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「皆の笑顔の為に・・・ 第三十二話(GS)」

ファリス (2005-01-20 21:59)
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ちょっと暑くなって来て、もう直ぐ夏だな〜。と考えたりする六月後半。
横島は六道女学院へと、中学を休んで来ていた。
学校を休んでまで来た理由は、令子の上達ぶりを見たかったからに他ならない。
まあ、ちょっとは女子高に行きたかったって言うのもあるだろうが。
そんな事を考えているが、ぶっちゃけた話横島は令子の事が心配だった。

そして今横島は、霊能科全生徒の前に理事長の冥菜と出ている。

「今日は、皆さんの希望通りの結果になりました〜」

冥菜がそう言うと同時に、割れんばかりの歓声が校庭に響き渡るが、
その中で一人だけ驚きの声を挙げる女性がいた。美神令子である。

「な、何で横島クンがここにいるのよ!?」

それは皆が黙っていたからである。
横島は話そうとしたのだが、冥菜と驚きだが唐巣にも止められたのである。
二人が話さなかった理由は、単純に面白そうだったから。だそうです。

「皆さんが今回はプロのGSではなく、『まだ』一般人の少年を呼びたいと言ったので〜。
おばさん、頑張っちゃいました〜。
と言う訳で、特別審査員を引き受けてくれた横島君、ここに登ってきて〜」

冥菜にそう言われた横島が冥菜の横に立つと、先程までの歓声は何処に行ったのか、
辺りはシーンと静まり返った。

「ども。今紹介された横島です。今日は呼んで頂けて光栄です。
まだ中学生の俺に色々意見される事を癪に思う人もいるでしょうが、
今日は精一杯皆さんのご期待に添える様に頑張りたいと思います」

横島がそう言い頭を軽く下げると、再び歓声が沸き起こった。

「はいはい、皆さん〜。横島君とは後で話す機会があると思うんで静かにね〜。
じゃあ、一年生から対抗戦を始めるから、出場する生徒は準備に入ってね〜」
『はーーーーい!!』×全生徒


これが面白く無いのが令子である。知っての通り、令子は寂しがり屋だ。
その令子が、自分に黙っていられたら不機嫌になるのも仕方の無い事だろう。
しかし、令子が醸し出す怒りのオーラを気にする事も無く、
近付いて行く一人の女生徒がいた。令子の後輩の千穂である。

「美神先輩、どうしたんですか?」
ふふふ・・・後で覚えてなさいよ、横島クン。
・・・って、千穂じゃない。どうしたの?」
「それはこっちのセリフですよ!先輩、今凄い霊波を放出してたんですよ!?」
「え?ちょっと、気合を入れてだだけよ?
(あ〜、怒っただけで霊波が出ちゃったんだ。後で横島クンと先生に何か言われそう。
・・・って、怒るのは私じゃない!!)」
「そうですか?ならいいんですけど。
(どー見ても、彼氏に重要な事を黙っていられて、怒っている様にしか見えなかったんだけどな?)」

千穂は令子にそう言われたが、何処か納得がいかない様な感じだったが、
後輩や自分のクラスの出場者の応援の準備があると言って、校舎に向かって走って行った。


どうやら学校の中で一番仲の良い千穂には、令子の心情はバレバレの様だ。


さて、令子がそんな事を考えているとは全く考えていない横島は、
午前中に行われる一年生と二年生の試合を見つつ、
生徒達の実力について考えていた。

「(う〜ん。何か、あの時代の生徒達よりも今一つって感じだな。
やっぱり鬼道の教師と霊能力者としての実力は高かったんだな〜)」

横島はGSの男連中で認めている人物は限りなく少ない。
昔から霊能力は女性の方が高い事は広く知られているから、辛口の事は滅多に言わないが、
あの時代で横島は高校三年に上がった時に、令子に認められた事でGSの正式免許を貰い(ランクはA+)、
他のGSとチームを組む事が何回かあったのだ。
その時に横島が感じた事は、『実力も霊力値も二流以下なのに、プライドだけは一流』と言う物だった。
いくら横島がランクA+でも、新人には変わりは無い。
つまり、社会人として先輩連中の言う事を聞かなければならないのだ。

横島がそんな奴等と一緒に仕事をすると、必ずと言って良い程横島は傷を負って帰って来た。
それは何故か?プライド以外は二流と言う事は、場の浄化をきちんと行われない。
と言う事だ。そうなるとどうなるか?直ぐに悪霊が其処に集まってくるのだ。
悪霊が溜まっていた『場』と言うのは清浄な気は失われ、
『穢れた』気に染まってしまう。これが所謂、陰気と呼ばれる物である。
『除霊』と言うのは、除霊場所の浄化も100%行い、
『場』を『悪霊が溜まる前』の『状態に戻す』と言う事なのだ。

早い話が、その後始末を誰がやるかと言うと、横島以外にありえない。
一緒に来ていたGSは、悪霊を倒しただけで除霊は終わりと言い帰って行く。
その後横島は一人で再び溜まりだした悪霊を祓い、場の浄化を行うのである。
そうなると、いくら横島と雖(いえど)も幾つか掠り傷を負ってしまうと言う訳だ。
まあ、それを見た美神が色々と手回しをして、社会的に制裁を加えていたのは言うまでも無いが。

話は逸れたが、横島が認めている男連中の名前を上げると、
ヴァンパイア・ハーフのピート、世界でもトップレベルの精神感応者のタイガー、
武ではあの時代の自分よりも高みにいた雪之条、癪だが実力はトップレベルの西条、
そして先程言った鬼道。この五人しかいないのである。

そして鬼道が育てた生徒達も、それまでの卒業生達よりも高い実力で卒業して行っていた。
それを間近で見ていた横島には、確かに生徒達の戦いぶりはいいが、
実践では通用しない物として映っていた。
横島の心情を隣に座っていた冥菜が気付き、横島に話し掛けた。

「どうかしら、横島君〜?」
「悪くは無い動きですね。皆さん、きちんと基礎は出来ているんで、
後はそれをどう応用するかだと思いますよ?」
「なるほどね〜。なら、横島君だったらどう指導するのかしら〜?」
「そうですね・・・まず、人其々の特性に分けて教えますね」
「特性に分けて〜?」
「はい。例えばそうですね・・・今戦っている生徒は両方共前衛タイプですよね?」

横島が結界内で戦っている二年生を指差しながらそう言うと、
冥菜は静かに頷き続きを促した。

「つまり、彼女達は前衛組としてまずは入れますね。で、今交代したのは後衛タイプなので、
後衛組に入れます。それともう一つ組を作って中衛組も作ります」
「それでどうやって教えるの〜?」

話の内容は分かるが、どう育てるのかが分からない冥菜は横島にそう質問する。
それに横島は、冥菜が『わざと』驚く答えを言う。

「俺なら、それぞれの組に戦い方を教えて戦わせますね」
「えぇ〜!?それは危険だから無理よ〜!?
(これに横島君はどう答えるのかしら〜?)」

その答えに横島は眉を寄せながら聞き返す。

「一つ聞きますが、ここに来ている生徒達は全員がGSを目指しているんですよね?」
「ええ、そうよ〜」
「つまり、何時かはGSになって悪霊と戦うと言う事ですよね?」
「えぇ・・・あっ〜!」

最後の質問に答えようとした冥菜だったが、ここで横島が何を言いたいのかに気付いた。
続けて言う横島の答えは、冥菜が用意していた答えと全く同じだった。

「分かりましたか?美神さんから、式紙との模擬戦があるのは聞いています。
ですが、式紙は生きていません。その上の式神となれば話は別ですけどね。
つまり式紙はその場の状況で頭を使わず、生きた考えをしません。
それでは、いざGSとなって悪霊と戦った時に、状況に応じての動きと考えが出来ません。
そう言った行動を体で覚えるには、人との生きた戦いである実戦が一番なんです」
「・・・・・・・・・・・・」

横島の言葉に冥菜は驚き何も言えなかった。
自分の娘の冥子と、五歳位しか違わない筈なのに自分と同じ事を考えられる事に。

「とまあ、そう言った感じで俺なら指導しますね」

横島がそう言って話を締め括ると、冥菜は横島に賛辞の拍手を送る。

「すごいわ〜!横島君の答えは正解よ〜。
と言っても、私が用意した答えと同じって言うだけなんですけどね〜」

冥菜にそう言われた横島は、表情は普通なのだが内心焦りまくっていた。

「そ、そうですか。それは良かった。
(しまった!またやっちまった!あの時代の事を考えたから、そのまま答えちまった!)」
「もし横島君さへ良かったら、特別講師にならない〜?」
「いや、俺は中学三年ですよ?年下が年上に物を教えるのを皆さん、余り良く思わないんじゃ?
それに学校もありますし」
「年の事なら気にする必要は無いわ〜。
それに特別講師をして貰うのは、中学校が速く終わる水曜と土曜だけでいいから〜。
お願いできないかしら〜?」
「(確か、抑止力として次世代も育てろ。って、修行の時にキーやん達が言ってたな)
・・・分かりました。その二日間だけでいいなら引き受けます」
「あら〜。直ぐに答えてくれるとは、さすがのおばさんも思わなかったわ〜。
でも、おばさん感激だわ〜。横島君ありがと〜」

対抗戦そっちのけで、横島を講師として雇う六道冥菜理事長。
・・・ちゃんと見てやれよ。

「いいのよ〜。横島君が来てくれるなら、皆が成長できるもの〜」

天の声に答えるなよ・・・。
まあいい。

冥菜が横島を雇う事に専念している間に、二年生の決勝もどうやら終わっていた様だ。
二人共顔だけは結界の方を向いていたので、全然見てない事に誰も気付かなかった。

ここで、午前で行われる一年と二年の対抗戦は終わり、
次はいよいよ美神が出場する三年の対抗戦となった。っが!
その前に昼食の時間が設けられ、各々の思いつくメンバーで食べ始めていた。


昼食時間に入る少し前。
横島の座っている場所からそれなりに離れた場所で、大多数の壮絶な睨み合いが行われていた。

睨み合いの内容は、『誰が横島と二人で昼食を食べるか』と言った内容だ。
参加しているのは、既に敗退してしまった一年生と二年生。
そして、まだ試合の始まってもいない三年生達だった。

しかし、この睨み合いも徒労に終わる。
何故なら既に美神が横島と昼食を食べる約束を取りに向かっているのだから。


あとがき〜
本当にごめんなさい!
何が、夜中に投稿するだ!次の日の夜じゃねえか!
そう思っている方ばかりだと思います。本当にすみませんでした。
今回の話は長くなってしまったので、二話に分ける事にしました。
続きは明日には投稿できると思います。
今度こそ有言実行します!では!


レス返し〜
weyさん、D,さん、突発感想人ぴええるさん、紫苑さん、zendamanさん、Danさん、
渋さん、大神さん、漆黒神龍さん、柳野雫さん、レスありがとうございます!

どうやら皆さんが、天狗を横島が一撃で倒した事に驚いている様なので、
補足をここで。
捻りで与えた一撃は、外側ではなく身体の内側にダメージが残るんです。
確かですけど・・・。うろ覚えな物で。
それを霊力とミックスして放ったのですから、一撃で倒れるのも当然かと。

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