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▽レス始

「GSB横島修羅黙示録!!リポート7(GS)」

ルー (2004-12-25 01:41)
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―――坊主・・・こんな噂を知っておるか?


それは横島が続・幸福荘の管理人室の中でカオスと情報交換をしている途中、ふと思いついた様子でカオスが問い掛けてきた。


―――カオスによると、鹿島神社に奉納されていた“ある”物が京都に存在する霊的管理施設に移されたという噂が、オカルト関係者の間で誠しなやかに流れている・・・という話であった。


「しかし・・・可笑しくないか?―――あそこに奉納されてある布都御魂剣(フツノミタマノツルギ)は実物を模して作られた物・・・ 、・・・言っちゃあ悪いが霊的な力は期待できないぞ」


横島は首を傾げながら、更に沸いた疑問を口に出す。


「大体何故、茨城から遠い京都に移されたんだ?」


目の前にいるカオスも横島と同じだろう、納得のいかない顔をしながら言葉を繋げる。


「宝物殿の下から実物が見つかったそうじゃ・・・、そしてそれは使い方によれば恐ろしいオカルトアイテムになり得る―――、そういった理由で霊的、物的防御能力が高い施設へと移されたらしいのじゃが・・・」


カオスは続けて「京都に何故送ったのかは分からん」と呟く。


「はっきり言ってこの話は眉唾だと思うんじゃが・・・、この話に坊主はどうするんじゃ?」


カオスは横島に判断を任せる。


―――そして、


「俺達にはタイムリミットが迫ってるんだ・・・、少しでも可能性があるなら食いついてみるさ・・・、それに」


横島は視線を天井に向けながら呟く。


「狼探しのついでに寄れば問題ないさ」


               GSB横島修羅黙示録!!リポート7


  国道


              ドドドドドドドドドドドドォォォォォォン

道路に響く単車の排気音がけたたましく鳴り響く。


時刻は夕方、もうすぐ日が暮れるだろう――赤く染まる道路をサイドカーを装備した大型バイクが走り抜ける。


そのバイクを運転しているのは横島、そしてサイドカーで後方に飛んでゆく風景を眺めている蛍。


余談になるが二人はヘルメットをちゃんと被り、法定速度を守っていた。


―――二人は続・幸福荘を後にした後、旧市街地区へと足を向けた。


新市街地区には車道が存在しない為、その手前の旧市街地区の廃墟と化した建物のガレージに隠したバイクを回収する為である。


何故ガソリン車がまだ存在するかというと、エア・カーの普及は東京などの大都市までにしか広まっておらず、地方には未だにガソリン車が通常使われており、当然ガソリンスタンドも存在する。


ちなみに横島が使っているバイクは、カオス謹製であるので当然余計なオプションも存在したりする―――その一つがサイドカーではあるが、これは蛍をバイクに乗せることが必要となった今の状況になり、初めて横島がカオスに感謝してたりする。


閑話休題

横島は日が暮れるまでに隣の県に辿り着き、宿泊施設を確保しなければいけないので、法定速度ギリギリで急ぐ―――つまらない交通事故を起こしたりすれば面倒な事態に起こるからである。


―――が、


「!?」


                    ギャリギャリギャリ


横島は何かを見つけ、ブレーキをかけて車道の横に車体を着ける。


別段、車道のど真ん中に人が寝ているとかそういう状況ではなく・・・、


(キレイな姉さんが、車道の脇の森の中にいたような!?)


横島の目の端に映った女性が気になっただけだ―――彼の名誉の為に追記しておくが、彼のこの行為は決して煩悩のソレではなく、これから夜になるというのに森・・・かなり深い森に入っていく女性の身を案じただけだ・・・・


「タダオ・・・、どうしたの?」

「あ・・・いやな、キレイな女の人がその森の中に入っていったからさ、危険じゃないか?というより、何か霊的な物を感じるわけだ、うん・・・、というわけでちょっと見てこようか」


横島は蛍の視線に心が穢れているソレを自覚しながら、バイクを降りる。


「・・・見間違いだったのかな」

「歩きづらい」


その森は東京の近くとは思えないくらい深く、少し中に入っただけで何処か異世界を感じさせる。


流石に横島も、時速100kに近い速度を飛ばしていたので見間違いだったかと考える。


―――が、


「タダオあれ」

「ぉ!―――お姉さん、危ないですよ!」


蛍が指差した先に、先程横島が見かけた女性の姿・・・、横島はその女性に声をかけるが聞こえていないのか更に森の中へと進んでゆく。


「ちょ、ちょっとお姉さん!」


横島は蛍を気遣って丁寧に草木を選り分けながら、遠ざかる女性の背を追った。


「・・・」

「で、お姉さんどうしたんですか?」


横島は森の中を数分歩き続き、少し広い広場に出た所でようやく女性を捉まえることが出来た。相変わらず無言のその女性は背を向けているので顔は分からないが俯いている様子から、尋常じゃない様子が窺えた。


(もしかして、俺が首を突っ込む事じゃないのかも・・・、)


横島はちょっと後悔しながら、女性が何らかのアクションを起こすのを待つ・・・。


―――そんな横島の様子で観念したのか、その女性はゆっくりと振り向きかえり・・・、


「食い物寄越せえええええええええええぇぇぇぇ!!」


                      ブチッ


女性がとんでもなく大きな化け物と化し、襲ってきた―――蛍は横島の影に咄嗟に隠れる―――それは別に女性が怖かった訳ではなく・・・、横島から盛大に何かが切れる音が聞こえたからである。


                      ぱぁん!!


横島は襲い掛かる化け物を前にして、徐に手と手を前に突き出すと霊波を両手に溜めると思い切り手を叩く―――「サイキック猫だまし」である。(の強力版)


                          ポンッ


「うぎゃあああああ!!目が、目がぁあああああああ!!?」


軽い破裂音と共に現れる小さな影・・・、そいつはサイキック猫だましを眼前でマトモに食らった為に叫びながら地を転がりまわる。


「・・・」

「?」


横島はその影をジッと・・・、何処と無く苛つきながらに眺める。

―――蛍は横島の影にいたので無事であったが。


「スミマセン旦那!―――どうか、許してください!!」


焚き火によって灯される光の中・・・、横島達の前で土下座する小さな影――化け狸は平謝りしていた。


狸の話によれば、近くに化け狸が住んでいた縄張りがあったらしいのだが、突如現れたGS達によって住処を奪われただけでなく、更に狸達を狩り殺そうとしているらしい・・・。


その為、群れで逃げていたのだが食料が尽きたので、仕方なく食料を分捕ろうと人間を狙ったらしいのだが―――、狙った相手が悪かった。


「もう構わないさ―――、ただ蛍がやばい状況にあるんだがな・・・」


うつらうつらした蛍を土の上に倒れないよう気をつけていた横島は目の前にいる狸―――ポンの話の中に気になる単語が浮かぶ。


「なぁ、ポン・・・、そのGS達はお前達に行き成り襲い掛かったのか?」

「その通りなんですよ旦那!―――そのせいで仲間が何匹犠牲になったか・・・」


目頭(らしき場所)を押さえながら語るポン・・・、その話を聞いて横島はある種の確信を覚えた。


(悪徳業者とその手のGSが手を組んだって所かな?)


200年前の大事件により、妖魔達への認識は昔より強くなっていた。それに伴ってオカルト法も幾つかの条例が追加される事となった。


――その一つに『GSによる人妖相互理解協力法』が存在する。


これは古くから存在する智ある妖魔達と出来る限り争いを避ける為に、GSが人と妖魔との間を平和的に取り持つ事を定めた法案である。

――この法案はどちらかというと人寄りな考え方が多数見られるので、未だ改善の余地は存在するのだが。


閑話休題


横島達を襲ったポンは、別に人を食らおうとしたのではなく脅かして食べ物を奪おうとしたのであり、十分話し合える余地はあったのでは無いか――。


(大体、夜に化け狸達を襲撃して得するGSなんて存在しないし・・・、これは本格的に面倒事に巻き込まれたかなぁ)


―――横島は考えあぐねていた・・・、サッサと森から抜け出して京都へと向かうか・・・それとも狸達の面倒を見るか・・・、


(ちょっと前だとこんな面倒事には関わろうなんて思いもしなかったのに)


―――それを言うなら、森の中に入っていく女性を気にかける事の方がよっぽどお人よしだなぁ・・・、昔に戻ってきたのかな?


横島は人知れず苦笑する・・・本格的に蛍の素直さに影響されてきたかなぁ――、と。


「旦那・・・、旦那達を襲ったあっしが言えた義理じゃあ無いのは分かってますが、旦那の強さを見込んであっしらを助けてもらえやせんか!!」


ポンは地面に額を擦りそうな位に頭を下げると、横島に頼み込む。


「ポンを助けてあげられないかな・・・、タダオ」


何時の間にか意識をハッキリさせたのか、蛍は座り込んでいる横島に頼み込む。


―――しょうがないな・・・。


「分かった・・・その代わりポン達にも協力して貰うからな」


「分かりやした!」


横島は苦笑しながらも、気合を入れて作戦を練る。


「GSB横島が牢獄へ叩き込んでやるか!」


―――男達・・・、リゾート開発の業者に極秘で頼まれた依頼は極簡単な物であった・・・簡単な物である筈であった。


結果はかなり面倒な事態へと動いている――、――それもこれも!


「お前のせいなんだよ、このガラクタ!」

                     ドゴッ

「申し訳御座いません、マスター」


GSは傍らに立つ長身の男性――アンドロイドのパシリスクM・3に苛立しさを紛らわせる為に蹴りを放つ・・・が、アンドロイドであるパシリスクには痛覚が存在しないので、全く意味が無い――、それが更に彼の苛立ちが増させる。


「所長、落ち着いて下さい・・・、パシリスクの制御を忘れてた所長も悪いんですよ」


GS見習いだろうか、20代の青年は苛立っているGSに落ち着くように声を掛ける――が、その行為はただ単に火に油を注ぐ行為であった。


「ちぃ!―――カオスの爺もガラクタに余計な物を付けやがって」


そう毒づくGSはパシリスクの制御システムを稼動させる。


「マスター権限により、パシリスクM・3のMメタ・ソウルの凍結――、その間の制御はマスターの指示を仰げ」

「イエス、マスター」


GSの制御により、パシリスクの瞳から理知的な光は失った――、その無機物的な瞳は何処か蟲のソレであった。


―――動物の足跡をサーチしながら化け狸を捜すパシリスク・・・そして彼の後を追うGSは苛立ちながら、捕まえた狸をどう処理してやろうか暗い悦びで顔が歪んでいた。


(依頼は誰にもバレずに、リゾート開発地区周辺の妖怪の抹殺・・・、最初は楽だった筈なのに・・・)


ここでGSはもう一度パシリスクを睨み付ける


(このオンボロはオカルト法に違反すると、ほざいて俺達の邪魔をしやがって・・・、お蔭で大半を逃がしちまった)


男は霊体破壊ライフルを肩に下げながら、狸をどういたぶろうか考える―――。


―――彼はこれがまさに『とらぬ狸の皮算用』を自分達で実演するとは思いもしなかったりする。


                  ガサガサガサ


                        バッ

突如、近くの茂みが揺れる音に反応し、GS達はライフルを茂みに向ける。


―――が、


「所長!パシリスクが反応しません!」

「そんなポンコツ放っておけ!!――来るぞ!!」


パシリスクは後方で揺れる茂みに、気にもせずサーチを続けていた。それを助手の青年は指摘するが、所長はパシリスクを無視し、注意を茂みに向ける。


―――そして、茂みから何かが現れる。


                  ズルリ・・・ズルリ・・・

「「!?」」


二人の目の前に現れたのは、体長20Mは優に超える様な白い大蛇であった。


「う、うあああああああ!?」

「!?!?」

                    ズドドドド!

悲鳴を上げながらもその銃口を大蛇に向けると、ライフルを撃つ―――しかし、


                      ズル・・・ズル・・・

「ライフルが効かなぁっ!?―――うぁぁぁぁぁぁ」

「やめろ・・・やめろやめろ―――ぁああああ!」


全くライフルの効果が見えないばかりか、その大蛇の巨体を彼らに巻き付ける。

                     メキメキメキメキ

彼らはもう失神寸前である――。


そして―――彼らは大蛇の真っ赤な舌を見た瞬間に意識が・・・堕ちて・・・


「やったーー!俺達が人間を倒したんだー!!」


突如、周りの茂みから狸達が姿を現し、騒ぎ出す。


GS達は幻影を見せられていた――しかし、普通のGS装備である対霊アーマーの能力に狸達が幾ら集まっても幻影を見せることは出来なかったであろう。


―――しかし、ここに横島の[増幅]の文珠を使えばどうなるか。


結果、彼らはまんまと幻影を見せられて失神をしたのだ―――、この話が業界に流れれば誰も彼らに依頼しなくなるだろう。


(後はこいつらを匿名でオカGに通報すれ「ドゴォン!」!?)


突如響き渡る爆発音に狸達は先程までの高揚感を失い、パニックに陥る。


「皆!!落ち着いてここからぁあ!うぁああ!?」


ポンが皆を避難させようとした瞬間、土煙から突き出された腕から霊波砲が撃ち出されようとする。


「!?危ない!」


横島は足元に落ちてる石を拾い上げると、ポンに放たれようとする霊波砲を逸らさせるために腕の持ち主―――パシリスクの腕に投げつける。


                   ゴツ!

                        ズドン!


「ぉぃぉぃおいおい!――ポン!人間三人じゃなかったのか!?」

「だ、旦那!あっしにロボットと人間の区別なんざ無理ですぜええええ!」


横島は辛うじて霊波砲を避けれたポンに、恨み言を叫ぶ。


                   キュイイイイイイン

パシリスクはこちらへと向く・・・、完全に敵対したように思われたようだ。


「マスターの命令により、目標の妨害者を排除します」

「アンドロイドとマトモに殴り合えるか!?」


―――まずい・・・、人間三人だと思って先に小さな結界を張ってから文珠使ったのに・・・、今霊力を盛大に使うと後で調べに来るオカGにわざわざ俺の位置がばれてしまう・・・。


そうなると起こる事態は簡単に予測がつく・・・、先日の旧市街地区戦の再現だ。


―――霊力を極力使わないでの、パシリスクの無力化・・・一度再起動させるか。


霊力を体の隅々まで流す・・・、これによって身体能力の強化が出来るのだが―――


                    バシュ!

「うおぉ!」

                     ボコッ

ロケット・アームを木々の影に隠れてやり過ごすが、木が陥没して叩き折られる。


―――こんなバカ力と正面から誰がやりあえるか!?


次々と飛んでくる霊波砲を軽業師の如く避ける・・・が、事態は刻々と悪化していく。


―――遠くからでは攻撃が当たらないと学習したパシリスクは、近接戦闘に移行する。


           ブン!
                  ブン!
                          ブン!

大振りなストレートを、避け避けしていく・・・が、パシリスクはどんどんと小振りなジャブも交えていく。


―――攻撃がどんどんと正確に!?―――学習能力なんて厄介な物つけるんじゃねぇ爺!!


空に浮かぶイイ顔のカオスに悪態をつく横島だが、そんな余裕は毛頭無い。


            ヒュン!
                            ヒュン!
                    ズドン!


最後の賭けだと、パシリスクの大振りなストレートをギリギリまで引き付けてのカウンターを仕掛ける。―――が、カウンターは成功するもののアンドロイドの装甲は恐ろしく堅かった・・・。


―――こっちの手のほうがヤバイ・・・、こうなったら霊波が残るのを承知で潰すか・・・、その後このパシリスクは処分しないとマズイが・・・。


逃げる横島は霊波砲を避けながら、ごり押しでパシリスクを攻略するかどうか考える・・・、

―――しかし横島はこんな事態の中でふとカオスが珍しく愚痴った時の事を思い出していた。


「ワシはな・・・Mシリーズを販売した事を後悔しておるのじゃ」


普段は殺しても死なない様なカオスが、珍しく横島に愚痴っていたのだ。


「Mシリーズにマリアの魂を搭載したのは、お金儲けの為だけじゃない・・・、GSのモラルが低下していく混沌としたこの状況を何とかしたくて、優しいマリアの魂をGS達のサポートに付けることによって食い止められないかと考えたからなんじゃ・・・、」


「結局は理想論じゃったな」と寂しく笑うカオス・・・、それに何て言えば良いのか分からない横島は唯、話を聞くのみ。


「そして、オカGの連中はついにはアンドロイドに魂を搭載しない・・・正しくただの殺戮兵器を完成させてしまった・・・ワシの資料によっての」


カオスは酒を煽り、サキを見つめる。


「ワシは、マリアの妹や弟をこの手で救いたい・・・何としても」


横島はカオスは最初から決意できていたことを知った・・・、


(大人なんだよなぁ・・・アイツも)


―――そして、目の前で襲ってくるアンドロイドを殺すか殺さないかでまだ迷ってる俺は子供なんだろうなぁ・・・。


横島はこのアンドロイドの世話をすることにした・・・その為の一瞬の隙―――それさえあれば!


―――その時、彼に天恵ならぬ狸恵が与えられた。


突進するパシリスクが急につんのめる。


                   グイ!


「―――?」


「旦那!大丈夫ですか!」


ポンが仲間を率い、足元に蔓を張る事でパシリスクが体勢を崩す。


―――この隙は逃さない!

                パチパチパチパチッ


横島は一足でパシリスクの背に立つと、その手に霊力の集め塊を作る。


「ふっ!」

                   バチィ!

「!?―――――・・・」


パシリスクの表面を霊力が電気の様に奔り、その活動を停止させた・・・。


「あ、もしもし?超常犯罪課窓口さんでしょうか?・・・はい、はい――ーえっとですね・・・、妖怪を無断で殺害しようとしていたGSの人が寝転がっているんですが?え、あぁその妖怪の人に話しを聞いたので間違いないです・・・えぇ、あ、私ですか?ここでは匿名とさせていただきますが・・・、えぇ、そうです、あの国道の近くの道路沿いです、えぇあ、はい、分かりました。いえ、国民として当然の義務を果たしただけです、それでは・・・。」


「で、ポンさんがこいつらを伸したという訳でしょうか?」


がたいのいい黒服の男性―――大江大尉は目の前のポンに事件の詳細を聞き出しているのだ。

大江が指指した先には、担架で運ばれていく二人――GSとその見習いである。


「あっしだけじゃねぇ、あっしらで倒したんだ―――、全く、人間は物分りが・・・ん?」


ポンは言葉を切ると、突然大江に鼻を近づけ臭いを嗅ぎ出す。


「な、何をしているでありま「あんさん・・・真っ当な人間じゃないな」・・・」


ポンは途端に景気のいい顔をしだすと、先程の非礼を詫びると事情聴取に積極的に協力しだした。


「つまり・・・彼らはポンさん達の住処を襲撃し、仲間を何匹も殺された・・・と?」

「その通り・・・、全く人間て奴はなんてことをしでかす・・・それに比べ旦ぁ!?」

「だん?」

「あぁ、間違い間違いだ、気にしなさんな」


カラカラ笑うポン―――その額には汗らしきものがあるが、大江はそこは流して、最後の確認を取る。


「で、犯人は二人で通報した人は分からないと」

「そうそう」

「・・・、成る程。ご協力感謝します!」


大江は今まで聞いた内容を、記録すると敬礼をした後部下を伴って帰っていった。


 国道――県境


朝日が差す道路を一台のバイクが疾走していた。


そのサイドカーには、夜の間ずっと寝ていて元気が溢れている蛍―――そして、つめるように座っているのは寝不足でグロッキー気味な横島。


―――そしてバイクにはパシリスクが運転していた。


あの後、再起動を果たしたパシリスクを置いていく事は出来なかった。それは霊波が残っている為に残しておいてはマズイという事と、犯罪を行ったアンドロイドは如何にどんな理由があろうともスクラップにされてしまうからであり、それを良しとしなかった横島が連れて行くこととなったからである。


―――ちなみにパシリスクは自重が100k以上ある為、カオス謹製のバイクで無いとすぐに潰れてしまう所であり、珍しく二つもカオス改造バイクからいい所が見つかってたりする。


「マリアお姉ちゃんと似てるね」

「私の魂は、M-666の魂から派生しているのでマリアとは弟の様な関係です」

「じゃあ、私とパシリスクは兄妹ってことかな?」

「―――そうとも言えますね」


傍から聞いてたら頭が痛くなる会話を続ける二人。


――しかし、これで蛍の情操教育に役に立つと思えばいいのか・・・なぁ?


横島は、自分がこの会話に参加するのを恐れ、サイドカーで狸寝入りを決め込むことにした。


あとがき

長い・・・かなぁ。
とりあえず、何とか書き上げました。
批評感想お願いします。

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