インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「無限の魔人 第二十三話(GS)」

紅眼の狼 (2005-01-11 17:33)
BACK< >NEXT

無限の魔人 〜過去からの迎え主〜


すぅ〜 すぅ〜


「可愛いですね、子供の寝姿って」


れーこちゃんは大学ではしゃぎ過ぎて疲れてしまったのだろう。

ソファにうつ伏せになって寝ている。


「寝てるときは可愛いんだけどね・・・・。」


美神さんが疲れたように言う。


「美神さん、手紙にはそれだけだったんですか?」


気になっていたことを聞いてみた。


「いいえ、今日・・・もうすぐね、此処にママが来るわ」


やっぱりそこまで書かれていたか。


「ですよねー、娘をどのくらい預けておくか書かない訳無いっすよねー」


外はまた雨が降っている。

天気予報では今日の夕方には止むらしい。


「もうすぐれーこちゃんとお別れですか・・・ちょっと寂しいですね」


おキヌちゃんは本当に子供好きだなー。


「大丈夫だよおキヌちゃん」

「え?どういうことですか横島さん?」


ふっふっふ。


「後一年もすれば、俺と美神さんの子供が生まれ「るわきゃないでしょーが!!」

「ゴフッ!!・・・・うぅぅ、おキヌ・・ちゃん・・俺の子・・供は無理みたい・・・グフゥ」


美神さんが持っていたコーヒーカップ(おそらく1500円くらいの品)が俺に直撃。

俺の時給よりも高いカップを迷うことなく投げつけてくる雇い主・・・ふ。


「横島さーーん!!?」


俺のボケに確実に突っ込んでくれる美神さんに、必ずフォローをしてくれるおキヌちゃん。

なんてお笑いを解ってくれる職場なんだ!!

時給は安いが・・。


「横島君は放っておいていいから、おキヌちゃんコーヒーのお代わり頂戴」

「はい!」


本気で放って置かれる俺って一体・・・。


「シクシクシク」


部屋の隅でのの字を書いていると。


ドゴォオォオオオオオオオン!!!


轟音が鳴り響いた。


「来たみたいね、庭に行くわよ」


美神さんは微塵も警戒していない。

死んだと思っていた母親と会えるんだから、そりゃそうかもな。

でも、俺は一応警戒しておく。

なんたって美神さんの母親だしな。


バタンッ


俺と美神さんとおキヌちゃんが外に出た。


庭には俺が公園で見たときと同じように、雷の影響かは解らないがシュウシュウと水蒸気が漂っていた。


徐々に水蒸気が晴れていく。


そこには、1人の女性が。


「ずっと前から愛してましたーーー!!!」


「何しとんじゃボケェー!!」


「あらあら」


後ろ回し蹴りを喰らったらしい・・・記憶には無いが。


「ん・・・んっ」


目を開くと、いつもの事務所の天井だった。


『オーナー、横島さんが目を覚まされました』


あれ・・・俺は・・・そうだ、美神さんの母親らしき人に突っ込んで・・その後の記憶が無い。


「あんたねー、ママにまでやること無いでしょうが」


と、何処か呆れたように言われた。


「いや、美人だった事を思い出してつい・・・」


頭を掻きながらそう説明しながら、部屋を見渡す。

美神さんと向かい合うように座っているのは・・・・。


「横島君は見た事あるでしょ? こっちが私のママよ」


美神さんに似ているが、威厳というか威圧感というか、何処かうちのおかんと共通すべき何かを感じる。


「この前はごめんなさいね、横島君。いきなり来て、うちのれーこを預けちゃって」


一瞬前の威圧感はフッっと消え去り、柔らかい笑みで話し掛けられた。


「いえいえ、子供は好きですから気にしないで下さい。それよりも俺の方こそさっきはすいませんでした。」


頭を下げると美神さんのお母さん・・・美智恵さんと言ったか。


「クスクス、平気よ。この子から貴方の事を聞いたから・・・挨拶代わりみたいな物なんでしょう? まぁ、私は本気でも良かったんだけど」

「ママッ!!何を言ってるのよっ!」

「何を慌てているの令子? 駄目よ、常に余裕を持って生きなきゃ」

「そんな事じゃなくてっ!」


あの美神さんが手玉に取られている・・・さすがとしか言えないな。


「お茶が入りましたよ〜・・・あ、横島さん目を覚まされたんですね」


奥のほうからおキヌちゃんがお茶のセットを持って現れた。


「ああ、もう大丈夫だよ」


「・・それよりママ。狙われてたって言ってたけど、もう大丈夫なのよね?」


美神さんが口では勝てないと解り、話を逸らした。

まぁ、こちらの方が重要なのだが。


「ええ、狙っていたのは魔族、ハーピーって言うやつね。退魔札で封印しておいたからもう平気よ」


意図的に話を逸らしたと解っているだろうが、美智恵さんも話に乗った。

やっぱり大人の女性は違うなー。


「へぇ、流石ママね」


俺も席につき、おキヌちゃんが入れてくれたお茶・・・アップルティーだった・・を飲みながら聞いていた。


「狙われていた理由だけれど、魔族はどうやら『時間移動能力者』を根絶やしにしようとしているらしいの」


「・・・それでママが狙われたの?」


美神さんが眉をしかめながら聞いた。

俺は話に入れずに、おキヌちゃんと紅茶おいしいとか、このお菓子何処の? 等と会話していた。

最も、美神親子の会話もきちんと聞いていたが。


「いいえ、私だけではないわ、私とあなたよ・・・令子」

「私まで?・・・私、時間移動なんて出来ないわよ?」

「へぇ、じゃあ今度唐巣神父の所にでも持っていってあげようかな」

「貴方が出来なくても、貴方の子孫が出来るかもしれないじゃない」

「って事は、一族皆殺しにしようっての?」

「それいいですね、唐巣神父さんにはいつもお世話になってますから」

「ええ、でもハーピーを退けたから暫くは無いでしょうけど」


美知恵さんが亡くなったのは美神さんが中学生時代って言ってたな・・・魔族にやられたのかな。


ぼーっと紅茶を飲みながら話を聞いていたが、美智恵さんはどうやら雷のエネルギーを利用して時間移動していたらしい。


外を見るともう晴れていて、綺麗な星空が見えた。

次に雷が来るまでここに住むらしい・・・美神さんとおキヌちゃんが喜んでいた。


ふ・・・つまりれーこちゃんと遊ぶのは主に俺。


お、俺はベビーシッターちゃうぞおおおおお!!!


「よこちまー! 絵本よんでーー!!」


「はいはい」


笑顔で応じる俺。

・・・駄目だ、丁稚根性が染み込んでしまって、子供のれーこちゃんと言えど逆らえねー。


「あらあら、れいこはお兄ちゃんの事好きなの?」


美智恵さんがれーこちゃんに笑いながら語りかける。


「うんっ!れーこ、お兄ちゃん好き!」


かわいいっ! こんな妹なら欲しいっ


その後、美智恵さんが美神さんに俺の待遇を聞きだし、二人っきりで部屋に篭っていた・・・・1時間後、俺の時給が何故か1500円に上がった。

美神さんは苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、俺は全く気にしなかった。


「子守りのお礼よ」


ウィンクしながら言われた時はドキッっとしてしまった。


ああ、あの人は女神やぁ!!


「もっとこき使ってやる!」


それと、数日後の帰り際に言われた。


「あの子は強がってるけど、弱い子なのよ。横島君、お願いだからあの子の事よろしく頼むわね。」

「お任せ下さい、義母さん!娘さんは僕が責任を持ってお守りします!」


キラーン!


「そう? それじゃ頼むわね。」


突っ込みを期待してボケたのだが、そのまま受け取られてしまった。

ちょっと虚しい・・・。


「ばいばい、よこちまー!」


ドォオオオオオオオオン!!


一瞬の轟音。


雷に撃たれ、その場に残る物は何もなかった。


―――おまけ―――


「はっ! ま、まさか・・・私の初恋の人はお兄ちゃんじゃなく横島君!? そ、そんな・・いや、でも・・・・。」


1人で頭を抱えて唸っている美神さんを事務所で発見した。


無限の魔人 第二十三話 〜過去からの迎え主〜

end


あとがき
・・・・母親パワーで時給アップ!!
恩に報いる人でよかったね横島君・・・・これでびんぼー脱出!?・・は無理かなぁ。
何て言うかほぼ会話で終わった・・・いや、毎回こんなもんなんですけどね・・・。
文章少ないのかなー・・・しかも一話ごとに視点変るし・・・・前の話覚えてないと辛そうだな―・・・1つの視点終わらせてからもう1つの視点に移ろうかなー・・・考え中。

レス返しー!

>九尾さん
そうなんです、失敗してもらわないと困っちゃう事になるんですよ!
しかも、界人君も失敗するって思ってるので、成功しちゃうと・・・・いやー私の頭では考えられませんよ――!!

>トレロカモミロさん
針は血が必要な物・・・・でも、あんまり先に奪っちゃうと最初は唯の鉄心だし、すぐ他の用意されたりしそうで・・・やっぱり界人君が言ってたように完成間近か完成後に奪わないと・・・・ねぇ。

>法師陰陽師さん
魔族側の動きは話にはしません(してたら全く終わりそうに無い)が、確実に暗躍している事でしょう。

>柳野雫さん
龍美&ユッキーのコンビは龍美&横島よりも何故か魅力的に感じてしまって・・・・ついでに香港に居るちょうどいいお目付け役?に界人君が選んでしまいました。ゆっきーいつの間にか利用されてますよっ!?

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル