「随分と気持ちよさそうじゃな?黒狼にそこまで仕込まれているのかの? ん?」
体を咥えたまま器用に喋り、口元に笑みを浮かべている。
これは僕のプライドを奪う為だ。屈する訳にはいかない。
屈すれば、僕の全てが九尾に呑み込まれてしまう。
「どうじゃ?言えば楽になれるのじゃぞ?」
「っ・・う・・だ、黙・・・れっ!」
「・・・その強情さ・・後で後悔するぞ?」
九尾は甘噛みを止め、首筋をベロリと舐め上げ、五本目の尾を首に巻き付けた。
「主の体は儂が握っていることを忘れておるな?」
グギュッ!ミシッ・・ミシッ・・
「かっ!?・・は・・ぁっ・・・っ!」
万力の如き勢いで尾が各部位を締め上げた。
骨が悲鳴を上げ、激痛が全身を駆け巡るも首を絞められ、激痛に叫ぶことも、呼吸さえ出来ない。
「どうじゃぁ?苦しいか?苦しいじゃろうなぁ・・?」
しかめる顔の頬に前脚を添え、苦痛に歪む表情を見て幸福に浸ったとろけた眼で愛おしそうに反対の頬を何度も舐め上げた。九尾の口からこぼれる唾液が服を、純白の毛並みを生臭く汚していく。
「あぁ・・主を早く喰らいたい。じゃが、責め苦を味わわせてもやらねばならぬが・・飽きたの。」
尾の絞首刑から解放された体は糸の切れた人形のようにペタリと地面に落ちた。
「さて・・どこから喰ろうて欲しいのじゃ?」
声を出そうとしても声が出なかった。もう死んでるんじゃないか?と思えるぐらい体の反応が無くなっていた。
空気を貪りながら、九尾を・・・睨んだ。
「・・・お主は儂を怒らせるのが好きじゃと見た。良かろう・・・足から呑み込んで最後の最後までなぶってやろう!」
グ・・グパァッ!シュルルルッ!
無数の唾液の飛沫を飛散させ九尾の滑った口内が露わになると同時に二本の尾が体を巻き取り口前に持ち上げた。
大きさの異なる牙が不規則に並び、何本かは赤黒い乾いた血がこびり付いている。
吐かれる吐息は直に僕を襲う。
生臭い・・血の臭い・・生暖かい・・纏わり付く。
バクッ!ムグムグッ・・・・
足から僕は咥え込まれ、下半身に舌が巻き付く。
口から唾液の糸を引き、尾が引き抜かれた。
尾先は唾液でぐっしょりと濡れ、唾液が滴っている。
アグッ・アグッ・・ムグムグ・・
グチュグチュ・・モグモグっ・・
「ぇうあっ・・あはっ・・ぇふっ・・・・」
舌は下半身を余す事無くまさぐり、さらに何度も、何度も下半身を甘噛みされ、噛み解されてしまっていた。
グジュッ・・・ニジュッ・・
自然に喘いでしまう中、体が九尾の口内に引き込まれ。
「儂の口内で地獄を味わうが良い!」
ジュルッ・・バクン!
遂には体全身が引き込まれ・・暗くなった。

 

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