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▽レス始

「彼が選んだ道−4−(GS)」

リキミ・スキッド (2005-01-09 13:21)
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何度も記述したとおりに横島は魔界において今のところ生まれたばかりの赤子魔族ということで地位は一番低い。
だから、当然一番他の魔族に対しては文句を言えない立場にいるのだ。
だが横島の性質ゆえか、もしくは性格ゆえか、自分があてがわれた部屋の班長(一番強い魔族)と一番親しくなったことでイジメなどは受けずにすんでいた。
といっても、規律を重んじるワルキューレの秘蔵っ子に手を出す愚か者はいない。

「ジョーカーって、よく食べるね。」
「――そうか? 普通じゃないのか? これくらい。」
「僕には無理だよ。でも、しょうがないのかもしれないね。ワルキューレ大尉の特訓でエネルギーを使ってるから。」
「それを思い出させるなよレイドル。朝飯食ったらまた特訓なんだから。朝早くにたたき起こされたと思ったら、特訓だ! だぜ?」
「しょうがないよ。ジョーカーは生まれたばかりだから早く強くならないと・・・・・・。」
「わかってるけどよ。」

レイドルは暗黙のうちに横島の世話係という位置になっていた。
というよりも自分から志願したといったほうが正しいのかもしれない。
少しの間だが、レイドルは横島から目が離せなくなっていた。
恋愛などのことからではない。
横島は危なっかしいのだ。
自分より強い魔族に対して平気でタメ口をきく、むかついたなら睨む、美人の魔族なら鼻を伸ばしてついていく。
レイドルは姉もしくは親というものはこういう感情をいつも味わっているんだろうなぁとなんとなく理解していた。

「隣、いいかしら?」
「どーぞ。」
「ジョッジョーカー!! すいませんリムル中尉。」
「構わないわレイドル。貴方が詫びる事でもないし、この赤子ちゃんが礼節を弁えていない事は知っています。」

そう言って敵意のこもった視線を横島に向けるが、横島は美人の姉ちゃんが隣に座ったという認識しかなくとりあえず向けられた敵意に対して微笑を向けた。
魔王時代に向けられた殺意に比べればどうってことがないのである。

「・・・・・・食事をとった後も大尉と訓練をするそうですね。」
「そうっスよ。」
「ジョーカー! 中尉と喋ってるんだから食べるのやめなよ!!」
「別に構わないんじゃねぇか? 中尉は俺には礼節がないこと知ってるんだから。」
「ジョーカー!! ・・・・・・怒るよ。」

レイドルとて魔族。
優しい物言いをしているが性格は好戦的なのである。
横島はここでレイドルを怒らせるのは得策ではないと判断し、わかったと短く告げた。
そして、そんな二人の様子に驚いているのはリムルである。
レイドルはその特性ゆえに誰とも親しくなれない孤独な存在であったはずなのだ。

「レイドル。貴方、どうしたの?」
「えっ? 何がですか?」
「だって貴方、いつもはそんなに他人とは・・・・・・。」

その次の瞬間に浮かべられたレイドルの微笑みは淫魔による魅了の笑みに負けず劣らずの力を秘めていた。

「ジョーカーは別なんです。」

ぎりっとリムルは奥歯をかみ締めた。
レイドルと横島の間に何があったのかはわからないが、リムルは本能的に横島に対して危険を感じた。
リムルは淫魔、淫を司ることもあり色恋沙汰に関しては物凄く感が働くのである。

「・・・・・・ジョーカーといいましたね。食事の後の訓練は私が見ます。大尉には私から言っておきますので、後で修練所にきなさい。」
「了解っス。」

殺してやる、とリムルの瞳が語っていた。
レイドルがそれを感じとるが中尉であり、自分より実力が上のリムルに口答えが出来るわけでもなく訴えるようにしてリムルを見つめるしかない。
そして当事者の横島は向けられた殺意に体の奥底の何かが高揚しているのを感じていた。
戦えると体が答えていた。

「遅いと思ってきてみれば知らないところで話は進んでいるみたいだな。」
「・・・・・・大尉。」
「わっワルキューレ大尉!!」

リムルは媚びるような視線を向け、レイドルはその場に直陸不動で敬礼を取った。
横島もレイドルに習うべきだと判断し、立ち上がり敬礼をした。

「リムル。」
「はいっ! なんですか大尉?」
「私には急ぎの仕事が入ったのでこいつへの特訓はお前に任せる。丁度やる気になっていたようだしな。」
「たっ大尉! 私は副長です!! 共に参ります!!」
「急ぎといっても私一人で事足りる仕事だ。頼んだぞ。」
「大尉!!」

怒りが頂点に達した。リムルは横島を睨みつけると溢れ出る闘志をそのままに修練所のほうに歩いていく。

「ジョーカー。」
「なんだレイドル?」
「君って運無いね。」


その日の雪乃丞

「霊気に方向性を持たせて、破壊的要素を含ませる。」

雪乃丞は美神から手渡された予備の神通棍に霊気を流し込む。神通棍はその霊気に反応して淡く光り輝いていく。

「駄目だ。こんなちっぽけな光じゃねぇんだ。」

美神の神通棍は霊気が宿ると凶悪なまでに光り輝く。雪乃丞は手本として見してもらったその光景を思い浮かべ、さらに霊気を込めていく。
だがそれでもそこに壁があるかのように神通棍の光は強くならない。
しばらくそれを続けていたが成果が上がらないので雪乃丞はひとまず休憩をとることにした。

「事務所に行くまでにはまだ時間がある。」

そう呟いてから自分の体を眺める。
鍛え上げられた体なのに雪乃丞には貧弱な体に見えて仕方がなかった。

「強くならなきゃいけねぇんだ。強く!!」

握り締めた拳に霊気が集まっていく。
そして・・・・・・

「こいつは・・・・・・!!」


あとがき
レイドルお姉さん化。リムルブチ切れ。雪乃丞何かを掴むの三本でした。
魔族においては食事を取る必要はないという意見もあるかもしれないのですが、補足説明をさせてもらうとレイドルは食事によってエネルギーを充填しています。リムルは精がエネルギーですから、食堂には横島に会いに来ただけで食事などはとってません。
原作パートと魔界パートですが、今のところ時間軸は同じです。

>D,様  横島君は今のところ短期決戦タイプです。というよりも長時間戦えません。すぐにガス欠が起こるからです。

>九尾様  リムルと仲よくですか。今のところは不可能ですね。リムルはワルキューレに惚れてますし。

>Dan様  横島君のジョーカーという名前。今のところレイドルにしか浸透していません。実力がまだついていない横島君を気にする人はまだ少ないですから仕方ないんですけどね。

>不動様  文殊に関してですが、隠しているのではなく使えないのです。ただでさえ霊気が少ないのに、魔王だった頃の癖で作っちゃうのは双文殊ですからすぐに霊気が枯れてしまいます。
雪乃丞が仲間ですか。雪乃丞には横島君と違ってやっぱり魔族というだけで差別する部分がありますから、最初に会ったら戦うと思います。

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