を放ち、矢を相殺、いや矢など関係ないと言わんばかりでそのまま炎は鬼道に迫る。
しかし距離が離れているため鬼道は難なく回避するが、

「伊達はん!? 危ない!!」
「はっ!? くそっ!!」

先ほどから精彩を欠く雪之丞にも炎は迫っていた。
それでも鬼道の声が早かったため難を逃れる事に成功する雪之丞。
今の行動から分かるように、タマモはどちらも休ませるつもりはないようであった。

(まだや、まだ動け!!)

鬼道は腕の痛みを強引に捻じ伏せタマモに迫る。
タマモの戦法はすでに読めた。
基本は中距離から狐火を放ち相手を焼き尽くす。それに対抗するには今のように遠距離から矢を放っていれば、狐火を回避することは造作も無い。
しかし先ほどの攻防からどれだけ矢を放ったところで狐火に燃やされる。これでは体力、霊力共に劣るこちらが負ける。
かといって接近戦を仕掛けようにもそれには狐火を掻い潜らなければならない。それはあまりにもリスクが高すぎる。鬼道は狐火の切り返しに成功しているが、ハイリスク・ローリターンではそう何度もやってられない。
鬼道も超加速を発動させているが横島たちよりも速度は格段に遅い。そのため先ほどの攻防からわかるように超加速を発動させてようやくタマモと互角なのだ。雪之丞に至っては魔装術のせいで超加速をまともに発動させることすら出来なかった。

「しつこいわね!! 私は横島と戦いたいのよ!! さっさとくたばってよ!!」

何よりタマモの戦法で一番危険なのが接近戦に持ち込まれることであった。
それは迦具夜から見せられた映像で分かるとおり、両腕に狐火を纏われて、腕を振るわれればそのまま業火に襲われるだ。
最初の立会いではタマモがこちらを舐めていたためか狐火を使用せず雪之丞を蹴り飛ばしたが、あの時にそれを実行されたと思うとゾッとする。

遠距離からではダメージが与えられない。
中距離では向こうの間合い。
接近戦に限っては完全に向こうの有利。
正に八方塞であった。

「調子に乗ってんじゃねえ!!」
「あかんて!! くっ、間に合え!!」

タマモが接近戦を仕掛けてくる。雪之丞は先ほどの借りを返したいのか待ち構える。

ゴォォォォ

タマモは距離を詰める間に両腕に狐火を纏う。
それを見た鬼道はすかさず矢を射る。

タマモに?

違う。それでは先ほどと同じ結果になるだけだ。

ダァァァァン

「えっ!?」
「ぐほっ!? き…きどう?」

鬼道はすかさず雪之丞に矢を放って当たった爆発でタマモとの距離を離す。
鬼道の狙い通りにタマモは鬼道の予想外の行動に足を止める。

(くたばりや!!)

鬼道はタマモの隙を見逃さない。雪之丞に攻撃したのもコレを狙っていたのだ。
すかさずタマモの死角から距離を詰める。

「はっ!? 喰らいなさい!!」

タマモはすぐに我に返って右腕を振るう。それに伴って狐火が鬼道を包むが、

(覚えとき……弱者ってのは―――)

炎の中からはいつの間にか人間から人型の紙が代わって燃え尽きていた。

「これって!! あの時と同じ!?」

そう、これはタマモが最後に横島にしてやられた式神の分身。


「―――こうやって強者に勝つんや!!」


タマモの後ろを取った鬼道はそのまま最大級の威力を誇る矢を射る。
タマモは鬼道の方に振り向く事がやっとで回避には到底間に合わない。


ダァァァァァァァン


「キャァァァァァァア!!!」

見事、相手の無防備な所に攻撃が決まりタマモは前方に弾け飛ぶ。
鬼道は今の攻撃で勝利を確信したのか雪之丞の様子を伺う。


(よしっ!! 急いで伊達はんの所に……!?)


敗因は何だったのだろうか?


グサッ


油断したわけではない。むしろ前回の事を考えれば決して油断できるわけはなかった。


「な……なん……なんでや?」


なら、敗因は、


「……いいセンいってたわね♪……でも―――」
「げ……ん…じゅつ……か?」


絶望的なまでの力の差であろう。


「―――身の程を知りなさい。」

そして、顔に付いた赤い液が妖艶さを惹きたてていた。


―――美神、横島VSメドーサ―――


(全く!! あの馬鹿のせいで……)

メドーサは先ほど、味方であるタマモの狐火を浴びて動きが鈍っていた。
そのおかげ順調に美神と横島を押していたのに今では互角というところまでになっている。

「アンタもいい仲間持ってるじゃない!!」
「ホントだよ!! 後でしっかり教育しなきゃいけないねえ!!」

美神とメドーサが打ち合うがやはりメドーサの技巧が遥かに上回っている。
美神はメドーサに毒舌を吐くことで己を奮い立たせると同時に挑発をしてるのだがメドーサは全く乗ってこない。それほどまでに戦いに集中しているのだろう。

(やはりね……この女は大して問題じゃない。問題は―――)

メドーサは美神を弾き飛ばして右から襲い掛かってくる敵に対応する。

「―――横島!! アンタは確実に殺させてもらうよ!!」
「やっぱ俺って認められてる!?」
『当たり前だろ。それより次、左下!!』

横島は悠闇の指示通り動く。始めは横島の好きなように戦わせるつもりであったが、メドーサの実力が悠闇の予想を超えていたのだ。
そのため悠闇の指示なくてはメドーサと張り合うことすら難しかった。

(ちっ!! この私の攻撃をここまで凌ぐとはね!!)

メドーサからすれば予想の一つではあったが実際に自分の攻撃をここまで防がれると驚くしかなかった。
しかも美神を仕留めようとすると横島が絶妙なタイミングで邪魔をするので中々事がうまくいかない。

「どうすんだよ!? このままじゃ!?」
『慌てるな!! 今は耐えて、機会を伺うのだ!!(……とはいったもの、実力が香港の時と違い……)』

メドーサの実力が香港の時から変わっていなければ文珠を二、三使用して動きを抑える事も可能であったがこれではと思う悠闇であった。
なお、メドーサがここまで実力を上げていたのはタマモを鍛えていく内に堕天した際に衰えた力を少しずつ戻っていただけである。

(どうする!? アレを使うのはまだ早すぎる、しかしこのままでは……)

この状況を破る方法はある。
しかし、それを行うにはまだ早かった。その方法は行うにはある条件を満たす必要があるのだから。

「はぁ、はぁ、(横島クンは息を切らしていないか……だったら私が弱音を吐くわけには―――)いかないわね!!」
「ふん、体は正直じゃないか!!」

すでに超加速を発動させてからかなり時間が経っている。この感覚に慣れている横島はともかく初めてな美神はすでに限界が近かった。
美神は必死に呼吸を落ち着かせているがメドーサから見れば、美神が限界に近いことは丸分かりであった。

「人間にしちゃよくやったよ!!」

メドーサは右手に竜気を集めている。

「フルパワーで消しさってやる!!」
「させるかーーー!!」
『横島!! 急ぐな、罠だ!!』

美神の危機を察したのか、横島は悠闇の指示を無視してメドーサに迫る。

ニヤッ

メドーサが笑う。その笑みは勝利を確信した笑みであった。

「動きが雑になったじゃないか!! 向こうにいってな!!」
「げはっ!?」

メドーサは刺又で横島を殴りつける。悠闇の指示がなければ横島の動きは稚拙であった。
そのまま遠くにふきとぶ横島。

「もらったわ!!」
「もらった? 何が!!」

美神はメドーサが横島を攻撃した瞬間に距離を詰めて神剣を振るうが、メドーサは蹴りでそれを弾く。

「なっ!?―――かはっ!?」

メドーサは美神が動揺した瞬間にさらにもう一撃蹴りを入れる。それをまともにもらってしまい悶絶する美神。

「まずはアンタだね……消えな。」

今度こそメドーサはフルパワーの気を美神に打ち込もうとする。美神は今の一撃でほとんど動けない。

「……さよならだ。」

ドォォォォォォォォン

メドーサの右手から巨大な魔力と竜気が混合したモノが放たれた。

アレを喰らえば小竜姫とて致命傷、いや生き残れる可能性は低い。

(あ……もしかして……やばい?)

体がいうことをきかない。
美神はただ迫り来る竜魔砲を眺める事しか出来なかった。

(……これが私の最後?)

諦める?

(冗談!! こんな事で諦めるぐらいだったらこんな商売やってないわよ!!)

そう、何故諦めなければならない。

始まりはGS試験、あの時からこんな時いつもアイツがいた。

(全く。私が人頼みとはね……それほど頼りになったってわけか……)

ハーピーの時も、香港の時も、デミアンの時も、フェンリルの時も、

いつもいつも、調子に乗って最後は決めてくれるヤツ。

(……でも悪くないわね。……誰かに支えてもらうってのも。)

だから、今回だって決める。

それが―――


「ギリギリっすね。」


―――横島忠夫だから。


《超》《加》《速》


超加速状態で超加速を行う。

効果はどうなるか?

答えは簡単。ただ時を制す。

『くっ!? バカモノ、無茶しおって!!』
「うるせえ!! あと何秒か知らんが一気にメドーサを倒す!?」

美神を安全なところに連れて行った横島はすぐにメドーサのもとに向かう。
美神にもメドーサにも今、何が起きているかわかっていないだろう。

(最後にそのチチを揉んで……」
『聞こえているぞ、そんな余裕が何処にある。』
「ぅ…………うぉりゃーーーーー!!!

《粉》《砕》

それは奇しくも、横島があの猿神を傷つけた時と全く同じであった。

横島は悠闇のツッコミを聞かなかったことにしてメドーサの胸を殴る。

と同時に文珠の分の超加速が切れた。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

――超加速・解除――
――超加速・解除――

さらに三人とも通常の超加速が切れる。
美神と横島は消耗によって、メドーサはその激痛によって。

「―――!? メドーサ様!?」

タマモがメドーサの悲鳴を聞いてこちらを見つめる。

「なっ!?……き……鬼道?」

横島はタマモが大声を上げたのでそちらを見つめる。

そしてそこでは―――

「ドジった…わ……横島…はん。」

―――腹をタマモの右腕で貫かれた鬼道がいた。

そして離れた所で雪之丞も倒れていた。それでようやくわかった。
鬼道と雪之丞は負けたのだと。

「ちっ!! メドーサ様、しっかり!!」

タマモは鬼道を離してメドーサのもとに向かう。
鬼道はそのまま倒れる。宇宙服も貫かれているため、竜気が切れればその場で宇宙の藻屑と化すだろう。

「タマモ……引くよ……少なくとも……アレはやっといたんだろ?」
「えっ!? はっはい。」
「どうせ…連中も……満身創痍さ。ヒドラを……突破出来やしない。」

メドーサは今にも死にそうな状態であったが、最後の力を振り絞りタマモを連れて、この場から姿を消した。

「えっ? 撤退したの?」

美神がメドーサとタマモが撤退した事が意外だったようである。
その間にも横島はすぐに鬼道のもとに向かい、ヒーリングを開始する。

「おい、しっかりしろよ!!」
『……不味いな。横島、仕方あるまい。文珠を使うべきだ。』

まだメドーサとタマモを倒したわけではなかったので文珠の使用は避けたかったが、このままでは鬼道が助かる可能性がゼロなので文珠の使用を促す。

《治》《療》

ヒーリング+文珠の効果もあってか鬼道の顔色も少しはマシになる。

「うぅっ……ほんまにすまんかったわ。いつの間にか幻術にしてやられるなんて……」

鬼道は自分がいつ幻術にかけられたかわからないようであった。
それはタマモがそれほど、この短期間で幻術使いとしての能力を高めてきた証である。

二人が話していると後から、美神と雪之丞も合流する。
美神は疲労だけであったが、雪之丞はかなりのダメージを負っている。それなのに泣き言一つ言わないのは流石であった。

「すまんかったな、伊達はん。あの時はああするしかなかったんや。」
「……あぁ、分かってる。」

鬼道は雪之丞が何を考えているか察したようだ。
雪之丞は今はただ己の非力さを、無力さを、口惜しく思っていた。

「……はいはい!! 暗くなってないで今のうちにコレを壊すわよ。」

美神は辛気臭くなった場の雰囲気を変えるように声を出してアンテナを壊す指示をする。

が、その時、

「グォォォォォォォォォッ!!!」
「えっ!? 何、何なの!?」

美神は突然アンテナから雄叫びに動揺するもすぐにヒャクメから詳細を尋ねる。

『あのアンテナ生きてるのよ!! あのアンテナ自体が強力な魔物なの!!』
「はあ〜、そんな事さっさと気付いといてよ!!」
『そんな事言っても困るのね!! 先ほどまでそんな気配しなかったんだから!!』

美神はヒャクメに愚痴りながらアンテナを睨む。

「自己防衛プログラム作動!! オマエタチヲ排除スル!!」

これこそがメドーサが言っていたヒドラであった。
ヒドラは巨大な数本の腕を伸ばしてそこからレーザーのような魔力を発する。

ドォォォォォォン

「なんじゃそりゃーーーー!!!」
『ちっ!! だから引いたのか!!』

悠闇はメドーサ達が引いた理由をようやく突き止めて自らの詰めの甘さを悔いる。
このままではレーザーの餌食にあう、文珠を使用すれば少しは凌げるが、その後のメドーサとタマモとの戦いが厳しくなる。
そのため横島と悠闇が取れる行動は一つしかなかった。


――超加速・発動―ー


普段の荷物持ちが功を奏したというのか、すぐに雪之丞と鬼道、美神を担ぎ上げヒドラから距離を取る。

「うっ……もう限界や。」

だがそう超加速が続くわけもなくすぐに切れる。


――超加速・解除―ー


「は!?……横島クン、よくやったわ!! マリア!! 一時離脱するわ、回収して!!」

何が起こったのかすぐに悟り美神は上空に待機していたマリアに自分たちを回収するよう命令する。

「上空ニ敵影確認!!」

だがヒドラの行動のほうが早く、マリアを乗せたポッドをレーザーで撃墜する。

ドカァァァァン

「マリア!?」
「おい、とりあえずここから離れたらいいんだな!?」

美神がマリアが撃墜されて驚いているうちに雪之丞も何が起こったのか理解してすぐに重傷の鬼道を担ぐ。

「ちょっ……俺も頼む、雪之丞。」

横島は先の超加速で力を使いきり最早動けない。仕方ないので雪之丞がそのまま肩に乗せてそのまま走り出す。
美神もここにいつまでもいるわけにもいかないので雪之丞の後を追う。

「マリア!? 大丈夫だったの!!」

どうやらマリアはポッドから脱出が間に合ったそうで上空から美神たちのもとに追いつけ来た。
マリアは美神たちに追いつくと美神を右手で、雪之丞を左手で持ってそのまま飛行して逃走する。

ドォォォォォン

後ろから際限なくレーザーが迫ってくる。少しでも止まればそこで終わりだろう。

ブンッ

「この中へ!! 早く!!」

突然、美神たちの前方の空間に大きな穴が開く。
美神たちは他に逃走手段もないので中から聞こえてきた声に従い、穴の中に突入する。

全員が中に入ると穴は閉じられ、ヒドラの追撃は無くなる。

「ここは!?」
「ようこそ、ここは月神族の城です。」
「迦具夜姫!?」

第一ラウンド、痛み分けで迦具夜と出会う。


――心眼は眠らない その45・完――


あとがき

う〜ん、月編ってオリジナル展開し辛いです。大筋が変わってませんし。精進します。
月編、後二話かな?

鬼道、パワーアップするも敗れるでした。まぁ相手は伝説の妖狐ですから。
もちろん、後一つの術を使用できれば……
雪之丞はここで挫折を知ってもらって強くなってもらうつもりです。

あと今回から改行に気をつけましたがどうでしょうか?

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