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▽レス始

「GS美神if外伝 レアカップリングを目指して…4(GS)」

テルヨシ (2005-01-04 00:29/2005-01-04 22:08)
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ピートが自分のところにくるまでそれが当たり前だった。
だからピートが出て行った後は前に戻っただけ。

それでも一抹の寂しさはあったが、仕事の忙しさがそれをあまり感じさせずにすんだ。

しかしまた非日常が日常になった。
それは温かく楽しいものだ。


自分は欲が深いのだろうか?
この絆を当たり前のものにしたい。
もっと深いものにしたいと思うのは。


これからの時間を彼女と、いや彼女等と一緒に歩んで生きたい。
彼女等ともっと親密になりたい。


彼女等と・・・になりたいと思うこの気持ち。
もう偽ることも忘れることも出来ない。


だが・・・。


受け入れてもらえるだろうか?


GS美神if外伝 レアカップリングを目指して…3


ある日横島事務所にかかってきた一本の電話。
たまたまそれに応対したのは横島だった。


「もしもしこちら横島除霊・・・何だけケイか。どうしたんだ? 唐巣神父の手伝いは終わったのか?」
その後横島の表情が一変する。


「何、唐巣神父が倒れた!?」
その横島の声に事務所にいたメンバーにも緊張が走る。
唐巣神父には少なからず世話になっているからだ。


横島とケイの会話は続く。
「あ、うん。そうか分かった。じゃあこっちまでこられるか? こっちは準備しとくから。頼んだぞ」
そういうと横島は電話を切るなりルシオラと美衣に向かい、
「二人とも食事の準備をしてくれないか」
と何やら半笑いの表情で頼んだ。


「そんなことより唐巣神父は大丈夫なの!?」
「私達も行ったほうが良いのでは?」
若干興奮しながらそう横島に詰め寄る二人。

「ああ、それなら大丈夫。唐巣神父は空腹で倒れたらしい」
その言葉に事務所内の緊張は綺麗さっぱりなくなった。
何人かは思わずこけてはいるが。


「いやあ・・・面目ない」
とはルシオラと美衣が用意した食事を取りながらの唐巣の弁。

「しかしまた何故? 以前と違い収入だって安定してるでしょうに」
以前空腹で倒れたことを知っている横島が不思議がる。
あの時と違い、唐巣はGS協会の理事になっている為お金がないということはないだろう。


「今GS協会の改革案の審議で急がしくてね。それでつい・・・」
「それにしたって食事の時間くらい取れなかったんですか?」
「食事に行こうとすると何かしか用事が入ってね。食べれなかったんだよ」
気まずそうにルシオラの問いに答える唐巣。


「教会に何か食べる物がなかったんですか?」
お代わりをよそいながら尋ねる美衣。

ありがとうございます、と答えそれを受け取り
「それがたまたま何にもなくて」
と答えてからおいしそうに食べる唐巣。

「何にもないなんてきちんと自炊してるんですか?」
「なにぶん男の一人暮らしですから」
と笑ってごまかす唐巣。


それを聞いた美衣は何か考え込むと、
「唐巣さん、これからは私達と一緒に食事を取りませんか?」
とさも名案!っていった感じに嬉しそうに提案する。

「いえそこまでお世話になるわけには」
「一人増えたくらいたいした手間ではありませんから遠慮しないでください」
実際横島事務所では朝食を除き、都合が会わないもの以外はいつも皆で取るのが不文律になっている。


「でもご迷惑でしょう」
「息子のケイがお世話になってますから御気になさらずに。それに食事を抜いて倒れる方がよほど迷惑で心配します」
美衣の正論&心配、それに周りの横島達も賛成しているのを見た唐巣は
「すまないね皆。じゃあお言葉に甘えさせていただくよ」
と頭を下げた。


この日から横島達の食卓に唐巣が加わった。
一人暮らしが長い為、自身も自炊は出来るがルシオラ&美衣が作る食事は世辞抜きに美味かった。
また、ピートがオカルトGメンに就職し教会からオカルトGメンの官舎に移り住んだ為一人で食事することが多く、皆でわいわいしながら食べる食事は温かかった。


食事が終わればカオスと一緒に横島達に指導したり、カオスと一局将棋かチェスを戦わせたりし、食後の時間も楽しんでいった。
どうしても事務所に顔を出せないときは美衣が教会のほうに食事を作りに行く、お弁当を渡すのもしばしば見られた。


この新たな日常を一番嬉しく思ったのはケイだ。
彼には父親がいない。
横島、雪之丞、ルシオラやカオスといった優しい兄姉それにおじいさん同様の存在、そして何より美衣がいるため、そのこと自体に特に不満はない。
ただ友人が父親のことを話しているのを聞くと少しだけうらやましいとは思っていたが。


そこで唐巣に出会った。
彼はどこか父親というものを感じさせる存在であった。
今までも交流があったがそれは除霊を介してであったのが日常でも会うようになれたのだ。
ケイは学校であった事などを話し、唐巣もいやな顔せずそれを聞いた。

そんな訳でケイは唐巣が本当の父親になってくれれば嬉しいのにな、と思い始めるようになっていく。
たが、それは唐巣と美衣の問題であり自分が口を出すべきことではないことも同時に理解していた。


さてそれでは肝心の唐巣と美衣の気持ちはというと。

美衣のほうは息子が世話になっている為、元々それなりに意識はしていた。
ケイと一緒に教会に行き掃除を手伝ったりしていたこともある。
ただ自分には唐巣神父はもったいない、もっと良い人がいるだろうと思いその気持ちを口にすることはなかった。


唐巣といえばなかなかそういうことを表に出すタイプではないが、
わざわざ教会にまで世話に来てくれる二人のことを申し訳ないと思いながらも、同時にありがたいとは思っているのは間違いない。
そして美衣とケイの三人で過ごす時間を好ましいとも思っているのは間違いない。
ただそれがそういう気持ちなのかは本人以外に分ろうはずもなかったが。


ただそんな彼等の関係は急激な変化に見舞われた。

「唐巣神父って結婚しないんですか?」
とある日、美衣と共に教会にて唐巣の雑事を手伝っている時、ケイは唐巣にそんなことを聞いてみた。
つい一ヶ月前に横島とルシオラが結婚したばかりだったのでそんな話題が出たのかもしれない。


「はは、私ももう四十過ぎのおじさんだからね。今更相手してくれる人もいないさ」
と苦笑する。

「そんなこともないんじゃないですか?」
「まだお若いですよ」
本心からの言葉をケイと美衣は口にする。

その言葉を聞いた唐巣は心持緊張した顔をし、
「では私が結婚したいといったらお受けしてもらえますか?」
言葉の名を借りた爆弾を投下した。 


「あの唐巣さん、ご冗談ですよね?」
「私も冗談を言うべきでない状況で冗談を言いませんよ。神と十字架の前ですしね」
あまりの展開に信じられない、と一体顔の美衣。
そんな彼女に唐巣は自分が本気であると告げる。


「私妖怪ですよ」
「構いません」
「子供もいますし」
「ケイクンが私の子供になってくれるのは嬉しい限りですよ」
「初婚じゃありませんし」
「気にしません」
「でも、でも・・・」
美衣はまだ踏ん切りがつかないようだ。
本心では嬉しい、イエスと答えたい。
だが理性がそれに待ったをかける。


「美衣さん、私では不足かもしれませんが結婚して、いやケイクンと一緒に私の家族になってくれませんか?」
「私、私・・・」
改めてプロポーズする唐巣。
美衣は感極まってしまう。
とケイが美衣の手を握る。

「母さん」
何を言ったわけではない。
でも手のひらから伝わるものがある。


美衣は深呼吸し会心の笑みを浮かべながら答える。
「はいお受けします。私で、私達でよければ喜んで」
そして美衣は唐巣に抱きつき、唐巣は優しく抱きしめる。
ケイはそんな二人を嬉しそうに見守る。
こうして彼らは家族になった。


オマケ

抱き合ったまま動かない二人。
ケイはいたずらそうな顔をし
「ボク、弟が欲しいな」
と二人をからかった。


唐巣は顔を真っ赤にし、美衣は
「ケイ?」
と常にない声を出した。

その声に驚いた唐巣とケイが彼女を見ると、そこには見たことのない笑顔をしていた。
思わず二人は固まってしまう。

「ケイちょっとこっちにいらっしゃい。唐巣さんちょっとそこの部屋借りますね」
言いながら美衣はケイの襟をつかみ立ち去っていく。

一人残された唐巣は神に祈りをささげる。

「口は災いの元」
を実践した新しく出来た彼の家族に。
時折聞こえる悲鳴を聞こえないフリをしつつ。


「あのときの母さん。得物を前にした時以上に怖かった」
とはケイが後に横島にもらした言葉である。


あとがき

唐巣×美衣+ケイというカップリングというよりファミリーといった観がありますが、いかがだったでしょうか?

微妙に以前書いた唐巣神父救済SSとつながっています。


Danさん、柳野雫さんの感想を元に神父の心情なんかを付け足してました。

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