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▽レス始

「皆の笑顔の為に・・・ 第二十八話(GS)」

ファリス (2005-01-13 03:43)
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横島と老師の衝突によって起こった爆発による煙が晴れていく。
爆発の中心部には・・・肩に穴が空きそこから血を流し仰向けに倒れ、人間の姿に戻った横島と、
如意棒を杖の様にしながらだがしっかりと立っている老師の姿があった。

「「忠夫(さん)!?」」

小竜姫とワルキューレは横島の傷付いた姿を見た瞬間に扉を開け飛び出した。
そして横島の元に着くと、小竜姫はヒーリングを掛け、
ワルキューレは横島が楽になる様に膝枕をしながら老師に怒りを含んだ声で話しかける。

「猿神殿!ここまでやる必要があったのですか!?」
「・・・お主達には聞こえんかったようじゃな。
あの時代なら、横島は英雄じゃから関係を持っても特に問題は無かった。
じゃが、この時代ではまだ横島は何もしとらん。
じゃから、ワシに抑止力としての力を示す必要があったんじゃ」
「だからって!」
「お主達には悪いと思うが、こうしなければワシが横島の代わりにこうなっていたじゃろう。
まったく、恐ろしく強くなったものじゃ」

老師はそう呟くと、先程の事を思い出していた。

二人の得物の切っ先がぶつかった瞬間に何があったのか?
こうなった理由は二人の出した技の特性による物だった。
横島が繰り出した炎雷龍波は単純な突撃技である。しかし、その威力は計り知れない。
つまり、神龍神刀を真直ぐに突き出し、突進をかます技である。
それとは別に、老師が出した回天粉砕棍はその名の通り回転がかかっている。
分かる人にはもうお分かりだろう。
如意棒の回転によって神龍神刀はその軌道をずらされ老師に当たる事は無かった。
そして、如意棒も僅かにだが炎雷龍波の威力が高かった為にずらされてしまい、
横島の肩を貫通してしまった。という訳である。

「兎に角、横島の傷も塞がったようじゃから戻るぞ。
(ふぅ~、これで小竜姫とワルキューレを罰さないで済んだわい。
しかし、切れた横島は危険じゃな。攻撃が単調になり過ぎとる。
それに自分の大切な人に少しの事が起こりそうなだけで切れるとは。
・・・利用されなければいいんじゃが)」

そう言うが速く老師は考えながら部屋を出て行く。
その後ろ姿を二人は唇を噛み締め横島を運びながら見つつ、二人はまったく同じ事を考えていた。

『自分達は横島の負担になっているのでは?』と。

この二人の考えは思い過ごし以外の何物でも無いのだが、
生来、戦いに関わって来た二人は、戦いの面でも横島の役に立ちたいと思っていた。
そして横島を運び出すと、そのまま三人で一夜を共にした部屋へと向かった。
二人は気が付かない。自分達の後姿を羨ましそうに見ている者に。


~~小竜姫の部屋~~

横島をベッドの真ん中に寝せ、小竜姫達は左右に座りながら心配そうに見ていた。

「・・・目を覚ましませんね」
「そうだな。・・・小竜姫」
「何ですか?」
「お前も私と同じ気持ちなんだろ?・・・横島と共に戦いたいと」
「ええ」

二人が静かに会話をしていると、部屋の入り口から声が掛けられる。

「・・・横島の隣に立ちたいか?」
「「誰だ(です)!?」」
「我とは昨日から会っているぞ?我の名は刹那。もっとも、式神の姿で会うのは初めてか」

そう言うと、刹那はクックックと笑いだす。

「それで用件は何だ?」
「今言ったばかりだろ?お主達は横島の隣に立ち、共に戦いたいのだろう?」
「・・・どうすればいいんですか?」

小竜姫が素直に聞くのにも訳がある。
横島をここまで鍛えたのが刹那だと言うのもあるが、自分の師である斉天大聖と、
嘗て武神の頂点を二分していた存在。それが武神龍帝・刹那である。

「クックック・・・何、簡単な事だ。我と寝ればいい」
「「なっ!?」」
「何を驚く事がある?お主達も房中術の事は知っているだろ?それと同じ事をするだけだ。
それでどうする。我と寝るか?それだけで、横島と共に戦う事が出来るぞ?」

刹那のこの問いに、二人は怒気を含んだ声で返す。

「ふざけるな!誰が貴様等と寝るか!私が寝るのは、もう後にも先に忠夫だけだ!」
「結構です!忠夫さん以外の男性と寝てまで力を得たいとは思いません!」
「ほぉ~、ではどうする?こう言っては何だが、お主達の霊力値は多く見積もって五千程度。
中級神魔の中位体だな。それで、どうやって横島と共に戦うと言うのだ?」
「「そ、それは・・・」」

二人が詰まると同時に背後から声が掛けられる。

「・・・おい、刹那。あんまりふざけていると叩き折るぞ?てか、その試し方変えろよ」
「むぅ、もう気が付いたのか。もう少し遊びたかったのだがな」
「・・・怒るぞ?」
「まあ、そう言うな。雪菜がいなくて遊び相手がおらんだ。これ位大目に見ろ」
「お前のそれは、本当の事を含んでいるから始末に負えないんだよ」

横島はそう言うと、未だに横島と刹那のやり取りで固まっている二人の頭をポンポンと叩き、
こちらの世界に戻すと、外に向かって話しかける。

「起きたんですか、忠夫さん!」
「身体は大丈夫か、忠夫!」
「まあ、待ってくれ。で、ヒャクメは何で其処に突っ立っているんだ?」
「(ビクッ!)・・・気付いていたのねー?」
「それはもう、ばっちりと」

そう言うと同時に刹那の横から神龍神刀を持ったヒャクメが顔を出す。

「「ヒャ、ヒャクメ!?何でそれを持ってるの(んだ)!?」」

小竜姫とワルキューレは、神龍神刀をヒャクメが持っている事に驚愕の声を出してしまう。

「クックック・・・喜べ横島。この者もお主が好きなのだと言うのだ」
「・・・・・・はい?」
「やっぱり気付いてなかったのねー」
「ちょ、ちょっと待ちなさい、ヒャクメ!貴女も忠夫さんが好きだと言うの!?」
「そうなのねー。私はずっと前から横島さんの事が好きなのねー」

ヒャクメの答えに疑問を持ったワルキューレが問いかける。

「じゃあ、何故今まで忠夫に何も言わなかったのだ?」
「私は横島さんの笑顔を見ているだけでいいのねー。
それだけで私は嬉しいの、んっ!んんっ~!」

目を伏せながら話していたヒャクメは、横島が近づいて来ている事に気付かなかった。
唯でさえ、気配を殺す事に慣れた横島は千里眼でも見えにくいだろう。
・・・さて、突然ディープなキスをされたヒャクメは目を見開き横島の胸を叩くが、
横島が離れる事は無く、更に目を閉じずにヒャクメの目を真直ぐに見詰めている。
この男、何処でこんな知識を手に入れるんだ?それは置いといて。

「・・・馬鹿だな、お前は」
「ハァハァ・・・馬鹿だなんて酷いのね」
「馬鹿だから馬鹿だって言うんだよ。
お前も知っているんだろ?あの時代で俺が何て言っていたか」
「『来るものは拒まない』、でしたよね?」

横島の質問に小竜姫が答え、それに横島は頷く。

「・・・今だから言う事だけどな、
あの時の俺はルシオラの事で出来た傷を埋める為だけにそう言ったんだ。
でも、皆それに気付いていたらしいんだ。なのに、俺と関係を持ち続けた。何でだと思う?」
「・・・横島さんの事が好きだからなのねー」
「ああ、そうらしいんだよ。・・・こんな最低で屑な男なのにな」
「そんな事無いのね!」
「ありがとうな。でな?あの時代で、独占欲の強い美神さんも嬉しそうに笑っていたんだよ。
それで、何で笑っているんですかって聞くとな?
俺が無理してない笑顔を浮かべているからだって言うんだ。
そう言った時の美神さんの笑顔は本当に綺麗でさ。・・・まあ、押し倒しちゃったんだけど。
だから、その笑顔を見た時に決めたんだよ。俺を好きだって言ってくれる人の笑顔を守ろうって。
男でも女でもな。・・・だから、ヒャクメも笑ってくれよ。
そんな悲しそうに『見ているだけでいい』なんて言うなよ。な?」

横島が最後にそう言いながらヒャクメの頭を優しく撫でると、
ヒャクメの目から大粒の涙が溢れ出した。

「うわあああああん!!」
「今だけは泣いてもいいからさ、また笑顔を見せてくれよな。
あの周りに元気を与えてくれる笑顔をさ」
「わ、わかった、ヒクッ!のね。いいのよね?グスッ!
私も横島さんの傍にいても?」
「当たり前だろ?お前みたいな美人を手放すかってんだ」
「ヒクッ!嬉しいのね~。・・・うわあああああああん!!」
「(あ~~。まさか、ヒャクメも俺の事をな~。ん?何でヒャクメは神龍神刀を持っていたんだ?
長時間離してたり、俺が気絶すると精神世界に戻る筈なんだけどな?)」

泣き続けるヒャクメの頭を撫でながらその事を考える横島。
・・・ここで終わればいい話なのだが、終わる訳が無い!

「所で、忠夫さん?」
「ん?何だ?」
「雪菜とは、何処の誰の事だ?」
「・・・え゛?な、何で二人が雪菜の事を知っているんだ?」
「さっき、刹那さんと話している時に出てきましたから」
「名前からして女だな。まあ、その事は後でじっくりと聞かせて貰おう」
「は、ははは。・・・はい」

どうやら、横島家の男性は女性に頭が上がらない家系らしい。
斉天大聖と本気では無いとは言え互角に戦う男が尻に敷かれるのだから。
まあ、頑張ってくれ横島。


あとがき~
今回のヒロインはヒャクメでした~。
前回のレスで紫苑さんが、ヒャクメは入らないんですか?と言う事が書かれていたので、
次で書く事がばれたか!?と思ったんですが、まあ途中まで書いていたんで変えずに書きました。
そろそろ、下界に話を戻さないとな~(遠い目
多分、次辺りで下界に帰ると思います。多分ですけどね(ぉぃ


レス返し~
D,さん、AZCさん、九尾さん、大神さん、紫苑さん、weyさん、通りすがりの炒頭巾さん、
レスありがとうございます。

D,さん、ぶっちゃけ見えるでしょうw
でも、春桐バージョンだと、誘拐されそうになってる様にみえたり?w

AZCさん、それに関してはノーコメントで。
まあ、その内出てくるんで、楽しみに待っててください。

九尾さん、そうかもしれませんね~。多分、横島の事ですからきっとそうだと思います。

大神さん、俺が警官だったら声を絶対にかけますw

紫苑さん、・・・確かに似ているかもしれません。

Weyさん、はい!頑張らせて頂きます!

通りすがりの炒頭巾さん、えっと、それは彼等の進む道についてですか?
それとも、この皆の笑顔の為にですか?ちょっと分からなかったもので。
レスお待ちしています。

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