インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!壊れキャラ有り

「除霊委員の強化合宿 第11話 (GS+オリキャラ)」

犬雀 (2005-02-04 21:41)
BACK< >NEXT

第11話  「変身!天野唯!!」


正対し互いに礼をする横島と斉天大聖。
審判(レフェリーにあらず)役の小竜姫が「はじめ」の号令をかける前に横島が手を上げる。

「ちょっと待ってくれませんか?」

「何じゃ小僧。」

「あの、さっきの話っすけど、あの神様たちは正式に神族として認められたんすか?」

「ん…そうじゃな。神族に連なる者たちとして北の地の守りを託されることになったぞ。」

「そっすか…だったら…」

顔を伏せ小声で何かを呟く横島。
再び上げたその顔でひときわ輝くのは猛禽のごとき光を放つ異形の目であった。

「ほう…その目…それが新しき神から譲り受けた力か?」

「借りているだけっすよ。」

驚く猿神と竜神にパピリオが聞いた。

「小竜姫?あの目はなんでちゅか?」

「わかりません…でも、あの目はまるで鷹のようですね」

「鷹でちゅか?」

「そうね…でも鷹と言うよりはフクロウに近いんじゃないかしら…」

愛子も同様の感想を漏らす。そんな観客の言葉など耳に入らぬかのごとく、久々に見る異神の技との闘いに高揚した斉天大聖は気合とともに棍を振り下ろした。

「良いのか?ならばいくぞっ!」

横島は体を半身ずらしただけでそれをかわす。空振りした棍は地面を叩く寸前で向きを変え、横島の足をなぎ払わんと横に振られるがそれも縄跳びでもするかのように軽く跳躍してあっさり避ける。

ならばとばかりに風車のごとく回転させた棍を十文字に振り回し、左右から連撃を加えるが、これもまた自然な動きで間合いの外に逃げられた。

「ふむ…見えておるのか?」

「そうっすね…正しくはこの目に教えてもらっているって感じですけど。」

「それが借り受けた力か?」

「そうっす。んで、コレは教えてもらった技っす!」

再び横島が口の中で何事かを念じる。
その言葉が猿神の耳に届くかどうかと言うわずかな時間の間に彼の体はフッと掻き消えた。

「え?」

「消えたでちゅ?!」

驚くパピリオと小竜姫。
斉天大聖も棍を水平に構えたまま、あたりの気配に目を光らせた。

「ふむ…隠行か…。しかもこれは気配を隠すではなく周囲に同化させておるな…」

心を鎮め棍を中段に構えたまま、油断無く周囲の気配を探る斉天大聖。
突然、その棍がブンと霞むと一瞬のうちに顔の前に立てられ、突然出現した霊波刀を受け止める。

「ふーむ…攻撃の直前まで気配を消し、なお殺気すらも隠して放つ技か…。なかなかやるのう。」

斬撃を止められ動揺したのかその姿を現す横島に笑みを向ける。

「だが…まだ甘い!」

一喝とともに再び神速の速さで突き出される棍を紙一重でかわされ、その棍の脇を滑らせるように迫る霊波刀を横になぎ払って横島ごと吹き飛ばした。

10mほども飛ばされながらも構えに乱れの無い横島の姿に斉天大聖の笑みはますます深くなる。

「確かに凄い技じゃがまだ未熟のようじゃな。それに先ほどの隠行ならば飛び道具の方が効果はあるじゃろ。」

「え?使っていいんすか?」

「かまわんぞ。借り受けた力、全て見せてみよ!!」

振りかぶった棍に「見せなきゃ凄く痛いよ」という意志を見た横島は胸の前で手を組むと叫び声とともにそれを開いた。

「行け!『チカプ』!!」

その胸から放たれるのは光り輝く霊波の鳥たち。それがそれぞれ別の機動をしながら斉天大聖に襲い掛かる。

その時、場外にここにはあってはならない声が響いた。

「まあ?あれはっ!!」

「知っているの?アリエスちゃん…って何でここにぃぃぃ!!」

「ふふふ…考えてみればわたくし胸のサイズをある程度変えれましたのですわ…唯様までいかなくても80台前半まで落とせばあの程度の戒めなど…。」

「うわ…何気にきっついこと言っているでちゅ…」

「で、唯ちゃんは?」

「唯様ならそこに…」

アリエスが指差したほうを見れば髪の毛を真っ白にして倒れ伏す唯の姿。

「唯ちゃん!!いったいどうしたのっ?!」

駆け寄る愛子に答える気力も無いのか弱々しく震えるだけ。

「あの…アリエスさん。あれは何事ですか?」

恐る恐る尋ねる小竜姫にアリエスは胸元から取り出したハンカチでそっと目の端を拭う。

「唯様は…自分から脂汗を流そうと…自分で「私は貧乳・私は貧乳」と言い続け…そのプレッシャーに耐えかねてあのような悲しいお姿に…」

「まあ…なんて健気な…ぐすっ」

身につまされたか小竜姫も貰い泣き。

「今は乳の話はどうでもいいでちゅ!!それよりあの鳥が何か知っているんでちゅか?カッパ!!」

呆れながらも詰め寄るパピリオにアリエスも我に返ると、律儀にも場外のマヌケな展開が終わるまで空中で待っていた光の鳥を指差して叫んだ。

「あれは古に滅んだムーの守護神の得意技『ゴオォッド・ミサイィィル』ですっ!」

「全然ちゃうわっ!!」

突っ込んじゃった横島君…彼は知らない…この瞬間に運命の歯車が回っちゃいけないほうに回ったことを…。

「ふむ…そんな神々の力も得ていたか?ならばっ!」

「だから違いますってば!!」

横島の突っ込みに我に返ったのかのように襲い掛かる光の鳥をかわして気弾を放つ斉天大聖。
横島は飛び来る気弾を右手にサイキックソーサーをシールド展開して防ごうとするが…

「『ゴオォッド・ブロオォォォック』」


いらんことを叫んでしまった。

とうとうマヌケな運命の歯車はきっちりとかみ合っちゃった。

横島の右手に掲げられたシールドは猿神の気弾をあっさり弾き、あっけにとられる斉天大聖に向かい左腕を突き出すとまたまた叫ぶ。

「『ゴオォッド・ゴオゥガァン』」

左手に光の弓を実体化させ、いつの間に装填されたか霊波の矢を放つ横島。

自分に向けて次々と放たれる光の矢すべてを叩き落す斉天大聖だったが、地に落ちた矢は爆発し土煙をあげて消えていく。
斉天大聖の姿が土煙の中に消えると横島はその背にワシのような翼を生やして天に飛び上がった。

「『ゴオォッド・バアァァァド』」


気合の叫びとともに自らの体を霊光によって包み込む。
その光はやがて燃える光の鳥の姿をとると、空中から獲物を狙うタカのように斉天大聖に一直線に突っ込んできた。

「なんとっ!」

棍に霊力を集め光の鳥を迎撃しようとする斉天大聖。

その技と霊力の凄まじさに驚く小竜姫とパピリオ。

真っ白な唯を抱き起こしたまま見つめ続ける愛子。

そしてアリエスは…

「あれは『科学○法 火の鳥』!!

「なんでいきなりそっちになるんやぁぁぁっ!!」

「「「「あ!」」」」

チュドォーーーン


突進中に心ならずも入れてしまった突っ込みは横島の目測を狂わせ、彼は斉天大聖とは離れた地面に激突すると大音響とともに爆発した。


「ヨコチマっ!!」

濛々と舞い上がる土煙が晴れたその場所にあるのはでっけぇクレーターだけ。
兄の身を案じて必死に走るパピリオの目に映るは、クレーターの中心ににょっきりと生えた二本の足。

「ヨコチマっ!しっかりするでちゅっ!!」

「横島さん!ご無事ですか?!!」

慌てて駆け寄って来た小竜姫とともに横島の足を持つとむんずとばかりに引っこ抜く。

「えいっ!…きゃっ?!」

スポン


軽い手ごたえにひっくり返ったパピリオと小竜姫、もしや体が千切れ飛んだかと最悪の予想に蒼白になった顔を向ければ目に飛び込んでくる不可思議なオブジェ。

人を呪わば穴二つと言うか…因果応報と言うか…かっての唯のようにズボンを脱がされてアッパレな姿を晒す横島の下半身。

ただ、大きな違いは…。

「ゾウさんでちゅか?」

…パンツも一緒に脱げていたということで…

「ぱ……」

「ぱ?」

「パオパオがぁ〜!パオパオがぁぁぁぁ!!」


顔を真っ赤に染めながら錯乱気味の悲鳴?とともに放たれた小竜姫の霊波砲は再び横島を土砂の下に埋めた。


チャポーン…


揺らめく湯気が傷に優しくまとわりつく。
少し沁みるがその痛みすら自分が生きていると言う実感となって心に満ちる。
頭に乗せた手ぬぐいで顔を拭きながらボソリと一言。

「あ〜死ぬかと思ったぁ〜」

「普通は死ぬがの…まったく呆れた奴じゃ…。」

横でやはり頭に手ぬぐいを乗せ、浮かべた桶の中の肴をつまむ斉天大聖。
猪口を横島にポンと放ると徳利を差し出す。
「ども」と受け取ると注がれた酒を口に含む。
芳醇な香りが口の中に広がって心地よい。

「弟子と飲むのもいいもんじゃな…」

「俺、一応未成年っすけどね…」

口とは裏腹に御代りを要求すると、斉天大聖も先ほどの武神としての貫禄はどこへやら再びにこやかに徳利を傾けた。

「時に横島よ。先ほどの技だがな。あれはどういうものなのじゃ?」

訂正、やはり武神であった。

「んー。盾は前から使えましたよね。ちょっと強度が上がりましたけど…」

ちょっとどころでは無いだろうと思いつつも先を促す。

「弓はキツネの神様に教えてもらいました。あ、でも矢の扱いはタマモのほうが上手いっすけど…」

「ふむ…霊波刀の応用か?」

「そっすね」と頷きながら猪口の中身をまた一口。

「最後の鳥はなんじゃ?」

斉天大聖の問いにばつの悪そうな顔で答える。

「いやぁ〜。あの羽はワシの神様から貰ったんすけど、最後の奴は昼間見たカブトムシの技を使ってみました。」

「よくわからんが…一回だけ見た技をただ真似たと言うのか?」

「はい。」と笑う横島に斉天大聖はただただ驚いた。頭を軽く振って猪口の残りを一気に飲み干す。

「まったく…つくづく常識の通用しない男じゃの…。」

「人を変態みたいに言わんで下さい…」

顔を見合わせ笑う師弟を月がふんわりと照らしていた。


一方その頃、女湯では…


「♪あっまのゆいちゃん!あっまのゆいちゃんはボ・イ・ン。乱暴に引っ張るなっ♪」

唯が何やら上機嫌で鼻歌を歌っている。
溜め息つきつつそれを見やる愛子。
その顔には疲れの色が滲む。

「とりあえず…その嘘っぽい歌もどうかと思うけど…唯ちゃんもう大丈夫なの?」

「へう?何がですか?」

「そういえば髪の毛の色がもどってまちゅね…」

確かに総白髪だったはずの髪は栗色に戻っている。
「ああ…これですか。」と自分の髪を撫でながら唯。傍らでホケラ〜と湯に浸かっているアリエスを見た。

「アリエスちゃんからカッパ液貰ったんですぅ。」

「え?唯ちゃんとアリエスちゃんキスしたのっ?」

「してませんわっ。これを差し上げただけですわよ。」

アリエスは胸の谷間から取り出したいかにも栄養ドリンクっぽいビンを愛子に見せる。

「それは…なんでちゅか?」

「これはカッパ液配合の栄養ドリンク…言ってみればお薬ですわね。」

「白髪も治るなんて凄いわねぇ…。人間の製薬会社とかが知ったら黙って無いわね。」

感心する愛子だったがアリエスが「もちろん人間の会社にも卸してますわ」と言う返事に硬直した。

「へう?…でもカッパ液ってカッパさんの体で作られるんでしたよね。そんなに量があるんですかぁ?」

「いえ…直接、カッパ液を渡すわけではありませんので…」

「だったら何を渡すんでちゅか?」

興味津々と言ったパピリオに笑顔を向けるアリエスだったが、愛子はその笑顔に不吉なものを感じる。

「それは企業秘密ですわ…でも…人間界で初めて見つかったホルモンって「牛のおしっこ」から抽出されたんですってね…クスクスクス」

「な…な…何で今、そんな話をするのよぉぉぉ!!!」

涙まで浮かべて絶叫する愛子にアリエスは「さあ?」と惚けるばかり。
その背後では…

「わーっ。この娘がまた真っ白にぃぃぃ!!」

『むう。気を確かにもたんか!人の娘よっ!!』

パピリオが再び真っ白になってしまった唯を揺さぶる。

「な…なんで貴方がここにいるのかしら…」

白目を剥いている唯の頭上に乗っているのは先ほどのカブトムシの霊だった。

『机の娘よ。そんな些細なことはどうでもいいではないか。蝶の娘よ。水を持ってこんかっ!』

「わかったでちゅ!」

パピリオの持ってきた冷水を浴びせられてやっと目覚める唯。
カブトムシも心配そうに覗きこむ。

「えう…なんかお花畑が…って…あれ?カブトムシさん!」

『うむ。久しいな人の娘よ。』

「昼間の話でしょうがっ!それより何で貴方は成仏してないわけ?!」

問い詰める愛子にカブトムシは偉そうに前足と中足を組んで答える。

『うむ。成仏したかったんだがこの地区担当の死神が急に入院したとかで迎えが来なくてな…。まあ折角だからこの娘の力になろうと思ってきたのだ。』

「力でちゅか?」

『うむ。私を受け入れてくれればこの娘は私の力を使うことが出来る。』

「それってカブトムシに変身しちちゃうとかじゃないでしょうね…」

『確かにキーワードで変身し、私の力を使えるようになるが自由に人に戻ることも出来る。どうだ?私の生きた証として私の力受け取ってくれんか?』

「へうっ!喜んでっ!!」

「ちょっと唯ちゃん!!そんな安直にっ!!」

「いいんです。子供の頃から変身ヒロインは憧れでしたし、それにカブトムシさんの気持ちも嬉しいですから。」

『やはりお前と闘えて良かった。今こそ私はお前の中で生きよう。』

「お願いしますっ!」、『応っ!!』

二人の体が光に包まれる。
しかし、光のおさまったその場に佇むのは全裸の唯だけだった。

「えう?」

『キーワードを唱えるのだ!』

「了解ですっ!!」

返事とともにすーっと深呼吸して叫ぶは変身キーワード。

「ア〜マ〜ノ〜ン!!」


『ち、違うっ!!それはトカゲだっ!!なぜ素直に「変身」と言わんかっ!!』

「らじゃですっ!変身!!」

唯の言葉に答えるように表れるのはカブトムシの絵が描かれた薄いドアのようなもの。
キョトンとする唯に再び叱咤するカブトムシの声。

『そのドアを潜るのだ!』

「はいっ!」

潜り抜けた唯の姿は一瞬にして複眼のような目を持つヘルメットをかぶり、金属質のスーツに包まれた姿へと変化した。

「か、カッコいいでちゅ…」

「唯様…なんてお姿に…」

「やりましたっ!これで私も変身ヒロインですっ!!」

『うむ…これでお前は私の力を使えるようになった…。もう本当に思い残すことはない…さらばだ人の娘よ…』

「ありがたく使わせてもらいますぅ…。」

徐々に消えていくカブトムシの声に唯は手を合わせて感謝の心を伝えるのだった。


そんな騒ぎをよそに小竜姫は風呂の隅っこで「ぱおぱお…」と呟きながら一人で酒を飲んでいる。
彼女の周辺に浮かび沈みしている夥しい数の徳利が彼女の受けた衝撃の深さを物語っていた。


「へう…そういえばタイガー君はどうしたんでしたっけ?」

「忘れていたわね…アリエスちゃん。タイガー君は?」

「さあ?」


翌朝、本堂の床下からマニアックな縛り方をされて気絶しているタイガーが、アリエスによって偶然発見されたが犯人はわからずじまいであったそうな。


後書き

ども。犬雀です。
さて今回、唯嬢、またまた訳のわからんパワーアップしちゃいました。
でも使いどころがあるのかなぁ?と自信の無い作者であります。
今回はすっげー古いネタを混ぜました。

では次回で…


>wata様
はい。そろそろ外伝の方とリンクさせてますです。外伝のキャラも本編に出せたらいいなとか考えてます。

>法師陰陽師様
ピンク…マヌケなピンクにあこがれる今日この頃…精進しますです。

>フライ様
確かに基本でしたね。今回はアニメと特撮からネタをいただきました。

>Dan様
今回はアリエス嬢がその知識を全開にしております。

>草薙京弥様
ある意味タイガーにはもっと悲惨な状況を与えちゃいました。
タイガー君、結構好きなキャラなんですけどねぇ。

>斧様
エミさんですね。学校が舞台だとどうしても本職のGSは出しづらいです。
タイガー君は今回は一行でした。次回は0か?

>紫苑様
タイガーに貼るお札…タニシでしょうか?それとも張子の虎。
一番効きそうなのは「影薄い」ですかね。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!