※今更ですが、この作品は原作と少し?ばかり横島達の性格が違っています。
どうぞ、ご了承下さい。
~~???~~
「クックックック・・・俺の過去を夢と言う形で垣間見たか、抑止力よ。
これが最後の抵抗と言う訳だな、宇宙の意志。
クックック、それにしても神魔の連中が記憶を持ったまま逆行か、
俺を何処までも楽しませてくれる。・・・それに“竜の女神”と“戦乙女”と再び関係を持ったか。
・・・・・・・・・皆、もう直ぐ全ての世界に復讐を果たせるから。
そしたら俺もそっちに行くから、それまで待っていてくれな」
抑止力の逆に位置するこの存在は、何故これ程までに世界を憎むのだろうか?
それはこの男にしか分からないだろう。
男が今いる世界には、男以外の生物は存在しない死の世界なのだから・・・。
「・・・さて、俺もそろそろ動かなければならないな。
この世界が崩壊するまで後二年半。それまで、暫しの平和を満喫する事だな」
男が言った年数は奇しくも、あの世界で横島が美神の事務所で働き、
色々な事件に巻き込まれる事になった時期と同じだった。
~~妙神山~~
横島が、小竜姫とワルキューレと関係を持つ少し前。
妙神山の一室では、老師が眼の前の床に神龍神刀を置き、刹那と横島について話していた。
「つまり、小僧はまだ抑止力として完全には覚醒していないんじゃな?」
『うむ。その理由が我にも分からんのだが、既に八割方は覚醒をしている。
だから、今の所は問題無いのだが・・・』
「負の抑止力の存在、じゃな?」
老師のその言葉に刹那は『うむ』と答えると話返す。
『そうなのだ。最高指導者達の話によれば、世界に綻びが出始めたのは今から三年後。
我との契約者である横島が、霊能力に目覚めた時らしいのだ』
「つまり、小僧が霊能力に目覚めた事で、小僧の逆位置の存在も目覚めた。と見るのが妥当じゃな」
『うむ。・・・しかし、何が横島の完全覚醒を妨げているのだろうか・・・・・・』
刹那がそう呟くと、老師が刹那に疑問を投げかける。
「のう、刹那。小僧が完全に抑止力と目覚めた場合、周囲と自分への影響は出るのか?」
『ん?周囲には影響は無いが、自分への影響はある。
抑止力の統治者となる者は自分が持つ記憶の殆どを失い、
平行世界から異世界に滅亡の危機が訪れた場合、自らが戦うだけの存在となるらしい』
「それじゃ!小僧が完全に覚醒しない訳は!」
『何だと?』
老師の言葉に、今度は刹那が疑問の声を挙げる。
「小僧。いや、横島が完全に覚醒しない理由じゃ!
横島がこの時代に戻った理由はお主も知っておろう?
そして抑止力に未覚醒とは言え、一度なった横島がその事を知らない訳が無い!
そう考えれば、横島が覚醒しない理由も分かる!!」
『・・・なるほど。それで横島は自分で覚醒を八割程で押し留めていると言う訳だな』
刹那が納得すると、老師が突然クツクツと喉を鳴らして笑い出した。
『どうしたのだ?』
「いや、なに。抑止力としての横島と戦ってみたいと思っただけじゃ」
『この、暴れ猿は・・・。
今の横島には“神魔混合封印”と言う六式封印が施されているから、全力では無理だぞ。
だが、『神』と『魔』の二式までなら平気だ。もちろん、お主にその空間を創って貰うがな』
「それで十分じゃ。となれば、横島が最高指導者様達といた空間と同じ様な物を創ればいいのじゃな?
壊れてもいいのじゃから、明日の昼には出来るの」
『分かった。では、我は眠らせて貰うとしよう。
さすがに、横島から離れては眠くて仕方ない』
刹那がそう言うと、老師は神龍神刀を壁の方に置くとゲームを始めた。
妙神山の最高責任者が元バトルジャンキーで現ゲーム猿でいいのだろうか?
・・・まぁ、いいのだろう。
~~翌朝~~
小竜姫とワルキューレに腕枕をしながら寝ていた横島が目を覚ますと、
二人が左右から嬉しそうに微笑みながら横島を見ていた。
「おはようございます、忠夫さん」
「おはよう、忠夫」
「ん~~・・・おはよう小竜姫、ワルキューレ」
横島が起きた事に気付いた二人は、朝の挨拶を言って横島が返事を返すと両頬にキスをすると、
心配そうにしながら横島の腕に抱きついた。
「二人共どうしたんだ?」
二人の雰囲気が何かを言いたがっている事に気付いた横島が二人に問い掛けると、
抱きしめる力を強めてから話し出した。
「もう私達を置いていかないで下さいね?」
「生まれてから今までの長い年月で私達は色々な別れを経験したが、
愛する男と別れた経験は初めてなんだ・・・だから、頼むから置いて行かないでくれ」
そう言われた横島は抱きしめられていた腕を抜くと、起き上がってベッドを抜け出ると、
服を着始めた。それを『嫌われた』と勘違いした二人は横島に抱きつこうとした瞬間、
ペシッと額にチョップを貰いキョトンとしながら何度も瞬きを繰り返していた。
「まったく・・・確かに置いて行ったのは俺だし、一人で解決しようとも思っていた。
でもな?また関係を持って、俺との記憶を持っている相手を置いていく訳が無いだろ?
・・・それとも、一回置いて行った男の言葉なんて信じられないか?」
その言葉に二人はブンブンと首を振ると同時に、物凄い勢いで否定の言葉を発した。
「「そんな事ありません(ない)!!」」
「ああは言いましたけど、あの状況なら仕方の無い事です。
それに、私達は忠夫さんとの記憶を持っていますけど、美神さん達は・・・」
「それに、忠夫は嘘を吐けないからな。だから、今言った事は信用出来るし、
その、なんだ・・・またこうして、忠夫と愛しあえたからな」
「ありがとうな、二人共」
記憶までは持って来られない美神達を思って悲痛な顔をした小竜姫だったが、
ワルキューレの言葉と横島のお礼を聞いて顔を真っ赤に染めた。
その様子を微笑みながら腕時計で時間を確認しながら横目で見ていた横島が、
「さて、もう直ぐ九時になるし、そろそろ行かないか?」
と聞くと
「「はい(ああ)」」
と返事を返すと二人は直ぐに服を着始めたのだが、
ここで横島に最初に浮かぶべき一つの疑問が浮かび上がった。
「・・・なあ、俺達ってここに全裸で来たよな?脱衣所に服を置いたまま」
「「・・・・・・・・・・・・あっ!!」」
「この、いかにも『洗濯してアイロンを掛けました』って言う服は、誰が持ってきたんだ?」
「「・・・こんな事をする人物は一人!ヒャクメェ~~~~!!!」」
そう叫ぶと同時に、服を着終わった二人は部屋を物凄い勢いで飛び出すと、
ヒャクメがいると思われる居間に向かって行った。
暫くすると、銃声やら剣が何かを斬る音やら爆発音や、『誰か』の悲鳴が聞こえて来た。
それを歩きながら聞いていた横島は、『女性を怒らせるのは止めよう』と心に固く誓ったとか。
横島が居間に着くと、部屋の片隅で体育座りをしながら泣いているヒャクメがいたが、
自業自得と思った横島は気にしない事にした。
普通にしている横島だが、彼も怒っていたのだろう。
ヒャクメに罰を与えた小竜姫とワルキューレは、横島に手料理を食べさせようと厨房に行き、
有り得ない速さで料理を完成させて行き、横島の前に置いて行った。
ジークはどうしたかって?
・・・ヒャクメを止められなかった罰で、庭の木に吊るされているよ。それも逆さで・・・。
それを居間に入る前に見た横島は、両手を合わせて『スマン!!』と心の中で呟いていた。
そんな横島を見たジークは、清々しい笑顔で『気にしないでくれ、義兄さん!!』と心で呟くと、
“居間”から“圧縮”した霊波弾がジークの“額”に命中して、ガクッと逝ってしまった。
その霊波弾からは、竜気が感じられたとか・・・・・・。
さて、そんな二人の様子を(意識的に)忘れた横島は、二人の料理を堪能していた。
美味しそうに料理を食べる横島を眺める二人は、本当に嬉しそうに微笑みながら見ていた。
それもそうだろう。自分の料理を愛する人が美味しそうに食べてくれ事程嬉しい事は無い、らしい。
(作者はそんな経験無いから知らないんですけどね。・・・ケッ!)
暫くして横島が二人の料理を食べ終わると、何時の間にか一緒に食べていた老師が話し掛けて来た。
「・・・横島、後で小竜姫達とワシの部屋に来てくれんか?」
「・・・昼頃でいいんですか?」
「うむ。部屋に来た時に用件は話す」
「分かりました」
横島は老師の言葉に何かを感じた為、真剣に返した。
小竜姫とワルキューレは、老師と横島の緊迫した雰囲気に飲まれ何も言えなかった。
横島はそう答えると、小竜姫とワルキューレに「飯、美味かったよ」と言って部屋を出て行った。
この時既に横島は、抑止力の時の戦う為の雰囲気になっていた。
後ろの部屋からは、二人が老師に質問している声が聞こえてくる。
だが、横島はそれを気にした風も無く、虚空から神龍神刀を取り出すと昼までの一時間半、
己の精神状態を最高に高める為に鍛錬を開始した。残りの三十分は肉体の休息。
現在の時刻は十時。老師と横島の戦いまで後二時間。
老師は何を思って横島と戦うのだろうか?
その事を横島は身体を動かしながら考えていた。
生まれたばかりの頃に、神界に喧嘩を吹っ掛けた時の様に純粋に戦いと言うのもあるだろう。
しかし、先程話す老師の瞳にはそれ以外の想いが含まれている様に横島は感じていた。
その答えは、戦いの後に分かるのだろう。
答えを知りたい者は戦いまで暫し待たれよ!!
あとがき~
次回、老師と横島のお互いに“武”を極めた者同士の戦いになります。
今回がほのぼのとした雰囲気だったんで、楽しんでくれると嬉しいです。
と言っても、横島は肉体がまだ出来上がっていないので、まともにぶつかり合えないんですけどね。
レス返し~
九尾さん、紫苑さん、D,さん、大神さん、Danさん、ありがとうございます。
初めて書いた十八禁を楽しんでいただけた様で何よりです。
それと、紫苑さんへ。
ワルキューレは、行為の最中は横島と長年呼んでいた方になっていますが、
始める前は“忠夫”と呼んでいますよ?
それに、小竜姫も行為の最中に“忠夫さん”と呼んでいます。
まぁ、喘いでいましたから、分かり難かったんだと思います。