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「霊光波動拳継承者・横島・教師編(6話)(GS+幽遊白書)」

柿の種 (2005-01-02 18:55/2005-01-03 02:31)
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「何、たくらんでるんだ?」

味方になるというタマモを疑わしげな目で見る横島。それに対し、タマモは心外だといわんばかりの態度をとった。

「何もたくらんでなんかいないわ。ただの損得計算よ。授業料免除や推薦なんて私は興味ないし、横島に何でもひとつ言う事聞かせられるっていうのはそれなりに魅力的だけど、あなたに勝つのは簡単じゃないわ。他の相手と戦って弱った所を狙うって手もあるけど、タイミングが難しいのよ。確率の悪いチャンスを掴もうとするよりはあなたに恩、売ってちょっとしたわがまま聞いてもらおうかと思ってね。」

「わがまま?俺に何させようって言うんだよ?」

タマモの言葉に横島は先ほどまでとは別の意味で警戒を示す。だが、タマモは笑って答えた。

「そんな、たいした事じゃないわよ。ただ、ちょっとデジャブ−シーとユニバーシティ・スタジオに連れてってもらいたいだけよ。勿論、横島のおごりでね。」

「りょ、両方かよ!?どっちかにしろ!!んな、金も時間も無い!!」

横島の給料は現在、事務所の月の収支の一割、と以前とは比較にならない程の厚遇になっているのだが、現在、依頼事態が大幅に現象している上、何故か異様に出費がかさむので(例:シロの散歩用の自転車が2週間でつぶれるとか=なまじ横島が強い為、シロが散歩を手加減しない)生活水準は並程度である。それを考えるとタマモの出した条件はかなり厳しかった。

「しょうがないわねえ。じゃあ、ユニバーシティ・スタジオだけでいいわ。」

そこでタマモが妥協案を出す。横島は少し考え込んだ後、答えた。

「んー、それぐらいなら、まあ、いいか。久しぶりに大阪の方にも行ってみたいし。」

「商談成立ね。」

そこでタマモがニヤリとした笑みを浮かべ両者の協力関係が成立する。その後、二人はタマモの幻覚等を上手く使い、霊力を温存させながら、次々と生徒達を昏倒させていった。


「ふう、弓さんを水晶観音を使われる前に倒せたのはラッキーだったな。」

弓を倒して横島はほっとする。水晶観音を使われれば、ダメージを与えず瞬殺するのは流石に難しい。そうすると、六道理事長のみならず、雪之丞にも怒られる事になるので、彼女はある意味実力以上の強敵だったのである。

「後はおキヌちゃんと、それから・・・・・・。」

「私ですね。」

そこで、横島に声をかけてきた者がいた。英華彰子(えいがしょうこ)、六道始まって以来の才媛とまで言われる少女である。

「タマモさんがお仲間につかれたようですが、1対1で勝負していただけますか?」

「OK!!美人の頼みは断れないっす!!」

少女の申し出に勢いよく答える横島、それをみて呆れた表情をするタマモ。それに対し、彰子はくすくすと笑う。

「先生は面白い人ですね。それが地ですか?」

「はは、どうかな。俺としてはいつも自分に正直に生きてるつもりだけど。」

横島は彰子に好感を抱いていた。天才というが、奢ったところがまるでみえず、それでいて誇り高さが感じられる。

「それでは、そろそろ行かせてもらってよろしいでしょうか?」

そういって彰子は神通昆を取り出す。横島も霊波刀を出して構えた。

「タマモ、お前は見物でもしててくれ。」

「いいけど、負けたからって取引は無しにならないからね。」

「ああ、心配すんな。」

タマモに答え、彰子の方に意識を集中する横島。そして、先手を取ってきたのは彰子だった。

「はっ!!」

右手に神通昆を持ったまま左手で霊波砲を放ってくる。それをサイキックソーサーで防ぐ横島。だが、彼は次の光景に目を疑った。

「たあ!!」

何と、神通昆が伸びて神通鞭へと変化したのだ。美神ですら2度の妙神山の修業を経てしか習得できなかった事を彼女は15歳で習得してしまったのである。

「くっ。」

横島はその鞭を何とかかわす。だが、鞭を振るいながらも左手で霊波砲を撃ちつづける彰子に横島は防戦一方になる。

(強い!!神通鞭と霊波砲を同時に使うなんて・・・。しかも霊波砲も闇雲に撃っている訳じゃない。こちらが嫌がるポイントに的確に撃ってきている。)

このような連続攻撃相手には霊光波動拳の技もあまり役に立たない。特に、収束系の技を得意とする横島の場合はなおさらの事である。

(なら、近づいて戦う!!)

相手の攻撃をかいくぐり近接する横島、しかし、それに対し、彰子は神通鞭を神通昆に戻し、さらに、霊波砲を止め、霊波刀を生み出した。

「なっ!?」

そして2本の剣で二刀流を振るう彰子。横島も霊波刀で応戦する。

(本当に強い!!なるほど、美神さん以上の天才っていうのも頷けるな、こりゃ。)

打ち合いでは横島が優勢だあるものの、その差は僅か。横島の疲労を加味しても彼女の実力は卓越していた。このまま修業を積めばあるいは横島にすら追いつくかもしれない。だが、それでも、現時点でも差は絶対的だった。

「このままじゃ不利・・・なら!!」

彰子は霊波刀を消し、地面に向かって霊波砲を放った。砂煙が舞い、視界が遮られる。同時に彼女は霊波を消してその身を隠した。

ビュン

そして横島の後方に回った彼女は神通昆を振るう。だが、横島はそれをかわすと、そのまま身を回転させ、足払いで払った。バランスを崩し倒れる彰子

「俺の勝ちでいいかな?」

そして、横島の手が彰子の眼前につきつけられる。彰子は素直に負けを認めた。

「はい。私の負けです。先生は本当に強いんですね。」

「いやー、彰子ちゃんの方が凄いよ。俺が君位の年にはただの荷物持ちだったしね。」

戦いが終わり張り詰めた感じがなくなると、彰子は急に幼く見えた。それがまた愛らしい。そんな彼女の誉め言葉は異様に照れるものがあって横島は頭をかく。だが、彼の言葉は彼女にとって驚愕だった。

「えっ、それじゃあ、先生はたった2年でそんなに強くなったんですか!?やっぱり、幻海師範の指導のおかげなんですか!?」

「えっ!?ま、まあ、そんなとこ。今は時間がないから細かい話はまた今度ね。」

彰子の驚きに対し、美神と出会った頃の事や、幻海の修業内容など、色んな意味で話しづらい事が頭をよぎり、適当にごまかす横島。そして、彼女と別れ、相手はとうとうおキヌ一人になった。


「あ、横島さん。」

そして、とうとうおキヌと出会った。その表情は少し疲れたような顔をしている。

「ずっと、探していたんですよ。最初に見失ってからずっと会えないで・・・・あれっ?タマモちゃん?」

おキヌは横島と一緒にいるタマモの姿を見て意外そうな顔をする。そしてタマモがニヤリとした笑みを浮かべて言った。

「私は横島に協力することにしたの。ユニバーシティ・スタジオに連れて行ってもらう約束でね。」

「そうなんだよ。おかげで助かった。別に生徒と手を組んじゃいけないなんてルールは無かったしね。あ、ところで後はおキヌちゃん一人なんだけど、どうする?戦う?」

無邪気な顔で言う横島。それに対しおキヌは残念そうな顔をした。実はおキヌも横島に勝って無理やり言う事を聞いてもらおうなどと考えず、彼の手助けをしようとしていたのだ。でも、まあ仕方がないかと素直にギブ・アップしようとした時、タマモが爆弾発言を投下した。

「泊りがけでたっぷり楽しませてもらうわ。勿論二人っきりでね。」

「「えっ?」」

その言葉に二人は間の抜けた顔をして硬直する。そしてその硬直から溶けたおキヌが慌てる。

「そ、それって・・・・。」

「そう、泊りがけのデートって事になるのかしら。勿論、同室よ。」

「タ、タマモ、何を・・・・・。」

遅れて硬直から溶けた横島が慌てて否定しようとする。だが、それは既に遅かった。おキヌは俯き、周囲から“ゴゴゴゴゴゴ”という擬音が聞こえてきそうである。そして、彼女の上にクマタカが現れている。

「お、おキヌちゃん・・?」

「横島さんの・・・・・・。」

びくつきながら声をかける横島に対し、おキヌは地獄の底から響いてきそうな声を漏らす。そして、クマタカが彼女からの霊力供給を受け、巨大な火の鳥へと変わる。

「ちょ、ちょっと待って!!それはシャレにならん!!」

それを見て慌てて静止する横島。だが、彼女は聞く耳をもたなかった。そして、顔をあげ、大声で叫ぶ。

「ばかああああああああああ!!!!!」

同時に火の鳥となったクマタカが一直線に横島の方につっこんでくる。横島は慌てて文珠を取り出し“壁”の文字を生み出す。

ズガアアアアアアン

だが、しかし、おキヌの怒りが込められた一撃はその障壁を貫いた。横島はそれを両手で受け止める。

「霊光防壁!!」

そして、力が拮抗しあい、やがてクマタカを包む炎と霊力の盾が同時に消える。力を使い過ぎたおキヌはそのままそこにばったりと倒れた。

「おキヌちゃん!!」

慌てて近寄ろうとする横島。だが、その横島に首筋に針が突きたてられた。

「私の勝ちね♪」

「タ、タマモ?・・・・な、何を・・・・。」

横島の首筋に針をつきたてたのはタマモ。そしてその針は佐藤が作った特性の霊的麻酔針だった。流石の横島も抵抗しきれず、意識を手放そうとする。

「わたしは欲張りなの。どうせなら、欲しいものは全部手に入れなきゃ。」

横島に協力したふりをし、上手くいけば不意をついて、横島への命令権を得る。失敗しても出した条件からユニバーシティ・スタジオに連れて行ってもらう。それが彼女の描いた筋書きだった。そして、横島はばったり倒れた。

「ふふ、人間なんてちょろいもんね。」

「それはどうかな?」

「えっ?」

タマモが勝利を確信した瞬間、後方から声がしたかと思うとそのまま彼女は昏倒させられた。そして、そこにはおキヌを抱きかかえた横島の姿があった。

「ルシオラといい、こいつといい、幻術使いにはこの手はよく効くなあ。」

実は最初からタマモの行動に違和感を感じていた横島は“幻”の文珠を持ってタマモの襲撃に備えていたのだ。

「文珠を予定より一個多く使っちまった・・・・・っと、そろそろ限界か。」

そういうと携帯電話を取り出し、理事長に連絡すると、おキヌを横に寝かせ、そのままバッタリと倒れるのだった。


その後、この件によってその実力を認められた横島の講義は概ね好評だった。そして1週間の講義のあと、続投を求める声が多発し、横島はその後も臨時講師を務めることになるのだった。


追記
最後横島を裏切った事で約束はご破算になったが、そこは甘い横島、事務所メンバー全員をつれてデジャブーシーへと遊びに行きましたとさ。


(後書き)
やっと、完結です。とりあえず、横島の授業風景事態はまだ殆んど書いてませんし、もう少し続編を書くつもりです。どのくらい続くかは皆様の応援次第・・・・っと(笑)それでは、皆様ここまでお付き合いありがとうございました。

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