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「無限の魔人 第十三話(GS)」

紅眼の狼 (2004-12-27 12:14/2004-12-27 18:36)
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無限の魔人 第十三話  〜ラプラス改め〜


「だから、あの時は仕方ないだろう? ラプラスが完全に死んだと思わせるためじゃないか」

「だからと言って、何も教えぬ事も無い筈だ!」

「しかし、文珠とはねぇ・・・あんたなんでも有りだね」

「そうでも無いけど・・・龍美いい加減機嫌を直せ」


声が聞こえる・・・。

まだ生きているみたいだ・・・ね。

あれ、痛みが・・・消えている!?

「お、気づいたか」

目を開ければ僕を覗き込む優しげな瞳が・・・・・。


ああ、何故だろう、僕は自分の心が分からない。

やっと会えた僕の救世主・・・ずっと待っていたよ。


何でこんな事を思うんだろう・・。


「う、うわあああああああああ」

「な、何だどうした!?」

「界人!何を泣かせておるかっ!」


僕にも分からない、だけどこの人を見たら謝りたくて、救ってもらいたくて、そしてずっとこの人を待っていた気がして。


泣きたくなった。


「ああ、よしよし・・・もう大丈夫、大丈夫だ」

「ぅぅ・・ぐすっ・・・ああ・・ぐすっ・・。」

「全く、一体何がなんだか」

「まぁそういうなメドーサ。殺されそうになってたんだ、仕方ないさ」

「所で、なんで龍美はそんな遠くに居るんだい」

「さぁ・・・なんでだ?」


―――――――――――――――――――――――――――――――


「で、少しは落ち着いたかラプラス?」

「ああ、悪かったね・・・別に殺されかけたから泣いた訳でもないんだけど、何故かな、君を見たら泣きたくなってきたよ」

「それは誉められてるのか?」

「さぁ、僕にも分からない感情だから何とも言えないね。」

「そうか。所で、そろそろ体を放してもらえると助かるんだが?」

「いや、何か放したくないみたいでね。全く不思議だね、体が・・いや、心がそれを拒否してるみたい」


僕は未だ彼の胸に抱きついている状態だ。

全然嫌な感じはしない。

それよりも、ずっと待っていた人にやっと会えたような・・・そんな気持ちが。


放したくない・・・ね。

ああ、もう安心だ・・・やっと来てくれた・・・・やっと来てくれた!?

どういう事だろう・・分からない・・・・何故そう思うのか・・。


「さっさと離れぬかっ!」


「うわぁ」

僕は彼と引き離されてしまった。


「何をするんだい!」


「ええい!いつまでもくっ付いて居るからだ」


綺麗な女の人が怒っている。どうやら僕が彼に抱きついていたのが許せないらしい。

「あんた、いつの間にこっちに来たのさ」

飽きれたように魔族の女性が言った。

「ふん、いつだって良い」

「まぁまぁ少し落ち着け」

「お主が悪いのを自覚しておるのか!?」

「俺が悪いのか・・・ごめん」

彼が頭を下げた。


そうなの?

「分かれば良い」

どこか満足げな彼女は、わざわざ椅子を持ってきて彼の隣に座った。


「はいはい、もう良いからさっさと本題に入りな・・全く、なんで私がこんな事」

どこか姉御肌な魔族の女性。

恐らく竜神族の1人だろう。

「取りあえず自己紹介しようか。俺は界人、自称賢者の魔人だ。こっちは龍美にメドーサ」

「僕はラプラス、元は前知魔と呼ばれていたよ」

僕はベッドに入ったままだ。

服は着替えさせられている・・・下着は変わってないが、白いシャツを着ている。

下は下着のみのようだ。

毛布で見えないがきっとそうだろう。

「で、そのラプラスが何で脱走なんてしたんだ? そうしなけりゃ死に掛けることも無かっただろ」

「あんたは元々全てを知っていたから、ヴァチカンから出る事すらしなかったんだろう?」

「そうだね、その通りだよ。だけど、昨日それが変わったんだ」

「「変った?」」

龍美という女性と魔族のメドーサが声を揃えた。


「未来が不確定になったんだ、それはこの世界を書き換える可能性を持った人物が現れたから」

「俺か?」

界人は自分の役目を知っているのかもしれない。

「そう、だから僕は君に会わなければならなかった。僕と世界を救ってもらう為に・・・そして謝罪する為に・・何故そう思ったかは良く解らないけど」

本当に不思議だけれど、僕はその時に思ったんだ「会わなきゃ」ってね。

「いやぁ、本当に幸運だったよ。助けてくれたのが君で」

僕は心からそう思ったね。


「ところで、僕はどうやって助けられたんだい?」

「ああ、それは文珠でな」

「文珠!?それは凄いな・・僕が知る限り文珠能力者は歴史上3人のみだよ」

彼が語った僕を助けた方法は次の通りだった。


1.龍美ちゃんとメドーサが美神の気を引いている間に、僕の傷を治療。
2.僕の[存在力]と言う力を少し貰って、彼の霊力で僕の偽物を作る。
3.僕をここに[転][移]させ、僕の偽物を美神に引き渡す。


「じゃあ、僕はもう死んだ事になっているんだね?」

「ああ、それは間違いないな。さっきテレビでお前の死が報道されていた。」

「生け捕れって事だから、死体を渡した美神令子には1銭も入らないだろうな」


「「「自業自得(だ)ね」」」


「それは置いておいて、ラプラス、これからどうするんだ?」

界人が真面目な顔で聞いてきた。

「僕は君に会う事だけを考えてたからね、何も考えてないよ」

「そうか・・・じゃぁここに居るか? 今放り出しても捕まるのが落ちだ」

「そうさせて貰うよ。ありがとう」

僕は界人の傍に居るととても落ち着くみたいだ。

何故かは知らない、それほど人生経験豊富って訳でもないからね・・・ずっと寝て過ごしてたし。


「そうなると、やっぱり公衆の面前で「ラプラス」とは呼べないから名前を決めなきゃな」

どことなく嬉しそうだ。

僕の名前か・・・・僕の名前は僕が決めた訳じゃなくて、何時の間にかそう呼ばれていたんだ。


前知魔・・・それは能力の名前なのに酷いよね。


「ラピス、ラピス・クォーツでどうだ?」

ラピス・クォーツ・・・か、悪くないね。

「うん、良いと思うよ、ありがとう」

嬉しくて抱きついたら龍美ちゃんに睨まれちゃったよ。

クスクス それもまた楽しいと感じてる。

「メドーサもついでに名前どうだ?」

「私は人間の姿の時はアメルと名乗ってるよ」

「そうか・・・残念だ」

本当に残念そうにしている・・・名前付けるのが好きなのかな?


「それとラピス、余り楽観しない方が良いな・・・もし生きてる事がバレたらどうやって逃げる?」

考えていなかった。

「飛んで「それは止めておきな。例えラプラスだと知られなくても、魔族が街中を飛び回ってたらGSがやってくるよ」

「・・・」

手立てが無い・・ね。


「そうか、魔族として空を飛ばなきゃ良い訳だろ? なら、いい方法がある」

「文珠を使うのか界人?」

隣にいる界人をきょとんとした顔で見上げている龍美ちゃん。

どこか幼い感じを受ける。

体は大きいんだけどなぁ。

「いや、魔法の箒さ」

ニヤリと笑った界人。

黒いイメージの界人には中々に似合う。


彼はラプラスを仲間に加え、倉庫内は少し賑やかになった。


そして彼は徐々に孤独ではなくなっていった。


だが、彼の心は未だ癒される事は無く、それ以上広がりもせず。


唯、この世の不条理を思う。


無限の魔人 第十三話  〜ラプラス改め〜


end


あとがき
龍美が、龍美が会話に混じってない!!
ラプラスと界人の会話で全てが終わりました・・・_| ̄|○
こんなもんさ・・・そうそう・・・所詮私はこんなもんさ。
ラプラス女性化に賛否両論多数の声、いや、若干否定的な声が多いか・・むぅ。
別に意味も無く女性化させた訳でもないんですよ、禿げたキャラを書きたくない!ってのも有りましたが、もう1つ・・・まぁ、最初の設定付けでそういう関係になってしまっただけです・・・GSの「常識に囚われてはダメ」ですよ。
原作ラプラスとこの話のラプラスは別物だと思ってください。それで解決(何

次回は九尾さん案の炎の狐!? ご期待ください。


レス返し〜  
名前応募有難うございました。選定方法は5人の脳内会議で決めました。
まぁラピスってラプラスと似てる?とは思いますが、ばれないでしょう。多分

>メリアさん
初めまして。楽しみにして頂いて有難うございます。

>saraさん
綺麗な名前を有難うございました。残念ながら使う事は有りませんでしたが、感謝しています。

>数学小僧さん
初めまして。素晴らしい名前を有難うございました。名前は他の物に決まってしまいましたが、ラプラスについての知識を得られました。ありがとうです。

>法師陰陽師さん
二つもの名前を有難うございました。パンドラの箱って解釈の仕方が多数有るので困っちゃいますよね(関係なし
陰念は・・・ぶっちゃけ考えてませんでした! いやー、気づかせてくれてありがとうです。今後出るかは・・・分りません。

>九尾さん
>ラプラスの名前ですか〜。ど〜も原作のハゲな姿が浮かんで女ってイメージがわかないんですよね〜。
原作の禿げとこの話のラピスは別物です・・・気にしちゃダメです(またもや
名前応募ありがとうございました。マチという名前に至るまでの思考も態々有難うございます。とても納得しましたw

>にもさん
初めまして。
>正直、理由の弱過ぎなハーレム化に落胆気味です。
いつか分る時が来ます!・・・多分。(え
これからも「ふぅん?」って位の感じで読んでくだされば幸いです。

>MAGIふぁさん
>ラプラス女性化に萌えは無いと感じたので名前が思いつきませぬ。
>なんとなく仲間になってるが、それでいいのかメドーサも。
いえいえ、名前は簡単に思いつくものではないと思います。私も全然思いつかず皆様に頼りました故。
メドーサは・・・次回お楽しみに。

>無貌の仮面さん
初挑戦って萌えますよね(字が違う
素敵な名前を有難うございました。残念ながら採用されませんでしたが、めげないで下さい(ぇ

>通りすわりさん
初めましてー。
>ラプラス女性化、面白い展開です♪
>名前の案ですが、単純にラプラス、そして時計関係のクォーツから
>『ラピス・クォーツ』
>というのはいかがでしょうか。
通りすわりさんのラピス・クォーツが採用されました。
どうもありがとうございました。これから作中でラピスが活躍(?)するのを楽しみにしてください。

>Danさん
紫杏・ラプラとラピス・クォーツで最後まで競っておりましたが、残念ながら負けてしまいました。どうもありがとうございました。

>柳野雫さん
>ラプラス女化ですか・・。イメージわきませんねぇ・・(汗
全く別物と考えると良いです。無理に当てはめようとするから無理が出る(変な説明になってます。
横島君にはまだまだ良い思いなんてさせてあげません!(何

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