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▽レス始

「心眼は眠らない その12(GS)」

hanlucky (2004-12-23 19:26)
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辺りは、先の静けさとは一変、急に騒がしくなった。

横島が助けた女性は、女性捜査官によって保護されていく。

その中で一人の男、女性ほどの髪の長さを持つ男性が横島へ振り向く。

「ああ、自己紹介がまだだったね。僕は西条。
 オカルトGメンの一員さ。」
「オカルトGメンって・・・あんたらの事か」

横島と西条、運命の出会い―――


――心眼は眠らない その12――


「遅いんじゃボケッ!!!」


―――にはならなかった。


「あんたらプロだったら、辺りに漂う霊気で気づけ!!
 しかも、助けた美女の名前もまだ聞いてないのに勝手に連れて行きやがって!!」

せっかくのカッコいい前半のセリフも後半のセリフで台無しである。

「いや本当にすまない。君のおかげで犠牲が一人でも減った。
 本当に感謝している。」

西条は本当に悪いと思っており、オカルトGメンを代表して頭を下げる。
流石に横島もそこまでされたらこれ以上怒れないので、
顔を上げる様にと言う。

「しかし、若いのに大した腕前だよ、君。あの相手にあそこまで戦えるなんて。」
「そっそうっすか!」

普段、あまり褒められないため、すっかり気をよくする横島。
始めは西条の容姿に僻んでいたが、途端に好印象に変わってしまった。

「そういえばこれほどの霊能力を持っている君がどうしてここにいるんだい?」
「あっ!俺っ、私、横島忠夫と言い、急な用事で来られなくなった美神所長の
 代理です。この度は、オカルトGメンとの共同除霊と聞きやってきました。」

横島はロンドンに着く間、心眼の勧めでちゃんと自己紹介の練習をしていた。
心眼の思惑に時給UPという文字がちらついていたかどうかは定かではない。

「ん、そうか!君が令子ちゃんの助手かい?
 改めてよろしくお願いするよ。これから一緒にチームを組む西条輝彦だ。」
「(・・・令子ちゃんだと?)あの、美神さんとはどのような?」

令子ちゃんという単語にあきらかに横島の顔色が変わった。
しかし一応とはいえ事務所の代表なので耐える。

「ああ、彼女とは小さい時の知り合いでね。よくお兄ちゃんと言われて
 懐かれていたよ。ちなみに令子ちゃんのお母さんの弟子でもあるんだ。」
「あ!お義兄さんですか!」

横島、おもいっきし字が違うようだ。

横島の意味不明な勘違いもあってなんとか友好ムードは保たれた。


一同はロンドンの本部に着き話し合いを再開する

「あのそれで今回の共同除霊ってどんなんすか?」
「それはだね、実は先ほどの相手がそうなんだよ。」

先ほどの相手、つまり女性を切りつける事に執着していた怨霊のことである。

最近ロンドンではある事件が発生していた。

数人の女性がここ数週間で残忍な死体となっていったのだ。
死亡原因はどれもメスのような凶器で切りつけられてのショック死等である。

西条は写真を横島に見せる。
顔色が悪くなる横島、だが同時に、

「くぅ〜こんなえぇ姉ちゃんを殺しやがって!!」

まだボケる余裕はあるようだ。ていうか不謹慎なヤツである。

西条は横島の反応に戸惑いつつも、”虚勢を張っているのだろう”
と自己完結する。それほど先の戦闘が西条の中では、
横島の評価を高くしたのだろう。

「被害者の名前と、殺害方法から犯人がどんなヤツかはわかったんだが・・・」
「それなら、なんで捕まえないんすか。」

西条は横島の問い掛けにこう答える。


「ジャック・ザ・リッパー、日本では切り裂きジャックと呼ばれているね。」
「えっあの有名な!」

切り裂きジャック、1888年8月31日から約2ヶ月で5人の娼婦を
残忍な手口で殺害し、そのまま犯人は逮捕されずであった。
一説では8人や13人殺したとも言われている。

「今の所わかるのは、狙われているのは女性で、名前が当時と同じと言う事さ。」

西条は続けていく。
始めはの被害者から3人目までは歴史上では名の残っていない女性であった。
そのため、始めは無差別殺人か?という疑いもあった。

しかし4人目からはメアリ・アン・ニコルズという女性で、
年齢、職業、殺害現場こそ違うが、殺害方法が歴史と全く同じであった。
だがこれによってジャックの存在が浮かび上がった。

5人目からはオカルトGメンも本腰を入れ始めたのであったが、
連携がうまくいかず、被害者を保護する前に、またもや犠牲者を増やしてしまった。

5人目の時、西条はジャックと剣を交え、最初こそ押されていたが、
流石は、美神美智恵の弟子、途中でリズムを掴み、攻勢に出る事ができた。
まわりの皆もこれで決着が着いたであろうと思い始めていた。

西条の剣がジャックの首を断ち切った時、皆は油断してしまった。
西条自信も手ごたえがあったので、気を緩めてしまった。

首と胴が分かれたジャックは、首が途端に消滅し、

そのまま、西条の横を依然変わらぬ速度で通り過ぎてしまった。

このとき接近戦が可能であったのが西条一人だったのが災いした。
女性を保護していた捜査官はあっという間に殺され、
女性は首を切られ、内臓にも無数の刺し傷が作られた。

そのままジャックは一瞬で仕事を終わらせ、そのまま逃走した。
その時はすでに首が新たに生え変わっていた。

「そして昨日の事件、エリザベス・ギュスターフスドッターさんは、
 僕の到着が間に合わず、そのままやられてしまった。」

何故、西条がその被害者の近くに居なかったのか。
それはその女性の名は、今までの被害者と違いロンドンに複数存在した。
そのためオカルトGメンがそのすべてを把握する前に事件は起きてしまった。

「あとは君も知るとおりだよ。君が偶然とはいえ、
 あそこにいたのは本当に運が良かったよ。」
「はぁ〜」

実際はジャックの気配に反応し、心眼と共に追跡したのである。

「それで今度のヤツのターゲットはメアリ・ケリーさんと思われる。
 僕は令子ちゃんにおとり捜査を頼もうと思っていたんだがね、困ったな。」

ちなみに何故、西条が美神を知っているのかというのは、


―――数ヶ月前


西条は友人からある映画を進められていた。
その映画は今年の映画界で破竹の勢いで賞をかっさらっていた話題の映画であった。

まぁ機会があれば見てみるかと言う気持ちだったのだが、
女性の誘いを断る西条ではなかった。
映画館に入り物語が流れていく。

物語は、二人の男女が霊団に追われているシーンに差し掛かる。

「へぇ〜皆が勧める気持ちがわかるな、この女優、実にいい顔をしているよ。
 しかしよく取ったな、こんな映像なかなかできないぞ。」

そりゃそうです、本物の霊団ですから。

物語は終わりスタッフロールが流れていく


―GSアドバイザー・美神令子―


「えっ!・・・令子ちゃん!?」


その後流れた、横島忠夫と言う文字は無視られた。


西条はその後映画を何度も見直し、美神のシーンをチェックしていた。
その後、オカルトGメンの支部が出来ると聞き、
日本は自ら行くと言い出した。

今回の共同除霊も裏で西条が動いてたとか動いてないとか・・・


―――回想終了


「じゃ、どうするんすか?」
「それなんだが・・・もう一人心当たりがあるので、
 そっちに当たって見ようかと思うんだ。」

西条にはもう一人心当たりがあったらしく後でそちらに頼みいく事になる。
そしてそれについていく事になった横島。

『ところで敵は首を断っても消滅しなかったのだろう。
 しかもおぬしの剣は霊刀なのだろ、それも人間製ではなかなかの物と見える。
 それで倒せなかったのだ、どうするつもりだ。』
「なっコレは!?」

今まで黙っていた心眼が口を開く。
それに驚き、何気に失礼な西条であったがスルーされたようだ。
横島は心眼の紹介を済ませる。

「それについてはだが、目標を追い詰めて、広範囲の攻撃をして、
 一気に滅ぼすして再生を許さない作戦だが、なにか?」
『・・・まぁ、それでも滅することが出来んわけではないが、
 もっと効率がいい方法がある。横島、おぬしはアヤツを見て、
 霊波の流れがどこを基点にしていたかわかるか?』

横島はしばらく思い出すために悩んだ後、

「あっそういえばあの凶器が基点になっていたな、確かだけど・・・」
「何だと!・・・そうか!!だから首を切った時も反応が無かったのか。
 いわば体は仮初、いくら体を倒しても本体が無傷であるため、
 いくらでも再生できるわけだ!!でかしたぞ、横島クン!!」

西条の顔に明るさが戻る。

その後しばらくするとメアリ・ケリーが到着した。

「これで後は彼女におとりを頼むだけだ!!いくぞ横島クン、
 善は急げだ!!」


横島は西条に連れられて、中世的な一軒家を訪れる。

扉に近づきインターホンを鳴らす西条。

「は〜い。」

一人の魔女ルックで可憐な女性が玄関から出てくる。

「ぼっ僕、横島!!あなたと会うのをずっと楽しみにしていました。」
「えっ?」
「よっ横島クン!!」

西条は横島を勘違いしたままなのでうまく止める事ができないようだ。
横島の行動に戸惑う女性、暴走し続ける横島。

『時給』

何か心眼が呟き横島がやっと収まる。

「とりあえず自己紹介してくれるかな?」
「魔鈴めぐみです。西条先輩とは、大学のオカルトゼミで一緒だったんです。」
「いや、お美しい、正に『横島』・・・続けてください」

心眼のドスの聞いた声でやっと暴走を止める横島。

西条が囮を頼む相手は魔鈴めぐみといい、彼女には天性の魔女の素質があり、
わずかな記録などをたよりに様々な魔法を復活させた現代の魔女であった。

「こちらは横島忠夫君といって、今回僕の助手を引き受けてくれる。」
「へぇ〜お若いのにすごいんですね。」
「そんな事ないっすよ!!魔鈴さんのほうがずっとすごいっす!!」

ノリノリの横島、普段の美神の有り難味が分かるというものだ。
うるさくて仕方が無い。

「・・・横島クンそろそろいいかな」

流石に評価がぐらつき始めた西条であった。
しかし横島もしめるときはしめるようで途端に騒ぐのをやめる。

(へぇ〜こんな顔もできるんですね)

横島のギャップ作戦が無意識で発動した。
魔鈴はさっきまでとは明らかに違う横島に思わず見とれてしまう。


「では詳細な作戦を説明するよ」


オカルトGメン・横島・魔鈴 VS ジャック・ザ・リッパー
最終バトルの狼煙が上がる


「こちら西条、全員異常はないか。」
「問題ありません。」
「こちら、変わりなし。」
「異常なし。」

おとり捜査が開始され、すでに6日目になる。
ジャックの活動時間はいままでの犯行から見て、
夜7時から深夜の3時と予測されていた。

現在、魔鈴は魔法によって容姿だけでなく霊波までも狙われる女性を真似ていた。
だが流石に魔鈴も一週間近くの捜査に疲労を感じていた。


ゾクッ


「・・・心眼、来たみたいだぞ。」
『そのようだ、しかし何故だ?以前より霊圧が増しておるようだが。』

横島はすかさず西条と連絡を取る。

「そうか、わかった。魔鈴くんは確かに優秀だが、あの相手をして
 そう長くは持つまい。すかさず僕たちが前後から囲んでやつが持っている
 凶器を攻撃するんだ。タイミングは僕に任せてくれ!」

西条はそういって無線を切る。

横島の予告どおり、魔鈴の前に不気味な男、ジャック・ザ・リッパーが現れる。
横島は西条に催促するがまだ合図はでない。
合図を出すのは、部下が完全に目標を囲む必要がある。
そう、今回はジャックを中心に結界の準備を行っている。

「さて、でましたね、連続殺人鬼さん。」

変化中の魔鈴はその場で立ち止まる。

魔鈴にゆっくりと向かってくるジャック。


「心眼!!アイツ、前と全然違うぞ!!」
『まずいな。』


霊波の流れが一気に乱れる。


「!!!やばい、魔鈴さん、逃げて!!」
「えっ!?」
「横島クン!!まだ早いというのに」


西条は横島の突然の行動に慌てる。


しかしジャックがいきなりトップスピードで魔鈴に迫る。


横島はすかさずサイキックソーサーを放つ。


ジャックに届く瞬間、それを爆発させるが、横に飛び回避される。

横島は魔鈴の元に急ぐ。

だがジャックの方があまりにも早い。

魔鈴は変化を解き、箒を持ってジャックを迎え撃つ。


「やぁ!!」
「%&!$%&$」


魔鈴の攻撃はジャックにしてみればあまりにも遅すぎた。

ジャックの凶器が魔鈴を襲う。

「くっ!!」

それを紙一重でかわす魔鈴。

だがジャックの追撃は止まらない。

第二撃が魔鈴の髪を掠り切られる。


「あっあれ!?」
『むっ!!』


いきなり魔鈴の膝が崩れ落ちる。


「*#$%#*+」


そこにジャックの凶器が魔鈴の顔を目掛けて下りてくる。


だがその時、突然吹き飛ぶジャック。


「大丈夫ですか!!魔鈴さん!!」


横島がサイキックソーサーを放った後―――


目の前ではあまりにも分の悪い勝負が展開されている。


西条の加勢も間に合いそうに無い。


ただ走っているだけじゃ間に合わない。


「間に合えよ!!」


敵の第二撃をかわしたはずの魔鈴が崩れ落ちる


サイキックブレットを放つ横島。


本体にこそ当たらなかったが、体に命中させる。


対応しきれず、吹き飛ぶジャック。


急いで魔鈴に駆け寄る横島。


「大丈夫ですか!!魔鈴さん!!」
「・・・はい、ありがとうございます。おかげで助かりました。」

みて見ると、魔鈴の頬からかなりの血が流れていた。
最後の一撃がほんの少し間に合わなかったのだ。

「まっ魔鈴さん・・・その傷・・・」
『急いで答えてほしい!!切られた時、力を奪われなかったか!?』

横島が、動揺している間に
質問ではなく確認の意味で聞く心眼。

「え・・・はっはい!!そうです・・・」
『!!向こうも霊刀の一種か・・・横島、西条どのが危ない!!』
「おうっ!!・・・魔鈴さん待っててくださいね!すぐにそんな傷、直しますから。」

横島は魔鈴を安心させたかったのか笑みを浮かべながらそういう。


横島は魔鈴に応急処置のヒーリングを施した後、


ジャックに向かっていく。


横島の霊圧が一気に跳ね上がる。


「あの野郎はぶっ殺す!!・・・魔鈴さんのお顔に傷をつけやがって!!」


怒り心頭の横島。


「全く・・・彼も男の子なんですね。・・・ちょっといいかも。」


魔鈴には横島の背中がなんだかとても頼もしかった。 


――心眼は眠らない その12・完――


あとがき

詰めすぎといわれたら、いきなり3話なってしまった作者です。
え〜とこれぐらいの長さでいいのかな?

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