歩いていると、見るからに深そうな森を見つける。 ピカチュウ「ここの先・・・だったよな。」 肩にかけたバッグから、携帯を取り出す。携帯の画面はここら周辺の地図を表しており、今回の事件発生現場に印がしてある。 印はこの森の奥を指していた。 ピカチュウ「この奥・・・・・か。ちょっとどきどきするな。」 そう言いつつ足を踏み入れていく。 景色が森だけあって木ばっかりである。 やがてピカチュウの周囲はドンドン暗くなり、やがて1m先さえも見えなくなる。 ピカチュウ「ちょっと暗すぎる・・・。『フラッシュ』!」 自分の電気を使い周囲を明るくする。遠くまでは見えないが、結構明るくなった。 ピカチュウ「現場・・・・はあと少しか。」 すこしずつ足を進めていく。 ピカチュウがこの森に入り数時間が経過する。時間がたったのか、森自体が暗くなっていて、フラッシュでの見える範囲が少し狭くなっていた。 ピカチュウ「ここら辺なんだけど・・・・・ん?」 急にガサゴソと物音がしてくる。しかも、どんどんその物音は大きくなっていく。 ピカチュウ「ついに出てきたのか・・・な?」 ちょっと不思議がり周囲を見回す。さすがにこの暗さ、いつ襲い掛かってきてもおかしくはない。 数分の沈黙の後・・・ ガザァッ! 突然大きな物音。それと同時に巨大な物体がピカチュウの真ん前に現れる。 ピカチュウ「うわぁっ!」 物音とその大きな物体で後ろへ数m転がった。 なんとか体勢を立て直し、その物体を見る。 結構ぐるぐると回ってしまい、目も回った。その目の回った状態で、その巨大な物体を見た。 ぼんやりとだが、なんとかわかった。 その正体は、 「カイリュー」 ピカチュウの目のまわりがやっと治り、 カイリュー「この森になんの用だ?」 叫ぶまではいかないがとても大きな声で話しかけるカイリュー。 ピカチュウはその大きな姿、出てきたときの物音で動揺している。 カイリュー「なんの用だと聞いているんだ!」 カイリューが立て続けに問う。 ピカチュウ「え・・・・・えっと・・・・・」 (ヤバイ!声が出ない!このままだと確実に・・・・・。) 小さな声が出るが考えではすごく恐ろしいことが浮かんでいる カイリュー「は?なんていった?」 バッグから携帯を取り出し、見せる。 (これで・・・・・なんとかなるかな・・・・。) カイリュー「そうか。おまえがが・・・。」 ピカチュウはなんとか動揺を静めようとしている。 カイリュー「これはなんと好都合。では、はじめましょうか。そっちでいう、救助とやらを!」 突然カイリューが上空へ飛ぶ。 ピカチュウが動揺を静めた直後に、身の危険を感じ、来た道を戻る。 ピカチュウ「ここじゃ場が悪い。とりあえず草原に戻ろう。」 (多分今回の依頼での倒す相手は、このカイリューだろう。それにしてもあの巨体、いままで見たカイリューとは大きさがずいぶん違う。最近の突然変異というやつか?) ピカチュウは『電光石火』を使い、急いで来た道を戻る。その上空、カイリューはそのピカチュウを狙っていた。 カイリュー「さぁて、森から出てきたところを狙ってやるか。」 カイリューはピカチュウよりも早いスピードで空を飛び、森の入り口に行く。 そのころピカチュウは・・・。 ピカチュウ「どれだけ深くもぐったんだろう。ぜんぜん出口が見えない・・・。」 ピカチュウはそれでも必死に駆ける。 それから数分後 ピカチュウ「やっと見えた・・・。」 なんとか出口が見える。周囲はすこし明るくなっている。もうすぐ朝なのだろう。 出口というゴールが見えたことで、心の緊張みたいなものが解け、歩いて出口に向かう。 ピカチュウ「そろそろ・・・・・・かな?」 カイリューのほうは出口でいまかいまかと待っていた。 ピカチュウ「・・・・さすがにココで油断しては危ない。身を軽くするためにバッグはここに置いとくか。」 出口付近に投げ捨てるようにバッグを置く。そして、草原へと出る・・・・・・・・。 突然のまぶしい光、 ピカチュウ「うわっ!まぶしっ!」 出たとき、ちょうど朝日が昇り始めており、それを直に見てしまったピカチュウ。 目の前が真っ白になり、何も見えない。 「捕食探偵がそんなレベルとはな。」 とつぶやくと、カイリューは自分の尻尾でピカチュウを捕らえる。 ピカチュウの視界は、目の前が真っ白になったあと、紺色へと変わる。 直で朝日を見て、感覚が鈍ったのか捕らえられたことすらわからない。 そしてピカチュウを捕まえたカイリューは、 「聞こえるかはわからんが言っておく。今回のおまえの相手はこの俺だ。」 と言うと、ピカチュウをだんだんと口元に近づけていく。 ピカチュウ「う・・・う〜ん・・・。」 やっと周囲が見えてきた。だけど感覚はいまだに鈍っており、現在空中にいることすらわからない。 ピカチュウ「景色・・・、いいね。」 なんとも緊張感の無いことをさらっと言うピカチュウ。 カイリュー「では・・・」 カイリューが口をあける。そばで見ていた人ならわかるだろう。その口の大きさ。ピカチュウがすっぽりと覆い隠してしまいそうなほどだ。 カイリュー「ん・・・。」 カイリューはこれから始まる序章をとおもったか、ピカチュウを舌で舐め始めた。 べろぉっ。ぴちゃっ。 ピカチュウ「うっぷぁ!」 顔を舐められて、やっと感覚が戻ってきた。 ピカチュウ「うっぷぁ、なんだコレ。このみずっぽさ・・・。」 手を上げると、手から腕にかけてどろっとした水っぽいのがしたたり落ちる。 カイリュー「やっと気がついたか?」 ピカチュウの目の前でカイリューが話しかける。 ピカチュウ「うわっ!なんでこんなところに・・・・・・くっ!」 抜け出そうとするがギュッと締め付けられ抜け出せない。 だが、手は出ていた。ピカチュウは手に力を込める。 手から青いオーラが上がる ピカチュウ「もう少し・・・。」 青いオーラが出て数秒後、一瞬光る。 ピカチュウ「いまだっ!『メガトンパンチ』!」 カイリューの尻尾に『メガトンパンチ』を打ち込む カイリュー「うぐっ。」 すこしカイリューがひるみ、尻尾の締め付けがゆるくなった。 そこから、ずるっと地面に降りる。 カイリュー「ッチ。」 カイリューが舌打ちをする。 ピカチュウ「さっきは油断したけれど、今度はそうはいかない!」 カイリュー「へぇ、この状態でか?」 ピカチュウが周囲を見回すと、また尻尾でつかまった状態になっていた。 ピカチュウ「えっ!いつから!?」 カイリュー「それでは改めて、ハグッ!!」 ピカチュウの上半身を銜え込む。 ピカチュウ「うわっ。」 突然暗くなるとおもったら、間髪いれずに舌で舐め始める。 べちゃっ。ぬちゃっ・・・ ピカチュウ「うわっぷ。この・・・!」 バタバタバタッ!と暴れてみるが逆にカイリューの唾液にまみれていく。 カイリュー「この程度か・・・。」 カイリューは一気にピカチュウを口の中に収めてしまった。 ピカチュウ「うわぁっ。」 一気に入ってしまった。 カイリュー「早めに終らせるか・・・。」 ゴクッ! ピカチュウは一気に呑まれてしまった。 ピカチュウ「うわぁぁああああ!!!」 呑んだ後・・・ カイリュー「この後、どうしましょうかね・・・・。」 ピカチュウ「ぐっ!!」 ドチャッ、と音を立て、どこかに落ちたようである。 ピカチュウ「うぅ〜。頭が痛い・・・。」 落ちたときに頭を強く打ってしまった。 揺れる床にバランスをとって立ち上がる ピカチュウ「立ったのは良いけど・・・、確かカイリューに呑まれたんだよね・・・。」 フラッシュを使って周囲を見回す。 すると数メートル先にイーブイがいた。 イーブイのほうはすごく弱っていて、ほとんど動いていない。 ピカチュウ「大丈夫ですか?イーブイさん!」 走ってイーブイに近づく。 「だ・・・いじょ・・・・」 喋る体力も無く、これを言うのが精一杯のよう 「もういい!もう喋んなくていいから、無理しないで!」 あわててイーブイの口を押さえる。 ピカチュウ「今助けるから・・・ね。」 やさしくイーブイを抱える イーブイを抱えた次の瞬間、胃壁が収縮しはじめた ピカチュウ「やべっ、このままじゃ確実にやられる!」 危険を察知し、足元の胃壁に手を当てる ピカチュウ「『十万ボルト』!」 電撃が一気にカイリューへ流れる カイリュー「ぐぅ・・・このピカチュウのせいか・・・」 カイリューはピカチュウの電撃に耐えようとするがなんせ体内からの攻撃、手の出しようがない。 カイリュー「ひとまず出すか・・・ガハッ」 ピカチュウとイーブイを一気に出した ピカチュウ「よっとっと・・・・、」 カイリューの口から勢い良く地面に向かって出されたがイーブイをかばいつつ受身をして立つ カイリュー「よくもやってくれたな!この!」 カイリューが破壊光線を打つために溜めはじめる ピカチュウ「イーブイさんはちょっとまってね〜、」 イーブイをおろしてから、ピカチュウは両頬から電気ショックをカイリューの口めがけて打ち出す カイリュー「ぐあぁっ!!」 カイリューにはかなり効いたようであった。破壊光線のチャージも途切れ、マヒしだす ピカチュウ「ここで一気に!」 さらにメガトンパンチをカイリューの腹めがけて打ち込む カイリュー「ぐぁぁぁぁぁあっ!」 一気に倒れこんだ それから数分後 ピカチュウ「ん・・・ぐぅ・・。」 ピカチュウが起き上がる。倒してから気絶していたようだ。 「うわぁっ!!」 ピカチュウのすぐ右隣にカイリューが倒れている。ビックリして大きな声を出してしまった。 左隣には、イーブイがいた。気絶している間にずいぶんと回復したようだ。 イーブイ「さ、次にいかなきゃ!ちょっと見させてもらったけど、あなたまだ依頼残ってるじゃない。」 励ますように背中を叩きながらイーブイがピカチュウを起こす。起こした後に鞄を手渡す ピカチュウ「依頼残ってるっていえば残ってますね・・・。」 ピカチュウが起き上がり、携帯を見る。 イーブイ「助けてくれてありがとう。お礼の方はあとで郵便でおくっておくね。」 イーブイはピカチュウの住所まで見たらしい。 ピカチュウ「わかった。じゃあ僕は次の依頼に行くね。イーブイの方もまたやられないようにね。」 そう言って、ピカチュウとイーブイは別れた。 その後ピカチュウはというと・・・ ピカチュウ「やっべえ!予定時間10分もオーバーしてる!消化されてなければいいけど・・・。」 携帯を見ながら走って次の現場に行くのだった。 |