「答えよ、先代黒竜将!何故お前がここにおるのだ。虚偽は許さん!」
『ふっ・・・流石は斉天大聖、ワレの正体に気付いたか。』
黒竜将、それは竜神王に続く官位で白竜将と並び合わせて双竜将とも呼ばれている。
なお、その下には水、火、土、木、風の称号を持つ五竜将が控えている。
猿神は心眼に真実の答えを求めている。
その眼光はどのような嘘も見抜くであろう。
斉天大聖は心眼の返答次第では即刻この場で何らかの処置を取るつもりであった。
『そのような眼をせんでも答えるさ。アレは―――』
心眼は語り始める。
――心眼は眠らない その20――
時期はGS試験の数日前まで遡る―――
事件の発端は竜神界であるが、人間界でも美神たちに珍事件が発生していた。
そう、人間界で唐巣が貧血を起こしてぶっ倒れている最中であった。
「ふ〜やっとここまでこれたの〜。大体、あの堅苦しいのは苦手じゃ。」
現在、竜神界の宝物庫に一人の竜神が潜入?していた。
背丈こそ小さいがその身なりからかなり高位の人物だとうかがえる。
愚痴の内容から、礼儀や作法の練習が嫌で逃げ出してきたようであった。
「前回の褒美は一つもアヤツにいかなかったからのう。」
その竜神は宝物庫を見回す。何かを探しているようだった。
「余の第一家臣があのままでは余もカッコがつかん。イームもヤームもパッとせんし。」
愚痴りながらではあるが探索を続ける小さき竜神。
「んっ!?アレはなんじゃ?」
竜神はなにかに目を止める。竜神の目の先にあったのは一つの小さな結界であった。
結界の中には何か雫のような結晶が置かれていた。
その結晶の美しさに竜神は暫し目を奪われる。
「これは・・・精霊の類か?しかし封印も大分かかっておるし、ようわからんのう。」
竜神は結晶からは邪気が感じられず大丈夫と判断したのか、
思わず結界の中から結晶を取り出してしまう。
取り出した結晶もいろいろ角度を変えたりして眺めていると突然、
『おぬしは誰だ?・・・いやワレは誰なのだ?』
「!!!・・・・びっびっくりしたのう。しかし余をしらんのか。
余は天龍童子、竜神族の王、竜神王の世継ぎなるぞ!!」
そう、この小さき竜神は実は天龍童子である。
天龍は第一家臣である横島のために何か褒美を渡そうと宝物庫に忍び込んだのであった。
流石に前回、美神に小判を全て取られたのが哀れに思っての行動であろう。
決して、毎日の修行が嫌でサボりを決め込んでいたのではない。
いきなりしゃべった結晶に同様するもすかさず自己紹介を済ませる。
結晶はどうやら記憶がないのか、自分が誰であったのかも分かっていないようであった。
「しかし、お前は何故封印されておったのだ?・・・いやこの際そんな事はどうでも
よい。お前!余に協力せよ。そうすればここから出してやるぞ。」
『何をすればいいかわからぬが、好きにせよ。何故封印されていたかはわからぬが
少しは退屈が紛れそうだ。』
交渉は成立したようで天龍は結晶からその本体である精神体を抜き取り、
自分の剣に装飾されている宝石に入れなおす。
「お前の封印は解くわけにはいかぬが、これで外にでれるであろう。
・・・さて小竜姫を探さねばならぬのう。」
天龍はこっそりと宝物庫を抜け出す。
(ワレは誰なのだ?・・・クッ!何かが頭に引っかかる)
小竜姫は常に妙神山にいるわけではない。
ときどきは竜神界に帰還し、報告をだしているのだ。
まぁほとんど、何もないの一行で終わってしまう事が多いが。
小竜姫はいつもの定期報告を終え、竜神界を歩いていた。
途中で天龍から召集がかかり現在は天龍の部屋に向かっている最中である。
そして小竜姫はようやく天龍の部屋に到着する。
「どうしたのですか、殿下?」
「おお、小竜姫よ。実は小竜姫に頼みたい事があっての。」
そういった後、天龍は柄に籠めた精霊を紹介する。
そしてこれを横島の補助に役立てるようにいう。
「・・・あの殿下、これはどこで?」
「うむ、知り合いの者に作らせたのじゃ、これを横島に授けて少しは余の家臣として
強くなってもらおうと思ってのう。」
何か胡散臭い話と小竜姫は思ったが、この精霊を見る限りさほど力を
持っているようにも見えず、天龍も善意で行っている行動であるため咎めにくかった。
(まぁこの程度の精霊なら横島さんにはちょうどいいかも知れませんね。)
この時、もし天龍が結晶から自分の宝石に移し返していなければ小竜姫は封印に
気付く事もできたであろう。
「でも、このままというわけにはいきません。私の竜気とちょっとした自我を
与えておきましょう。」
そういい、小竜姫は精霊は自らの体内に宿して何か術式を開始する。
(聞こえますか、あなたにはこれからある人の補助を行ってもらいます。
そのために私、小竜姫はあなたに竜気を授けます。)
小竜姫は精神を研ぎ澄ます。そして精霊に己の力を込め始める。
そして小竜姫は何かを呟きつつ術を続ける。
しばらくすると術の終わりが見えてきた。
(心眼・・・あなたの名は心眼です。わかりましたか心眼?)
(承知、ワレは主のため存在する者・・・ワレの名は心眼)
―――回想終了
心眼の話を聞いて弟子(小竜姫)の行ってしまった事を嘆く猿神。
『小竜姫の竜気を受けたワレは徐々にではあるが記憶を取り戻していった。
今ではほとんどの事を思い出しておる。』
「なるほどのう、・・・しかしまだ封印が解けたわけではないのか。」
猿神は心眼の目を見つめ今の話が真実である事理解する。
心眼は始めこそ記憶を失っており、小竜姫が与えた自我が主人格であったが、
今では完全に本来の人格を取り戻していた。
もしこれで封印さえ解ければ完全に復活する事も可能であろう。
『で、ワレをどうするのだ?ワレを好きにするのはかまわんがこの眠っているバカは
無関係ゆえほっておいてくれよ。』
いずれは来る事だと思っていたのか今回、心眼は妙神山に行く事を拒まなかった。
相手が斉天大聖では今の自分ではどうしようもないと悟り抵抗を意思を見せない心眼。
せめて相棒の無事を願う。
猿神はしばらくの間、何も言わず心眼と眠っている横島を見つめる。
そして
「ふんっ!あの時からお前にはいっておきたかったことがある!!
わしはお前が先々代の黒竜将、つまりお前の父を生贄に使ったことを
認めてはおらぬ!!確かにおぬしの母が死んだのはお前のせいではあっても
それはお前が意図したことではない!!だがお前の父が死んだのは明らかに
お前が自分で行ったことじゃ!!・・・例えそれが命令であったとしてもな!!」
猿神は怒りに震えながら心眼に罵声を浴びせる。
まるで溜まっていたものを一気に吐き出すが如く。
『別に認めてもらおうなど思っておらぬ。ただあの時はあれが最善だっただけだ。』
「お前ら、親子はいつもそうであったな。わしに何一つ相談せず勝手に決めよって!!」
心眼は冷めたような言い方で猿神を突き放すように答える。
猿神にはそれが余計癪に障るようであった。
『同胞殺し・・・その汚名は認めよう。確かに母も父も殺したのはワレだ。』
「何故じゃ、お前が一言でもあの時わしに相談すれば父上は助かったかもしれんのだぞ!!」
猿神は心眼の父がなくなった時の事についてなんども追求してくる。
あの時、何があったのか―――
遥か昔、まだ天界と魔界がお互いの存在をかけて戦争を日々繰り返していた時代の
出来事である。
猿神はその当時の黒竜将、心眼の父と親友関係にあった。
その時の心眼は黒竜将補佐という立場にあり、黒竜と呼ばれる隊では
切り込み隊長として活躍していた。
ある作戦のおり心眼によって意図したわけではなかったが母が死ぬことになる。
だがこの時の心眼は自分が母を殺した要因になていることに気付いていなかった。
ただ一人気付いたのは自分の父だけであった。
戦争は激化の一途をたどり天界は不利な状況に追い込まれつつあった。
その余波はもちろん竜神界にも響いてくる。
しばらく経った後、黒竜将は心眼にある作戦を命ずる。
心眼は作戦を見事に成功させたのであったが
その結果、黒竜将もまた帰らぬ人となり、補佐官であった心眼がそのまま
新たな黒竜将になったのであった。
この時、心眼は何故自分が母の死の要因となっていたのか理解した。
心眼は自らの行動が父と母を死に追いやったのを知ってしまい、
責任を取ろうとするが、もし今自分が戦線を離脱すればまた戦況が崩れてしまうのを
恐れる。
それからしばらくの時が過ぎ、天界と魔界では和平派が強くなり平穏が訪れてきた。
心眼は自分がいなくても大丈夫だと知り自分自身を告発する。
その結果―――
―――永久封印刑―――
これは力を持つ者を殺せば神魔のバランスが崩れるのを防ぐため復活や転生が起きて
しまう。それを防ぐための封印刑である。
こうして心眼は千年を超える間、封印されていた。
―――同胞殺しという汚名を授かって。
猿神は少しは落ち着いたのか呼吸を整える。
「すまぬ、言い過ぎた。お前も苦しい決断だったはずなのに・・・
それと処遇についてだが・・・別にどうもせんわ」
『!!・・・何故だ。自分でいうのはなんだがワレの”アレ”が危険すぎるなのは
わかっているのだろ?』
何もしようとしない猿神に心眼が驚いてしまう。
それもそうだろう、永久封印刑を受けているはずの言わば罪人を野放しにすると
言っているのだ。
「お前達家族の犠牲があったからこそ今の冷戦状態までこぎつけたのじゃ。
第一、”アレ”はお前自身が認めていないのだろう?」
『・・・確かにそうだが・・・ワレはいいのか?・・・このまま横島の傍にいても・・・
いいのか?』
猿神は無言で横島に近寄る。
「好きにせよ。・・・お前がこの小僧と出会ったのは必然だったのかもしれんな。」
『斉天大聖老師・・・』
そういった後、猿神は横島にヒーリングを開始する。
横島はすぐに目覚め始める。
「んっ!?・・・はっ!!あの一心同体姉ちゃんは!?」
『ふっ、なんだその名前は。』
いきなりバカ丸出しの横島。
何か機嫌がいいのか心眼の口調は柔らかい。
猿神に連れられ横島たちも外に出て行く。
そこでは美神は小竜姫と自分が狙われている理由を聞いたり、
雪之丞が空を飛んでいたり、鬼道が試し射ちをしていたり
ジークとオキヌとシロが会話をしていたりした。
「先生〜さっきはカッコよかったでござる!!」
一番はじめに気付いたシロがタックルしてきた。
他の皆も横島に気付いて先ほどの動きを聞いたりする。
肝心の横島はどうやったか覚えていないようであったが。
「は〜要するに火事場のバカ力ってわけ?」
「それでも横島さん、すごいです!」
あきれたような、少しほっとしたような顔をする美神。
オキヌは尊敬の眼差しで横島を見ていた。
その後に、心眼は文珠の説明を開始する。
文珠とは霊力を凝縮し、そこに念を込めることによって一定の特性を持たせて
解凍する技である。
「すっすげ〜これがあればなんでもできるんだな!!(覗きとか)」
『まぁ限界はあるがな。おぬしは先ほど、無意識に文珠を複数同時に使用したが
文珠とはコントロール次第でいくらでも同時に使用できる、これからは文珠の
特訓も行うぞ。(また下らん事を考えておるな)』
横島の考えは既に読まれているようであった。
雪之丞は早速横島に勝負を挑もうとするが文珠のストックも残り二個しかないので、
とりあえずは延期になる。というより横島の体力が限界であったのもあったが。
「それじゃ美神さん、そろそろ帰るんですか?」
「そうね、人狼の事件も片付けなきゃいけないしね。」
美神一向が妙神山から帰宅した後、
”小竜姫よ、あの横島という小僧。一体どういうやつなのだ?”
小竜姫は猿神から突然、頭を如意棒で叩かれてから質問された。
その時小竜姫はその質問に答える事が出来なかった。
何故?
始めから自分の剣をかわしたほどの人間。素質がある事はわかっていた。
そして彼は自分の期待通り、いや期待以上のものを見せてくれた。
聞けば、香港の際にはメドーサの一撃を防いだとか。
先ほどの戦いでは超加速すら人の身でありながら体現してしまった。
そのような人間を自分は誰よりも速く素質を見極めたのだ。
そして今は極めて希少な文珠使いとなった。
文珠を使用したとはいえ、あのお師匠さまに傷を負わせた。
自分は彼を誇りに思っている。
だけどそんな彼をどう言葉で表せと!?
彼を天才等と言った陳腐な言葉で片付けたくはない。
もはや自分ですら彼をどう表せればいいかわからない。
だから、
だから最後まであなたの行く末を見守らせてもらいます。
ねぇ、横島さん。
拝啓、親愛なる姉上へ
本日の出来事は僕の中では間違いなく今までで一番驚愕に満ちていました。
グラムを使用したというのに、背中を狙われているのが分かっていたのに
負けてしまいました。確かに油断があったのは認めます。
だからといってああも簡単に裏を取られるとは思いませんでした。
姉上が彼を認めたこと、今は大いに納得しています。
あまり大きな声ではいえませんが、今日僕は信じられないものを見ました。
彼があの老師にほんのわずかではありますが、手傷を負わせたのです。
信じられますか?
普通なら信じられないでしょう。しかし姉上なら信じられるはずです。
彼は無限の可能性を秘めています。
まだまだ書き足りないですが、他は今度あった時にでも。
もちろん肴は横島どのです。
それでは・・・ ジークフリードより
横島とシロは現在、美神と別れアパートに向かっている最中であった。
鬼道と雪之丞は二人で探すと言い先ほど別れたばかりである。
「先生〜!!拙者にも早く本格的な修行をお願いするでござる!!」
「ああ、今日は疲れたから明日からな。」
一応この三日間で少しは霊波刀のコツを教わったのか、
今のシロの霊波刀は人間形体でも一応小刀程度の長さになっている。
ちなみにシロは美神から精霊石を受け取っていたので昼でも人間形体で活動する事が
可能であった。
シロはこの二日間で起きた戦いは見ていたばかりであったので、不完全燃焼状態であった。
そのどれもが今まで見たこともないハイレベルな戦いであったので体を動かしたくて
仕方ないのであろう。
二人はのんびりと夜道を歩いていく。
「「!!」」
横島は霊波の流れから、
シロはその嗅覚と動物的直感から異常を察する。
「ほ〜そこにいるのはシロではないか。」
この気配、シロにとっては忘れられないだろう。
「犬飼っ!!」
夜道の向こうからは笠をかぶった浪人姿の男。
犬飼ポチがそこにいた。
「シロッ!!」
「せっ先生!!」
横島は頭に血が上ったシロの腕を取り、犬飼から距離を取る。
だが犬飼はすかさず八房を振るう。
ザッザザッザザザ
八本の刃が二人に迫ってくる。
横島は何とか後ろに後退しつつ栄光の手を展開させ防ぐ。
もちろんそれだけですべて防げるわけもなく人間離れした回避力で
残りの八房をかわす。
「ほぉ、霊波刀使いか・・・人間の分際で!!」
「ふ〜ってまたかい!!」
息つく暇さえなく第二波が迫ってくる。
目では見えていても体がついていかない。
それもそうだ、昼間は妙神山で強敵と二連戦もやらかしたのだ。
いくら成長した横島といえどシロを庇いつつ犬飼の相手をするのは難しい。
「はぁ〜はぁ〜心眼、流石にやばいぞ。」
『落ち着け、とりあえずこれ以上霊力を無駄には出来ない。頃合を見計らい逃げるぞ。』
残りの文珠は二つ。
しかも体力はあっても霊力が残っていない。
鬼道と雪之丞と別れて大分経つ。
援軍は期待しない方がいい。
おまけにシロはまだ修行不足。
せめて何日か本格的に鍛えておけば八房の一太刀や二太刀は防げたはずなのに。
今回の奇襲はあまりにもこちらにとってタイミングが悪すぎた。
「ふっ、話にならんな。だが貴様らには狼王復活のための礎になってもらおう!!」
「そんなことは拙者がさせないでござる!!」
「こら、シロ!!」
シロが小刀程度の霊波刀を構える。
犬飼は見向きもせず八房を振るう。
「バカっ!!下がれ!!」
横島がシロの前に立ち栄光の手を展開するが、
ザシュッ
「先生!!」
「いっいてぇ。」
急であったため防ぎそこなう。
横島の肩からは血が垂れていた。
犬飼はとどめとばかりに再度八房を振るう。
「「グッ!!」」
今度は横島とシロ、両方ともが斬られてしまう。
体格の小さいシロにとっては今の一撃はかなり重い。
しかも八房は相手の霊力を吸収する。
途端、シロはアスファルトに倒れ込んでしまった。
「こら、シロ!!寝たら死ぬぞ!!」
何処かツッコミどころが間違っている横島。
すかさずシロを霊視するが深手ではあるがすぐにヒーリングを開始すれば大丈夫な傷であった。
その事にほっとする横島であるが、相変わらず相手は融通が利かないらしい。
新たな八房がまたやってくる。
横島はシロを担いでサイキックソーサーを犬飼の上空に投げる。
その間、またいくつかの八房を受けるがなんとか致命傷は避ける横島。
「!?なにを考えている?」
犬飼は思わず手をとめ上空に放たれたサイキックソーサーを見つめる。
「落ちろっ!!」
サイキックソーサーはその軌道を急激に変え犬飼に向かい始めた。
「!!小癪な!!」
迎撃に走ろうとする犬飼であったが、
バァァァァン
直前で爆発するサイキックソーサー。
犬飼は予想外の出来事に一瞬動きを止めてしまう。
爆発は余波は大して犬飼にダメージを与えなかったが横島たちがここから逃げるには
十分な時間を稼げた。
「ふんっお前たちの匂いは・・・!?何故だ、何故匂いが感じられん!?」
《消》《臭》
横島たちは犬飼の視界から姿を消した瞬間、文珠で自分たちの匂いを消した。
狼は目より鼻を頼りにするので匂いさえ消せれば追跡は難しいと心眼の判断
があったのだ。
この判断は功を奏し見事に犬飼の追跡を振り切る。
だが代償は大きかった。
横島は霊力を吸収され、文珠の残りはもうない。
横島が向かっている場所は美神の事務所であった。
自分の部屋には匂いが残っている。嗅ぎつけられる可能性があるため不可。
現在、残り少ない霊力をシロのためにヒーリングを施していた。
「ちくしょう〜。あの野郎、覚えてやがれ。雪之丞と鬼道に頼んでボコボコにして
やるからな!!」
『・・・自分でやろうとは思わんのか?』
思わないだろう。
基本的に人任せな横島。座右の銘は他力本願である。
痛みを堪え走り続ける事、二十分弱ようやく美神の事務所が見えてきた。
(今回の件で犬飼を大分進化させてしまった。・・・フェンリルの復活は近いな)
横島対犬飼。
一戦目は犬飼に軍配があがった。
――心眼は眠らない その20・完――
あとがき
今回、ちょっとオリジナル設定がでてきましたが本筋にはあまり関係ないので見逃して
ください。もし希望が多ければ外伝としてその時代の出来事をいずれ書きますが。
本作でもいずれ語られますが、その時代にどのような事が起きたのか想像して
もらえると作者としてうれしい限りです。
”アレ”とは本作のキーの一つになると思います。(たぶん
心眼の過去、肝心な部分は語られていませんがどうでしたか?
この作品もなんと20話まで続いてしまいました。
それも皆さんのレスを読んでヤル気が続いたからだと思っています。
これからも批評の方、よろしくお願いします。
それではフェンリル編再開!!