インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「心眼は眠らない その28(GS)」

hanlucky (2005-01-18 19:48/2005-01-19 19:39)
BACK< >NEXT

「そういや〜オキヌちゃんが生き返って結構経つよな〜。」
『まぁな、それがどうかしたのか?』

オキヌの復活以降は大した事件も起きず日々平穏に過ごしてきた横島。
今現在もバイトに向かっている最中である。

「いや、愛子が居なかったら事務所がどうなっていたんだろうって思っただけ。」
『確かに・・・』

オキヌが事務所に来てからは整理整頓は全てオキヌ任せであったため、事務所は
荒れ放題であった。ここで登場したのが愛子である。愛子曰く

”これも青春ね〜”

という事らしい。
そういうことで美神はオキヌが帰ってくるまでの代役に愛子を起用することにした。
他にも小鳩が事務員の立候補をしていたが、愛子の能力や時給の関係で見事に敗退を
してしまった。

”愛子ちゃんの能力って本当に便利よね〜。書類隠し放題だし、幽霊だから時給なんて
 無きに等しいし♪”

おほほ、高笑いをあげながらご満悦の美神であった。
愛子に弱みを握られていく事に気付いていないらしい。
それとも脅されたら即除霊なのだろうか?
そこら辺の駆け引きが実に興味をそそる。

ちなみに愛子の就業時間は基本的に授業が無い時間である。
そのため、今日みたいに横島が学校を休んでいる日には放課後に来る予定になっている。
時給が上がっても無駄に学校を休む横島であった。
横島はわかってやっているのであろうか?
学校に横島が来ない事で出番がなくなる二名がいるということを。


ようやく事務所に到着して美神が居る場所に向かおうとする。

「ちわ〜横島っす!!・・・え〜と誰っすか?」
「記憶が読めない?・・・ってあっ遅いわよ!!紹介するわ、彼女は―――」
「ヒャクメなのね〜、あなたが横島さんね。神界で中でも竜神界では結構噂になって
 いるのよね〜。」

オフィスに入ると大きな一つ目のカバンを持ったコスプレ美少女が居た。


――心眼は眠らない その28――


「コスプレ美少女は俺のもんやーーーー!!」
「ちっちがうのねーーー!!」

とりあえずヒャクメに突撃する横島。
ヒャクメはカバンを使って防ごうとするが、今の横島の身体能力を舐めてはいけない。
ヒャクメもビックリの速度で横にかわして、いざダイブ!!

「やめんかーーー!!」

ドシッ

それでも美神のツッコミは何故かかわせないようだ。
見事に床に沈む横島であった。・・・すぐに復活したが。

「それで俺ってどんな噂が流れてるんだ?」

美神もその答えに興味があるのかヒャクメを見つめる。

「人間にしては中々優秀よね〜って流石、天龍童子第一家臣を名乗ることは
 あるわね。最近じゃ魔狼殺しって呼ばれてるのね〜。」
「うわっ、このバカってそんなに有名になっているの!?」

竜神界において竜神王は絶対の存在である。その息子である天龍の第一家臣、有名に
なるのは当然のことであろう。まぁ横島が名乗った事など一度も無いが。

「そ〜か、いや〜見る目のある人ってのは何処かに居るもんだな〜。俺の伝説が
 そんなに広まっているとは。」

空を見上げながらポーズを決める横島。神界の人達に見せているつもりなのか。

「このまま横島さんが成長を続ければ死んだ時スカウトが来るかもしれないけど、
 その時は私に仲介させて欲しいのね〜。文珠使いなんて神界でもめったに現れ
 ないのに人間から現れるなんてそれだけでも神格化に十分なのに偽者と
 はいえあのフェンリルを倒すなんてお見事だったのね〜。」

神格化にもいろいろ手続きがあるらしく仲介人にはあとで謝礼が支払われるらしい。
フェンリル戦についてだが、これは人間界でも大きな事件の部類に入ったため
神界で映像記録に残されているようであった。その時に横島が文珠使いということが
広まっていったらしい。

横島はヒャクメのお言葉でさらに有頂天になっていた。もちろん心眼がすぐに戒める。
ヒャクメは次に心眼の方を見つめて意味深な事を口走る。

「・・・確かに老師の言ったとおりなのね〜。」
『それで・・・どうするというのだ?』
「別にどうもしないのね〜。老師もほって置いていいって言っていたのね。」

ヒャクメの立場からすれば職務怠慢と言うべきなのかもしれないが、その時の猿神が結構怖かったので言うとおりにする事に決めたようである。心眼は改めて猿神に感謝した。


話が逸れたが、ヒャクメの今回の訪問の理由は美神が魔族に狙われる理由を調べる
ためであった。猿神の話では美神の前世に関係しているということらしい。
そのため調査官であるヒャクメが派遣されてきたのであった。

ヒャクメは全身に100の感覚器官があって目を凝らせば相手の前世すら見ることが
できる能力の持ち主であった。さきほど美神の前世を覗こうとしたが、何故か
見ることができず困っていた最中に横島が到着したのである。

「話を戻すのね〜、美神さんの前世には何故かプロテクトみたいなものが
 されているの。う〜ん、思ったよりおもしろうそうねー。」

美神と横島をよそに一人自分専用のノートパソコンに取り出して、何かを始める。

「百聞は一見にしかず!!こーなったら直接見に行くのねーー!!」
「えっ!?」

美神がヒャクメの奇行に動揺している間に額に何かの装置をつけられる。

「小竜姫のかけた封印を解いて、私の念をシンクロさせて―――」
「ちょいまち!!もしかして―――」

美神はヒャクメが何をしようとしているのか気付いたらしい。
すぐにとめようとするがヒャクメはすでに最終工程に入ったらしい。

「あなたの時間移動能力、借りるわね!!」


バシュッ


辺り一面が突然暗くなる。
時間移動の最中なのであろう。
慌てる美神をヒャクメは落ち着かせようとするが、

「エネルギーだってたっぷりあるわ、私たち二人ちょっと過去をのぞいて帰ってくる
 ぐらいなら楽勝よ!!」

自信満々のヒャクメであったが、流石は後に役立たずというおいしい二つ名を貰う事
はある。

「あのー、三人なんすけど・・・」
「えっ!?」

二人ではなく三人であった。


バシュッ


景色が突然変わる。
どうやら時間移動が終了したらしい。
三人が到着した何故か五重塔の一番上。どうやら京都らしい。
ヒャクメは予定外の出来事で神通力をほとんど失ったらしく頭を抱えていた。

「平安京!?大昔の京都だわ!!」
「どうやっておうちに帰ろう!!帰れるかしら!!」
「あんたほんまに神様か!!」

そんな慌てるヒャクメの姿がやけに似合っていた。


次の日―――


「待たんか!!貴様ら!!」
「相変わらずしつこい連中よね〜。」

この時代、呪術は国家が管理していた事もあって美神たちはモグリのGS扱いであった。
そんなわけで現在逃亡中の三人。服についてはいつの間にこの時代に合わせたものに
なっていた。

何故美神たちが未だにこの時代にいるかというとヒャクメの神通力が切れたため美神の前世を探せなくなっていたからだ。文珠を使えばヒャクメの神通力を回復することもできたが、時間が経てばいい話なので無理に文珠を使用せずにのんびりとモグリのGSをして生計を立てることにしたようだ。美神がその時代の報酬が目当てだったのは間違いないであろう。そのため《雷》の文珠と美神の時間移動で帰れるところをあえて帰らなかったらしい。

「じゃ、横島くん。囮の方頼むわよ。」
「後であの廃屋に行けばいいんすね?」

とりあえず合流地点の確認を行ってから横島が囮になるため検非違使との距離を縮め
美神と二手に分かれる。当然検非違使は一人でも捕まえようと思って自分達に近い横島
を追走する。

「ぬぉぉぉぉぉ、俺の逃げ足は世界を制す!!」

まぁ当然横島に追いつけるわけはなく、そのまま見失うのであった。

「はぁ、はぁ、楽勝だったな。」
『やれやれ、お疲れさん。』

とりあえず追っ手を撒いたことだし平安京の町並みを見学する横島。
ここで心眼が何かに気付く。

『アレは?・・・まさか!?横島、急いであちらに向かってくれ!!』
「んっ、もしかして美神さんの前世でも見つけたか。」

とりあえず横島は心眼に指示された方に向かう。
行き着いた先では一人の男が大量の検非違使に追われているところであった。
町民も被害に遭わないために近所の家に逃げる。

『間違いないな、追われている男。おぬしの前世だ。』
「おっ俺のか!?何か知らんけど追われてるじゃねえか!!」

横島の前世は必死に逃げているがアレでは時間の問題であろう。

『で、どうするのだ?』
「決まってんじゃねえか!!助けるんだよ!!」

心眼は横島の行動について何も言わない。この事によってタイムパラドックスが
発生しようが歴史の自動修復機能がどうにかすると確信しているのだ。どの道
横島忠夫という存在は揺るがない。とりあえず見物を決め込む心眼であった。


《穴》


ドォォォォォン


横島の前世が過ぎ去った後に突然広範囲に広がった落とし《穴》が発生する。
深さは3Mぐらいといったところであろう。自力で登れないことはないが、
その間に横島の前世が逃げ切る事は造作もない。

「おいっこっちに来い!!」
「!!これはお前がやったのか!?」

呆然としていた横島の前世にすぐに横島が声をかける。
そのまま二人はとりあえずこの場を離れることにしたようであった。

「とりあえず・・・お前の名前って何なんだ?」
「無礼なヤツだな。人の名を尋ねる時はまず自分からだと習わなかったのか?
 まぁいい、高島だ。お前こそ誰だ?」
「俺か?俺は横島。これでもお前の来世だ、恐れ入ったか!!ちなみにコイツが
 相棒の心眼。」

高島は横島を可愛そうな子でも見るような顔をする。
それはそうだろう、いきなり自分の来世だなんていうヤツがいたら間違いなく
病院をお勧めする。それでも助けられた身、しっかりお礼はする。

『おぬし、完全に疑っておるだろう?その霊圧から察するに相当な陰陽師と見受ける。
 霊波の波長を見極めれば完全に一致するということに気付かぬか?』
「むっ!!失礼な式神・・・じゃねえな。ここまで上等な精霊なんて初めて見たぞ。」

高島は心眼にいわれてもう一度横島を観察する。確かに似ているというかそっくり
だという事がわかる。とりあえず高島は納得することにしたようだ。
高島についてだがこれでも平安京では五本の指に入るぐらいの陰陽師らしい。
こういった事態を把握する力は高かった。

「それにしても何で追われてたんだ?」
「それはだな〜え〜と、まぁなんだ。お前こそ何で未来からこの時代に来てんだ?」

何故か横島の質問を誤魔化そうとする高島。

『どうせ、おぬしのことだ。女関係であろう。』
「ぐっ!!そんな簡単に分かるってことは千年経っても進歩しねえヤツだな、お前は!!」
「うるさいわい!!だいたい俺はお前の来世じゃ!!」

心眼にズバリ当てられ逆ギレを起こす高島。そのまま八つ当たりをする。
その後とりあえず二人は美神が待っている場所に向かおうとする。
移動しながらもやかましい一行であった。

平安京の中心街から少し離れたところに美神たちと待ち合わせをした廃屋があった。

「美神さ〜ん、ただ今戻りました。っていないぞ?」
『横島、あそこに何か書いてあるぞ。』

心眼は壁を見るように横島に伝える。そこには

”mitukatta toiukotode atodehyakumedesagasu”
”見つかった という事で 後でヒャクメで探す”

ご丁寧にローマ字で書かれていた。稼いだ財宝が無いところを見るとしっかり持って
いったらしい。こういうところはピンチになっても美神らしい。
こんなに早く美神たちの隠れ家がバレたのは高島を捕まえられなかったのが大きかった。
もし横島が高島を助けていなければこんな事にはならなかったであろう。

「・・・どうすんだ?」
『向こうが後で探してくれるといっているのだ。それよりも高島、誰かおぬしを
 かくまってくれる奇特な人物はいないのか?』
「奇特って失礼なヤツだな。まぁ一人だけ心辺りがある。」

珍しい事に高島を助けてくれる人間がいるらしい。
話を聞けばその人物は最近、陰陽師になったばかりの男で高島はその人物の弱みを
握っているらしい。

高島は意気揚々とその人物が暮らしている家に案内する。

「おおここだここだ。ちょっと待ってろ。」

高島は中にすぐには入ろうとはせずに何かの鳥の形をした紙を取り出して、鳥の式神
を作る。一見簡単にしているように見えるがこれは高島が優れた陰陽師ということを
表している。横島は今の様子を見て美人の人形を作ってくれるように頼むが、

「俺だって何度も試したがそれだけは何故か作れんのだ!!ちくしょうーーー!!」

やはり邪心があっては成功しないらしい。(それとも宇宙意思?

即興で作られた式神は家の中に入っていく。
しばらくすると一人の男が家から出てきた。

「たっ高島はん!?逃げ切れたんか!?」
「よ〜鬼道。その様子だとお前のところにも一度検非違使の連中が来たようだな。」
「きっ鬼道!?」

中から出てきた男は横島もよく知っている男、鬼道政樹にそっくりであった。
高島の言うとおり、鬼道の家には一度検非違使に捜索に来ていたようであった。
ちなみに鬼道の前世というオチではない。普通に遺伝子上似ているだけである。

「高島はん、誰何や。このお方は?」
「ああコイツは横島、俺の知り合いだ。そんな事より中に入れてくれるよな?」
「いやや言うても入るくせに、まぁええよ。でも長い間は無理やで。」

一向は鬼道の家に入っていく。最近陰陽師になったのは本当のようで横島が知っている
鬼道と比べその実力は大したことはないようであった。家も周りと比べてまだまだ
発展途上といったところか使用人もほとんどいない。

とりあえず一同は落ち着いた後に情報交換をする。

「ほらすごいな〜。流石は高島はん、来世と会えるなんて滅多にないで。」

滅多どころかまずないと思うが?
何処か感心するところが間違っている鬼道。

ここで鬼道と高島の関係であるが、最近陰陽師になった鬼道に指南していたのが高島で
あったらしい。他にも人格的に優れた陰陽師など腐るほどいたが、権力争いが激しい中
高島のように権力に興味のない(女には人一倍であるが)男は珍しかったのである。
そのためわざわざライバルを育てる人間など皆無でしかたなく高島が引き受けたらしい。
鬼道としてはそのおかげで高島に弱みを握られるといった災難であったが。

「まぁしばらく落ち着いたら京から離れるか・・・それまではここにいさせろよ。
 でないと・・・」
「わかっとる、だから六道はんに告げ口だけはやめてほしいわ!!」
「そういえば、鬼道の家があるんだから六道家があっても不思議じゃないわな。
 で、なんなんだ?」

嫌がる鬼道をよそに高島は横島に弱みをぶちまける。余程誰かに言いたかったらしい。

早い話、鬼道は現六道当主の一人娘に惚れておりわざわざ木彫りの人形を作るほどで
あった。それを高島に見つかり人形も何処かに隠されてしまった。その後鬼道は
懲りずに新しく人形を作ったようであったが。
現六道当主は親バカで有名なようでそんな事がバレたら一陰陽師である鬼道なんかは
適当に罪を擦り付けられ島流しは確定になってしまう。そのため鬼道は高島に逆らう
事が出来なくなってしまった。

(普通、その弱みはすでに無効ということを気付かんか?)

ここで鬼道は忘れているようであった。今の高島は藤原家ゆかりの女中に手を出した
罪人であって六道家にそんな事を話している暇をないということを。実質、その弱みは
心眼が思っている通り無効なのである。まぁ心眼も寝床がなくなるのはいやのようで
決して言わないが。

『何はともあれ時間があるようだし高島と鬼道、二人に頼みがある。短い間ではあるが
 横島に陰陽術を教えてくれぬか?』

心眼は横島の前世が陰陽師と言った今、横島にも陰陽術が使えると判断したのだ。
いくら時間があるとはいえいきなり教えてくれというのも失礼なので心眼は代わりに
霊力のコントロールを教えることにした。

「まぁおもしろうそうやし、基本的な事でいいなら僕が教えますわ。」

この事がきっかけであったかはわからないが後に鬼道家はこの当主を頂点に栄える事に
成功するが、数世代で没落していく。


高島、鬼道と出会って二日後―――


すでに辺りは暗くなっていた。

「美神さん、何してんだろ〜な。」
『ヒャクメの神通力を考えたら今日辺り動くであろう。そんなに気になるか?』

事実、美神はヒャクメの神通力が溜まるまでの間、モグリにせいをだしていた。
横島はこの二日間で陰陽術の本当に基礎を学んでいた。現代のGSの方法と違い、
小難しいことばかりであったのでなかなか横島の覚えが悪いのが原因である。
鬼道は自分の式神である夜叉丸のコントールのコツを心眼から教わり大分成長した
ようである。その実力はすでに一般の陰陽師を凌いでいた。
高島についてはそんな二人をボケ〜と見学しているだけであった。

「それにしてもな、こんな事覚えたって強くなったとは思えないんだが?」
『戦闘能力だけが全てではないだろう?おぬしが美神どのから自立した後にそのような
 能力は役に立つ。』

横島が覚えたのは簡単な霊符などや高島が鳥の式神を作ったみたいなちょっとした式神の
扱いであった。簡単な霊符とは幸運を呼び込む等と言った戦闘には関係ないが、将来
役立つであろうといったものである。もちろん霊波の流れを変えるといった少しは戦闘に
役立つ霊符も一応あった。

『だいたい今のおぬしに中途半端な戦闘技能は必要ない。そんなことであったら奇策
 の一つや二つ、覚えた方がよっぽどタメになる。』
「しかし何で・・・何で俺も美女の人形だけは作れないんじゃーーーー!!!」
『聞いているのか?』

横島、実は鳥の式神が作れるようになってから試しにグラマーな美女を作ろうとしたが、
見事に失敗したのであった。その理由は、

(そのような情けないことはワレがさせるわけないだろう。)

実は心眼が横島の念を邪魔していたのであった。

「あれ、誰か来たみたいやな?」

鬼道は客が来たようなので玄関の方に向かう。
その間に横島と高島は隠れる。
しばらくすると鬼道は誰かに似た男を連れて居間にやって来た。

「どうぞ、西郷殿。何もないところですが。」
「いや、大した用事じゃないんだ。それにしてもちょっと見ない間に大分腕を
 上げたみたいだね、鬼道くん。」

鬼道はいつもの口調ではなく礼儀正しく西郷と呼ばれた男を持て成す。今の鬼道の
実力を見破る辺り、西郷がかなりの実力者だということがわかる。

「あっあれって西条じゃねえか!?」
『静かにしろ、横島。見た限りアレは西条どのの前世であるな。』

押入れに隠れていた横島は西郷という男が西条そっくりである事に驚く。
それもそのはず、西郷という男は高島と同じように西条の前世であるようだ。
つくづく縁が深い連中である。(当人は嫌がっているが。

「単刀直入に言おう!!鬼道くん、君は高島を匿っているね?」
「西郷殿、なっ何をいきなりおっしゃるんですか!?」

そんなに慌てたらバレてしまうという事が分かっていないのだろうか。
鬼道は慌てまくる。まぁ罪人を匿っているのだ、自分のみ何らかの罪を与えられるのは
間違いないであろう。

「そう慌てなくていいよ、どうせ高島のことだ。君の弱みでも握っているんだろう。
 君は人がいいからね。」

流石は西郷。高島との腐れ縁は伊達ではない。見事に正解する。
西郷の尋問に鬼道は徐々に追い詰められていく。西郷は取引として高島を差し出すなら
今回の事を不問にするとまでいってきているのだ。陥落は時間の問題であろう。

「じっ実は―――」


ドカァァァンッ


庭の方から巨大な爆発音が聞こえる。
今の拍子で横島と高島が隠れていた押入れのドアが壊れてしまった。

「たっ高島!!やはりここにいたなーーー!!!」
「こらっ鬼道!!最後にてめえチクろうとしやがったな!!」
「すっすいまへん、高島はん!!」

三人が喧しく騒いでいると突然人型の妖怪が現れる。

「くそっ話は後だ!!陰陽五行汝に調伏する、鋭!!」

ドゥゥゥ

西郷はすぐにその妖怪を迎撃するが、その後ろにいる存在に気付いていない。

「しまった!!囮か!?」
「遅いわよ。」

どうやらその声から女のようである。
その女は西郷を蹴散らす事に成功する。
ちなみに助けようと思えば助けられた横島であったが、あえて無視したようだ。

「「誰だ、お前!!」」
「誰なんや!!」

ご丁寧に全員、目の前の謎の女に正体を尋ねる。
そんなバカ三人はほっておいて心眼はすでに何者か気付いたようである。

「私はメフィスト・・・悪魔メフィスト・フェレス。高島どの、あなたと契約を結び
 に来たの。」


――心眼は眠らない その28・完――


おまけ

「なんであのバカは屋敷でくつろいでるのよ!!」
「落ち着いて欲しいのね〜。」

ヒャクメの遠視によって横島が高島と一緒に居る事を知った美神は怒り心頭であった。
この後、横島は間違いなく理不尽な暴力に遭うであろう。


あとがき

なんか最近二日に一回ペースに落ちていく今日この頃。(発表準備さえなければ・・・


さて心眼の名前ですが・・・

3、悠闇(ゆあん)に見事決定いたしました。(丸猫様、ありがとうございます。

皆様、本当に様々な名前を考えていただきありがとうございました。
投票もたくさんで作者としては本当に嬉しい限りです。

では名前も決まったことだしいつ悠闇が登場するか期待しといてもらえると嬉しい限りっす。

ご指摘があったところを誤字修正、加筆修正をしました。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル