そう叫んだ瞬間、横島の頭の中ではルシオラが復活する為に必要だった唯一のアイテム、魂の結晶を自らの手で破壊した時の映像がフラッシュバックした。そしてそのまま意識が遠のいていくのを感じていた。
Legend of Devil Vol.6 Counter Attack その5
『ぎゃあぁぁぁあああぁぁぁ!!!』
涙を流し俯いていた横島はスクリーンから流れたメドーサの悲鳴に驚き、スクリーンに目を向けた。
そこには左腕が無くなり、肩口から大量の紫色の血液を吹き出しているメドーサの姿があった。メドーサは怒りの形相で映っている。
瞬間、メドーサの姿が消え、数十メートル先に現れた。超加速で距離をとったのだろう。
『この借りは必ず返してやる!! 絶対に、絶対に殺してやるからね!!!』
その言葉を残してメドーサはスクリーンから姿を消し、一面の星空が映し出されていた。
「もう、戻れないのか・・・・・・・・・? ルシオラ、俺どうしたら良いんだ?」
横島の目からまた涙がこぼれ、底のない深い闇に落ちていく。
「そ、そうだ! タマモは!? タマモは無事なのか!?」
振り向こうにも闇に捕らわれた状態の横島は身動きがとれず、スクリーンは未だに星空を写しているばかりである。
『ヨ、ヨコシマ?』
その時、スクリーンから横島を呼ぶタマモの声が聞こえてきた。
「タ、タマモか!!?」
タマモの声に反応して叫ぶ横島だったが、横島の言葉は闇の中へと虚しく吸い込まれていく。叫んでも叫んでも反響せずに消えていくだけだった。
ガシ!
『ぐ! ヨ、ヨコ・・・シ・・・マ?』
何かを掴む音と苦しそうなタマモの声が聞こえてくる。
「な、何だ!? 何があった!? ・・・・・・・・・タマモ!!」
何があったのか分からずに困惑する横島はスクリーンにあるモノが移った事で全てを理解した。其処には横島の腕で首を鷲掴みにされ宙吊りにされているタマモの姿があった。
「お、おい。 なにやってんだよ? タマモを助けに来たんだぜ? なぁ、なにやってんだよ? 離せよ? なぁ?」
困惑しながら何かに語りかけるが非常にもタマモの首を掴んでいる掌には霊空波を放つ為に霊気が集中していく。
「や、やめろ!!」
必死に動こうとする横島であったがその四肢はまったく動く様子はなかった。そしてスクリーンに映る手には更に霊力が集中していく。横島はこれほど大量に霊気が集中していくところは見たことがなかった。このままでは金毛白面九尾の妖狐という大妖であるタマモであっても霊波片1つ残さずに消え去ってしまうだろう。
「やめろ~!! 俺はもう何にも失いたくないんだ!! 俺の手で大切な人を傷つけたくないんだ!! 頼む! やめてくれ!! 頼むからやめてくれよ!!!」
そう叫んだ瞬間、横島の頭の中ではルシオラが復活する為に必要だった唯一のアイテム、魂の結晶を自らの手で破壊した時の映像がフラッシュバックした。そしてそのまま意識が遠のいていくのを感じていた。
「頼、む・・・・・・やめ・・・・・・て・・・・・・くれ」
つづく
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