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15禁注意

「皆の笑顔の為に・・・ 第二十四話(GS)」

ファリス (2005-01-06 14:04)
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刹那によって気絶させられた横島は夢を見ていた。
その夢の中の世界は、この緑溢れる世界とは真逆の荒野のみの世界だった。

そこは、既に死んでしまった世界。

生を育む事の無くなった世界。

その荒野の真中に一人の男が空を見上げていた。
空の色は美しい青では無く、夕焼けの様に赤く染まっている。
男はただ黙って空を見上げ続けながら物思いに耽っている。
空を見上げながら思い描いている物は一体なんだろうか?
横島がそう思った瞬間、男の考えている事が頭に流れ込んで来た。

横島の頭に流れ込んで来た物。

それは・・・・・・・・・

それは・・・・・・

それは・・・

・・・

・・


「ぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!」

「「横島(さん)!?」」
「ああああ!!・・・・・・うっ!うげぇ〜〜〜・・ゲホッゲホッ!」


今まで眠っていた横島が、絶叫を挙げながら飛び起きた事に驚いた二人(普通は柱と呼ぶが)
が横島の名を呼ぶ。
しかし、絶叫を上げていた横島にはその声は届かず、遂には嘔吐までしだした。

『なっ!?横島!どうしたのだ、横島!?』

横島を眠らせた刹那にも、何故横島が絶叫を挙げながら起きたのか。
そして、何故嘔吐まで仕出したのか。
その理由が精神に住んでいる刹那にも分からなかった。

「横島さん!しっかりしてください、横島さん!」
「どうしたんだ、横島!しっかりしろ!」

小竜姫とワルキューレは、横島の吐き出した物で身体が汚れる事も構わず、
横島を左右から支え、声を掛け続けていた。
その横島だが、未だに嘔吐し続け、目の焦点は合ってはいなかった。


横島に夢で流れ込んで来た物。
それは、あらゆる物の死。それも考えうる限りの物の死のイメージだった。

それと同時にもう二つ流れ込んで来た物があった。
それは“狂気”と“あらゆる物に対する殺意”の二つ。
その二つをダイレクトに貰ってしまった横島は、絶叫を挙げ嘔吐をしてしまったのだ。


この時、刹那は自分に身体が無い事を悔やんだ。
悔やんでも仕方の無い事は刹那も分かっているが、
自分の弟子が苦しんでいるのに何も出来ない自分を不甲斐無く思っていた。


暫くして嘔吐も止まりだした。
嘔吐が止まった事に気付いた小竜姫とワルキューレの二人は横島の左右から前に回ると、
横島の顔を覗き込み、目の焦点が合いだしている事に安心した。

そして、意識が確り仕出した横島が最初に目にしたのは、
心配そうに自分を覗き込む小竜姫とワルキューレの顔だった。

それを見た横島の行動は、涙を流しながら二人を抱きしめる事だった。

「きゃっ!よ、横島さん?」
「ど、どうしたんだ。横島?・・・・・・泣いているのか?」

ワルキューレの問い掛けに答える事無く、横島は二人に抱きついたまま、

「良かった・・・あれが夢で良かった・・・・・・」

そう呟くだけだった。
その呟きを聞いた二人は、黙って横島を抱きしめ返した。

「「・・・・・・・・・」」

暫くの間その状態でいた為か、かなりいい雰囲気が当たりを包み込んだ。
が、他の方達がそれを許すはずも無く。

「「「『ゴホンッ!!』」」」
「「「あ・・・・・・」」」

部屋の入り口には、老師、ヒャクメ、ジークの三人が立ちながら咳払いをし、
横島の中からこの雰囲気に耐えかねたのか、刹那が三人と同時に咳払いをした。

「小僧の叫び声が聞こえたので来て見れば、まったくお前達は・・・。
まあ、お前達は取り敢えず風呂に入って来るんじゃな」
「え?」

老師の言葉に横島が疑問の声を挙げる。
殆ど意識が無かったとは言え、それは無いだろうに・・・。

「自分と小竜姫達の姿を見てみるのねー。格好もそうだけど」
「この部屋の臭いは、やばい物がありますよ・・・」

三人の言葉に、小竜姫が反論する。

「ですが、老師!ここのお風呂は一つしか無いじゃ無いですか!」
「一緒に入れば良かろう?」
「「「なっ!?」」」

老師の言葉に横島達が驚愕の声を発し、小竜姫が顔を真っ赤に染め、
ワルキューレが口を魚の様にパクパクさせている。

横島はと言うと・・・・・・。
「(小竜姫様とワルキューレの裸体が拝める・・・グヒヒヒヒ・・・)」
と、さっきまでの雰囲気をぶち壊す事を考えていた。

横島がそんな事を考えているとは思ってもいない、
老師と小竜姫とワルキューレとジーク。(ヒャクメはうっかり心を覗き込んでしまい、呆れている)

「今更、恥ずかしがる事も無かろう?わしが知らないとでも思っておるのか?
お前達は、あの時代でか「「わぁーー!!」」「「わぁーーー!!」」た間柄だろうに」

「お師匠様!!」
「猿神殿!!」

二人は老師を睨みながら抗議の声を挙げるが、それを全く気にしない老師は話を続ける。

「ならば湯浴みを着て一緒に入れば良かろう?
・・・兎に角、お前達には悪いが臭くてかなわん!!とっとと入って来い!!」

そう言う老師は、如意棒を出し兼ねない勢いで言い放っていた。
そして、その勢いに気圧された小竜姫とワルキューレは横島の腕を掴むと、
一気に風呂場まで飛んで行こうとした途端、老師が横島に声を掛けた。

「横島、すまんが刹那と話をさせてくれんか?」
「いいですけど、何で老師は俺が刹那と一緒にいる事を知っているんですか?」
「最高指導者殿達から聞いておってな。では、すまんが頼む」

老師の言葉に頷くと、横島は一本の刀を出現させると老師に渡し、
小竜姫とワルキューレを連れ立って、風呂場へと向かった。

そして部屋に残っているのは、涙をル〜と流すヒャクメとジークのみ。
老師はどうしたかだって?
二人に部屋の掃除を言い渡すと、刹那と会話をする為に自室に戻って行ったのだよ。


さて、脱衣所に入って服を脱いだ横島は頭を抱えていた。
何故横島が頭を抱えているかと言うと。

「刹那を貸したら、傷を隠しきれないんだった・・・」

そう言った横島の身体には細かい傷跡が多数あった。
大きい傷は自分の力のみで隠す事は出来るが、細かい傷までは一人では無理なのだ。
いくら抑止力の横島と言えどこの時代では霊力は少ない。
その為、全体に霊力を纏う事が出来ずに大きい傷跡のみを隠す事しか出来なかった。

「まあ、この身体についたのを洗い流して湯船に浸かれば見えないだろう」

何時までもここにいれば、小竜姫様達が自分が中にいない事を不審に思って、
こっちに来てしまうかもしれない。
そう考えた横島は、そう言いながら扉を開けた。
が、この横島の考えは、風呂場への扉を開けた瞬間に崩れ去った。


風呂場には、既に小竜姫とワルキューレがいたのだ。
しかも湯浴みは着ずに、身体に大き目のタオルを巻いただけの姿で。
老師達にはああ言ったが、横島とだけとなれば話は別なのだろう。

「どうしたんですか?横島さん。速く入って来て下さいよ」
「そうだ。猿神殿の言葉ではないが、今更恥ずかしがる事も無いだろう?」

しかし、二人の言葉に今まで固まっていた横島は再起動を果たすと、
後ろを向いて何も喋る事無く風呂場を出て行こうとした。

だが、横島のそんな行動をこの二人が許すか?
許すはずが無い。
例え最高指導者が許しても(むしろ面白がるだろうが)、恋をしている女は止まらない!!

「何処に行くんですか?横島さんが行く方向は逆ですよ?」

超加速まで使って横島の前に回り込んでお湯を掻けてから抱きつく小竜姫。

「このまま、私達が湯船まで運ぶか?」

背中から翼を出した為に、タオルが落ちてしまったが気にしないで抱きつくワルキューレ。


さて、二人の美女にサンドイッチにされた横島はと言うと・・・・・・。

「(ち、乳の感触が!柔らかい肌が!このまま、流されてもいいかなぁ〜〜・・・・・・)
って、流されちゃ駄目だろ!?小竜姫様もワルキューレも離れてくれ!」
「何でですか?」
「何故、離れ無ければいけないんだ?」

横島の言葉に疑問の声を挙げる二人だが、それに対する横島の答えに怒りを覚えてしまう。

「だって、こんな傷だらけの男に抱きつくなんて気持ち悪いでしょ?」
「・・・・・・え?今、何て言いました?」

この男は何処まで行っても変わらないらしい。
確かに横島の人のこの考え方は美徳の部類だろう。
しかし、それも行き過ぎれば美徳どころか悪徳となって、相手に不快感を与えると言うのに・・・。

横島が見る小竜姫は、確かに笑顔を浮かべながら問い返して来ているが、
身体から溢れ出る冷や汗は何だろう?
それに後ろのワルキューレからも、何故か自分に良くない事が起こりそうな予感が・・・。

横島がそんな事を考えても既に意味がない。
今の横島の発言に、二人は怒っているのだから。
未だに自分達の想いの大きさに気付かず、あんな事を言う横島に。

そんな横島に、背後から抱きついていたワルキューレが力を強めて問いかける。

「なあ、横島。今の言葉はどう言う意味で言ったんだ?ん?
私達は怒らないから言ってみろ」
(嘘です。既に怒りメーターが振り切れます)

「ど、どういう意味って言われてもな・・・
二人共、あの時代の俺と同じに考えているんだろうけど、
今の俺は傷だらけで、見ていて気持ちのいい物じゃ無いだろ?」

この横島の言葉に、二人は同じ様な言葉を返す。

「では、聞きますけど。横島さんは、私のこの身体の傷もそう思っているんですか?」
「なら聞くが、お前は私の身体も汚いと思うのか?」

「そんな事、ある訳が無いじゃないか!!
俺はそんな事は欠片も思った事無い!寧ろ、二人は綺麗だ!!

・・・だって二人の傷は、誰かを守る為に付いた傷だろ?それに、あの時代でも言ったじゃないか。
二人の傷跡も全部含めて綺麗だ、って」

「私達もお前と同じ考えだよ」
「刹那様から大体の事は聞きました。その傷も、私達を守る力の為に付いた物なのでしょ?・・ん」
「その傷跡を、私達が汚いとか醜い等と思う訳が無いだろ?寧ろ、愛しい限りだな」
「あっ!?」

二人の心の篭った言葉に横島は驚きの声を挙げた。
その理由は、二人が言い終わると同時に横島の身体に付いた傷跡を慈しむ様に、
一つ一つに口付けを始めたからだった。

暫しの間、辺りを二人の口付ける音のみが響き渡る。


「これでも信用できませんか?」

横島の身体にキスをした事で少し興奮してきたのか、顔を赤くしながら小竜姫は横島に問いかける。

「・・・・・・」

しかし横島は、身体をブルブル震えさせながら何も言わない。

「まだ、足りないのか?なら、これでどうだ?」

ワルキューレのその口付けが起爆剤だった。

「もぉ〜〜我慢できん!!小竜姫様ぁ〜〜!!ワルキューレェ〜〜!!」
「「きゃっ♪」」

横島はそう叫ぶと二人を抱えて湯船に突っ込み、すぐさま飛び出すと風呂場を飛び出して行った。
“二人を抱えたまま”。

その時の二人の表情は、嬉しそうに笑っていたとか・・・・・・。


あとがき〜
・・・・・・・・・(無言)。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。まあ、頑張れ横島。
今回の話の最初のは、分かる人には分かるでしょうね〜。
ちょっと、15禁の基準が分からなかったんで、一応と言う事で・・・。
あとがきはこれだけです。では、また会いましょう。


レス返し〜
九尾さん、紫苑さん、DDさん、大神さん、D,さん、ありがとうございます。
まあ、妖怪組みはどうなっているのかは楽しみにしていて下さい。
それでは〜。

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