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「無限の魔人 第二十五話(GS)」

紅眼の狼 (2005-01-13 19:19)
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無限の魔人 第二十五話 〜初めての除霊〜


雪之丞から聞く所によるば、サングラスをかけた道士風の男が香港一と呼ばれる風水士、李百暗と言うようだ。

後は「知らん」と言われてしまったが。

会話から右から2番目の禿げた眼鏡の老人が香港GS協会の会長らしい。

後は別に重要な人物では無いと判断し、特に調べはしなかった。


この会議で分かった事は次の通りだった。


1、日本のGS協会から知らされた風水士を狙った物騒な事件が起こる事。

2、早ければ今日から、遅くても3日後までに日本から風水士を守る為にGSが多数送られてくること。

3、明日にでも有名な風水士を一堂に会し、狙われているらしいと告げる事。

4、1人でも襲われた者が居るならば、再び風水士を守りやすい場所に集め保護する事。


これは日本の情報が嘘だった場合を考えての事だろう。
実際に魔族を見たものは此処には居らぬから理解できぬ事でもない。


5、全香港GSに連絡をつけ、いつでも集められるようにしておくこと。

等が決められた。


会議が終わった後、雪之丞と共に外に出、そのまま夕食を食べに向かった。

金の管理は界人がやっていたので、私は一文も持ち合わせは無い。

当然、雪之丞持ちで美味しい物を食した。

驚いた事に雪之丞は意外と金に困ってなどは居なかった。

モグリのGSとして活動していては貧しいだろうと思って居ったが、依頼量が多いらしく、塵も積もればなんとやら・・・なのだとか。


モグモグ ガツガツッ

凄まじいスピードで雪之丞の持つ箸が動いている。


「ほれはふまいな(これはうまいな)」


口一杯に頬張りながら喋る様は、以前にテレビで見たリスに似ていた。


「口に物を入れながら喋るでない」


モギュモギュ ゴクンッ


「ん、取り合えずこれからどうするんだ?」


点心料理に箸を伸ばしながら聞かれた。


「うむ、有名な風水士が明日集まるようだからそれに行く。」

「ふーん、て事は今日はもうやる事は無いな。」

「ああ、後は明日だ。」

「あ、そっちの料理をくれ」


雪之丞が箸で私の前にあるカニ料理を刺しながら言った。


はぁ・・・。


「お主、そんなに食べて大丈夫なのか?」


料理を手渡しながら疑問を投げかけた。

既に食べ始めてから1時間経っている・・・にも関らず食べ終わるという気配がしない。

こやつの胃袋は一体どうなっておるのだ?


「ああ、GSは体が資本だからな。いつでも動けるようにしてるんだ」

「そうか・・。」


もはや何も言うまい・・・こやつは事食に関して、人外の者と定義付けた。


「これから暇だろう? だったら俺の仕事も手伝ってくれ」


仕事? 


「モグリのやつか?」

「ああ、あんたの依頼の前に一件入っててな。安い仕事だが依頼主が子供なんだ」

「ほう、お主・・・子供は好きか?」

「ああ、・・・あ、俺が子供好きだってのは内緒だぞ?」


ふふ、意外と可愛い所があるではないか。


「分った、それで依頼の内容はなんなのだ?」

「母親に取り付いた悪霊の除霊だ。聞く所によると相当強力な奴らしい」


そう言えば除霊などした事は無いな・・・まぁ、何とかなるだろう。


「分った、私も付いて行こう」


そう言うと雪之丞はこちらをじーっと見つめてきた。


「あんた・・・そう言えば何が出来るんだ?」


何が出来るか・・・考えた事も無かったな。

元が心眼だから霊視関係は出来るが、攻撃となると・・・やった事が無い。


「霊視が得意だ・・・が、攻撃の方となると分らぬ」


怪訝そうに


「分らぬって・・・あんたも謎だよな。まぁ、俺は攻撃の方が得意だから二人なら問題無いだろう。今夜11時に仕事だ」

「解った、で、そろそろ満足したのか?」


テーブルを見てみると、用意されていた料理は全て無くなっていた。

大量の皿が積み重なっている。


「ああ、これで今夜は問題無いぞ。」


店を後にし、ブラブラと二人で時間を潰した。


ついでに二人分のサングラスを購入した。(させた)

大き目の偏光サングラスで、界人も黒を着けていたのを思い出して色は同じく黒を選んだ。


何か嬉しかった。


夜11時


夜の街はまだまだ喧騒に賑っていたが、少し離れれば賑わいもなく、シンと静かな夜となる。

雪之丞と共に街外れの賑わいとは無縁だろうと思われる場所に来ていた。


「依頼主はこの辺りに住んでいるのか?」


隣を歩く雪之丞に聞いた。


「ああ、前にここで腹が減って行き倒れそうになった時に知り合ったんだ。」

「その時は祓いはしなかったのか?」


そう、その時に祓っておけば今日手間を取ることも無かった。


「ああ、そんときゃ俺はモグリのGSなんてやってなかったからな。それに会ったのは子供の方で母親に会った訳じゃない。」

「ほう、お主は子供に助けられたのか。」

「ぐっ、・・・・りんごを1つ貰ったんだ。」


悔しそうに言った雪之丞が少し可笑しくて笑ってしまった。


「では今日は恩返しだな。」

「ああ、安い仕事とは言ったが依頼料はとらねー、あんたには悪いけどな。」


今更そんなことを言われても仕方が無い。

それに、


「構わぬ、風水士を守るのも別に報酬があるわけでも無いのでな。」


これは唯の我侭に過ぎぬしな。


あばら屋がひしめき合っている一角に着いた。

雪之丞が徐にその内の1つに入っていったので、慌てて追いかけた。


「ここか」


決して広いとは言えぬ家だった。

家に一歩踏み入れた瞬間、ぞわっと霊感に引っかかる物があった。

部屋の中心には布団と、その隣に座る10歳くらいだろう男の子が居た。

男の子がいきなり現れた我々を見て驚いていたが、雪之丞を見つけ嬉しそうに走り寄って来た。

暫く二人で会話していたので暇になり、部屋の真中に寝ている恐らく母親だろう女性を霊視しようと思った。


なっ!


霊視などするまでも無く、寝ている母親の上には黒々しい強い瘴気が渦巻いていた。

これほどの悪霊が人に取り憑くなど早々あるわけでも無い。


近づき、母親の顔を見てみるが・・・やはり生気が抜けたように、青い顔をしてやつれていた。

悪霊に生気を吸われたのだろう。


もう2日遅かったら死んでいたかもしれない。

医者では無いが、到底助かるとは思えぬほど衰弱している。


「一度は祓い屋になけ無しの金つぎ込んで祓ってもらったらしいが、また戻ってきちまったらしい。」


いつの間にか隣には雪之丞が居た。


男の子は除霊の為外に出ているようだ。


祓ったが戻って来た・・・か。


「ふむ・・・・つまり、完全に悪霊を浄化せねばならぬわけじゃな?」

「ああ、二度と戻って来れないように逝かせてやる必要がある・・・でだ。」


うん?

何かあるのか?


「どうした・・・早くやらぬのか?」


雪之丞が言い難いような、苦虫を噛み潰したような顔をしている。


「俺は霊的格闘が専らでな、霊が人間の中に入り込んでいるのを祓うのは無理なんだ・・・で、あんたは出来るか?」


霊的格闘のみ・・・か、それではGSとして大成する事は出来ぬな。

知識や道具で足りない所を補うならまだしも、身1つで除霊を行うならば未熟も良い所だろう。


「出来るか・・と聞かれれば出来ると答えるが・・。」

「何か問題があるのか!?」


雪之丞からすれば予定外の霊症なのだろう。

焦ったように問い掛けてくる。

文珠を使えば事は楽に済むが・・・貴重な文珠だ。

何ももせぬ内から使っては勿体無い。


「文珠を使えばすぐに済むのだが、貴重品だ。一度自力で体から追い出してみる。」

「そうか・・・頼む!」


霊を倒すのならば意外と簡単だ、霊力の篭った道具なり体なりで殴りつければ済む。

だが、霊を体から追い出すとなるとそれだけでは肉体まで傷つける事になる。

故に魔装術の使い手である雪之丞では霊を清める(倒す)事は出来ても、祓う事は出来ない。

霊を祓い、清める。

その二つの手順が憑依した霊を除霊するには必要である。


さて、霊を体から追い出すには・・・・そうだな、住み難い所に居座ろうとは思わぬだろう。

右手を母親の額に当て、少しずつ自らの霊力を送り込む。


ビクンッ


母親の体が一瞬跳ねた―――が、雪之丞が押さえつけた。

一分経ったが全く反応が無い。

霊力の出力を少し上げ、左手でも子宮の辺りに霊力を流し込んだ。


額と腹から霊力を送っていたが、母親の体の中で霊力がぐるぐると無秩序に流れていた為、霊力を右手

から流し込み、左手で受ける事にした。

それがプラスに働き霊力の流れを作り、悪霊の穢れを押し出す事に成功した。

徐々に母親の上に姿を現していく悪霊。

協会のランクで言えばBクラスだろうか・・・。


「ヴオォオオオオオオオオオ!!!」


完全に姿が現れ、母親との霊的な憑依は解け、完全に祓われている。


「ここからはお主に任せるぞ。」


雪之丞は既に魔装術を纏っており、戦闘体勢に入っていた。


「おうっ!!」


ここからはもう可哀想なくらいに雪之丞が殴っていた。


「オラオラオラ!!」


如何にBランクの霊だろうが、モグリとは言え既にGSトップクラスのレベルの攻撃力を持つ雪之丞には敵わなかった。


止めとばかりに放った霊波砲が命中。


「ギュワアルウウウゥゥ」


断末魔をあげ、消えた悪霊。


来世での幸福がありますように。


無限の魔人 第二十五話 〜初めての除霊〜

end

あとがき
なんとなく、除霊について語ってみました。
祓うとは、対象物からの憑依を解くこと。
清めるとは成仏や供養。

まー気にしちゃ駄目です。

そして、リスゆっきー登場!がんばれリス!


レス返し

>九尾さん
全くその通り、矢が刺さったまま抜かないままで20年・・・・・ぐああああ。
想像つきません。
界人君はたらしですから・・・はっ!?このままでは横島君もたらしに!?


>法師陰陽師
ふっふっふ・・・どうなりますかね・・・でも、ここまで来たら落とさなきゃ男じゃない!(え


>トレロカモミロさん
私もハーピーは結構好きなキャラかもしれません。
レギュラーにしたいなー・・・でもこれ以上キャラ増えると会話に参加させるだけでも大変そうで・・・。

>隆行さん
初めましてー。
テンポ良いですか、そう云ってもらえると救いがあります。
これからも頑張って続けていこうと思います。

>Danさん
人間名は必要ですかね・・・必要でしょうねー・・・てな訳で募集しまふ。
いやー、教えてくれてどうもです。

>柳野雫さん
界人君の魅力はなんでしょう・・・きっと界人君と直接会った人には分るんだと思います。


ハーピー人間名募集・・・まだ使うかは分りません(?)
仲間になったら多分ひつよーだなーって感じなので、気楽に応募してください。

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